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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術23巻12号

1995年11月発行

雑誌目次

病気のはなし

甲状腺機能低下症

著者: 内村英正

ページ範囲:P.932 - P.938

新しい知見
 バセドウ病患者では刺激型抗体(TSAb)が甲状腺を刺激しており,また甲状腺の萎縮を伴った機能低下症患者の一部では甲状腺刺激阻止抗体(TSBAb)のために機能低下症が起こると考えられていたが,最近同一患者で機能亢進症や低下症が交互に繰り返して発現する例が報告され,免疫異常による自己抗体の生成段階でTSAb優位かTSBAb優位となるかによって,それぞれ機能亢進症あるいは低下症となることが明らかとなり,種々の自己抗体が同一患者で時期によっては混在していると推測されている.

検査法の基礎

交換輸血の適応

著者: 月本一郎

ページ範囲:P.939 - P.945

新しい知見
 小児の交換輸血の目的は,血液中の有害物質を取り除き,有効な成分と置換することにある.その多くは循環血液量が少ない未熟児・新生児に用いられる.対象となる疾患は,高ビリルビン血症を伴う新生児溶血性疾患,血管内凝固症候群であるが,近年,特発性呼吸障害の治療にも用いられている.副作用としては,代謝異常,GVHD,ウイルス感染などが問題になる.

カラードプラ法の基礎

著者: 竹中克

ページ範囲:P.947 - P.952

新しい知見
 カラードプラ法は,1984年の誕生以来ほぼ10年間,精巧な血流速度測定法であるにもかかわらず,折り返し現象という特質に阻まれて“血流の可視化”という目的のためにだけ利用されてきた.しかし,10代に突入した現在では,カラードプラ法を用いた新しい逆流蚤の定量化,時間分解能の向上,血流のみならず心筋の速度測定への応用,流速でなく信号強度を表示するエネルギーモード,三次元カラードプラなどの新技術が豊富に出現してきている.

技術講座 生化学

カルモデュリンの測定

著者: 長谷川雄一 ,   長沢俊郎

ページ範囲:P.953 - P.956

新しい知見
 カルモデュリンは1970年にChengと垣内によってcAMP分解酵素を活性化する蛋白として発見された.しかしその後Ca2+受容体蛋白として実に多くの生体現象に関与していることが明らかになった.特にカルモデュリンキナーゼIIは神経系での含有率が高く,分子レベルでの記憶装置として働いている可能性が示唆されている.さらに膵臓におけるインスリン分泌の制御などが近年明らかになってきた.

免疫

総IgE,特異的IgE抗体

著者: 灰田美知子

ページ範囲:P.957 - P.962

新しい知見
 現在の総IgEおよび特異的IgE抗体での測定の新しい点は,それぞれ感度と特異性を高める工夫が進められている点である.またこの際,より大量の検体を,より早く処理するための機械化が進められた.また,これと関連して,アイソトープを用いず,酵素抗体法や蛍光酵素免疫法などを用いることが多くなっている.また最近では,より多くの種類のアレルゲンの特異抗体が測定できるように各社努力しており,現在,約140種のアレルゲンに対する特異抗体の測定が可能になっている.

病理

骨梁の走査電顕による観察

著者: 大平嘉一 ,   岩坂茂 ,   石田剛 ,   町並陸生

ページ範囲:P.963 - P.968

新しい知見
 近年分子生物学の進歩により,DNAレベルの研究が盛んに行われている現在,病理学の分野においても発癌のメカニズムの解明など分子生物学的研究が行われている.しかし,現在の多くの疾患分類の基礎である形態像を精確にとらえることは,分子生物学的研究に劣らず重要であると考えられている.
 走査電顕による病理組織学的診断へのアプローチは,まだまだ来開拓の分野である.しかし,光顕では観察し得ない各種臓器・組織における病変を走査電顕的手法を用いて3次元的に観察し,光顕や透過電顕と併せて組織学的診断を行うことにより,形態像のより深い理解が可能になると思われる.

