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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術16巻8号

1988年07月発行

雑誌目次

病気のはなし

HAM(HTLV-Iミエロパチー)

著者: 納光弘

ページ範囲:P.926 - P.930

サマリー
 成人T細胞白血病を起こすレトロウイルスHTLV-Iが,痙性脊髄麻痺というまったく別の病気にかかわっていることが明らかとなり,注目されている.この病気は,HAMの略称で呼ばれ,全国で400例を超える患者の存在が明らかとなっている.カリブ海を中心に存在する熱帯性痙性脊髄麻痺もその大半は,HAMと同じ疾患と考えられている.検査上,重要なことは,血中と髄液の抗HTLV-I抗体が陽性であることである.

技術講座 細菌

腸球菌の同定

著者: 久保勢津子

ページ範囲:P.943 - P.949

サマリー
 レンサ球菌の多くは,ヒトの上気道,口腔や腸管に常在している.近年,当院では腸管に常在し病原性が低いとされる腸球菌がセフェム系などの抗菌剤使用患者で,糞便,尿,膿汁や胆汁などの臨床材料からの分離が増加している(表1).また従来,腸球菌はアミノベンジルペニシリン(ABPC)には感受性で治療の第一選択剤であったが,この数年Enterococcus faeciumやE. aviumなどABPC耐性株が尿や膿汁などから高率に分離されており,もっとも分離の多いE. faecalisとの鑑別が必要となっている.
 1986年に出版された"Bergey's Manual of Systematic Bacterioiogy,Vol.2"では,グラム陽性細菌の性状が述べられており,従来,Genus Streptococcusに属し,LancefieldのD群のS. faecalis,S. faeciumやS. aviumなどの腸球菌と呼ばれていた細菌は,Vol.2ではGenus Enterococcus1)が設けられ,"InternationalJournal of Systematic Bacteriology"に発表されたEnterococcus(腸球菌)は現在9菌種2,3)となった(表2).そこで,新しい分類に基づいて,日常検査室で比較的簡単に行える同定法を述べてみたい.

一般

尿沈渣の見かた4—結晶成分

著者: 菊池亮

ページ範囲:P.951 - P.955

サマリー
 尿沈渣中の結晶・塩類について出現機序を4通りに分類し,機序と出現する結晶について概説した.結晶成分を特異的に証明し同定する方法として,生化学検査で用いられている試薬,操作手順を尿沈渣中の結晶に応用することの有用性と具体例を示した.
 分離分析法は,日常の検査の中で取り入れられるようくふうしたTLC法について,アミノ酸尿を対象として,手技を中心に詳細に記述した.腎・尿路結石症の尿沈渣中に見られる結晶・塩類は結石成分を反映している可能性が高いことなど,結晶・塩類を正しく鑑別,同定することの重要性を述べた.

検査法の基礎理論

イムノアッセイとレセプターアッセイ

著者: 内村英正

ページ範囲:P.931 - P.935

サマリー
 血液の微量成分測定法として重要な免疫学的測定法の中でもRIAの出現は応用範囲が広く,臨床医学,特に内分泌代謝学の分野の様相を一変させた.非放射性標識体として酵素を利用したEIAは,利用範囲をさらに広げた.一方,ホルモンや生物学的活性因子の作用機構の研究は特異的な受容体の概念を定着させ,RRA開発と受容体以降のシグナル伝達システムの解明へと発展した.本稿はRIA,EIA,RRAについて概説する.

内分泌細胞の染色

著者: 木村伯子

ページ範囲:P.937 - P.942

サマリー
 内分泌細胞はホルモンを産生する細胞である.ホルモンには大きく分けて,蛋白系ホルモンとステロイドホルモンの2種類がある.従来,内分泌細胞の染色法として用いられてきた種々の染色法は,蛋白系ホルモンの中の,アミンとペプチドを産生するAPUD細胞を同定するものがほとんどである.これらの染色理論は明らかでないが,経験上,好塩基性,好酸性,好銀性,銀還元性などを示す細胞と産生ホルモンの種類が対比されてきた.現在は好銀性,銀還元性反応を行って,内分泌細胞であるかないかのスクリーニングを用い,産生ホルモンの同定には免疫組織学的手法が用いられている.ステロイド産生細胞も転換酵素を免疫組織学的に同定することにより,その産生ホルモンを推定できるようになってきている.

