総合リハビリテーション 53巻 12号 (2025年12月発行)

特集 ALSの治療とリハビリテーション

電子版ISSN:1882-1340
印刷版ISSN:0386-9822
印刷版発行年月:2025年12月
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特集 ALSの治療とリハビリテーション

今月のハイライト

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1194-1195
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 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)の治療に関しては,有効な治療薬の開発が期待されるとともに,新たなリハビリテーション治療手段の進歩も重要です.また,難治性疾患の場合には診断告知の問題や心理的なサポートの必要性なども課題です.

 今回の特集ではALSに関する診断と告知の問題から,福祉用具を利用した環境整備の問題までさまざまな観点から最新の治療や支援について述べていただきました.具体的でテクニカルな内容もある一方,在宅での生活を支えるうえでの多職種連携の重要性まで含まれていて,非常に幅広く読み応えのある特集となりました.

診断と告知

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1197-1204
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 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)においてはいまだに特異的な診断マーカーがないため,基本的には中核症状・所見を確認のうえ,除外診断が重要となる.また,確定診断に至るには時間がかかる場合もあるため,その間に患者・家族にどのように伝えるのかについても迷うことも多いのではないだろうか.本稿では,大学病院の神経内科専門医および地域医療の在宅専門医として,診断から看取りまでを継続して診ることができる環境で,400例以上のALS患者にかかわってきた経験から記載する.

治療薬の開発と現状

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1205-1212
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 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は上位および下位運動ニューロンが変性する疾患で,全身の筋萎縮,筋力低下,嚥下障害,構音障害,呼吸筋麻痺を呈する.2024年にメコバラミン,トフェルセンが承認され,これまでのリルゾールとエダラボンと合わせて4剤がALS治療薬として投与可能になった.上記治療薬はいずれも根治薬ではなく,リハビリテーションを含む非薬物療法とともに対応していくことが重要である.

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はじめに

 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)では,初発症状や病状の進行に個人差があるものの,患者の日常生活活動(activities of daily living:ADL)や手段的日常生活活動(instrumental activities of daily living:IADL)能力が疾患の進行とともに経時的に低下し,最終的には全介助を要する状態に至る.ALSの根治療法は確立されていないため,患者が日常生活や社会参加を維持できるよう,対症療法として心身機能向上を目的としたリハビリテーション医療が重要となる.

 ALSは進行性の変性疾患であり,機能回復や能力改善,社会復帰をめざす一般的なリハビリテーションゴールをそのまま適用することはできない.したがってALSにおけるリハビリテーションの目的は「心身機能・日常生活活動を可能な限り維持・改善し,社会参加を促し,患者と家族の生活の質(quality of life:QOL)を維持・向上させること」1)とされる.本稿では,ALSの病期と,リハビリテーション専門職が支援および配慮すべきことについて解説する.特にALSの四肢体幹機能障害と,生命予後に直結する呼吸機能障害に対するリハビリテーションアプローチについて,「筋萎縮性側索硬化症(ALS)診療ガイドライン2023」1)を参考に述べる.

コミュニケーション支援

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1223-1230
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はじめに

 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は,進行性の上位および下位運動ニューロン障害を呈し,コミュニケーション面では,発話,書字,スマートフォンやパソコンの操作が困難となっていく.病状が進行していくなかでもコミュニケーション活動を維持することは,対象者の自律性や生活の質(quality of life:QOL)の向上につながる.

 ALS患者のコミュニケーション支援は,心理面に配慮しながらも早期から介入し,進行に応じて継続的な支援が必要とされる1,2).本稿では,横浜市総合リハビリテーションセンター(以下,当センター)の取り組みより,ALS患者へのコミュニケーション支援の概要と支援のポイントを述べる.

