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臨床検査 69巻11号 (2025年11月発行)
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今月の特集 ブドウ糖非発酵菌による感染症
ブドウ糖非発酵菌の分類と分離・同定 年間購読
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静野 健一 1
1千葉市立海浜病院臨床検査科
キーワード: ブドウ糖非発酵菌 , 多剤耐性 , 遺伝子的同定法 , オキシダーゼ試験
pp.1228-1236 , 発行年月 2025年11月

Point

●遺伝子的同定法の普及により,2025年6月現在,ブドウ糖非発酵菌は数百菌種が報告されており,従来の生化学的手法による自動機器や同定検査キットは対応しきれていない.
●薬剤耐性が問題となる菌種を認め,Acinetobacter属菌の耐性クローンは世界中で増加していることが確認されている.
●多くは日和見病原菌であるが,発症した際には重篤化する菌種が存在するため,正確な菌種同定が求められる.

はじめに

 ブドウ糖非発酵菌は,主にグラム陰性桿菌に分類され,通常の感染症のほか,医療関連感染症の重要な起炎菌として注目されている.特に,Pseudomonas aeruginosaAcinetobacter baumanniiは,多剤耐性株の増加や難治性感染症の原因菌として,臨床現場に深刻な影響を与えている.多剤耐性緑膿菌(multi-drug resistant P. aeruginosa)感染症は,2025年時点,感染症法では5類感染症定点把握疾患として指定されており,多剤耐性Acinetobacter属菌(multi-drug resistant A. baumannii)感染症は,2014年9月に5類全数把握疾患として指定され(以前は定点報告対象),全ての施設において届け出が義務付けられている.
 多剤耐性Acinetobacter属菌は世界的に問題となっており,MLST(multilocus sequence typing)解析でCC92(clonal complex 92)に分類されるIC2(international clone2)は耐性株のクローン系統であり,このグループ内において,全ゲノム解析でClade 2.5.6に分類される多剤耐性株が世界中で増加していることが確認されている1).海外の流行地域の病院からの患者転院に伴うアウトブレイク事例も報告されており2),渡航歴を有する患者を受け入れる際には注意が必要である.

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