対象となる患者
緊急救命処置の対象となる患者は,軽度な刺創・切創,打撲傷などから心筋梗塞発作による重症不整脈,心室細動,多発外傷による重症例まで広範囲にわたる.
重症例は初期治療が適切であるかどうかによって患者の生命が左右される.しかも初期治療の対象は発症状況や訴えなどの情報を正確に聴取できない患者であり,患者情報の把握は極めて困難である.
雑誌目次
検査と技術27巻7号
1999年06月発行
雑誌目次
増刊号 緊急検査実践マニュアル
総論
4.緊急救命処置
著者: 只野壽太郎
ページ範囲:P.662 - P.665
3.緊急検査の管理
1)緊急検査機器の保守と管理 a)臨床化学検査用分析機
著者: 山舘周恒
ページ範囲:P.650 - P.656
はじめに
緊急検査では,簡便さと敏速性を優先してドライケミストリーや簡易装置が積極的に導入されてきた.しかし,近年は汎用型自動分析機の操作性が簡便になり,長時間の稼働が可能になったこともあり,この種の分析機を緊急検査にも利用して日常の測定値と一貫性を持たせる傾向もある.緊急検査の安定稼働を確保するためには,これら機器の保守・管理が非常に重要であり,日ごろの計画的な点検によって故障などの発生頻度を低く抑える努力が重要となる.
本稿では,緊急検査として使用される臨床化学検査用分析機の基本的な保守・管理について考えてみる.
1)緊急検査機器の保守と管理 b)一般血液検査用機器
著者: 久原太助 , 藤田智代 , 森澤美恵 , 久保西一郎
ページ範囲:P.657 - P.657
はじめに
緊急検査において使用される一般血液検査用機器には,主に血球計数器と血液凝固測定装置がある.それらの検査機器の保守と管理は日ごろから厳重に行い,トラブルが発生した場合,直ちに発見できるようにしておく必要がある.
現在市販されている検査機器は,モニターになんらかのエラーメッセージが表示されるので,モニターに表示されるいろいろな情報を十分に理解することも重要である.
1)緊急検査機器の保守と管理 c)血液ガス測定装置
著者: 福永壽晴
ページ範囲:P.658 - P.659
はじめに
血液ガス測定装置における精度維持の基本事項は“電極および測定チャンバーの状態”,“較正”,“洗浄”および“精度管理”の4点である.
2)患者情報と試料の保存
著者: 永江学
ページ範囲:P.660 - P.661
患者情報
臨床の診断や治療の評価・決定に用いられる臨床検査は,病気の情報を確実に把握するために行われる.特に病態の急変時や救命救急として発生する緊急検査では,その検査データにより治療方針が大きく変わってくることも少なくない.通常,患者情報は特別な場合を除き,検査依頼用紙に臨床側が臨床診断や検査目的を記載することによってのみ検査側に伝達されることが多く,近年のイントラネットによるオーダリングシステムを導入している病院では臨床側から検査項目のみが情報として送信され,臨床情報が検査側に伝えられないこともある.また,緊急検査室においては独自のシステム(クローズ方式)を使用する場合もあり,病院トータルシステム上の情報が得られないこともある.緊急検査では,緊急異常値(panicvalue or critical values)が出ることが多く,患者情報を知ることで速やかな対応が可能となる場合がある.panic valueが出る場合は,大きく分けて3つの要因が考えられる.その1は患者の急激な病態変化または重篤患者の搬入による場合,その2は試料採取時に生じるサンプリングミスおよび試料搬送の場合,その3は測定操作に伴う測定ミスの場合である.
5.バイオハザードの対策
1)感染予防
著者: 菅野治重
ページ範囲:P.666 - P.669
はじめに
バイオハザード(biohazard)とは微生物災害のことをいう.本稿では検査材料中の病原微生物が検査業務を介して検査技師に感染することについて述べる.緊急検査は検査前に患者情報が十分に得られないまま検査を行うことが多く,バイオハザード対策が特に重要な領域である.
2)医療廃棄物の処理
著者: 箱守春樹 , 奥住捷子
ページ範囲:P.670 - P.672
はじめに
医療関係施設から排出される廃棄物は,他の業界の廃棄物に比較して,形状はもとより内容も多種多様であり,感染性のある病原体が含まれるおそれがあるため,医療廃棄物といわれる.医療施設内廃棄物は,非医療廃棄物のほかに医療行為に伴ういわゆる医療廃棄物,特に感染性廃棄物が含まれる点で異なる.感染性廃棄物とは,“医療機関等から発生し,ヒトが感染し,または感染するおそれのある病原体が含まれ,もしくは付着している廃棄物またはこれらの恐れのある廃棄物”と定義されている.これらの取扱いは,院内感染防止の観点からも重要であり,とりわけ医療廃棄物のうち感染症を生ずるおそれのある感染性廃棄物の取扱いは,針刺し事故などをも引き起こすため注意を要する.厚生省は平成元年(1989年)11月に「医療廃棄物処理ガイドライン」1)を示し,翌年4月から感染性廃棄物の処理について指導を開始した.この感染性廃棄物は「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」2)に従って適正に処理を行わなければならず,違反した場合には罰則の対象となる.
医療機関においては,特別管理産業廃棄物管理責任者を置いて,感染性廃棄物の取扱いの管理体制を整備することが義務づけられている.
各論 1.生化学検査
1)血液ガス 技術編
著者: 福永壽晴
ページ範囲:P.674 - P.678
はじめに
血液ガスの測定は,古くはVan Slyke-Neillの検圧計(O2およびCO2の含量を実測する)や,Astrup法(PCO2をCO2平衡曲線とpHの関係より求める)が使用されていたが,現在ではほぼすべての測定装置で電極法が用いられている.
また,測定項目もpH, PCO2,PO2のほかにSO2,ヘマトクリット(Hct),総ヘモグロビン量(tHb),CO-オキシメトリーなどが測定できる機種が増えているが,本稿ではpH, PCO2,PO2の3項目(電極法)に限定し,演算項目も除外する.
1)血液ガス 臨床編
著者: 鵜飼勲 , 渋谷正徳
ページ範囲:P.679 - P.681
検査の意義と目的
血液ガス測定の第一義的な目的は,動脈血中の酸素分圧(PaO2)と二酸化炭素分圧(PaCO2)を測定して,呼吸状態の評価を行うことである.吸入気酸素濃度(FIO2)の入力で算出される肺胞気酸素分圧(PAO2)から,肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)やrespiratory index(PaO2/PAO2),oxygenation index(PaO2/FIO2)を求めれば,より詳細な病態の把握が可能となる.また血液ガス測定では,pHとヘモグロビン量(tHb)の測定から,動脈血酸素飽和度(SaO2)や重炭酸イオン濃度(HCO3-),base excess(BE)が同時に算出されるため,酸塩基平衡障害の評価が可能である.さらに,肺動脈や内頸静脈より採血し,混合静脈血酸素飽和度(SvO2),内頸静脈酸素飽和度(SjvO2)を測定すると,組織における酸素需給の状態も判断できる.