ラボクイズ

〈問題〉細胞診

ページ範囲:P.956 - P.956

6月号の解答と解説

ページ範囲:P.957 - P.957

マスターしよう検査技術

クラミジアの検出法

著者: 橋爪壮

ページ範囲:P.959 - P.963

 クラミジア(Chlamydia trachomatis)の検査の尿路性器感染症では,尿道または子宮頸管からの病原体分離もしくは抗原検出が重視される.しかし,乳児肺炎,卵管炎,骨盤内炎(pelvic inflammatory disease;PID)では,鼻咽腔,子宮頸管からの抗原検出のほかにIgA,あるいはIgMを含めた抗体検査が必要となる.また子宮頸管からの抗原検出は1回だけの検査では100パーセントの抗原検出は難しく,IgA,IgG抗体の存在が感染のよい指標となるので,抗体検査も欠かせない(表).以下,簡単に検査の術式を紹介したい.なお検査法について詳しく知りたい方は,『微生物検査必携第3版—ウイルス・クラミジア・リケッチア検査』(日本公衆衛生協会),『クラミジア感染症の基礎と臨床』(金原出版)を参照されたい.

検査ファイル 項目

レクチン親和性AFP

著者: 坂本直子

ページ範囲:P.964 - P.965

 現在AFPの測定に使用されている抗ヒトAFP抗体はいずれも,蛋白部分をエピトープとしたものである.しかし,AFPは糖鎖部分にきわめて特異的な癌性変化を起こすため,蛋白部分の測定だけでは難しかった肝細胞癌の早期診断3)や,肝細胞癌と転移性肝癌,ヨークサック腫瘍などとの鑑別診断に,血中AFP糖鎖の解析が有用であると報告されている.
 このAFP糖鎖の構造変化はレクチンを用いて分離することが可能であり,血中のレクチン親和性AFPの測定法として,アフィニティークロマトグラフィー法や交差免疫電気泳動法などの方法が通常行われている.私たちは分離能,再現性,感度の点から前者のアフィニティークロマトグラフィー法をルーチン検査に採用しており,以下,主にこの方法を用いたレクチン親和性AFPの検査について述べる.

NAGビブリオ

著者: 児玉博英

ページ範囲:P.966 - P.967

 NAGビブリオというのは,現在は行政上用いられる名称であって,単一の菌種を指すものではない.これには,Vibrio cholerae non-O1(コレラ菌と同一の性状を示すが,コレラ菌診断用混合血清に凝集しないO1以外の血清型1),以下V. c. non-O1)と,従来白糖非分解NAGと称されたVibrio mimicus(以下V. m.)が含まれる.
 V. c. non-O1は,コレラ常在地では以前からコレラ様下痢症の原因菌として知られ,日本では海外旅行後の下痢症患者からしばしば分離されている.しかし,1980年代に入ると,国内感染と思われる本菌やV. m. による食中毒事例が報告され2),これらの菌は食品衛生関係者にも注目されるようになった.厚生省は1982年3月,これらの菌による急性胃腸炎または下痢症を食中毒扱いとした(環食,第59号).

機器

ドプラー血流計(1)—血流計測・心機能評価のための超音波ドプラー法

著者: 北畠顕 ,   石原謙 ,   鎌田武信

ページ範囲:P.968 - P.969

 心臓・血管系は生体において機械的な構造を持ち,自律的に運動し続ける物理学的性格の強いシステムである.このため循環器系においては他の領域と異なり,流体力学的な指標が重要となる.ここでは,わが国で開発された超音波ドプラー法について述べる.この方法は患者に苦痛を与えず非侵襲的に行え,他の血流計測法と異なったいくつかの特徴を持つ.

