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総合リハビリテーション 54巻1号 (2026年1月発行)
特集
変貌する回復期リハビリテーション病棟
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pp.4-5 , 発行年月 2026年1月

Convalescent rehabilitation ward is changing

 病床の機能分化と再編が進むなか,回復期リハビリテーション病棟に求められる役割が増えています.本病棟は多くのリハビリテーションスタッフからなるチーム医療を基本として,リハビリテーション医療の実践の場として非常に重要な機能を有しており,わが国のリハビリテーション医療の中核を担っています.しかし,2024年には診療報酬のトリプル改定(マイナス改定)で,本病棟の運営には大きな影響がありました.今後,地域医療構想のなかで本病棟をどのように位置づけ,どのような役割が期待されていくのかも注視する必要があります.このような状況のもと,本特集では,本病棟の現状や取り組むべき課題などについて諸先生方に論じていただきました.

1.実態調査に見る現状

宮井一郎氏

 毎年実施されている回復期リハビリテーション病棟協会の実態調査データを用いて,同病棟の役割や必要病床数などを詳細に分析し,その結果をもとに同病棟の課題について述べている.同病棟の病床数の経年的変化では,脳血管系が整形外科疾患に置き換わっていること,疾患別リハビリテーションの提供状況では積年のレセプト査定による萎縮診療の影響があること,実績指数導入については機能回復の生物的限界とアウトカム評価の本質について言及し,人口構造や疾病構造の変化に対応しながら「リハビリテーション前置」を実効的に実現する必要がある,としている.

2.地域医療構想における今後のあり方

三橋尚志氏

 高齢者救急搬送の増加,医療・介護の人材不足などの課題に対応できる医療提供体制を構築するため,新たな地域医療構想では病床機能とは別に医療機関機能という新たな分類も提案されている.病床機能については現行の「回復期機能」を「包括期機能」として名称が変更される方向性が示されており,今後の回復期機能(包括期機能)は地域包括医療病棟,地域包括ケア病棟,回復期リハビリテーション病棟の3病棟が担うことになる.

3. 回復期リハビリテーション病棟における地域連携の意義と実践

菅原英和氏

 回復期リハビリテーション病棟が果たすべき地域連携の意義として「前方連携」,「側方連携」,「後方連携」の3つの柱がある.前方連携は,急性期病院から回復期リハビリテーション病棟への患者の早期かつ円滑な移行を目的としている.側方連携では,数か月に及ぶ同病棟入院中のリハビリテーションを阻害する要因―合併症の悪化,重度の嚥下障害,排尿障害,痙縮,慢性疼痛など―について,一時転院により対応を行う.後方連携では,適切な退院支援と生活期リハビリテーションおよびケアへの円滑な移行が不可欠となる.

4.効果的なカンファレンスの運営

赤津嘉樹氏ら

 リハビリテーション医療では多職種協働によるチーム医療がその中核をなし,カンファレンスは治療計画の立案など回復期リハビリテーション病棟の運営には必須のプロセスである.COVID-19流行後以降,退院前訪問や退院前カンファレンスの実施率は低調に推移している.多忙な日常診療業務のなか,カンファレンスの効率化のアイデアなど,カンファレンスの課題と改善の取り組みについて紹介がある.

5.在宅復帰後の地域活動支援

渡部祐介氏ら

 回復期リハビリテーション病棟は,在宅復帰後の生活期のサポートに関して退院後のフォローアップも含めて地域活動への対応も求められている.筆者らのいわてリハビリテーションセンターによる地域活動支援は,回復期リハビリテーション病棟を通した患者への直接的アプローチのほか,岩手県地域リハビリテーション支援センターとして行う地域社会へのアプローチという2つの側面があり,重層的な幅広い活動からなる.

6.就労世代の社会参加支援

藤井由記代氏

 回復期リハビリテーション病棟に入院した就労世代の患者に対して,退院後の社会参加や就労支援体制が必要である.地域のネットワークを生かしたサポート方法の一例として「脳卒中サロン」の紹介がある.多くのリハビリテーション専門職を有する回復期リハビリテーション病棟では,多職種チームによる診断・評価・リハビリテーションケアの提供・相談支援を同時並行できる強みを生かし,医療・障害福祉連携のハブ機能を担うことの重症性を指摘している.

 

総合リハビリテーション 54巻1号 2026年1月 pp.33-39
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