2)Na,K,Cl 技術編
著者: 桑克彦
ページ範囲:P.682 - P.687
測定方法と測定試料
1.測定方法
血液中および尿中のNa,K,Cl濃度の測定はイオン電極法(ISE法)である.このうちClは一部電量滴定法(クーロメトリー)が使われる.
測定装置としては,ISE法を搭載した汎用の自動分析装置,ISE法によるドライケミストリー測定装置1),あるいはISE法による電解質専用装置が使われる.このうち電解質専用装置には,簡易測定装置としての小型ドライケミストリーシステムと血液ガスとの同時測定を行うクリティカルケアアナライザー(緊急検査装置)がある(表1〜3).
2)Na,K,Cl 臨床編
著者: 大久保昭行
ページ範囲:P.688 - P.689
検査の目的
ショック,意識消失,循環不全,重症の熱傷患者,下痢,嘔吐,発汗多量,多尿,乏尿,浮腫,腹水,胸水などの症状,あるいは利尿剤を使用中の救急患者など,水・電解質のバランスの異常が予想される患者について,体液の水・電解質バランス異常を調べることが目的である.
3)Ca,Mg 技術編
著者: 信岡学
ページ範囲:P.690 - P.693
はじめに
血漿中の電解質および金属イオン濃度は,Na,K,Cl,CaおよびMgの順で存在している.しかし,生体内の総Ca約1,500gのうち,血漿中には約0.3%が,総Mg約24gのうち,血漿中には約1%が存在しているに過ぎない.
日常検査では,Ca,Mgともに蛋白結合型を含めた総濃度を測定しているが,生体内での生理学的活性は,水分中のイオン化型である.
3)Ca,Mg 臨床編
著者: 石川勲
ページ範囲:P.694 - P.696
Caの異常
1.検査の意義と目的
Caの大部分は骨にあり,血液凝固,細胞膜の透過性,心臓および筋肉の働き,酵素の活性化に関与する.また特にCaは筋・神経の機能と密接に関係するため,値が上昇すると筋弛緩,食欲不振,嘔吐,便秘,無欲・うつ状態,心電図のQT時間短縮,高血圧,腎機能低下,多尿をきたし,逆に値が低下するとテタニー(手足の筋痙縮),クボステーク徴候(頬を叩くと顔画神経幹が刺激され,口輪筋が攣縮する)やトルソー徴候(血圧計のマンシェットで上腕を強く圧迫すると手や指の痙攣性硬直が生ずる)を呈する.したがって,これらの症状が見られたり,活性型ビタミンDと副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)に異常をきたしている可能性があるときには,血清Ca値に異常がないかどうかを調べる必要がある.
4)総蛋白,アルブミン 技術編
著者: 平野哲夫
ページ範囲:P.697 - P.699
原理と手技
総蛋白測定にはKjeldahl法,屈折計法,ビュウレット法1,2),紫外部吸収法および色素法が知られている.ビュウレット法は試薬に硫酸銅(II)五水和物,酒石酸カリウムナトリウム,水酸化ナトリウムおよび界面活性剤を含み,蛋白質中のポリペプチド鎖(-CO-NH)がアルカリ側でCu2+と錯塩を形成し,紫紅〜紫青色を呈する.この呈色化合物を545nmで比色する.
屈折計法はプリズムの面に血清を1滴たらし,境界面における光線の臨界角から屈折率(n)を測定する.
4)総蛋白,アルブミン 臨床編
著者: 三浦一郎 , 東原英二
ページ範囲:P.700 - P.702
検査の意義と目的
栄養状態の把握,蛋白の動的平衡状態を破綻させる疾患の経過や治療の効果などを大まかに知ることを目的とする.また,脱水や水分過剰摂取,心不全のように循環血液量の異常が予想される患者については,病態,治療の経過を調べることが目的となる.
しかし,実際には外来・入院を問わず,いわゆるスクリーニングテストとして他の検査と併用されることが多い.
5)ビリルビン 技術編
著者: 戸塚実
ページ範囲:P.704 - P.705
測定方法
血清ビリルビンの主要な分画は,Lauffら4)の高速液体クロマトグラフィー(high performanceliquid chromatography;HPLC)では非抱合型(α),モノグルクロン酸抱合型(β),ジグルクロン酸抱合型(γ),アルブミン共有結合型(δ)の4種類である.これらは従来の検査では,いわゆる直接ビリルビンと間接ビリルビンの2種類に区分される.その主な測定法は以下のとおりであり,測定装置は汎用の自動分析装置(1〜3),ドライケミストリー(4),HPLC(5),分光光度計(6)などを用いることができる.
5)ビリルビン 臨床編
著者: 伊藤進
ページ範囲:P.706 - P.708
検査の意義と目的
新生児のビリルビン脳症の予防のため,肝・胆道系疾患の鑑別および病態の把握,先天性のビリルビン代謝異常症の診断や溶血性疾患の発見などに血清(漿),尿や胆汁中のビリルビンの測定がなされる.また,新生児期から成人まで対象とする疾患が異なるために測定頻度や測定法が異なる.新生児期は,非抱合ビリルビン(unconjugatedbilirubin;UCB)によるビリルビン脳症(核黄疸)の予防のための治療をするために頻回に比色法(毛細管法)により血漿中総ビリルビン(totalbilirubin;TB)濃度を測定する.
これに関して,2つの検査法を付け加える必要がある.経皮的ビリルビン測定装置とアンバウンドアナライザーである.前者は,客観的・非侵襲的な方法として新生児黄疸のスクリーニングに使用されており1),血漿中TB濃度測定のための採血の頻度を減少させている.後者は,蛋白非結合(アンバウンド)ビリルビン(protein unboundbilirubin;PUB)がビリルビン脳症と最も関係するとの理由から,簡易測定器が開発され臨床に応用されている2).
6)グルコース 技術編
著者: 梶川達志 , 多田達史 , 田港朝彦
ページ範囲:P.709 - P.715
測定方法と測定試料(図,表)
1.測定方法
血中グルコースの測定法は,現在,酵素法が中心で,ヘキソキナーゼ(hexokinase;HK),グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase;GOD),グルコースデヒドロゲナーゼ(glucose dehydrogenase;GlcD)などの酵素を使った方法がある.
