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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術14巻8号

1986年07月発行

雑誌目次

病気のはなし

急性膵炎

著者: 内田耕太郎 ,   真辺忠夫 ,   宮下正

ページ範囲:P.838 - P.844

急性膵炎とは
 一般に急性炎症というと,ブドウ球菌,レンサ状球菌などによって局所的に発熱,発赤,腫脹,疼痛を現わすものをいうが,急性膵炎には特定の起炎菌はなく,膵臓が自ら分泌する酵素によって障害を受ける病態である.激烈な腹痛,ショック,さらに肝,腎,心臓,肺など重要臓器に障害を生じ,経過と予後に重大な影響を与える多彩な症状を表わす.また病理組織学的には出血,壊死など退行性病変,循環障害が現われ,炎症細胞の浸潤を伴わないものがあるという特徴がある.
 膵臓は解剖学的に前面が腹膜によって覆われて腹膜後隙に存在し,その病変は膵臓にとどまらず周囲に波及して腹膜後隙が火傷を受けたようになり,大動脈周囲の神経節に変性を生じショックなどを起こす.

技術講座 生化学

乳酸・ピルビン酸の定量法

著者: 渭原博 ,   豊田正輝

ページ範囲:P.857 - P.861

 ピルビン酸は糖新生(gluconeogenesis),またアミノ酸の代謝において主要な中間代謝産物であると同時に,図1に表すような経路で代謝されアセチルCoAを介して脂質代謝と密接に関連している.一方,乳酸は嫌気的解糖系の最終産物であり,ピルビン酸から産生される.
 ピルビン酸+NADH+H+【LDH】乳酸+HAD+
 すなわち,
 乳酸濃度=ピルビン酸×Keq×〔NADH〕〔H+〕/〔NAD+
 の式が成立し,図1に示した代謝経路が障害されたり,あるいはピルビン酸の生成が亢進したりすると体内にピルビン酸が蓄積し,その結果,血中乳酸濃度は上昇する.また,NADH/NAD比は組織の酸化還元状態を反映するといわれており,低酸素状態ではこの比が増大し,血中乳酸濃度は上昇する.したがって,血中乳酸・ピルビン酸定量のもう一つの意義は組織の低酸素状態を把握することにある.

血清

リンパ球細胞毒試験

著者: 能勢義介

ページ範囲:P.862 - P.866

 リンパ球細胞毒試験(lymphocyte cytotoxicity test;LCT)は,ヒトリンパ球の同種抗原と同種抗体の反応を,補体を介して判定する検査方法である.当初は白血球凝集反応により行われていたが,現在ではAmos,Terasakiらにより考案された,微量で多数の検体を処理できるリンパ球細胞毒試験が行われている.
 ヒトリンパ球抗原は,主にヒト白血球抗原(human leukocyte antigen;HLA)抗原が存在し,リンパ球細胞毒試験はこれらのHLA抗原を検出,同定する検査方法である.そしてHLA抗原に対応するHLA抗体は,一般健康者は保有せず妊娠,輸血,移植などにより産生される免疫抗体である.そこでHLA抗原を同定するために,HLA特異性が判明したこれらの免疫抗体(抗HLA抗血清)が使用される.

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

尿潜血反応と尿沈渣赤血球との不一致の場合とは

著者: 伊藤機一 ,   木庭敏和 ,   池田とみ子 ,   加島準子

ページ範囲:P.845 - P.850

 尿潜血反応も尿沈渣赤血球の観察も,肉眼的にはわからない程度の微量の赤血球の存在を知る,重要な検査である.通常は両者の成績は平行するが,測定原理が異なるので成績の不一致は当然起こりうる.なぜなら,沈渣では赤血球そのものを見ているのに対し,潜血反応では赤血球内のヘモグロビンを化学的に検出し,それから赤血球量を推測しているからである.