ALSの在宅医療・緩和ケア

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1231-1236
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はじめに

 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は,人工呼吸器による高度な医学的管理を必要とすることのある疾患であるが,医療機器の発展や制度の充実,多職種チームによる介入により,最期まで自宅で療養することが可能となっている.一方で,臨床経過が多様であること,胃瘻造設や人工呼吸器導入といった意思決定を伴うことなどから,そのかかわりを難しく感じる方もいるのではないだろうか?

 胃瘻や人工呼吸器などの治療は,生命予後を年単位で改善できる可能性がある一方で,全介助での療養生活が長期化するという現実がある.したがって,その選択は容易ではなく,本人の人生観や価値観,家族の思い,介護環境や経済的条件,さらには倫理的な問題など,多面的な要素が影響する.そのため,病院と地域が一丸となり,多職種チームで支える体制の構築が鍵となる.

 ALSの多職種連携の効果は,生活の質(quality of life:QOL)の改善,生存期間の数か月延長,入院率の減少や入院期間の短縮などが報告されており1),2009年発表の米国神経学会ガイドライン2)では,多職種連携診療における生命予後延長効果が胃瘻造設や非侵襲的人工換気と同じLevel Bとされ,実施が推奨されている.

 ALS患者の在宅療養を支えるうえで向き合う本人の最善を考えた治療やケア,療養場所の選択,家族のサポートなど,さまざまな課題について,必要な知識や考え方を本稿ではお伝えしたい.皆さんのチーム力の一助になれば幸いである.

巻頭言

車椅子は空を飛べる

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1191
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 3年前,私が新人のころに出会った頸髄損傷による四肢完全麻痺の患者さんから不意に連絡をいただきました.「パラリンピックをめざしているから海外遠征に帯同してほしい」という内容でした.各方面への調整が必要でお返事に時間を要しましたが,心の中ではYESと即答していました(まさに「40秒で仕度しな!」です).彼は患者から選手へ,生活でなく挑戦,贅沢でなく洗練へと価値観がまったく変わっていました.退院されたあと,一体彼に何があったのかと,好奇心が搔き立てられました.3か月後,私はヘルシンキ・ヴァンター国際空港に彼と降り立つことになります.

 私は25年間,脊椎脊髄を専門に治療するセンターでリハビリテーションに従事し,脊髄損傷後に重篤な麻痺を呈した患者さんに数多く出会いました.彼らが自分の限界を抱えながら,突然訪れた障害を抱えながらも,なお前へ進んでいかなければならない姿を見てきました.今,自分自身が挑戦とは対極にある立場となり,若いころとは異なる視点でリハビリテーション治療を俯瞰して見るようになり,何事にも「最適解」を探そうとする癖がついてきました.患者さんの満足度,部署の収支,雰囲気の醸成,部署を超えた調整——すべてを天秤にかけ,角を取りつつ最善の道を模索しなければなりません.しかし,視点を変えると気づくこともあります.リスク・ゼロは必ずしも最適解を意味しないのではないのか.リスクを消し去ることに必死になると,挑戦の芽まで摘み取ってしまわないか.毎日,岐路に立たされ,選択肢,葛藤にぶつかります.

入門講座 睡眠とリハビリテーションを科学する・4

睡眠と身体機能

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1237-1241
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 睡眠は生命維持に不可欠な生理現象であり,身体的・精神的健康の基盤をなしている.成人において推奨される7〜9時間の睡眠は,エネルギー保存や細胞修復,記憶の固定化,感情調節,免疫機能の維持など,多岐にわたる機能を支えている1)

 リハビリテーション医療は,疾病や外傷により低下した身体機能の回復をめざすものであり,患者の生活の質(quality of life:QOL)向上に寄与している.しかし,リハビリテーションの効果は患者の全身状態に大きく依存し,睡眠状態はその重要な決定因子の一つである.不十分な睡眠は,リハビリテーションにおける運動学習能力や動機づけを低下させ,回復過程を遅延させる可能性がある2)

実践講座 心臓リハビリテーションに役立つ検査レポートの読み方・3

心エコー検査

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1243-1250
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はじめに