6)グルコース 臨床編
著者: 山田衆 , 小島秀人
ページ範囲:P.716 - P.717
検査の意義と目的
治療中の糖尿病患者において,急性脱水症状や悪心,嘔吐を示す場合は高血糖が予想され,また意識消失,痙攣,脱力などの中枢神経症状や発汗,動悸,頻脈などの自律神経症状を示す場合は低血糖が予想される.
さらに,糖尿病の有無にかかわらず,血中グルコース濃度の高度の異常を有する救急患者は,原疾患に伴って生じる代謝異常の状態にあり,緊急処置を必要とする場合が多い.
7)尿素窒素,クレアチニン 技術編
著者: 森下芳孝
ページ範囲:P.718 - P.720
測定法の実際
1.尿素窒素(urea nitrogen;UN)
血清中の尿素窒素測定には,国内の約9割近い施設が酵素法であるウレアーゼ-グルタミン酸脱水素酵素-紫外部法(urease-GLDH-UV法)を採用している.この方法には,ウレアーゼ反応を行う前に血清中の既存の内因性アンモニアを消去する消去法(図1)と,消去しないでそのままウレアーゼ反応を行う未消去法の2種類がある.前者は後者より,より正確であり,採用施設数が年々増加している.
一方,尿中の尿素窒素測定では10〜20倍に希釈した尿検体を使用するが,尿中には非常に高濃度の内因性アンモニアが含まれるため,上記の方法では完全には消去しきれない.そのため,同反応系にイソクエン酸脱水素酵素を添加することによって,高濃度のアンモニア消去を可能にした改良法が採用されている.
7)尿素窒素,クレアチニン 臨床編
著者: 鈴木亨 , 下條文武
ページ範囲:P.721 - P.723
検査の意義と目的
血中尿素窒素(blood urea nitrogen;BUN)および血清クレアチニンは,血液中の蛋白に含まれない非蛋白性窒素成分(non-protein nitrogen;NPN)であり,両物質ともに腎臓から排泄され,腎糸球体濾過率(glomerular filtration rate;GFR)を反映するため,その血中濃度は腎機能の指標として用いられる.
8)アンモニア 技術編
著者: 矢野順子
ページ範囲:P.724 - P.726
測定方法
比色・滴定による方法として,①微量拡散法,②イオン交換樹脂法,③直接比色法(インドフェノール),酵素を用いて直接求める方法として,④L-グルタミン酸脱水素酵素(glutamate dehydrogenase;GLDH)を用いる酵素法,さらに⑤電極法,⑥フィルム式比色法(ドライケミストリー法)がある.特に④GLDH-UV(終末点)法はアンモニアに親和性の強い酵母由来のGLDHを採用し,さらにNADPH(dihydronicotinamide adenine dinucleotide phosphate,還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)存在下,2-オキソグルタル酸とのグルタミン酸生成反応でこのときのNADPHの吸光度の減少を測定するものであり,特異性・簡易性の優れた方法として使用されている1,14).
一方,⑥は①の応用で,スライドの反応層でガス化したアンモニアは拡散し,検出層の指示薬と反応し呈色する.この色調を反射測光する微量かつ迅速な方法である.現在は④,⑥,③の順に用いられている(表).
8)アンモニア 臨床編
著者: 木下順弘
ページ範囲:P.727 - P.729
アンモニア測定の意義
正常人の血中アンモニア濃度は極めて低い.アンモニアはアミノ酸の代謝産物として体内で絶えず産生されているうえ,腸管内では細菌がアミノ酸を分解しアンモニアを産生する.アンモニアは腸管内から門脈に吸収され,肝で処理される.その過程は,アミノ酸に再合成されるか,グルタミン酸からグルタミンが合成され,プリン,ピリミジン,アミノ糖などの合成にまわるか,オルニチンサイクルに入り尿素として解毒され,腎から排泄されるかである(図).
このことより,極端に過剰な食事性蛋白摂取を除けば,血中アンモニアが上昇するのは,門脈血の大部分が肝を通過しない(門脈-大静脈シャントの開大)か,肝でのアンモニア処理能が低下していることを意味する.
9)AST,ALT,GGT 技術編
著者: 山本慶和
ページ範囲:P.730 - P.732
測定方法
血清中のAST,ALT,GGTの測定には分光光度法およびドライケミストリー法がある.AST,ALTは共役酵素によるUV(ultraviolet)レイトアッセイおよびPOD(peroxidase,ペルオキシダーゼ)系に導くpyruvate oxidase法が使われている.GGTはL-γ-glutamyl-3-carboxyl-4-nitroanilide,L-γ-glutamyl-4-nitroanilide,L-γ-glutamyl-3hydoroxymethyl-4 nitroanilideなどのchromogenic substrateを用いた方法が使われている.キャリブレーションはJSCC常用基準法の測定体系に準じた酵素キャリブレーターによるか,正確性が確認された方法を採用する.
9)AST,ALT,GGT 臨床編
著者: 中野哲
ページ範囲:P.733 - P.735
検査の意義と目的
AST(GOT),ALT(GPT)はアミノ酸とTCAサイクル(triccarboxylic acid cycle)の代謝産物との間のアミノ基転移反応を触媒する酵素である.図に示すごとく,多くの臓器に分布して存在する.前者は心臓,肝臓,骨格筋,腎臓に多く見られ,後者は肝臓に最も多く見られる.これらの臓器の障害でこれらの酵素が血液中に逸脱する.この血中の逸脱の程度から逆に臓器の障害度を見ることができる.なお,ASTにはアイソエンザイムがあり,AST-m(GOT-m)はミトコンドリアに局在し,細胞質に局在するAST-s(GOT-s)に比し血中に逸脱しにくく,半減期が短いために,総AST活性に占めるAST-m活性の比が30%以上になることは少ない.AST-mの血中への逸脱が見られた場合は,ミトコンドリアの破壊時やミトコンドリアの機能低下に伴う膜透過性の亢進時に見られるもので,障害の程度の強さを示す.なお,ALTにも2つのアイソエンザイム(ALT-s,ALT-m)が存在するが,ASTと異なり,ミトコンドリア分画内のアイソエンザイム(ALT-m)活性は極めて低く,血清中のALTはほとんど細胞由来(ALT-s)である.
一方,GGT(γ-GTP)はグルタチオン代謝に密接な関係を有する酵素である.グルタチオンは肝ミクロゾームの薬物代謝に関与し,多くの物質の解毒,抱合,排泄にかかわっている.
