はじめに
高齢化の進行は,医療介護生活における複合のニーズをもった高齢患者を増加させる.人生の最終段階において,尊厳をもって自立して生活するためには,activities of daily living(ADL),instrumental ADL(IADL)の維持が重要な要素であり,したがってリハビリテーションの提供体制を充実させることが必要となる.ただし,少子高齢化の進行は,高齢者という社会保障サービス利用者の増加と,少子化という社会保障財政の担い手の減少を意味する.こうした環境下で,リハビリテーションに十分な診療報酬・介護報酬上の評価を得るためには,リハビリテーションの効果に関するエビデンスを,臨床面だけでなく,医療経済的な面も含めて出していく必要がある.また,リハビリテーション専門職の適正な配置についても,エビデンスが必要である.
現在,わが国においては,研究者からの申請に基づいてレセプトデータベース〔医療保険:匿名医療保険等関連情報データベース(National Database of Health Insurance Claims:NDB),介護保険:匿名介護保険等関連情報データベース(Japanese Long-term Care Database:介護DB)〕およびdiagnosis procedure combination(DPC)データの提供が開始されている.本稿では,これらのデータを用いてどのようなエビデンス構築が可能なのかを,筆者の教室で構築しているレセプトおよびDPC のデータベースを用いて説明する.