 心臓リハビリテーションにかかわる医療従事者は誰であれ,担当する患者の心エコー検査結果を見ずにリハビリテーションを実施することは不可能だ.なぜなら心臓リハビリテーションの実施にあたりその適応はもちろんのこと,禁忌にも心エコー検査で評価される病態と重症度が関与するからである.日本心臓リハビリテーション学会の教育講座などで,専門医資格をもつ循環器内科医師の非常に詳細な解説を聴こうと詰めかけている多くのコメディカルの方たちを目にする.だが,膨大で緻密な画像とその講義内容は,一度や二度の聴講だけでは(自分でプローブを患者の体に当てて操作しながらエコー画面を見ることなどをしない限り)体得するのは容易ではないだろうと思う.

 とは言えそこまで極めなくても,心臓リハビリテーション自体は安全かつ効率よく実施できる.本稿では,多くのコメディカルの方々が学習している日本心臓リハビリテーション学会編集の「心臓リハビリテーション必携」1)を土台とし,詳細な部分については日本循環器学会などが編集した『心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン』2)や「循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン」3)などを参照して,ポイントを絞った実用的な検査レポートの「読み方」をご提案する.

実践講座 嚥下障害の評価の実際・9
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 誤嚥性肺炎症例が入院した場合には,肺炎の治療,併存疾患のコントロール,栄養状態の改善,嚥下機能の評価と改善(誤嚥予防と,経口摂取方向の両立),日常生活動作(activities of daily living:ADL)の低下予防(もしくはADLが低下したところからの改善)などが必要である.

 誤嚥性肺炎の予後予測の研究からは,男性,年齢,低栄養,脱水,肺炎重症度,ADL,嚥下機能障害などが着目されている.本稿では,誤嚥性肺炎症例の入院時に必要となる評価方法につき解説する.

研究と報告
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要旨 [目的]慢性期脊髄不全損傷者に対するHybrid Assistive Limb®を用いた歩行練習(以下,HAL®歩行練習)の効果と適応を検証すること.[方法]本研究のデザインは単群試験であり,対象はASIA Impairment Scale(AIS) Dの慢性期脊髄不全損傷者17例とした.HAL®歩行練習実施前後における身体機能,バランス能力,歩行能力の変化を比較した.また,歩行能力改善率に影響を及ぼす因子について検討を行った.[結果]6分間歩行テスト,10m歩行テスト,Berg Balance Scale(BBS),Walking Index for Spinal Cord Injury Ⅱ(WISCI Ⅱ),Spinal Cord Independence Measure version Ⅲ移動スコア,膝伸展筋力は有意に改善を示した.また,6分間歩行テスト改善率と介入前のBBS,WISCI Ⅱ,International Standards for Neurological Classification of Spinal Cord Injury motor scoreの間に中等度の有意な負の相関を認めた.[結論]慢性期脊髄不全損傷者において,HAL®歩行練習による有意なバランス能力,歩行能力の向上を認めた.また,立位保持が可能なAIS Dの症例においては,HAL®歩行練習開始時の歩行能力が低い者ほど6分間歩行テストの改善率が高くなる傾向が示された.

紹介
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要旨 本稿は,パーキンソン病患者の基本動作3領域を評価する「改訂版パーキンソン病アクティビティ・スケール(Modified Parkinson Activity Scale:M-PAS)」日本語版の構成と特徴を紹介するものである.M-PASは,リハビリテーション治療のコア領域である16項目から構成され,パーキンソン病の基本動作に特化した評価を可能にする.採点は3〜5段階の順序尺度で,障害が軽度なほど得点が高い.優れた測定特性から欧州の理学療法ガイドラインなどで推奨されていることに加え,評価者の観察に基づく定量化であるため,認知機能障害を有する患者にも適用可能である.また,既存の評価スケールと比較し,詳細な評価が可能である.評価時間は約30分で,簡便かつ実用的と考えられる.以上のことから,日本語版M-PASは,パーキンソン病の基本動作評価において重要なツールとなることが期待される.