10)CK,CK-MB,LD 臨床編
著者: 佐藤和義 , 上松瀬勝男
ページ範囲:P.740 - P.742
クレアチンキナーゼ(CK)とCK-MB
1.検査の意義と目的
血清クレアチンキナーゼ(CK)は,骨格筋・心筋・脳・平滑筋などの臓器に含まれる酵素で,現在,急性心筋梗塞や進行性筋ジストロフィーの診断,治療効果判定に広く用いられている.また,アイソエンザイム分析を併用することにより両者の鑑別が可能となり,臨床的意義が増している.
11)総アミラーゼ,膵型アミラーゼ 技術編
著者: 牧瀬淳子
ページ範囲:P.743 - P.745
原理と手技
1.総アミラーゼ(AMY)活性測定
現在,最も多く用いられている方法は,各種マルトオリゴ糖またはその誘導体を基質とし,他の酵素を共存させることによって検出可能な化合物や色原体に持っていく共役酵素法である.共役酵素法はNADH(nicotinamide adenine dinucleotide disodium salt,reduced type,還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)検出法と色素検出法に大別されるが,日常測定法や緊急検査法として多く用いられている方法は後者の方法で,①p-ニトロフェノール(p-nitrophenol;PNP)検出法と,②2-クロロ-4-ニトロフェノール(2-chloro-4-nitrophenol;CNP)検出法である.本稿では,当院で用いているガラクトシル-4-ニトロフェニル-α-マルトペンタオシド(Gal-G5-4 NP)法について紹介する.
本法の測定原理は,基質にGal-G5-4 NPを用い,α-AMYの作用により水解されて生成したGn-4NPにα-Dグルコシダーゼを作用させて生成するPNPの生成速度をとらえ,AMY活性として測定するものである(図1).
11)総アミラーゼ,膵型アミラーゼ 臨床編
著者: 渡辺伸一郎 , 西野隆義 , 小山祐康
ページ範囲:P.746 - P.747
検査の意義と目的
(1)血清アミラーゼ(AMY)は主に膵臓と唾液腺に由来し,膵臓由来の膵型AMY(P-AMY)と唾液腺由来の唾液腺型AMY(S-AMY)の2種類のアイソエンザイムから成る.血中ではS-AMYのほうがやや多く,約60%を占める.
(2)膵疾患の診断にはP-AMYがより膵特異性が高い.
12)CRP 技術編
著者: 亀子光明
ページ範囲:P.748 - P.750
測定方法と原理
CRPに関する代表的な測定方法,原理,測定レンジ,抗体の種類,標準品などを表1に示す.TIA法(turbidimetric immunoassay,免疫比濁法)やLAIA法(latex agglutination immunoassay,ラテックス凝集比濁法)によるCRP測定は,生化学用自動分析装置(汎用機種)を用いることにより,生化学項目と同時に測定が可能なため,多くの検査室に導入されており,最近は高感度アッセイを目的としてLAIA法に切り変える施設も増えている.しかし,透過光の変化(濁度変化)を吸光度変化としてとらえる汎用機種を用いたこの測定方法では,専用機種に比べ原理的に測定感度,測定精度が劣ることが指摘されている1,2).一般にTIA法では0.2〜0.5mg/dl付近,LAIA法では0.1〜0.2mg/dl付近が測定可能な濃度と考えられる.最近のLAIA法に関する報告では,検出感度3)が0.03mg/dl付近まで可能とするパンフレットが何社かに見受けられるが,実効感度を考えるうえで2),汎用機種による測定では0.1mg/dl付近が妥当な濃度と考えられる.
最近の新しい方法として,専用機種を用いたFIA法(fluorescent immunoassay,蛍光免疫測定法)が開発されている.この測定法は感度もよく緊急検査として適するが,処理能力的に多量検体処理には不向きである.
12)CRP 臨床編
著者: 萩原照久
ページ範囲:P.751 - P.752
検査の意義と目的
CRPの上昇は非特異的反応であるが,感染症,膠原病などの炎症性疾患や,悪性腫瘍,急性心筋梗塞,外科手術,分娩など組織崩壊がある場合に血中に増加する蛋白質で,炎症のマーカーとして最も広く利用されている.上昇の程度は炎症や組織崩壊の強さを反映し,病変が強いほどCRPの上昇は大きく,上昇期の期間も長引く.
13)妊娠反応 技術編
著者: 福村幸仁
ページ範囲:P.753 - P.755
原理と手技
妊娠の補助診断には,尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(human chorionic gonadotropin;hCG)を測定することが最も迅速であり,簡便な方法である.
以前はラテックス凝集反応を利用したスライド法が普及していたが,最近はβ-サブユニットに対するモノクローナル抗体を用い,色(青や赤紫)の発現を視覚的に確認する高感度アッセイが一般的である.手技としては尿を決められた箇所にスポイトなどで数滴滴下するか,尿中に数秒浸すか,直接かけるだけで数分以内に結果が得られる.現在,主に使用されている試薬(キット)を表に示す.
13)妊娠反応 臨床編
著者: 中村嘉宏 , 植田嘉代子 , 尾崎宏治 , 藤野祐司
ページ範囲:P.756 - P.757
検査の意義と目的
妊娠の診断が主な目的である.無月経,不正性器出血,急性腹症,悪心などの症状から子宮外妊娠も含めた妊娠の可能性が疑われるときに検査する.一般に,妊娠の自覚のない妊娠患者も多く存在する.切迫流産,子宮外妊娠による不正性器出血を月経と誤って認識する患者もいるため,問診のみでは妊娠の可能性を否定しきれない場合がある.また,生殖可能年齢にある女性に,CT,消化管造影などのX線を用いる検査を施行するとき,抗癌剤などの催奇形性を有する薬剤を投与するときに,妊娠の可能性を除外するためにも有用である.それ以外には絨毛性疾患(絨毛癌,胞状奇胎など)のマーカー,切迫流産の予後判定に用いられる.
2.血液検査
1)血球計数検査 a)赤血球数,ヘモグロビン量,赤血球恒数 技術編
著者: 浅井正樹
ページ範囲:P.759 - P.764
計数装置と測定試料
1.自動血球計数装置の特徴
自動血球計数装置による血球数の計測は,①計算盤による視算法に比べて計測する血球数が圧倒的に多い,②計数誤差が少なく,再現性がよい,③1回の操作で赤血球(RBC)数,ヘモグロビン(HGB)量,白血球数,血小板数や赤血球恒数(MCV,MCH,MCHC)など多くの情報が瞬時に得られるなどの利点から,スクリーニング検査としての意義が大きい.