細菌の新しい分類体系とその周辺2—好気性グラム陰性菌

著者: 坂崎利一

ページ範囲:P.851 - P.855

 Bergey's Manualの第9版全4巻中第1巻が昨年1月に発刊された.その歴史的な背景からみて,Bergey's Manualはたしかに権威のある出版物である.しかし,前回1974年に第8版が出されたときもそうであったが,そのたびにみられる我が国での騒ぎはやや奇異な現象である.これはおそらく,Bergey's Manualのもつ意義と,細菌の分類体系がよく理解されていないことによると思われる.また一つには,1950年ごろまではBergey's Manualが同定細菌学の一つの拠りどころとなっていたことが,現在での分類学者以外の細菌学者の意識の底に,いぜんとして流れていることも否定できない.
 もはや1950年ではない.Bergey's Manualの名称も,第8版までのBergey's Manual of Deteminative Bacteriology(同定細菌学)から,第9版ではBergey's Manual of Systematic Bacteriology(分類細菌学)に変えられ,その内容も大きく変化した.このあたりで,Bergey's Manualについての正当な理解と,国際細菌分類委員会との関係についての知識をもつことは無駄ではないだろう.

拡張期ランブル雑音を伴う疑弁膜疾患

ページ範囲:P.868 - P.868

マスターしよう基本操作

自動血球装置の操作・較正・精度管理

著者: 巽典之 ,   片山伴子 ,   筒井幸代 ,   木村雄二郎

ページ範囲:P.869 - P.876

 最新の血球計数装置は赤血球,白血球,血小板を同時に計測しうる全自動型が普及している.この型の特長は多検体高速処理機能の高いことである.しかし,較正における不良は,多くの患者データをくるわせ,診断と治療に少なからぬ影響を与えることになる.このため血球計数装置の較正はきわめて重要な作業の一つと考えられる.我々の検査室ではコールタ・カウンタS-Plus IVを日常検査に用いているので,本章においてはこの機種における操作と較正について説明することにする.頁数の関係上,詳細な手順は記載せず,基本的な流れの記述にとどめることをあらかじめお断りしておく.
 較正(こうせい)とは,計測に先立って測定器の精度を基準量で正すことを指す.血球計数装置の較正をICSH(国際血液学会標準化委員会)では,正常の全血サンプルを用い,コールタ・カウンターZBI型を標準器として較正するよう規定している.

検査技師のためのME講座 計測器・2

炎光光度計,原子吸光光度計

著者: 桑克彦

ページ範囲:P.877 - P.880

機器の構成と原理
 炎光光度計の構成は図1のごとく,霧化部,発光部,分光部,測光部,指示記録部の五つの部分から成る.
 アルカリ金属(Na,Li,K)の定量を主とする臨床検査汎用型の装置の構成は,予混合アトマイザー-プロパンガス-干渉フィルタあるいは凹面回折格子-ホトセルあるいはホトアレイ-デジタルメータである.また測定方式は,内部標準法である.これは,被検元素を一定濃度の内部標準元素溶液(LiまたはCs)で希釈することにより,内部標準元素を共存させて同時に発光させ,このとき内部標準元素の発光強度を基準としてNa/Li(あるいはNa/Cs)およびK/Li(あるいはK/Cs)の信号比として取り出し,計算処理するものである.

Letter from Abroad 海外で活躍する日本の検査技師

国により違う検査室の運営—パラグアイ2

著者: 小栗豊子

ページ範囲:P.882 - P.883

■外国人を襲う下痢と不明熱
 日本を離れて不安なことといえば健康状態である.出発の3週間前くらいに風邪をひき,出発のときはほぼ回復していたのであるが,機内の乾燥した中では鼻も喉も干上がってしまいそうであった.安眠用の目隠しを鼻と口に当てていたが,声はかれる一方である.それに,至る所で静電気が発生する.機内のみならず,アスンシオンに着いてからも,これらの悩みは続いた.
 3週間くらいしてやっと咳とかすれ声から解放された.現地に赴任している人の話だと,着いて間もない頃から激しい下痢と不明熱に悩まされるのだそうである.私は幸いなことに,すでに12日を経過したのに両者とは全く無縁であった.ところが,その晩ドイツ風のレストランで食事をした後,腹痛と下痢が始まった.東京ではこのような経験は皆無に等しかったのだが…….1〜2日たっても治る気配はない.4日目にはいささか心配になり,便をSS培地,マッコンキー培地,TCBS培地に培養してみた.しかし,検出菌は乳糖非分解の大腸菌のみで,日本の法定伝染病菌は検出されなかった.病原大腸菌の診断用血清は現地では貴重品なので,これ以上の検査はしかなった.6日目になっても下痢は止まらず,やむなくナリジキシン酸を服用した.不思議なことに,たった2回の服用でピタリと止まった.その後も何回か下痢に襲われたが,抗菌剤は服用しなかった.