マスターしよう検査技術

骨髄塗抹標本の作りかた

著者: 鈴木千恵美

ページ範囲:P.981 - P.987

 骨髄穿刺検査は,古くから実施されてきた検査法の1つであり,血液細胞形態や細胞量による骨髄内形成の程度を知るうえで重要な検査である.
 最近では,自動血球分類装置の発達・成果が大いに期待されてはいるが,異常細胞の判定や骨髄像分類は,最終的には人間の目によって判定しなければならない.それらの細胞判定を容易にするためには,良好な塗抹染色標本の作製が大切である.ここでは,骨髄から得られる情報について述べ,骨髄塗抹標本の作製について解説する.

画像でみる生体情報・11

画像診断の産科への応用

著者: 太田司 ,   岡村州博

ページ範囲:P.969 - P.973

 産婦人科における検査方法としては,古くには触診(内診),視診(腟鏡診)が中心であった.しかし,近年になり,細胞診,組織診,X線撮影,CT,超音波断層装置,胎盤採取,羊水穿刺(胎児採血),MRIなどさまざまな検査方法が取り入れられてきている.
 MRIは優れたコントラスト分解能と骨によるアーチファクトがない利点とあいまって,骨盤領域の診断に優位性を確立している.画像診断において,婦人科領域では,最も信頼できる検査といえよう.症例1では,さらにMRIの産科における応用について解説する.

生体のメカニズム 体液調節機構・11

カルシウム代謝調節の異常

著者: 塚本雄介

ページ範囲:P.989 - P.992

カルシウム代謝調節異常の原理
 血清カルシウム(Ca)値の正常値は多少施設間で差があるにせよほぼ8.2〜10.2mg/dl(4.1〜10.1mEq/l)である.これは総Ca濃度を表すのでmg/dl表示のほうが適切である.血中に存在するCaの約50%はアルブミンに結合しており,残りが遊離Caイオンの形で存在する.蛋白結合体のCa濃度はあくまでアルブミンの血中濃度によって濃度が決定される.したがって,低アルブミン血症があると総血清Ca値は低くなるが実際の遊離Caイオン濃度(以後Ca2+で表す)は正常である.この見かけの低Ca血症は治療を必要としない.なぜならば生体活動を調節しているのはあくまでも遊離C2+濃度のみであるからである.したがって低アルブミン血症が存在する場合はC2+濃度を治療に当たって常に測定すべきだが,できない場合は血清アルブミン値で補正した補正Ca値を使用する.
 補正Ca値=(4-血清アルブミン値)+血清Ca値この補正Ca値が8.0mg/dl以下のものを低Ca血症,10.5mg/dl以上を高Ca血症と呼ぶ.また血液pHにCa2+濃度は影響を受ける.すなわちpHとCa2+は反比例する.このため血液pHが上昇するアルカローシスの病態では低Ca血症の症状が発現しやすくなる.

検査データを考える

低コリンエステラーゼ血症

著者: 須藤加代子

ページ範囲:P.993 - P.997

はじめに
 低コリンエステラーゼ(ChE)血症を示す疾患,病態としては,有機リン中毒がまず浮かぶ今日このごろである.あの忌まわしいサリン事件で一躍,低ChE血症が脚光を浴びてしまった.表1に低ChE血症をきたす原因をまとめた.日常の臨床検査において最も多く観察される低ChE血症は,肝臓での蛋白合成低下によるものである.アルブミンなどと同様に,このChEが肝臓で合成されて,酵素蛋白であるためその活性を利用して微量の変化を測定できるので,本邦では血清ChE活性値は肝機能検査として位置づけられており,健康診断,人間ドックなどで測定されている.
 欧米では血清ChE活性測定は術前検査として位置づけられている.サクシン,スキサメトニウムなどの筋弛緩剤を代謝するのがこのChEであるため,低ChE血症では,これら筋弛緩剤投与後に遷延性の無呼吸をきたす危険性があるからである.特に遺伝的なChE変異例では,遷延性の無呼吸に陥る危険性が高いため,術前検査が必要とされている.本稿では,低ChE血症の実例を示し,説明をすることとする.