2.自動血球計数装置の基本的な機能
自動血球計数装置の基本的な機能は,①血球粒子をいかに計測するか,②計測した血球粒子をいかに識別するか,③ヘモグロビンの光学的な測定,である.したがって,正常血球の計測時に問題とならないことが,疾患時に①異常血球が含まれる,②血中に妨害物質が存在することにより正確度の著しい低下をきたすことがある.さらに,③複数の計数装置を使用するとき,装置間で計数結果に異なる解釈が生ずることがある.
1)血球計数検査 a)赤血球数,ヘモグロビン量,赤血球恒数 臨床編
著者: 渡辺清明
ページ範囲:P.765 - P.767
検査の目的
通常,赤血球検査といえば,赤血球数,ヘモグロビン量,ヘマトクリット値,平均赤血球容積(mean corpuscular volume;MCV),平均赤血球ヘモグロビン量(mean corpuscular hemoglobin;MCH),平均赤血球ヘモグロビン濃度(mean corpuscular hemoglobin concentration;MCHC)が挙げられる.しかし,このうち特に重要なのはヘモグロビン量とMCVである.救急患者で赤血球系の検査をするのは一般的であり,極端にいえばどんな患者でも赤血球系の検査をすることが多い.
検査の目的としては貧血の有無をみるのが一番である.特に外傷による出血や胃潰瘍などによる消化管出血などの急性出血時には大事な検査となる.急性の大量出血の際はショックになり,輸血の適応となるが,その際の貧血の程度を知るうえでも重要となる.
1)血球計数検査 b)白血球数 技術編
著者: 浅井正樹
ページ範囲:P.768 - P.770
計数装置と測定試料
1.自動血球計数装置の特徴
自動血球計数装置による血球数の計測は,1回の操作で計数情報以外にも多くの情報が瞬時に得られる点から,スクリーニング検査としての意義が大きい.また,白血球の二峰性(顆粒球とリンパ球)に始まって三峰性分類(顆粒球,単球,リンパ球),さらに現在では白血球5分類や幼若細胞も同時に計測可能な自動血球計数装置が開発されている1〜4).
1)血球計数検査 b)白血球数 臨床編
著者: 宮地勇人
ページ範囲:P.771 - P.774
検査の意義と目的
白血球増加は,白血球の細胞分画のいずれかが増加,または異常細胞が増加することによる.白血球増加は,白血球分画のいずれかが増加する病態・疾患や異常増殖する造血器腫瘍の診断のきっかけとなり,治療反応の指標となる.好中球の増加による白血球増加は,細菌感染,抗原抗体複合物沈着,熱や化学物質など物理的刺激による組織傷害または炎症の有無を知る指標となる.ただし,敗血症など重篤な感染症では,好中球は消費され低下するため,白血球数は必ずしも炎症の程度を反映しない.
白血球,特に好中球は細菌感染の防御機構として極めて重要であり,白血球数は抗癌剤治療,放射線治療,臓器移植の際の細菌感染に対する易感染性の指標となり,各種治療の治療効果または副作用としての白血球数低下のモニタリングや,薬剤による無顆粒球症のスクリーニングに利用される.
1)血球計数検査 c)血小板数 技術編
著者: 浅井正樹
ページ範囲:P.775 - P.777
計数装置と測定試料
1.自動血球計数装置の特徴
自動血球計数装置による血球数の計測は,多くの血球項目の情報が瞬時に得られる点から,スクリーニング検査や出血傾向の検査としての意義が大きい.
2.自動血球計数装置の基本的な機能
血球粒子の計測と計測粒子の識別という自動血球計数装置の基本的な機能は変わらない.
1)血球計数検査 c)血小板数 臨床編
著者: 松野一彦 , 森本美恵
ページ範囲:P.778 - P.780
検査の意義と目的
血小板は出血の際の一次止血に重要な役割を果たしている.したがって減少すると,皮下出血や鼻出血,歯肉出血などのいわゆる浅在性の出血傾向や術後の止血困難などをきたす.一般にこれらの出血傾向が見られる患者では血小板数の算定は必須である.
救命・救急外来では,重症の感染症・外傷・火傷や緊急の産科疾患の患者の受診率が高く,これらの患者では播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation syndrome;DIC)を合併しやすい状態が多いため,DICのスクリーニング検査としての血小板数算定の臨床的意義は大きい.
2)血球形態検査 技術編
著者: 武内恵
ページ範囲:P.781 - P.783
緊急時の血球形態検査
緊急検査で血球形態検査(特に白血球像)を依頼する目的は緊急治療に必要な場合であり,迅速で的確な情報(正常か異常か)が要求される.患者の診断を惑わすことのないよう,緊急臨床検査士として正常の末梢血白血球分類ができる能力を身に付けたい.異常細胞を見落とすことさえなければ,詳細な鑑別までできなくても,緊急時の血球形態検査としての目的は達せられると思われる.正しい分類結果を得るための第1条件は良好な塗抹染色標本を作製することである.
2)血球形態検査 臨床編
著者: 桑島実
ページ範囲:P.784 - P.785
検査の意義と目的
緊急検査として,血球計数値に加え,塗抹標本による末梢血球形態の観察がどうしても必要となることはそう多くない.しかし,以下のような状況では血球の形態所見が病態解析や診断確定に役だつことがある.
(1)敗血症の疑い
3)血液凝固検査 a)APTT 技術編
著者: 安室洋子
ページ範囲:P.786 - P.788
測定試料と測定方法
1.測定試料
検体は凝固学的検査に共通である抗凝固剤3.2%(または3.8%)クエン酸ナトリウム液1容に血液9容の割合で採血された検体を1,500gで10〜15分間冷却遠心し,上清血漿をプラスチック管に分離,氷水中に保存して速やかに測定する.この際,沈殿層の血球が舞い上がらないように注意する.分離した血漿は直ちに測定しないときは氷冷中に保存,または-40℃以下で凍結保存する.
3)血液凝固検査 a)APTT 臨床編
著者: 佐守友博
ページ範囲:P.789 - P.790
検査の意義と目的
血液凝固機序の内因系(図1,破線で囲んだ部分)の異常を検出する検査である.
出血傾向のある患者のスクリーニング,出血傾向の有無の術前チェック,内因系凝固障害患者の治療のモニタリングに用いる.
3)血液凝固検査 b)PT 臨床編
著者: 佐守友博
ページ範囲:P.792 - P.793
検査の意義と目的
PT(prothrombin time,プロトロンビン時間)は,血液凝固機序の外因系(「APTT」の臨床編の図1,実線で囲んだ部分)の異常を検出する検査である.
