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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術26巻5号

1998年05月発行

雑誌目次

病気のはなし

溶血性尿毒症症候群

著者: 垣下榮三

ページ範囲:P.412 - P.419

新しい知見
 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と溶血性尿毒症症候群(HUS)は病態的には類似性があり,血栓性微小血管症(TMA)と一括されることが多いが,その原因は多様で,しかも本来の病因そのものは現在なお不明である.しかし,原因のいかんにかかわらず,血漿交換療法の有効性については共通していた.その中でHUSの典型であるベロ毒素(VT)あるいは志賀毒素(Stx)によるものは病原性がかなり詳細に判明してきたが,治療的には他のものと異なり,TMAではあっても下痢の先行するHUS(D+HUS)として区別する必要がある.しかし,血管内皮細胞障害に関係する要因,内皮細胞障害の指標などが最近測定可能となっており,これらの共通する部分の利用は,D+HUSと他のものとの違いを明確にしながらTMA全体の病態を解明するうえで役だてられるものと考えられる.

技術講座 生化学

NADスタートによるLD活性測定のJSCC常用基準法(改訂案法)

著者: 関口光夫

ページ範囲:P.421 - P.425

新しい知見
 JSCC常用基準法が提示され,常用酵素標準物質(ERM)が頒布されるに至り,現場で実践可能な血清酵素測定の測定体系が確立された.しかし,LD活性のJSCC常用基準法については約10年前に開発されたこともあり,その実施にあたっては一部に不具合いや矛盾が認められていた.改訂案法においては主に反応スタート方式と血清と試薬の混合比の改訂により普遍性の高いJSCC常用基準法になったものと確信する.また,JSCC自動化法への組み立ておよび関連についても提示したことにより,測定体系を活用するにあたりいっそう円滑になるであろう.

血液

プロトロンビンフラグメントF1+2

著者: 緇莊和子

ページ範囲:P.427 - P.432

新しい知見
 近年,凝固系の亢進を示すさまさまな分子マーカーが測定されている.F1+2は凝固系の活性化によるトロンビン生成を示す新しい分子マーカーとして,エンザイムイムノアッセイなどで測定可能となった.
 F1+2は凝固亢進状態を反映し,血栓性疾患や血栓準備状態,DICなどで高値を示す.また,低値レベルでの測定が可能であり,低凝固状態をとらえることができ,今後,経口抗凝固薬(ワーファリン)療法のコントロールの指標の1つとして利用が期待される.

微生物

グラム染色の精度管理

著者: 林和

ページ範囲:P.433 - P.437

新しい知見
 グラム染色は古くから行われている検査法であるが,近年,染色液や染色方法に改良が加えられ,安定した染色結果が得られるようになった.
 グラム染色は単に材料中の菌の有無を観察するだけでなく,炎症の確認と起因菌の推定診断を含む迅速細菌検査として,近年,あらためてその価値が強調されている.また,提出された材料が細菌検査にふさわしいかどうか,培養結果は病巣の菌叢を正しく反映するかどうかを検証する精度(品質)管理として重要な検査法である.

一般

尿中脂肪球および卵円形脂肪体の鑑別法と臨床的意義

著者: 堀田修

ページ範囲:P.441 - P.446

新しい知見
 慢性腎不全,ネフローゼ症候群などの腎疾患患者の尿中に出現する卵円形脂肪体の起源ならびにその発生機序については長い間不明であったが,各種モノクローナル抗体を用いて卵円形脂肪体の形質を解析した結果,卵円形脂肪体あるいは脂肪球は成熟マクロファージの形質的特徴を有し,尿細管上皮細胞の形質的特徴はないことが明らかとなった.臨床的には非選択的蛋白尿を呈する糸球体疾患において種々の程度に脂肪球の尿中排泄増加を認め,尿中脂肪球数は非選択的蛋白尿の程度,ならびに進行性の経過をたどる慢性糸球体腎炎,糖尿病性腎症などの腎疾患において腎症の進行速度と有意な相関を認める.尿中脂肪球はオイル赤などの脂肪染色により容易に定量化が可能であることから,今後,蛋白尿の鑑別診断,腎症の予後の予測,治療効果の判定の目的で尿沈渣の脂肪球数測定が臨床検査の場で実施されることが期待される.