わかりやすい学会スライドの作りかた

学会抄録の作りかた[2]作成の要点と手順

著者: 桑克彦

ページ範囲:P.978 - P.980

 学会抄録原稿のできばえの良否は,発表者や共同発表者の質的レベルが判断されるものである.
 ここでは前号に続いて,抄録原稿の作成の要点と留意点をまとめ,抄録原稿の作成手順と定形的な表現の例を示す.

検査ファイル

Clostridium difficileの型別(タイピング)

著者: 加藤はる

ページ範囲:P.998 - P.998

[1] Clostridium difficileと院内感染
 C. difficileは偽膜性腸炎の原因菌としてよく知られており,抗菌薬や抗腫瘍薬を投与された後に引き起こされる腸炎や下痢症の主要な原因菌でもある.一方,本菌は偏性嫌気性菌であるにもかかわらず,酸素耐性の芽胞のかたちで病院の環境に生存し続け,院内感染の原因となることが多い1).C. difficileによる感染は,もともと自身の腸管に存在していた菌による内因性感染と,外部から獲得した菌による外因性感染に大別できる.問題となる院内感染は外因性感染で,その感染源,感染経路に対して予防対策を考えなければならない.

刺激伝導系

著者: 八木洋

ページ範囲:P.999 - P.999

 心臓の電気的興奮の生成および伝導は特殊刺激伝導系によって行われており,洞結節,結節間伝導路,房室結節,ヒス束,左右脚,およびプルキンエ線維網からなる.特殊刺激伝導系の細胞は一般に自ら興奮を生成する能力(自動能)を持つが,正常では洞結節細胞の興奮頻度が他の刺激伝導系細胞の頻度より高いため,洞結節が心臓の歩調を支配することになる.心房および心室の固有心筋細胞は作業心筋ともいわれ,特殊刺激伝導系には含まれない(図).

トップ&ボトムバッグシステムを用いた血液成分製剤調製

著者: 中條聖子 ,   関口定美

ページ範囲:P.1000 - P.1000

 輸血による副作用の中で最も頻繁に生じる非溶血性発熱反応は,主として製剤中に存在する白血球が原因とされ,頻回輸血患者に多発する1).輸血血液から白血球を除去するにはフィルターが最も効率的な除去法ではあるが,操作性,無菌性,経済性などの面からすべての製剤に適用することは現在のところ難しい.非溶血性発熱反応は製剤中の白血球を90%程度除去する,すなわち,1製剤当たりの白血球数を5×108個以下にすることにより防ぐことが可能とされている.このような製剤を調製する方法として,広く一般的に用いられているのがバフィーコート(buffy coat;BC)除去法である.これは全血を遠心後,血漿と赤血球層の間に白血球が多く存在するいわゆるBC層を無菌的に除き,濃厚赤血球(concentrated red cells;CRC)を調製する方法である.日本赤十字社では4連バッグを用いてBCを除去したCRC(buffy coat poorCRC;BPCRC)に赤血球保存液M・A・Pを添加している2)

クロイツフェルト・ヤコブ病

著者: 今福一郎 ,   金澤一郎

ページ範囲:P.1001 - P.1001

はじめに
 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakobdisease)は,急速に進行する痴呆,ミオクローヌスを主症状とし,発症すると多くの場合,1年以内に死亡する予後不良の病気である.病理学的には海綿状脳症を特徴とする.類似の病理所見を呈するkuruが,死人の脳を食う習慣のあるニューギニア原住民の間で蔓延した病気であり,この病気の脳をチンパンジーに接種すると数年で発症した.こうしたことからslowvirus infectionという言葉が使われていたが,Prusinerは,ヤギやヒツジで海綿状脳症を呈するスクレイピーに感染したハムスターの脳から,最も感染性の高い分画を取り出し,核酸を持たない蛋白質からなる粒子としてプリオンと命名した.プリオン蛋白は,宿主固有の遺伝子によって作られ,正常でもほとんどすべての細胞に認められる膜貫通性蛋白であることがわかり,クロイツフェルト・ヤコブ病,kuru,Gerstmann-Sträus-Scheinker症候群,スクレイビーなどには共通に異常なプリオン蛋白が認められることから,これらをプリオン病と呼ぶようになった.