出血傾向のある患者のスクリーニング,出血傾向の有無に対する術前スクリーニング,外因系凝固障害患者の治療のモニタリングに用いられる.また,血栓症患者に対し血栓予防のためにビタミンK拮抗剤(ワーファリン)の投与(経口抗凝固療法)を行う際,投与量の決定と維持療法管理に用いられる(わが国ではPTよりもトロンボテストが多用されているが,世界的にはPTが通常用いられる).
3)血液凝固検査 c)フィブリノゲン 技術編
著者: 桜井典子
ページ範囲:P.794 - P.796
測定方法
血漿のフィブリノゲン量測定にはトロンビン時間法,重量法,比濁法,加熱沈殿法がある.このうち最も普及しているのはトロンビン時間法である.トロンビン時間法は短時間で測定できること,また汎用自動測定装置で測定できることから緊急検査として用いられている.トロンビン時間法はトロンビン量が一定であれば,フィブリノゲンがフィブリンに変化する時間はフィブリノゲン量に依存することを利用した測定法である.検体を希釈すること,高単位トロンビンを用いることでインヒビターの影響を除いている.
3)血液凝固検査 c)フィブリノゲン 臨床編
著者: 福武勝幸
ページ範囲:P.797 - P.798
検査の意義と目的
フィブリノゲンは血栓を形成するフィブリンの前駆体であり,止血機構において最後の重要な要素である.その測定は生体の止血機能,創傷治癒機能などを評価するために必要である.フィブリノゲンの量的,質的異常は,フィブリン形成の初速度を利用する通常のスクリーニング検査であるプロトロンビン時間(prothrombin time;PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(activatedpartial thromboplastin time;APTT)ではとらえにくく,独立項目として測定する必要がある.
3)血液凝固検査 d)トロンボテスト 技術編
著者: 国分まさ子 , 鈴木節子
ページ範囲:P.799 - P.801
はじめに
トロンボテスト(thrombotest;TT)は1935年にクイックの一段法プロトロンビン時間(prothrombin time;PT)測定法が開発されてから5年あまり経ったころに,オスロ(ノルウェー)の血栓研究所のオーレンが経口抗凝固療法のモニター法として提唱し,幾多の研究が重ねられたが,1959年に凍結乾燥品として市販されるようになった1).TTはビタミンK依存因子の増減を特異的にとらえ,全血を用いて迅速対応を可能とし,経口抗凝固療法のモニターの標準化のために開発された方法である.その実際面として,当院の方法を紹介する.
3)血液凝固検査 d)トロンボテスト 臨床編
著者: 青崎正彦
ページ範囲:P.802 - P.805
検査の意義と目的
トロンボテスト(thrombotest;TT)は外因系凝固活性を総合的に検査する方法の1つである.検査の意義はプロトロンビン時間(prothrombintime;PT)とほぼ共通しているが,TTは経口抗凝固療法(わが国ではワーファリン療法)のモニタリングに用いられることが多い.
3)血液凝固検査 e)FDP 技術編
著者: 島津千里
ページ範囲:P.806 - P.808
はじめに
線溶系の亢進に伴い,フィブリノゲンあるいはフィブリンが線溶活性化因子のプラスミンの作用によって切断され,1分子のフィブリノゲンからはX分画,Y分画を経て最終的に1分子のE分画と2分子のD分画が生成される.フィブリノゲン/フィブリン分解産物(fibrinogen/fibrin degradation products;FDP)は,この過程で生成される分解程度の異なる各種分解産物の総称である.FDPの測定は免疫学的測定法が中心であり,抗フィブリノゲンポリクローナル抗体を使用して総FDPを測定する方法や,FDP-E分画と特異的に反応するモノクローナル抗体を使用したFDP-Eなどが用いられる.
3)血液凝固検査 e)FDP 臨床編
著者: 腰原公人
ページ範囲:P.809 - P.811
検査の目的
出血傾向や血栓症発生などの患者において,血液中の凝固・線溶系のバランスの異常を疑ったときに調べ,線溶亢進状態の有無を把握することが目的である.したがって,線溶系スクリーニング検査の代表として,厚生省のDIC(disseminatedintravascular coagulation,播種性血管内凝固症候群)診断基準をはじめとして,劇症肝炎に合併した診断基準1),産科DICスコア2),外科領域における重症感染症のDIC診断基準3)などの多くの診断基準に用いられている.さらにDIC,血栓症などの治療における評価,経過観察目的で経時的に調べる検査でもある.
3)血液凝固検査 f)D-ダイマー 技術編
著者: 島津千里
ページ範囲:P.812 - P.813
はじめに
フィブリノゲンにトロンビンが作用すると,フィブリノペプタイドA,次いでBが切断され,フィブリンポリマーが形成される.フィブリンポリマーはトロンビンで活性化された凝固第XIII因子の作用によって安定化(架橋)フィブリンとなる.安定化フィブリンがプラスミンにより分解されると,ポリマー構造を有する分解産物の集合体である高分子体(cross-linked fibrin degradationproducts;XDP)が産生され,さらにDD/E分画複合体やDDおよびE分画が生成される.すなわち,D-ダイマーとは架橋化されたフィブリンの分解産物の総称であり,XDPとも呼ばれる.D-ダイマーの測定はこの後期の分解産であるDD/E分画複合体を定量するものである.
3)血液凝固検査 f)D-ダイマー 臨床編
著者: 川合陽子
ページ範囲:P.814 - P.816
検査の意義と目的
D-ダイマーは汎血管内凝固症(disseminatedintravascular coagulation;DIC)や血栓症の診断やモニタリングに有用・不可欠な検査である.D-ダイマーは,架橋化フィブリンにプラスミンが作用する二次線溶亢進時のみに生成されるので,二次線溶をとらえる分子マーカーの代表的検査である.すなわち,D-ダイマーの高値は生体内にフィブリン血栓が存在した証明となる.DICにおける病態診断において,凝固亢進により血栓形成が主体となり,多臓器不全(multiple organfailure;MOF)を引き起こすタイプと,線溶亢進が主体で出血傾向の強いタイプを鑑別することは,臨床上重要である.D-ダイマーの測定はこのようなDICにおける血栓傾向と出血傾向の鑑別をするうえで有用な検査である.また,血栓症で高値となり,血栓溶解療法時の線溶療法を施行するうえで,血栓から溶解したD-ダイマーを測定することは,血栓溶解療法の効果を判定するうえのモニタリング検査として,臨床上,測定意義は大きい.
