「育てる」と聞くと,「教える」ことをまず思い浮かべますが,振り返れば私は周囲に“育てられて”きました.学生,臨床家,大学院生,教員,父親として―立場が変わっても,その実感は歳とともに深まります.
学生時代の臨床実習では,技術の巧拙以上に,言葉の選び方や患者さんとの向き合い方の大切さを教わりました. 患者(児)さんの前に立つ姿勢が整っていなければ,評価や治療は届きにくい.先輩方は背中でそれを示し,デイリーノートに記された短いコメントが次の一歩をそっと後押してくれました.これが私の原体験です.