心腔内心エコー法

著者: 森内正人 ,   谷川直 ,   斎藤頴

ページ範囲:P.1002 - P.1003

はじめに
 従来からの心臓の超音波診断(経胸壁心エコー法・経食道心エコー法)では観察できる範囲が限られ,患者への負担が大きいなどの欠点があった.心腔内心エコー法は超音波探触子付きカテーテルを心腔内に挿入して心腔内から心臓・大血管の超音波画像を描出する方法で,侵襲的ではあるものの極めて鮮明な画像を持続的に描出できる1〜3)

ラボクイズ

問題:頭部MRI

ページ範囲:P.976 - P.976

10月号の解答と解説

ページ範囲:P.977 - P.977

明日の検査技師に望む

検査技師Yさん

著者: 児玉南海雄

ページ範囲:P.946 - P.946

 自分が入局した28,9年前は血清電解質の検査が一般的になりつつあったはしりで,われわれの先輩の先生方にとってはあまりよく知らないか,もしくはそれほど意識することのない検査項目であった.
 教授回診などでも特に問題にされることもないため,1年生の私などはただ決められた日に検査を出すという感じで指示伝票を書いていた.

けんさアラカルト

医療従事者のHCV感染

著者: 横須賀收

ページ範囲:P.974 - P.974

 C型肝炎ウイルスは血液によって感染する.したがって,医療従事者のうちでもC型肝疾患患者血清を扱ったり観血的処置をする検査技師,看護婦,医師は一般人に比べてC型肝炎ウイルス感染の高危険群であると考えられる.本邦における医療従事者のHCV抗体保有率は表1に示すごとくである1〜4).清沢ら,西村らは,医療従事者は一般人に比して高い傾向があると報告しているが,片山ら,西野らは対照である一般人に比して高いとはいえないと報告している.被検者数が比較的少ないために有意差はみられないが,やはり医療従事者は危険率が高いと考えてよいと思われる.特に検査技師に抗体保有率が高い傾向のみられることから,目に見えないくらいの血液が皮膚の傷を通してHCVに感染する可能性があると考えられる.患者血液を扱うときには手袋の励行が望まれる.
 それでは針・汚染事故後のHCV感染はどうであろうか.針事故後の経過観察者に発症がみられたという散発的な報告から,針事故後にHCV感染が起こりうることは明らかである.針・汚染事故後のHCV感染の頻度に関する報告を表2にまとめてある5〜7).Kiyosawaらの報告では針事故後107人中HCV感染は3人に認められている.Mitsuiらの報告では10%と高率であり,その危険性の高いことが示されている.われわれの施設における検索では181人中HCV感染は2人であり約1.1%と考えられる.

トピックス

テロメラーゼ

著者: 青木直人

ページ範囲:P.1009 - P.1010

はじめに
 染色体の末端部はテロメアと呼ばれ,染色体の安定性や核膜への接着に関する特殊な構造が存在し,TTAGGGの6塩基の配列が数千塩基にわたり繰り返されている.この特殊な繰り返し配列を特異的に合成する酵素がテロメラーゼである.大部分の体細胞ではテロメアが細胞分裂ごとに短くなり,ある程度の長さになると細胞分裂ができなくなり,やがて細胞は死んでしまう.このような現象からテロメアは細胞の分裂能や老化を刻む細胞内時計のような役割があると考えられている.テロメラーゼはこの細胞内時計の設定時間を変えることができ,細胞の不死化や腫瘍化との関連において注目されている1)