用語

CD分類(2)

著者: 宮坂昌之

ページ範囲:P.970 - P.971

 前回(16巻5月号) CD分類(1)ではその原理,利点などについて述べたが,今回はよく用いられるCD抗原(表)につき簡単に触れてみよう.

検査技師のための新英語講座 English for Medical Technologists・7

なぜSimple is bestか

著者: 今井宣子 ,  

ページ範囲:P.972 - P.974

先輩技師:最近いくつか書いたので,実例に一つ,ちょっと見てくださいますか?
英文編集者:どうぞ.

トピックス

イオンチャネルの分子構造

著者: 中山仁

ページ範囲:P.976 - P.977

 細胞の情報伝達機構の一つに,細胞膜上でのイオンの選択的出入りによるものがある.この選択的イオン透過を行う分子がイオンチヤネルで,透過するイオン種に対応してNa,Ca2+,K,あるいはClチャネルなどと呼ばれる.イオンチャネルがもっとも発達しているのは神経や筋肉などの興奮性膜で,NaチャネルやCa2+チャネルの寄与が大きい.興奮性膜とは,細胞膜電位に依存して開閉するチャネルをもつ生体膜である.これはもう一つのイオンチャネル,すなわち,その開閉が膜電位依存ではなく,神経伝達物質などのリガンドの結合でコントロールされているものと区別される.
 最近,これらイオンチャネルの分子構造が,遺伝子工学的手法によって相次いで明らかにされた.電位依存性のものではNaチャネル1),Ca2+チャネル2),Kチャネル3)であり,また後者の例としてニコチン性アセチルコリン受容体(分子内にNaおよびKチャネル機能を含む)のほかに,GABA受容体4)やグリシン受容体のようにClチャネル機能と連関したものがある.

S100陽性Tリンパ球

著者: 高橋聖之

ページ範囲:P.977 - P.978

 S100蛋白はカルシウム結合蛋白の一つで,機能は不明ながらも,そのきわめて特徴的な臓器組織内分布と,抗原性としての高度な安定性ゆえに,病理組織診断上もっとも重要なマーカーの一つとなっているが,この点は他書に譲るとして,筆者らが進めている研究を紹介する.
 ヒトの末梢血Tリンパ球の中にS100蛋白を含有する特異なサブセットが存在する1).このS100陽性Tリンパ球(S100 TL)はsuppressor/cytotoxic T細胞に属し,健康人の末梢血全リンパ球の2〜10%を占めている2).興味深いことに,S100 TLは進行癌患者の末梢血では非常な減少傾向にあり2),この事実はS100 TLがなんらかの抗腫瘍性を有しており,その減少と癌の進展が関連するのではないかとの推測を生み出す.

国家試験対策室

微生物学

著者: 白川卓

ページ範囲:P.980 - P.983

臨床検査技師国家試験を目指す受験生に,今月号より"国家試験対策室"を連載します.毎号1〜3科目を取り上げ,全15科目を翌年春の国家試験(今年より年1回)受験に役だつよう具体的な例題とその解答・解説,そして学習のポイント,受験へのアドバイスなどを技師養成学校の教師が執筆します.本誌1月号掲載の「国家試験問題—解答と解説」および小社発行の「臨床検査技師国家試験問題集」と合わせてご活用ください.

ザ・トレーニング

呼吸曲線

著者: 河越弘 ,   毛利昌史

ページ範囲:P.984 - P.988

 呼吸機能検査は肺疾患の機能的診断や重症度判定に必要な検査であり,呼吸曲線の解析はその基本といえる.近年,医療技術の進歩に伴い,呼吸機能の測定装置には自動化された装置が多用されているが,測定原理の理解はその正しい使用の前提といえる.