ひとくち英会話 English Conversation in Your Laboratory

Visiting a commercial laboratory (1)

著者: 𠮷野二男 ,   常田正

ページ範囲:P.884 - P.885

サトー:私は日本から来たサトーです.ジョンソンさんと2時に逢う約束がしてあります.私が来たことを知らせていただけませんか.
受付係:ちょっとお待ちください.電話してみます.

検査ファイル 項目

HDL-コレステロール

著者: 吉田隆則

ページ範囲:P.886 - P.887

 血中における脂質成分の多くは蛋白と結合し,リポ蛋白と呼ばれる脂質—蛋白複合体として存在している.リポ蛋白は比重の違いを利用して超遠心分離法により,カイロミクロン,超低比重リポ蛋白(VLDL),低比重リポ蛋白(LDL),高比重リポ蛋白(HDL)と大きく分類される.我々はHDL中に存在するコレステロールをHDL-コレステロールとして測定しているわけである.
 近年,HDL-コレステロールは臨床検査室においてルーチン検査の一つとして盛んに測定されるようになってきた.これはHDL-コレステロールの低下が動脈硬化性疾患における危険因子の一つとして,重要な臨床的情報を与えてくれるものと考えられるようになってきたからである.また同時に,簡便なHDL-コレステロール測定法が開発されてきたことも見逃してはならない.

心電図検査法

著者: 太田壽城 ,   外山淳治

ページ範囲:P.888 - P.889

 心電図検査法には心臓の電気現象を体表面から記録する方法のみならず,心表面や心内膜面から直接的に記録する方法もある.本稿では体表面からアプローチする,いわゆる非観血的な心電図検査法について概説する.

膠原線維染色

著者: 河又國士

ページ範囲:P.890 - P.891

 膠原線維(collagen fibers)は支持組織である結合組織中に多量に含まれ,その基質として最も重要な要素である.これは多くの動物に広く分布するが,原生動物や植物には存在しない.高等動物では腱(25%),骨や軟骨(10〜20%),血管(5〜10%),心臓や肺の内臓(2〜8%)に多く,中枢神経系に少ない.
 結合組織は中胚葉の間葉が分化したもので,この線維成分を形態,化学的組成,物理学的性質,染色性の差異により,膠原線維(collagen fibers),細網線維(reticular fibers),弾性(力)線維(elastic fibers)に分ける.これらの線維を光学顕微鏡で容易に鑑別する目的で,それぞれの線維成分を特異的に染色できる特殊染色が確立されている.今回は膠原線維染色を中心に話を進める.

試薬

尿検査試験紙1—蛋白

著者: 加島準子

ページ範囲:P.892 - P.893

 試験紙による尿一般定性検査は簡便で,検体量も少量ですみ,短時間で結果が得られるので,今日どこの検査室においても行われている.しかし,試験紙を尿に浸し,決められた時間に色調表と比べて判定するという動作は一見簡単に見えるため,安易に考えられやすいが,常に同じ条件のもとで正確なデータを出すことは決して簡単なことではない.正確な成績を常に提出するためには,試験紙の特性をよく知り,管理することが重要である.今回このシリーズでは,尿検査試験紙の蛋白,糖,潜血部分について3回に分けて述べる.
 尿蛋白試験紙は尿中アルブミンに特異的に反応するが,グロブリン,Bence Jones蛋白,ムコ蛋白には反応しにくい.試験紙法が陰性の場合,アルブミンの存在は否定できるが,その他の蛋白の存在は否定できない.