3.免疫血清検査
1)抗グロブリン試験(クームス試験) 技術編
著者: 永尾暢夫
ページ範囲:P.818 - P.821
原理
抗グロブリン試験はCoombsら(1945年)により不完全なRh抗体の検出法として開発された.そのことから,今日でも開発者の名前をとってクームス(Coombs)法と呼ばれることがある.
不完全抗体は生理食塩液(生食)中では,血球に結合(感作)するのみで,凝集反応を起こすまでには至らない.そこで,ヒトのグロブリンを動物(主としてウサギ)に免疫して得られた抗ヒトグロブリン(anti human globulin;AHG,クームス血清ともいう)抗体を加えると,赤血球に感作した抗体同士を架橋することになり,凝集としてその反応を肉眼でとらえることができる.
1)抗グロブリン試験(クームス試験) 臨床編
著者: 雨宮洋一
ページ範囲:P.822 - P.823
検査の意義と目的
抗グロブリン(antiglobulin)試験は,IgGなどの免疫グロブリンや補体成分が赤血球の表面上に結合しているにもかかわらず,凝集像として観察されない状況下で,添加した抗グロブリンの架橋によって赤血球の凝集を生じさせて,隠れた不完全抗体の存在を証明する方法である.すなわち,本法は赤血球に結合している抗体や補体の存在や,血清中に遊離している抗体の検出を可能にする.本法の開発者の名前から,抗グロブリン試験はクームス(Coombs)試験とも呼ばれる.
4.輸血検査
1)ABO血液型 技術編
著者: 平野武道
ページ範囲:P.825 - P.831
はじめに
ABO式血液型は,1900年,LandsteinerらによってA・B・O型が,翌年にAB型がDe Castellらによって発見された.ABO式血液型は,自己の抗原に対して,血清(血漿)中に自己の抗原に対応しない抗体を規則的に(正常規則抗体)持っている.この原理をランドスタイナーの法則という(表1).ABO式血液型を決定するには,赤血球膜上の抗原(オモテ)検査と血清(血漿)中の抗体(ウラ)検査の2法の検査を実施し,双方の検査結果が一致してABO式血液型が決定される.まれにオモテ・ウラ試験の不一致が見られ,ランドスタイナーの法則にそぐわないことがある.
このような不一致の原因の多くは,亜型,自己抗体,不規則抗体,疾患によって観察される(表2).原因究明には広範囲な検査項目を考慮するとともに,種々の試薬,反応温度条件,唾液の型物質などの検査と,疾患・輸血歴・家系調査が必要となってくる.不一致の解明が速やかにできる検査システムとして,試薬の精度管理・検査マニュアルが必要とされる(図1).その他,ABO式血液型の遺伝形式を知ることが大切である.
1)ABO血液型 臨床編
著者: 小松文夫
ページ範囲:P.832 - P.833
はじめに
不適合輸血副作用を防止するために,輸血前検査としてABO式・Rh式血液型判定と交差適合試験(交差試験)が実施される.スタッフのいない休日や夜間などでもこの原則は守られなければならない.ただし,検査時間のあまりない緊急の場合,検査は簡易法にならざるを得ない.緊急の場合,輸血検査はどのように進めるべきか.本稿では緊急でABO型判定を行う場合の検査の考えかたについて述べることにする.
2)Rh(D)血液型 臨床編
著者: 小松文夫
ページ範囲:P.837 - P.838
はじめに
輸血に先立つ検査の1つとして,Rh式血液型判定が必要なことは今さらいうに及ばない.緊急輸血の場合でも同様である.緊急の場合,あまり深い検査はしないで,大きな副作用(溶血性副作用)は防止できる,という方法をとるべきである.
本稿では緊急時に実施すべきRh式血液型判定の必要性について述べることにする.
3)交差適合試験 技術編
著者: 佐藤千秋 , 渋谷温
ページ範囲:P.839 - P.844
はじめに
交差適合試験の目的は,輸血後に生ずる即発性の溶血性輸血副作用の防止にある.
本試験はABO血液型とRh0因子が一致する受血者血液と供血者血液間で行われ,受血者血清または血漿と供血者赤血球との反応からなる主試験と,供血者血清または血漿と受血者赤血球との反応からなる副試験とがある.受血者と供血者血液の適合性を選別する輸血前の重要な検査である.
3)交差適合試験 臨床編
著者: 倉田義之
ページ範囲:P.845 - P.846
はじめに
輸血を安全に,効率よく実施するために多くの病院でtype & screen(T & S)が導入されている.typeはABO血液型とRh0(D)血液型の検査のこと,screenは不規則抗体検査のことである.輸血を予定する場合は交差適合試験をする前にT & Sを実施しておくことが重要である.不規則抗体検査が実施済みであるのか否かによって交差適合試験の目的,方法が異なる.
5.微生物(感染症)検査
1)塗抹検査 a)グラム染色 技術編
著者: 小栗豊子
ページ範囲:P.848 - P.854
はじめに
患者検体のグラム染色による塗抹鏡検は,操作が簡単かつ経済的で,一部の菌種の推定が可能なことから,古くから感染症起炎菌の迅速検査として用いられてきた.しかし,この方法には十分なトレーニングが必要であり,これは染色操作および標本の鏡検の両方について行う必要がある.特に,標本の鏡検は微生物検査のベテラン技師と初心者とでは大きな開きがあり,トレーニングにはかなりの知識と多くの経験を必要とする.
本稿では,緊急検査としてのグラム染色ならびに鏡検について解説する.
1)塗抹検査 a)グラム染色 臨床編
著者: 島川宏一
ページ範囲:P.855 - P.859
検査の目的
化膿性髄膜炎,急性腸炎,肺炎,敗血症,腎盂腎炎など,さまざまな感染症を疑う患者において,髄液や糞便,喀痰,血液,尿など,種々の材料を直接塗抹後,グラム染色することにより感染症起因菌の有無や炎症所見などを調べることが目的である.また,術者の熟練度によっては,菌種の推定までをも行える方法であり,光学顕微鏡があればどこでも実施可能で,緊急微生物検査として最も安価で簡単な手技でありながら,臨床的有用性の高い検査法でもある.
1)塗抹検査 b)抗酸菌染色 技術編
著者: 久保勢津子
ページ範囲:P.860 - P.864
はじめに
抗酸菌は分裂時間が長く,発育に1〜4週を要する.それゆえ,抗酸菌染色は結核菌感染の迅速診断に重要である.
抗酸菌染色法にはチール・ネルゼン(Ziehl-Neelsen)法,オーラミン・ローダミン蛍光染色法などがあり,抗酸性を有する細菌にはMyco-bacteria spp, Nocardia spp, Rhodococcus spp,原虫のCryptosporidium spp, Isospora sppなどがある.