やさしい統計のはなし・7

検定と信頼区間(1)

著者: 大橋靖雄

ページ範囲:P.989 - P.991

 前回挙げたGOTとGPTの間の相関を調べる問題(例1)と,ラットの赤血球を測る二つの機器の間の差を調べる問題(例2)とを例として,統計的推測,特に検定と信頼区間の構成法について解説しよう.
 後者のデータは表1に示すとおりであり,新しい自動血球計数器Aと従来の機器Bのそれぞれで同一の個体の計測を行っている.AとBとは同じものを測っているのか,あるいは今後Bを用いるとしたら,これまでAを用いて得たデータはむだになってしまうのか,それともなんらかの補正(較正)をすれば利用できるのかを調べるのが,本来の目的である.(データは吉村,他「毒性・薬効データの統計解析」p.156,サイエンティスト社から引用した.)

学園だより

福島県立総合衛生学院臨床検査学科

著者: 山田正弘

ページ範囲:P.950 - P.950

■沿革
 福島県立総合衛生学院(学院長・伊藤司,福島市渡利字中角61)は,1971年にそれぞれ独立して設置されていた保健婦,助産婦,看護婦,歯科衛生士,歯科技工士,臨床検査技師の養成施設を統合し,6学科を擁する総合医療技術者の養成施設として発足した.その中でも臨床検査学科の歴史は古く,衛生検査技師法制定以前の1955年に福島県立衛生技術員養成所(2年課程,定員10名)として福島県衛生研究所に付属して開設され,その後,衛生検査技師法の施行により衛生検査技師養成所と改め,定員も20名となった.衛生学院に統合された後,1973年には技師法の改正にょって臨床検査学科(3年課程,定員20名)と改称されて現在に至っている.開設以来送り出した卒業生数は437名(61年度現在)である.
 1981年には学院創立10周年を記念して校歌「この青春のときに」(みなみらんぼう作詞・作曲)を,1985年には校章,校旗を制定した.さらに1988年には臨床検査技師教育カリキュラムの改正に伴って校舎の増改修工事を行う予定であり,施設の整備と教育内容の充実を図り,専門医療技術者の教育施設として進展を見ている.

けんさアラカルト

尿蛋白電気泳動で発見された「異常蛋白尿症」の一例

著者: 渡辺信子

ページ範囲:P.958 - P.958

 一般的に尿検査は,身体に苦痛を加えずに検体が得られ,全身状態や腎臓・尿路系の変化を反映して多くの情報が得られるので,診療には欠かせない検査となっている.しかし,多くの場合,尿検体は患者自身が採取するため,検体の採取から検査まで完全に管理されている血液検体などと異なり,検査室側で管理できない空白の時間帯がある.
 ここに紹介する「異常蛋白尿症」は,患者がみずから膀胱に異種蛋白を混入し,検査室ではこの外因性の蛋白を人体由来のものとして検索した例である症例:16歳の女性.13歳ごろから高蛋白尿症と背部痛があり,数施設を受診したが,原因がわからなかった.蛋白尿と顔面浮腫を主訴に本院を受診し,精査のため入院.入院中も時々発作的に起こる強い背部痛を訴えた.腎生検など系統的かつ詳細な検査が行われたが,蛋白尿と背部痛の原因は解明されなかった.

けんさ質問箱

糞便のシュミット昇汞試験に代わる方法

著者: 吉国桂子 ,   T子

ページ範囲:P.993 - P.994

問 糞便のシュミット昇汞試験を金井の『臨床検査法提要』のとおりに実施していますが,便の色調に影響されて判定しにくく,困っています.また昇汞は廃液の問題もあるため,可能ならば他の方法で代用したいのですが,よい方法をお教えください.(三重・T子)
答 ビリルビンは赤血球中のヘモグロビンに由来するヘムの最終産物であり,約120日の寿命を終えた赤血球が脾,肝臓の網状内皮系細胞に取り込まれることにより生じます.そして,肝から胆汁の一成分として腸内に排出され,多くは腸内細菌に分解されウロビリン体となって糞便中に排出されます.一部は腸管から再吸収され腎に排出されるほか,肝に至り再びビリルビンとして腸に排出されます.これらのサイクルのいずれに障害が生じてもビリルビン代謝異常をきたし,多くの場合,黄疸に至ります.ビリルビン代謝に関する臨床検査法としては,検査材料として血液,尿,糞便,胆汁などを用いた方法がありますが,一般には血清ビリルビン,尿ウロビリン,ウロビリノーゲン,ビリルビンの測定が行われています.