ザ・トレーニング

37℃の培養で検出困難な細菌と真菌

著者: 菅野治重

ページ範囲:P.895 - P.898

 臨床細菌検査では通常,分離培養に使用される培養温度は35〜37℃が主で,一部の菌種では同定や感受性検査に25℃,30℃,あるいは42℃などの特殊な培養温度が使用されてきた.ここでは臨床細菌検査において起炎菌の検出に最も大切な分離培養を中心に,37℃培養の限界を整理し,37℃培養では検出が不可能か困難な微生物による感染症はどのような場合に疑う必要があるかについて例を挙げて述べる.

トピックス

アポE-Kochi

著者: 末廣正

ページ範囲:P.899 - P.899

 血中のリポ蛋白は脂質とアポ蛋白との複合体であり,脂質の運搬や代謝調節を行っている.アポ蛋白にはA-Ⅰ,A-Ⅱ,B,C-Ⅱ,C-Ⅲ,Eなどがあり,これらはリポ蛋白の構成成分のみでなく種々の働きをもっていることがわかってきた.このうちアポ蛋白E(アポE)は,ほとんどが肝で作られ,血中では主に超低比重リポ蛋白(VLDL),高比重リポ蛋白(HDL)分画に存在し,細胞表面のB・EレセプターやEレセプターと結合することによりリポ蛋白の異化に重要な役割をもつと考えられている.また,アポEは三つの対立遺伝子によって決められるイソ蛋白(E-2,E-3,E-4)があり,この組み合わせにより六つの表現型が存在する1)
 これらのうちE-2のホモ接合体からⅢ型高脂血症(broad-beta disease)が発症することが明らかにされており2),このイソ蛋白の同定は臨床上重要となっている.アポEのイソ蛋白を同定するには,一般に血清のリポ蛋白分画の等電点電気泳動が用いられているが,これは各アポEイソ蛋白の等電点が一荷電ずつ異なり,本電気泳動によって分離されるためである.さらに,等電点電気泳動と,分子量により移動度の異なるSDS電気泳動を組み合わせた2次元電気泳動法によれば,より明瞭に分かれる.

検査を築いた人びと

人脳用ミクロトームを完成させた ベルナールト・フォン・グッデン

著者: 酒井シヅ

ページ範囲:P.856 - P.856

 脳および脊髄の役目が正確にわかってきたのは,それらを連続標本で見ることが可能になってからのことである.その方法を考案したのはドイツのB.シュティリング(1810〜1879)であった.彼が1842年に一片の脊髄を凍結させ連続した薄片を作ったことから,この方法が広く行われるようになったのである.その後さらに固定法,包埋法に工夫がこらされ,製作技術は大いに向上したが,いまここで話題にするグッデン(1824〜1886)は1876年に人脳全体を薄く切ることのできるミクロトームを完成させた.これで人脳の構造についての研究が一段と進んだのである.
 グッデンはオランダの国境に近いクレープに生まれ,ボン,ベルリン,ハレの各大学に学び,1848年に医学士となり,精神医学を専攻した.19世紀の脳の形態学がドイツで大いに発展したが,その研究が多くの精神医学者の手に成ったことは注目に値する.彼らは精神異常を精神の病気として認識した19世紀前半のフランスの医学者のあとに登場して,その病態を脳および脊髄の形態的変化としてとらえようとする学派を築いたのであった.

私たちの本棚

たこつぼの煙—タバコ 愛煙・禁煙—宮城 音弥 著

著者: 永江学

ページ範囲:P.894 - P.894

 喫煙者の10人に7人は禁煙をしたいと思っているといわれ,私自身もいまだに禁煙しようと思いつつ禁煙できないでいる一人である.実際に禁煙できる人は数少ないが,徐々に増加傾向にあり,"私はこれでタバコをやめました""私はこれで会社をやめました"というCMまで登場し,社会的に禁煙の機運が高まってきている.
 この本はタバコについての害のみならず,心理学的な益について多面的に書かれたものであるので,愛煙家の一人である私にとって,このうえない支えの本となっている.