連載 ビッグデータ,リアルワールドデータの活用・第3回
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はじめに

 心臓リハビリテーションは,心疾患患者の生命予後改善や再入院予防,さらにはquality of life(QOL)向上を目的として実施される包括的プログラムであるが1),その実施率は依然として低く,地域格差も大きい.このような医療課題を克服し,より多くの患者に質の高いリハビリテーションを届けるためには,診療実態を可視化し,効果や安全性を検証することが不可欠であり,その手段の一つとして「リアルワールドデータ(real world data:RWD)」の活用が期待される.特に,全国規模のレジストリや診療報酬データベース,さらには今後社会実装が期待される在宅や遠隔心臓リハビリテーションからデジタル的に得られるデータは,臨床における意思決定や制度設計に資する新たな知見を生み出す可能性を秘めている.

連載 デジタルアウトリーチの進化が切り拓く新たな可能性・第5回
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VR医療相談集会が拓く新たな接点

 近年,バーチャルリアリティ(virtual reality:VR)技術は,ゲームやエンターテインメントの枠を超え,医療分野におけるツールとして注目を集めている.特に,リハビリテーションは身体機能の回復をめざすだけでなく,患者の社会参加やquality of life(QOL)向上を最終目標とする総合的な医療領域であり,VRが提供する新たな可能性との親和性が高いと考えられる.本稿では,VRChat上で毎週開催されている「VR医療相談集会」の実践を起点に,VR技術が未来のヘルスケア,リハビリテーション分野にもたらす可能性と,その実現に向けた課題および展望について論じる.

 VR医療相談集会は,2022年7月より,医師らが立ち上げた株式会社VR Healthcareによって企画されている.さまざまな悩みや医療に関する相談をしたい人々と,それに応じる医療従事者が集うコミュニティとして機能しており,週に2日間(水曜,木曜の22時から1時間程度),無料で開催されている.特筆すべきは現実の病院とはまったく異なるVRコミュニティ独特の雰囲気で,参加者はアバターを介して交流し,他の人に聞かれたくない相談は個室でプライベートに相談を行うことも可能である.この集会は,単なるオンライン診療の代替手段にとどまらず,従来の医療サービスにはない「コミュニティ」という要素を前面に打ち出している.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
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 大正14(1925)年に発表された細井和喜蔵の『女工哀史』(岩波文庫)は,明治から大正にかけての紡績工場で過酷な労働を強いられた女工の悲惨な状況を告発した歴史的な文書であるが,そこには持続的なストレス状況が女工たちの精神状態に及ぼす影響も描かれている.

 細井は,『女工哀史』のなかの「女工の心理」という章で,女工たちの心理的な特徴を次のように指摘している.「女工は人を甚くおそろしがる.たとい場末の小汚い蕎麦屋へはいるにもせよ,人がおったら容易にはいらない」「彼女は観る者聞くもの触わるものを疑い,嫉妬をもたねばならない」「彼女たちはその悲惨な生活を一時は呪うのであるが,やがてどうにもならない宿命だと悲しく諦めてしまう」「女工に限らず醜女には総じて僻み根性をもった者が多いけれど女工のそれにはまた格別の趣きがあり,その根性悪さと来ては全く『鬼婆』という形容が掛値なしに当て嵌まるようなのがいる」「女工たちは総じて外へ出たとき常にびくびくもので道を歩く.(中略)道を歩くことさえも惧れねばならんのが虐げられた者のいじけきった心理なのだ」等々.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
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 2024年に日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した.それは,ロシアとウクライナ,イスラエルとイラン,インドとパキスタンといった一方あるいは双方が核兵器を保有している国が戦争状態,一時戦闘状態に陥った近年の動向への警告としての意味をもつ.かくも世界は核戦争前夜の様相を呈しているが,それに抗う有効な手段を一つ挙げるなら,世界25か国の言語に翻訳されている漫画『はだしのゲン』(以下,ゲン)である.