尿中異型細胞の見かた—ステルンハイマー染色とパパニコロウ染色との対比

著者: 夏目園子 ,   佐竹立成

ページ範囲:P.447 - P.452

新しい知見
 尿中の癌細胞,とりわけ頻度の高い移行上皮癌細胞を見つけるために,ステルンハイマー染色による尿沈渣標本は,パパニコロウ染色による細胞診標本に劣らず有用である.今後は現在以上にステルンハイマー染色標本を活用し,尿中癌細胞の検出に努めることにより,尿路に発生する癌の早期発見,治療に貢献することができよう.そのために,特に一般検査や細胞診業務に従事する検査技師はステルンハイマー染色による癌細胞の見かたについて大いに勉強する必要がある.

日常染色法ガイダンス 核酸の日常染色法

フォイルゲン反応

著者: 岩原実

ページ範囲:P.453 - P.456

目的1〜5)
 核酸の主たる機能は遺伝情報の伝達である.すなわち,細胞に必要な蛋白の合成ならびにアミノ酸の結合に指示を与える物質である.核酸にはデオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)の2種があり,前者は主に核内で蛋白と複合体を形成し,染色体(クロマチン)として存在する.後者は細胞質内でリボソームとして粗面小胞体を形成,さらには核小体内にも存在している.
 フォイルゲン反応は,パラフィン切片上でDNAを特異的に証明する方法で,Feulgen(1924年)によって考案された.この原理は,DNAの構成要素である2-デオキシリボースのアルデヒド基に塩基性色素のパラローズアニリンを結合させるものである.2-デオキシリボースのアルデヒド基は,DNAの加水分解によりプリン塩基を遊離させることで切片上に露出される.これをシップ(Schiff)液中のパラローズアニリンで呈色させる.

細網(好銀)線維の日常染色法

ジョーンズPAM染色

著者: 則松良明 ,   中国恭美

ページ範囲:P.457 - P.459

目的
 過ヨウ素酸メセナミン(periodic acid-methenamine;PAM)染色は,ゴモリによるグリコーゲンおよびムチンのクロム酸・メセナミン銀染色をもとに,ジョーンズが1953年,腎糸球体の特殊鍍銀法として考案,1957年に発表した方法である.
 通常の鍍銀染色法では染めることができない細線維(基底膜;コラーゲンtype IV)を検出することが可能であり,特に糸球体腎炎の病理学的診断には欠かせない染色法である.

検査データを考える

抗血小板抗体(同種&自己)

著者: 森田庄治 ,   柴田洋一

ページ範囲:P.463 - P.468

はじめに
 抗血小板抗体は大別して抗血小板同種抗体と抗血小板自己抗体の2つに分類される.一般に抗血小板同種抗体という場合は,血小板膜表面に存在する抗源に対する抗体〔ABO, HLA(human leukocyte antigen,ヒト白血球抗原),HPA(human platelet antigen,ヒト血小板抗原)〕を意味し,その大部分は輸血や妊娠によって産生される.一方,抗血小板自己抗体は特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenicpurPura;ITP)に代表される自己免疫性疾患において産生される抗体で,血小板膜の糖蛋白(glycoprotein;GP)に対する抗体(抗GPIb,抗GPIIb,抗GPIIIa,抗GPIIb/IIIa複合体など)が明らかになっている.
 本稿では,筆者らがこれまでに経験した症例を中心に取り上げ,抗血小板抗体検査が診断の補助的検査として,病因や病態の解明に重要な検査であることから,その必要性について概説する.