血漿グライコカリシン

著者: 国島伸治 ,   直江和樹

ページ範囲:P.1010 - P.1012

■血小板膜GPIb/IX複合体とグライコカリシン
 血小板膜上に存在する糖蛋白(GP)のGPIb/IX複合体は,一次止血において最も重要な役割を果たしている膜受容体である.すなわち,血管が破綻し内皮下組織が露呈されると,まずフォン・ウイルブランド因子(vWF)が結合し,次いで血小板がGPIb/IX複合体を介して結合する.この粘着を契機に血小板は活性化し,静止状態にある血小板をも巻き込んで凝集する.したがって,GPIb/IX複合体あるいはvWFを先天的に欠損する疾患(それぞれ,ベルナール・スーリエ症候群とフォン・ウイルブランド病)では血小板の粘着機能が障害されて出血傾向を呈する.GPIb/IX複合体は,GPIbα,GPIbβおよびGPIXの各分子よりなり,GPIbαにvWF結合部位を含めてすべての機能部位がある.GPIbαは血小板内に存在するカルシウム依存性蛋白分解酵素などにより容易に分解され,その分子の大部分を占めるグライコカリシンと呼ばれる分解産物を遊離する.グライコカリシンが正常人の血液中に存在することは,1984年に競合法を原理とした測定法の開発によって初めて明らかにされた1).1987年になり,グライコカリシンの血漿中濃度の測定は血小板減少症の鑑別診断法として有用であるとの報告が同じ研究者によりなされた2).しかし,この測定法は放射性同位元素を用いるために,特別な施設でのみ施行可能であったことから広く普及しなかった.

NO産生能と血圧

著者: 池田宇一

ページ範囲:P.1012 - P.1013

 内皮由来血管弛緩因子(EDRF)の本体が一酸化窒素(nitric oxide;NO)またはNO類似の物質であることが明らかにされて以来,NOについての研究が急速に発展してきた.生理活性物質であるNOの産生は,生体内ではNO合成酵素(NO synthase;NOS)によって行われる.NO合成酵素は,アミノ酸の一種であるL-アルギニンを酸化してL-シトルリンとNOを産生する.現在,NO合成酵素には,脳や脊髄に存在するnNOS,マクロファージや血管平滑筋細胞に存在するiNOS,血管内皮細胞に存在するeNOSの3種類が知られている.
 血管内皮細胞から放出されるNOは血管平滑筋細胞のグアニル酸シクラーゼを活性化し,cGMPを産生させることにより,平滑筋の弛緩を生じる.NOは血管トーヌスの調節機構を介して,高血圧の発症,維持に深く関与している可能性が考えられる.

けんさ質問箱

Q 性腺分泌物と円柱

著者: 野崎司 ,   木庭敏一 ,  

ページ範囲:P.1004 - P.1005

 尿沈渣について質問します.性腺分泌物と円柱の見分けかたと確認の方法を教えてください.

Q 米国における尿検査—特に尿沈渣

著者: 伊藤機一 ,  

ページ範囲:P.1006 - P.1008

 欧米における尿検査,特に尿沈渣検査法など教えてください.

今月の表紙

浸潤性小葉癌

著者: 都竹正文 ,   古田則行 ,   坂本穆彦

ページ範囲:P.945 - P.945

 乳癌は乳管上皮から発生する乳管癌と小葉内細乳管上皮から発生する小葉癌に大別される.浸潤性小葉癌(invasive lobular carcinoma)は「臨床・病理乳癌取扱い規約」の中で浸潤癌・特殊型に分類されている.
 小葉癌は欧米型の癌であり,本邦での浸潤性小葉癌の頻度は1〜2%で欧米での10%前後に比べて著しく低かったが,本邦乳癌の欧米化現象に伴い経年的な頻度の上昇がみられ,癌研例での最近の7年間の統計では,全乳癌の4.1%を占めるに至っている.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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