 しかしわが国では,後に事実上の「撤回」となるものの,2013年に松江市教育委員会がゲンを自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう市内の全小中学校に求めていたことが発覚し,2023年には広島市教育委員会が,市立小学校3年生向けの平和学習教材からゲンを削除するという方針を出した.

書評
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 本書は,あらゆる事象に対して関心をもちそれを深く探求するという,上田剛士先生の姿勢を学べるという意味で,類書のない珠玉の一冊だと思います.本書の最大の魅力は,臨床の現場で医師が出合う素朴でありながらあらゆる奥深い問いに対し,エビデンスをもって丁寧かつユーモアとともに答えている点にあります.例えば「雨に濡れると風邪をひくのか?」という古典的な疑問は,誰しも一度は考える問いかもしれません.かくいう自分も先日の午後,買い物帰りにひどい通り雨に遭い銀座4丁目の地下通路に逃げ込んだとき,このことをふと考えたので,何だか剛士先生に見透かされたようで? 既視感を覚えました.剛士先生の素晴らしいところは,この問いに対し過去100年近くの介入研究やメタ解析,気道感染症の発症機序に関する基礎研究までを渉猟しながら丁寧に検証されていることです.しかも結論は単に「濡れても風邪をひくとは限らない」という事実にとどまらず,それぞれの研究論文の読み方にまで踏み込まれていて,日々の診療などに潜む認知バイアスの解除や回避にも触れられていることです.「福耳は長寿の証か?」という問いも興味深く,いわば都市伝説に近い話題を,仏像や浮世絵,徳川家康の肖像画にまで目を向けながら,耳垂の長さが加齢とともに変化するという疫学データを持ち出し医学的に解釈する,という大胆かつ知的,かつウィットに富んだ試みにも驚かされました.

 本書の章立ては,「医学的都市伝説」,「身体」,「日常生活」,「食事や薬」,「その他」に分かれ,1トピックごとに見開き数ページという手軽さとは裏腹に,内容は深く,分厚いものです.そして,エンターテインメントとしての強いフックも特徴です.都市伝説を暴け,なんて章タイトル,わくわくしませんか? こういった体験はいわゆる医学書では希少だと思います.それぞれの問いが,実臨床で出合う「ちょっとした会話」から生まれているのも本書の特徴で,まるで夜の当直の空き時間に剛士先生(上級医)から何気なく聞かされるようなぜいたくな時間の追体験のような雰囲気も感じます.さらに特筆すべきは,各章に込められた教育的視点です.剛士先生は,ただの情報提供ではなく,教育者の育成の視点も組み込まれているということに感銘を受けました.週に一度,研修医に語っていらしたというこの医学トリビアは,医学知識の共有だけではなく,診療のなかで好奇心をもち続けるための“問いを立てる姿勢”を育む教材であり,そのエッセンスが全編に行きわたっていると言えます.

目次

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1192-1193

文献抄録

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1279-1281

次号予告

53巻12号 , 2025年12月 , pp.1285

編集後記

51
53巻12号 , 2025年12月 , pp.1286
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 本年最後の『総合リハビリテーション』をお届けいたします.本年も無事に12冊本誌を発行できましたのは,臨床や研究,教育でご多忙のなかご執筆いただきましたご執筆者の先生方,日々の成果を研究論文にまとめてご投稿くださる先生方,そしてご愛読をいただいております読者の皆さまのご尽力・ご指導の賜物です.編集室一同心より御礼申し上げます.

 本年より本誌では(遅ればせながら)時代の変化に合わせまして,投稿論文の受付方法を従来の郵送からメールでの受付に変更させていただきました.弊社ウェブサイトの本誌ページ(https://www.igaku-shoin.co.jp/journal/552/instruction)では,投稿論文用の「原稿テンプレート」や原稿の文字数を確認できる文字数カウンターもご活用いただけますのでお試しください.先生方のご投稿を心よりお待ちしております.