放射線1 胸部単純X線写真(正面・側面像)
両肺びまん性,右側優位に不均一なすりガラス影および網状影があり,右肺および胸郭の容積減少を伴っている.CPアングルはスペアされており,吸入性病変の可能性を疑う.
放射線2 胸部単純CT縦隔条件
リンパ節腫大や食道拡張などの特記所見はみられない.
放射線3 胸部単純CT(高分解能CT,全体像)
両肺びまん性の病変で,正常な断面が1枚もなく,水平断面においても中枢から末梢まで何らかの異常所見が存在する.病変の主体は,すりガラス影,線状網状影で,牽引性気管支・細気管支拡張を伴っており,慢性線維化性間質性肺炎の所見と言える.所見は右側で強く,右肺の容積減少が目立つ.
放射線4 胸部単純CT(高分解能CT,肺底部)
肺底部最下端の所見は乏しく,単純写真でみられたCPアングルのスペアリングに相当すると考えられる.
放射線5 胸部単純CT(高分解能CT,上肺野拡大)
上肺野胸膜直下に胸膜より垂直に立ち上がる不整な線状影が多発し,正常肺と隣接している.小葉・細葉辺縁部の線維化病変と考えられ,組織構築としてのUIPパターンの存在が示唆される(色枠).また,上葉胸膜直下に帯状~楔状の牽引性気管支・細気管支拡張を伴う硬化像を認め虚脱硬化型線維化病変(PPFE様所見)に相当すると考える(色矢頭).
放射線6 胸部単純CT(高分解能CT,中肺野拡大)
部分的には小葉全体に広がる比較的均質なすりガラス影や,気管支血管束に沿った分布もみられ,NSIPパターン様の変化も併存していると考える.また,小葉単位での不均一性があり,すりガラス影,正常に近い濃度,低吸収小葉がモザイク状に認められ,three-density patternが存在すると考える.
放射線7 胸部単純CT(高分解能CT冠状断,肺野強調条件)
通常のwindow値よりも,低吸収な過膨張小葉が明瞭に観察される.
図1 画像所見,曝露評価,BAL液リンパ球増多,組織所見に基づく過敏性肺炎の診断
確信度による診断は以下に分類される:確実例(definite)(>90%の確信度),高確診例(high confidence)(確信度80~89%), 中確診例(moderate confidence)(70~79%), および低確診例(low confidence)(51~69%).すべての確信度でMDDを行う.
* 追加の臨床情報あるいはエキスパートのセカンドオピニオンでの再評価で病理所見が変わらなければ確信度は確実例(definite)となる.
(Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of hypersensitivity pneumonitis in adults. An official ATS/JRS/ALAT clinical practice guideline. Am J Respir Crit Care Med 2020;202:e36-e69 より改変転載)
日本呼吸器学会過敏性肺炎診療指針2022 作成委員会(編).過敏性肺炎診療指針2022.日本呼吸器学会,2022
病理1 右肺上葉のルーペ像(HE染色)
UIPのフレームワークに加え,小葉内に線維化や炎症細胞浸潤を認める.
病理2 左写真の緑枠部分の拡大像(HE染色)
胸膜(PL)や小葉間隔壁(ILS)とは離れた,呼吸細気管支(RB)周囲に線維化,リンパ球性胞隔炎,peribronchiolar metaplasia(緑矢印)を認める.線維化内にコレステリン貪食巨細胞が散見される(黄四角内,挿入図).
病理3 右肺上葉の弱拡大像(HE染色)
肺末梢側の一部が囊胞状に拡張し,周囲に単核球浸潤(挿入図:左)や多核巨細胞(挿入図:右)を認める.
病理4 右肺中葉のルーペ像(EVG染色)
小葉中心(Central)領域にアクセントのある線維化を認め,Airway-centered fibrosis(ACF)の所見.小葉辺縁(Peripheral)領域にも線維化を認める.
病理5 右肺中葉の中拡大像(HE染色)
呼吸細気管支周囲の線維化部分に,リンパ球浸潤および,炭粉沈着を伴う多核巨細胞が認められる.
病理6 右肺下葉のルーペ像(HE染色)
UIP patternを示す領域(写真左側)では,Fibroblastic Fociが散見される(挿入図,EVG染色).また,汎小葉性に気腔を埋める器質化からなる線維化領域も認められる(写真右側).
病理7 2018年ATS/ERS/JRS/ALATによるIPFガイドラインにおけるIPF/UIPの病理診断基準
病理8 2021CHESTガイドラインに提案された線維性過敏性肺炎の組織診断基準
表3 Disease behaviorのカテゴリー