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病院 85巻2号 (2026年2月発行)
特集
2040年,日本の病院医療はどうなるのか?—新たな地域医療構想の目指すもの
扉/本特集の論旨が分かるPoint一覧<2040年,日本の病院医療はどうなるのか?—新たな地域医療構想の目指すもの>
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太田 圭洋 1
1社会医療法人名古屋記念財団
pp.98-99 , 発行年月 2026年2月

企画:太田 圭洋(社会医療法人名古屋記念財団 理事長)

 国は2040年の医療提供体制を想定した新たな地域医療構想の策定に向け議論を進めてきた.2024年末に「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」が示され,今後,ガイドラインの作成,各都道府県における地域医療構想の策定などに移っていくことになる.
 人口の減少,特に生産年齢人口が急減する中で,地域の医療需要に対応する医療提供体制を再構築するという非常に難しい局面を迎える中,全国の病院の経営状況は過去最悪の状況まで悪化している現実がある.地域医療構想でプランを作っても,すでにその時にはプレイヤーがいなくなってしまっている可能性すら取りざたされてきている.
 財政制約により各病院は厳しいかじ取りを迫られている中,地域の将来を見据えて,どのような地域医療構想を作成していくのか,行政含め地域の医療関係者の真摯な話し合いと協議が求められる.
 本号では,2040年を見据えての地域の医療提供体制の改革に向けて,何が必要か,各病院がどのように行動することが求められるのかに関して識者の意見を伺い,各病院の今後を考える参考にしていただきたい.

本特集の論旨が分かるPoint一覧

p.100

2040年ごろを見据えた医療提供体制の構築に向け,全国共通で担い手不足が深刻化する一方で,地域によって人口動態が異なり,かつ高齢化を背景に医療・介護の複合ニーズへの対応が不可欠になるなど課題は多い.行政や介護サービスなどとも連携しながら,各地域で新たな地域医療構想の考え方を踏まえ取り組んでいくことが重要である. (西嶋 康浩)

p.106

2040年に向けて85歳以上の高齢者救急が増加し,在宅医療の需要が増えることが予想され,入院医療だけでなく外来・在宅医療,介護との連携などを含む地域医療構想を構築するための議論が始まっている.病院は地域で担うべき役割を協議し,必要に応じて機能を変えていくことが求められる (岡 俊明)

p.112

新潟県は広大な県土を限られた医療資源で守ってきた.近年の人口構造変化に対応し,上越圏域ではDPCデータに基づく医療需要の把握と介護需要を含む分析を進め,中核病院の集約と地域包括ケア機能の最適化を同時に検討している.国の新たな地域医療構想の方向性と整合的に,地域の固有性を踏まえた医療再編を進めていく. (中村 洋心)

p.122

医療機関の経営や人材確保が厳しさを増す中,2040年に向けた「新たな地域医療構想」の策定に向けた課題は多い.実態を反映したデータの収集,その有効活用と,将来を見据えた議論を関係者間の信頼関係の下進めていきたい.(佐野 正)

p.128

2040年とその先に向かう撤退戦である新たな地域医療構想において,公的医療機関は医療機関再編統合の先頭に立たされる.地域医療構想区域に立脚し,支配関係ではなく,連携以上統合未満の地域医療連携推進のためのネットワーク組織体を構築し,地域における協議の場を地域連帯の場へ変革することこそ日本の医療を救う. (浦田 士郎)

p.136

2040年,団塊世代が85~90歳となり医療依存度が急増する.入院期間の短縮化や人材不足を背景に,病院は高度医療を担う大規模病院,地域包括ケア・高齢者救急を担う中規模病院,外来・在宅中心の医療機関という3層構造へと再編され,集約化が加速する.民間病院は無理に高度医療を追わず,地域包括ケアを中心に役割を再定義し,地域と共に生きる存在として存続していくことが求められる. (原 祐一)

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病院 85巻2号 2026年2月 pp.81-89
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病院 85巻1号 2026年1月 pp.1-8
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