検査の作業手順を確立しよう 血液検査・1

血球計数検査

著者: 久原太助 ,   藤田智代 ,   森澤美恵 ,   久保西一郎

ページ範囲:P.469 - P.474

はじめに
 血液検査部門の主要検査でもあり,またスクリーニング検査でもある血球計数(血算)検査(completeblood cell count;CBC)は,数十年前まではメランジュール,計算板,遠心器,比色計を用いて行われていた.1950年代後半ごろから,現在でも広く汎用されている電気抵抗検出法や静電容量検出法などの原理を用いた血球計数器が開発され,赤血球(red bloodcell;RBC)数,白血球(white blood cell;WBC)数,ヘモグロビン(hemoglobin;Hb)濃度,ヘマトクリット(hematocrit;Ht)値,血小板(platelet;Plt)数の同時測定,およびRBC恒数の即時算出ができるようになった.検体数の増加という社会的需要の増大と,機器改良技術の進歩により,現在ではWBC分類をも測定する全自動多項目血球計数装置が登場し,その精度,検体処理速度は飛躍的に向上している.
 一方,検査機器が高性能,高精度になればなるほど,機器精度管理が重要になってくる.また患者の生理的変動,採血方法,採血器具,抗凝固剤,搬送から血球計数までの時間など,自動血球計数器であるがゆえに計数データに影響を与える因子が増加することも忘れてはならないことである.

機器性能の試験法 自動分析装置の性能確認試験法・5

サンプルプローブのキャリーオーバー

著者: 白井秀明 ,   桑克彦

ページ範囲:P.475 - P.478

はじめに
 前報1)に引き続き,日常検査に用いる生化学用自動分析装置の性能確認試験法のうち,サンプルプローブのキャリーオーバーについて,東芝TBA-200 FRを例に示す.

ラボクイズ

問題:よく見られる衛生動物

ページ範囲:P.460 - P.460

4月号の解答と解説

ページ範囲:P.461 - P.461

オピニオン

大学病院検査技師の使命

著者: 柴田宏

ページ範囲:P.420 - P.420

技師の使命
 大学病院の使命は“教育”,“診療”,“研究”であるといわれる.一方,多くの大学病院が承認を受けている特定機能病院とは「医療施設機能の一環として,高度医療の提供,高度の医療技術の開発および評価ならびに高度の医療に関する研修を実施する能力を備え,かかる病院としてふさわしい人員配置,構造設備を有するもの」と定義されている.これらの資質は決して大学病院医師だけに課せられたものではなく,大学病院全体の施設,能力,人員に課せられたものである.すなわち,医師に限らず,看護婦,放射線技師,薬剤師,事務員……,もちろん臨床検査技師にも同等に課せられている.したがって,大学病院の臨床検査技師は一般病院の技師よりも高い技術を持ち,研究・開発を行い,その知識や技術を広めるように努めなければならないと考える(決して尊人にならず,真摯な態度で).
 私は以前,私立の大学病院にいたが,医師と一緒に仕事をしたり,コミュニケーションを密にしていたので,珍しい症例や新しい技術に早くから接することができた.知り得た知識や検査技術は技師会研修会などを通じて紹介してきた.当時は何も考えずに依頼があれば話すだけの受け身であったが,あるとき「一般病院の技師は毎日ルーチンに追われて,勉強する暇もないし,珍しい症例はみんな大学病院へ移ってしまうので何もできないんです.

けんさアラカルト

検査情報(相談)室への臨床検査技師のかかわり

著者: 大谷英樹

ページ範囲:P.438 - P.439

 現代医療において臨床検査の重要性は年々高まってきており,21世紀になってもさらに検査法の進歩によってその役割は増すであろう.現在,保険診療報酬の一覧表にみられる検査だけでも1,000種類以上に及び,また新しい検査が次々に登場しているため,どの医師もあらゆる検査に精通し,合理的に駆使することは容易ではない.
 そこで,北里人学病院臨床検査部では臨床サイドの要望に応え,診療支援の一環として,1995年7月に「検査情報(相談)室」を開設した.本検査情報室は検査部受付事務室内に設置され,臨床検査技師1名と臨床病理医(臨床検査医)1名が常駐することとし,すべての検査に関するオーダーの)しかた,検体の取り扱いかたから検査データの)解釈まで(表),医師が問い合わせしやすく,また直ちに応答しうる態勢をとっているわけである.

