企画:松田 晋哉(福岡国際医療福祉大学ヘルスサービスリサーチセンター所長/看護学部教授)
高齢化の進行に伴い,脳神経外科,整形外科などの専門病院においても,心不全や糖尿病,高血圧,認知症,肺炎などの内科系合併症を複数もつ患者が増加している.このような患者像の変化に,専門病院がどのように対応しているのかについて,地域医療構想との関連も踏まえて,先進的な取り組みを行っている医療機関に自施設の紹介をしていただいたので,ぜひ参考にされたい.
本特集の論旨が分かるPoint一覧
p.20
社会の高齢化の進展に伴う傷病構造の変化は,専門病院の経営戦略に変革を求める.具体的には各病院の専門領域のみならず,誤嚥性肺炎や心不全,尿路感染症,認知症など複数の慢性疾患への対応力を求められるようになる.総合診療医の配置や地域の他の医療介護施設との連携が必要となる.
(松田 晋哉)
p.27
当院は地域の中核的脳神経疾患専門病院として,高度急性期から回復期,在
宅,予防までを連続的に担ってきた.疾患別集約化を新たな地域医療構想に
も組み込み,発症前から看取りまで一体でデザインする視点が重要と考え,
タスクシフトとDXを基盤とした人材確保と生産性向上が不可欠である.
(大田 泰正)
p.33
脊椎内視鏡に特化したFocused Factoryは,除圧優先・固定術抑制で質と効率を両立し,当財団の理念を体現する.教育を軸とする病病連携を含む他医療施設との連携を推進し,地域医療構想にも適合させつつ,保険診療を核とした収益ポートフォリオの多角化で持続可能性を高める.
(岩井 宏樹)
p.40
地域医療構想の進展に伴い,回復期リハビリテーション病棟には,その専門性と地域における役割を明確に示すことが求められている.重症者に対する医療依存度の最小化,機能回復の最大化,自立を促進する多職種連携によるケア,そして社会復帰を見据えた役割創出とシームレスな地域連携が役割明確化の鍵となる.
(菅原 英和)
p.46
社会保障費の大幅抑制,人口減少と低侵襲治療だけでなく,在院日数の減少が進み,医療機関の選別淘汰が進んでいる.切り札となる対処法はなく,医療機関の立ち位置や採算収益性の違いを踏まえた対応が重要である.自院の強みを生かし,地域に求められる医療提供サービスが問われている.
(榊原 敬)
p.52
熊本の医学および医学教育の歴史,さらに福田病院の関わりについて紹介する.また,第3代福田病院院長に就任して取り組んだ「病院内家庭分娩のすすめ」から「無痛分娩」までの変遷について記した.熊本の周産期医療の現状と課題,女性の幸福に貢献する医療を目指し福田病院が行っている取り組みを伝える.
(福田 稠)