けんさアラカルト

臨床検査従事者の職業病

著者: 富田仁

ページ範囲:P.902 - P.903

 臨床検査技師には,はっきりした職業病と言われるものもないし,産業別労働災害事故100人以上の中にも入っていない.しかし,臨床検査室で働く者には,何となく危険があるように外部からは見える.それは,病人に接したり,病人からの生の材料を取り扱い,しかも時には有毒な毒物の化学薬品を取り扱って検査するからである.
 法定伝染病をはじめ開放性結核など伝染性の病気にかかると,隔離病棟に入れられるが,それから得られた喀痰,便,尿,血液,髄液など最も危険な諸検体は,隔離病棟をいとも簡単に通過して,普通の検査室に提出される.日本脳炎などをはじめとするウイルス疾患は,過って感染すると,現在まだよい治療剤もないから,検査室は大変危険な所ともいえる.かつては,多分に検体から移ったと思われるような肺結核,梅毒,ウイルス性肝炎を経験したし,引火物による火傷,感電死も見たし,薬物による眼,皮膚障害,肝障害,神経障害も経験したが,最近は,検査業務に就く以前からの教育が行われ,危険物に対する知識が一般化し,認識され,健康管理も行われ,分析機器も進歩したので,以前ほどではない.あらかじめ,これが危険であるということを知っておれば,一般にはそれほど危険ではない.

りんりんダイヤル

乳腺・甲状腺エコーについて

著者: 丹生谷徹

ページ範囲:P.905 - P.905

問 乳腺の超音波診断に水浸法を用いるのには,どんな理由があるのでしょうか.また,電子スキャン法を用いるのはよくないとの声も一部に聞かれますが,これはなぜなのでしょうか.(千葉 K子)
答 最近の乳腺に用いられる超音波断層装置により,乳腺腫瘍の嚢胞性か充実性かの質的診断のみならず乳房内を,肉眼的解剖に近い非常に微細な断面像が得られるようになりました.これは,診断装置の改良や振動子の開発が飛躍的に進歩し,鮮明な画像が得られるようになったためです.乳腺における超音波診断装置の能力は浅い部位にある腫瘍を明瞭に描出することが必要で,5mm前後の小腫瘍を描出できなくてはなりません.そのため振動子は5MHz以上の高周波数のものを使用します.例えば5MHzの振動子の分解能は生体内の音速を1,500mとしますと,波長=1.5×106(mm)/5×106(Hz)=0.3mmとなり,理論上の分解能は0.3mmとなります(実際には理論値より分解能は落ちる).また,最近の診断装置は微小石灰化像も描出可能といわれています.

ME図記号に強くなろう

23変調器・復調器・検波器

著者: 小野哲章

ページ範囲:P.844 - P.844

 ①送信したい信号を電波などの搬送波(信号を運ぶもの)に乗せることを変調(modulation)といい,搬送波から信号を取り出すことを復調(demodulation)という.変調器と復調器は同じ図記号を使う.医用ではテレメータモニタの送受信器に使われている.変調にはいろいろの種類があるが,代表的なものはFM(周波数変調)とAM(振幅変調)である.
 ②検波器は広義には復調器と同じ意味で使われる.変調された波を検出することを検波という.一般にはAM復調を検波と呼ぶことが多い.検波器はダイオードで構成されるので,図記号はダイオードを四角で囲ったものを使う.

コーヒーブレイク

中年のひがみ

著者: S.I.

ページ範囲:P.855 - P.855

 「新人類」なる言葉をきく."余り努力しないように見えて,ここいちばんで実力を発揮したり,良い成績をおさめる者"を言うらしい.この意味が正しければ小生の仲間にも何人かいた.ふだんたいして勉強してないように見えても,試験ではいつも良い成績をとって涼しい顔をしており,うらやましいと思ったものである.
 ところで最近,若い人の間に新傾向が現われはじめたらしい."爺くさい趣味や行動を好むヤング"が増えているとか.例えば,盆栽に興味をもつ若者が多くなっている,ディジタル時計よりアナログ時計が売れている,明治をテーマにした本が売れたり,テレビでは小森のおばちゃま,講演会では宇野千代さんがモテモテであったりとか.言われてみればなるほどとうなずける.

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第30回臨床検査技師国家試験問題 解答と解説

ページ範囲:P.906 - P.943

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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