トピックス

食後高脂血症

著者: 多田紀夫

ページ範囲:P.481 - P.484

はじめに
 生体の動脈壁は日常多くの時間,食後のリモデリングされたリポ蛋白に曝されている.近年,食後の血清トリグリセライド(triglyceride;TG)値は空腹時の血清TG値より動脈硬化リスクをより反映しているとの多くの事象が報告され,食後高脂血症と動脈硬化症発現との関連性が注目され,ここにおけるレムナント・リポ蛋白1)の関与に関心が集まっている.こうしたことから,食後高脂血症のメカニズムと病態の解明ならびに食後高脂血症を把握する診断法確立の必要性が唱えられている2,3)

AIDS診療に必要な微生物検査

著者: 後藤美江子

ページ範囲:P.484 - P.487

はじめに
 AIDS(acquired immune deficiency syndrome,後天性免疫不全症候群)はHIV(human immuodeficiency virus,ヒト免疫不全ウイルス)がCD 4上場性リンパ球(CD4)やマクロファージに感染し,惹起される慢性の重症免疫不全症である.その病態は急性感染症期,数年〜十数年の無症候期を経て,CD4数の低下とともに徐々に免疫系が破綻し,HIV自身による感染症状のほかにさまざまな日和見疾患を発症する.当院における日和見疾患の頻度を図1に示しているが,そのほとんどは感染症であり,診断のための検査として微生物検査は重要である.検査技術として従来の塗抹分離培養検査,免疫血清学的検査,免疫染色法,代謝産物測定などが川いられるが,近年,PCR(polymerase chain reaction)法などの遺伝子診断技術が有力な検査法となっている.
 本稿では日和見感染の概要と,AIDS診療のために当施設で対応している微生物検査の迅速診断体制のうち,ポイントとなる項目について概説する.

MAGE遺伝子

著者: 田原光一郎 ,   森正樹

ページ範囲:P.487 - P.489

はじめに―腫瘍拒絶抗原とは
 ヒト癌に対し腫瘍特異的免疫が存在するのかどうかについては長い間議論があったが,1991年,Boomらにより初めてヒトのメラノーマ細胞から宿主T細胞の標的分子となる抗原,すなわち腫瘍拒絶抗原が分離され,melanoma antigen(MAGE)と名づけられた.その後,細胞障害性T細胞(cytotoxic T lymphocyte;CTL)に認識される腫瘍拒絶抗原をコードする遺伝子は,MAGE遺伝子みならず,数多くのものが明らかにされてきたが,それらは大きく4つに分類される.
 1つは,腫瘍特異抗原であるMAGE,BAGE,GAGE,NA17-Aなどで,各種の悪性腫瘍にその発現が認められ,精巣以外の正常組織には発現の認められない抗原である.2つめは,メラノサイト分化抗原と呼ばれるもので,正常メラノサイトおよびメラノーマに共通な組織特異的分化抗原で,正常メラノサイトが腫瘍化するにつれ,その発現量が増加し,CTLに認識されるとされており,tyrosinase, melanomaantigen recognized by T cell 1(MART-1)/Melan-A, glycoproten(gp)100, gp75などがある.

