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臨床検査 70巻4号 (2026年4月発行)
特集
増大号 超音波検査のパニック所見—いま知りたい、チェックポイントと緊急性
1章 総論
超音波検査のパニック所見:緊急所見と準緊急所見
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赤坂 和美 1
1釧路孝仁会記念病院循環器内科
キーワード: 超音波検査 , パニック所見 , critical value , 緊急所見 , 準緊急所見
pp.311-313 , 発行年月 2026年4月

はじめに

 “critical value”または“クリティカルバリュー”と呼称されるパニック値は“生命が危ぶまれるほど危険な状態にあることを示唆する異常値”である.直ちに治療を開始すれば救命しうるが,その診断は臨床的な診察だけでは困難で,検査によってのみ可能とされている1).幅広い医療の現場で活用され,日常診療に不可欠な超音波検査においても,想定しない緊急対応を要する所見に遭遇することがある.さまざまな領域の緊急対応を要する個々の所見について,本増大号にはエキスパートの執筆者による詳しい解説を掲載されており,日常臨床において非常に役立つ内容となっている.ぜひ各項目をご一読いただきたい.
 超音波所見は数値で示される“検査値”とは異なるため,本稿では“パニック所見”と表現するが,超音波領域のパニック所見としての明示は今までほとんどなされてこなかった.2023年に日本超音波医学会から『超音波検査の「パニック所見:緊急に対応すべき異常所見」』2,3)が公示され,個々の超音波所見とともに,各施設の事情に合わせた運用方法の決定,さらに検証の重要性が述べられている.
 本稿では超音波検査のパニック所見を,医療機関として決定することの重要性と層別化を含めた運用方法を解説する.

超音波検査における特徴

 近年では臨床検査技師が超音波検査を実施することが多いものの,当直医などの非専門医,あるいはその後の治療が可能な専門医が検査を実施する場合もある.パニック所見は,直ちに対応が必要な病態/疾患を考慮すべき所見であり,超音波検査担当者が重篤な病態/疾患であると診断する必要はない.超音波検査担当者の多様性にかかわらず,パニック所見を認めたという速やかな報告によって,被検者は直ちに対応が必要な病態/疾患の有無について迅速な診断と処置を受けることができる.
 ただし,検査依頼を受けた専門の領域とは異なる領域のパニック所見を認めることもあるため,検査担当者は専門領域以外の超音波検査についてもパニック所見を把握している必要がある.

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