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検査と技術 54巻4号 (2026年4月発行)
書評
EP大学 心電図検定対策問題集
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林 達哉 1
1自治医大さいたま医療センター循環器内科
pp.462 , 発行年月 2026年4月

心電図への熱い思いがこもった多職種向け検定対策本!

 本書を一通り解き終えての第一声は……結構間違えた!
 私が心電図マイスターを取って早4年.現在の心電図界隈の皆様は,おそらく当時とは全然違う高いレベルの世界の中で切磋琢磨しているのだと思います.本書が1,2級対策用であるかと思うと,恐ろしい進化です.昔はワールドカップに出場しただけで大騒ぎだったサッカー日本代表は,今や出場が当たり前になりましたが,そんな感じでしょうか.
 さて本書ですが,奇をてらわらない良問ぞろいとなっています.心室期外収縮の起源想定の問題などで,いくつか答えが断定できないものもあるかと思いましたが,重要な考え方を教えてくれます.本書は心電図検定対策本ですので実際の試験問題を解くように読むべきかと思いますが,今回改めて私が感じたのは,「選択肢を全てよく見てから解答しなくてはいけない」ということでした.つまり,
 1. 絶対にこれではないという理由をもって正解以外の選択肢を消去する.
 2. 残った正解の選択肢にも必ず正解となる理由を見つける.
 そんな姿勢が大事かと思います.少なくとも即答は絶対ダメですね.全ての選択肢をしっかり吟味しないと,本意ならぬところで間違えてしまうかもしれません.
 さらに本書では,本当にいろいろな角度の問題が出てきます.X界隈のいろいろな職種の方が本書を執筆されていますが,その背景の多様さこそが他にはない,この本の特色だと思いました(それをまとめた新井陸先生の器の大きさよ……).そして改めて思いましたが,やはり心電図は不整脈医だけのものではないですね.虚血性心疾患を専門とする医師,循環器以外の内科を専門とする医師,実際に心電図を一番見ている臨床検査技師,ベッドサイドで症状を伴う患者さんの心電図を一番見ている看護師,そして薬剤師…….全てが独自の視点を持って見ていると思います.心電図は全ての職種のものであると再認識しました.そんなにも魅力的で開かれたツールである心電図は,いつもXなどで職種や国境を超えて熱い議論が行われています.そんな「熱」の片りんも,本書で感じることができると思います.
 そして最後に……本書の本質を表す,「はじめに」にある築島直紀先生の言葉を紹介します.
 「心電図検定試験を受ける方も受けない方も,心電図の世界をお楽しみくださいませ」
 心電図を理解することのみならず,理解をしていく過程と自身の成長を楽しむ.そしてその過程でコミュニティが形成されて,世界が造られていく……そんなポジティブな人間の営み.それら全てを表した素晴らしい言葉だと思いました.はっ!……これってまさに私の大好きなジョジョの奇妙な冒険のテーマである,「人間讃歌」じゃないですか!心電図愛は人間愛,なのかもしれません.
 心電図を愛し,心電図に愛された男(築島先生のことです,褒め言葉です!)の渾身の一冊,ぜひトライしてみて下さい!

●B5/頁248/2025年
 定価:3,960円
 (本体3,600円+税10%)
 [ISBN978-4-260-06259-6]
 医学書院 刊

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