TFPI

著者: 久米田幸介

ページ範囲:P.490 - P.492

はじめに
 組織因子(tissue factor;TF)は分子量約46,000の膜結合型糖蛋白質で,血漿中の活性化血液凝固第VII因子(F VII a)と結合して血液疑固第X因子(FX)や血液凝固第IX因子(FIX)を活性化し,トロンビンの生成,フィブリノゲンからフィブリンへの変換が起こり,血栓が形成される反応(外因系血液凝固カスケード反応)の開始因子として働く.一方,生体内で唯一の外因系凝固反応の特異的阻害物質として知られている外因系凝固インヒビターがtissue factor pathway inhibitor(TFPI)である.TFPIはその発見の由来より,lipoprotein associated coagulation inhibitor(EPI)と呼ばれていた.
 TFPIは分子量約43,000の糖蛋白質で,3つのKunitz型阻害領域(K1,K2,K3)を持つプロテアーゼインヒビターで,Kunita 2ドメインで活性型血液凝固第X因子(FXa)と結合することにより,F Xaインヒビターとしての機能を持つとともに,Kunitz 1ドメインによりTF/F VIIa複合体と結合して,TFにより開始される凝固反応を初期の段階で効率よく阻害する.Kunitz 3ドメインにはヘパリン結含部位やリポ蛋白部位が存在するといわれているが,その機能については明確にされていない.

LDL—アフェレーシス

著者: 川尻剛照 ,   馬渕宏

ページ範囲:P.492 - P.495

はじめに
 高脂血症,特に高コレステロール血症の治療による冠動脈疾患の一次予防および二次予防効果が証明され,血清コレステロール低下療法の重要性が認識されている.血清中に疾患を起こす原因物質が増加していろいろな障害を起こす場合,その物質を血中より取り除く浄化療法(apheresis,アフェレーシス)が適応となる.近年は低比重リポ蛋白コレステロール(lowdensity lipoprotein cholesterol;LDL-C)を選択的に除去するデキストラン硫酸セルロースカラム(鐘淵化学〉を使用する方法が行われている.

Sicilian Gambit

著者: 松尾博司

ページ範囲:P.496 - P.498

はじめに
 抗不整脈薬の分類として長年用いられてきたVaughan Williamsの分類には,後述のようにいくつかの問題点があり,現在の抗不整脈薬を十分に分類し得なくなってきたため,1990年12月,イタリアのSicily島に欧米の専門家が集まり,第1回会議を開いて作られた分類試案がSicilian Gambitである.ちなみに,物の本によれば,gambitとはチェスの打ち始めないし序盤(opening)のことで,狭義には盤上の位置取りを有利に運ぶべく,通常は歩,ときには役駒を犠牲にする戦法をいい,いろいろな名前のついたgambitがある.イタリア語のgambettaに由来し,レスリングでのいわゆる“蹴繰り(trip up the heels)”を意味するようである.ただし,広義には単にopeningのことを指すとある.抗不整脈薬の分類で蹴繰りは似合わないので,ここではopeningと解しておく.

けんさ質問箱

Q 抗真菌薬の特性と各真菌の感受性パターン

著者: 山口英世 ,  

ページ範囲:P.501 - P.503

真菌の感受性検査が話題になっていますが,各抗具困楽の特性と,各菌ごとに一定の感受性パターンがあったらご教示ください.

Q 基準電極か活性化した場合の脳波の記録方法

著者: 岡本年生 ,  

ページ範囲:P.503 - P.506

基準電極導出法(単極導出法)で耳朶電極が活性化する例は日常検査で多く経験します.平均基準電極法(AV)も記録して局在を出していますが,異常波の電位が多い場合は全導出に影響してしまいます.その電位の大きい電極は基準電極の加算から除外してもいいでしょうか.また,過呼吸や光刺激の賦活は日常,基準電極導出法で記録していますが,前に耳朶電極が活性化していって背景脳波が記録できない例では,そのような誘導法を用いて賦活していいでしょうか.

今月の表紙

血液培養検査

著者: 小栗豊子 ,   三澤成毅

ページ範囲:P.426 - P.426

 症例 患者は73歳,女性.急性骨髄性白血病で入院治療中.末梢血液の白血球が著しく減少しており,38.7℃の発熱をきたしたため,血液培養が行われた.なお,患者は感染予防のため,週2回ST合剤の投与を受けていたが,その他抗菌薬の使用はなかった.
 写真1 血液培養瓶は1夜の培養で全体的に著しく混濁し,細菌の発育が強く疑われた.瓶のふたを開けると細かい気泡が発生,軽度のガス産生が認められた.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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