尿中の嫌気性菌等の解釈

著者: 菅野治重 ,   T生

ページ範囲:P.994 - P.995

問 尿沈渣で細菌が検出されても,培養結果が陰性となる場合があります.このような例では成績の解釈をどうすればよいのでしょうか.(兵庫・T生)
答 尿沈渣所見と培養成績の不一致例は意外と多く,臨床側からの問い合わせの多い事項の一つである.この場合の解釈として以下の基本的な認識が必要である.

ワンポイントアドバイス

尿沈渣と接眼レンズの視野数

著者: 今井宣子

ページ範囲:P.949 - P.949

 先日,近隣17施設を対象に尿沈渣のコントロールサーベイを行った.固定赤血球を添加したプール尿を各施設へ配布し,各施設の方法に従って測定してもらい,強拡大1視野(以下HPF)あたりの平均赤血球数を報告してもらった.その結果,17施設の全平均値は22.5/HPF,CVは59%であった.
 ところで,これら17施設中1施設だけ極端な高値を示す施設があった.つまり,この施設は平均値を52/HPFと報告してきたのである.これは明らかに異常値であると思われたので,その原因を追求してみた.しかし,スピッツの形状,採尿量,遠心条件,残渣量,染色法,1滴量などに関しては何も問題はなかった.さらに各ステップごとに一つ一つ洗い直していったところ,その原因は顕微鏡の接眼レンズにあることがわかった.すなわち,この施設では接眼レンズに視野数26.5の超広視野レンズを用いていたために,全平均値よりも約2倍の高値を示してしまったというわけである.

コーヒーブレイク

フローサイトメトリー

著者:

ページ範囲:P.955 - P.955

 フローサイトメーターを初めて見たのは、もうずいぶん前だったような気がする。病院から派遣され、面倒な手数をかけ白黒表示される図柄を見て、やっかいな器械だと思った記憶がある。それから数年を経てカラー表示されるようになり、それを初めて見たときの感動は忘れられない。キラキラ輝く画面、紺碧の大空に赤、オレンジ、緑の星雲がまばゆいばかりに散りばめられている。大げさにいえば大宇宙の中に一人置かれたような心持ちだった。ガガーリン少佐が地球は蒼かったと言って宗教家になってしまった気持ちがわかるような気がした。あの美しい世界を画にしたいと考えたのが本紙の表紙となるキッカケである。しかし、その結果は何というイメージギャップだろう。そうだ、もうこれは勉強の場と考えるより仕方がない。
 表紙の図柄の説明で、本紙一月号で中原一彦先生が述べられているように、フローサイトメトリーによる細胞表面抗原すなわち表面マーカーの検索は、各種疾患の診断および病態解明のためにたいへん役だっている。Tリンパ球、Bリンパ球はもちろんのこと、形態観察で同定の難しい巨核球さえモノクローナル抗体があればすぐわかる。

ニュース

小島三郎記念技術賞を5氏が受賞!—阪大病院の今井宣子氏ら

ページ範囲:P.936 - P.936

 第23回小島三郎記念技術賞,第7回福見秀雄賞の贈呈式が去る5月14日,東京・野口英世記念館にて行われた.「小島三郎記念技術賞」は元国立予研所長小島三郎博士の遺徳を顕彰するため,臨床・衛生検査領域にて優れた検査方法・術式の考案・改良を行い,また検査技術の普及・発展に功績のあった者に毎年1回贈られ,一方「福見秀雄賞」は,臨床・衛生検査領域に半生を捧げ,技術の開発・向上に努力し,かつ後進の指導・育成に貢献のあった者に贈られる賞である.
 受賞者の一人,今井宣子氏(阪大病院,本誌編集委員)は,尿円柱の成因に関する研究に尽力し,特に尿円柱の主成分を分析し,T・Hムコ蛋白であることを証明したことなどが認められたものである.

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第34回臨床検査技師国家試験学校別合格状況

ページ範囲:P.983 - P.983

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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