1)塗抹検査 b)抗酸菌染色 臨床編
著者: 熊坂一成
ページ範囲:P.865 - P.866
検査の意義と目的
抗酸菌感染症,ことに解放性肺結核症の迅速診断のみならず,二次感染防止対策上も極めて重要な意義を持つ.
検体としては喀痰が主なものであるが,胃液,気管支肺胞洗浄液のほか,特殊な場合として穿刺液(胸水,腹水,髄液),膿,尿などがある.
2)免疫学的検査 a)細菌感染症 技術編
著者: 小川祐司 , 池田明人 , 山中喜代治
ページ範囲:P.868 - P.871
免疫学的緊急細菌検査1)
意識障害,ショック症状など生命に危険が及ぶ重症感染症や周囲に影響を及ぼす伝染性感染症の診断・治療に役だてる目的で実施されるのが緊急細菌検査であり,数時間以上を要する検査は含めない.図に最も緊急を要する重症感染症〔脳脊髄膜炎,敗血症・菌血症,およびSTEC(Shiga toxin-producing Escherichia coli)O157:H7感染症〕と主要症状,そしてその原因細菌検出のために用いられる免疫学的抗原検査法を示した.
2)免疫学的検査 a)細菌感染症 臨床編—[1]下痢症・尿道炎・子宮頸管炎
著者: 豊川真弘 , 浅利誠志
ページ範囲:P.872 - P.877
下痢症:Escherichia coli VT1, VT2
1.検査の意義と目的
3類感染症である腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic E. coli;EHEC)感染症の迅速診断の意義は,①抗菌剤適用の有無,②腸管内毒素吸着剤適用の有無,③HUS(hemolytic uremicsyndrome,溶血性尿毒症症候群),脳症など重症合併症の予測・予防,および④二次感染防止対策の徹底などである.
2)免疫学的検査 a)細菌感染症 臨床編—[2]咽頭炎・髄膜炎・菌血症・梅毒・マイコプラズマ肺炎
著者: 草野展周
ページ範囲:P.878 - P.881
咽頭炎:Streptococcus pyogenes
1.検査の意義と目的
咽頭粘液または扁桃拭い液中のStreptococcuspyogenesの特異的抗原を検出することで本菌による咽頭炎または扁桃炎の早期診断を行う.
2)免疫学的検査 b)真菌感染症 技術編—ファンギテック®Gテスト,セロダイレクト‘栄研’クリプトコックス®
著者: 大林民典
ページ範囲:P.882 - P.883
ファンギテック®Gテスト
1.原理
(1→3)-β-D-グルカン(以下β-グルカン)は,ムコールを代表とする接合菌を除くすべての真菌の細胞壁の骨格を形成する多糖類で,深在性真菌症の際に血中に現れる.したがって,血中にβ-グルカンを検出できれば深在性真菌症の傍証となる.このテストはカブトガニの凝固因子の1つであるG因子がごく微量のβ-グルカンによって活性化される性質を利用し,一連の凝固反応の結果生ずる凝固酵素のアミダーゼ活性を指標とする合成基質法である.カイネティック法とエンドポイント法がある.
2)免疫学的検査 b)真菌感染症 臨床編—カンジダ,アスペルギルス,クリプトコックス,トリコスポロン
著者: 佐々木英祐 , 河野茂
ページ範囲:P.884 - P.886
検査の意義と目的
深在性真菌症は免疫不全状態の患者の日和見感染症の1つであり,なかでも血液悪性腫瘍患者に対する抗癌化学療法に伴う好中球減少や臓器移植に対する免疫抑制薬投与,あるいはAIDS(acquired immune deficiency syndrome,後天性免疫不全症症候群)などが発症の要因となる.早期診断を誤れば死の転帰をとる予後不良の疾患である.このため早期診断および治療が臨床上重要であり,種々の補助診断法が検討されている.
2)免疫学的検査 c)ウイルス感染症 技術編
著者: 中村良子
ページ範囲:P.887 - P.891
検査法
ウイルス感染症の検査は病原診断のみならず,過去の感染既往,病態の把握,治療方針の決定,治療の有効性や予後などを患者の臨床症状や疫学情報と併せて判断するうえで重要である.
ウイルス感染症の検査法には,大きく分けてウイルス抗原検出法,ウイルス抗体検出法,遺伝子検査がある1)(表1).ウイルス抗原検出法には,ウイルスの分離同定検査,免疫学的抗原検出法などがあり,ウイルス分離はウイルス感染症を確定するうえで重要であるが,技術,設備,時間,経費,熟練を要する.遺伝子検査も設備,経費面でまだ汎用化には至らない.一般的には,抗体検出検査と一部のウイルスの免疫学的抗原検出検査が行われている.
2)免疫学的検査 c)ウイルス感染症 臨床編—[1]肝炎ウイルス(HBs抗原,HBs抗体,HCV抗体)
著者: 横須賀収 , 神田達郎
ページ範囲:P.892 - P.896
検査の意義と目的
これまで明らかにされている肝炎ウイルスとしては,A型,B型,C型,D(デルタ)型,E型肝炎ウイルスがある.A型肝炎は経口感染で急性一過性感染に終わる.B型やC型肝炎には急性肝炎と慢性肝炎がある.
わが国における慢性肝疾患の多くは,B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus;HBV)またはC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)がその原因と考えられている.D型肝炎ウイルス(hepatitis D virus;HDV)はHBVに寄生的に感染するものであり,わが国ではB型肝炎患者の1〜2%に見られるにすぎない.また,E型肝炎も経口感染で伝播し,一過性急性肝炎を発症するが,亜熱帯や熱帯地方で見られるものであり,わが国ではほとんど認められない.すなわち,わが国におけるウイルス性急性肝炎はA型,B型,C型が主要な原因肝炎ウイルスである.また,慢性肝疾患はB型あるいはC型が主要な原因肝炎ウイルスである.
2)免疫学的検査 c)ウイルス感染症 臨床編—[2]HIV
著者: 吉原なみ子
ページ範囲:P.897 - P.899
検査の意義と目的
HIV(human immunodeficiency virus,ヒト免疫不全ウイルス)検査の意義と目的は大きく分けて2つある.第1は感染の有無を検査(スクリーニング)することであり,第2は感染者に対してすでにAIDS(acquired immune deficiency syndrome,後天性免疫不全症候群)を発症しているか,まだ未発症かを知ること,および抗AIDS薬の治療効果の判定,感染者・患者の予後の把握である.前者は抗体検査や病原体検査であり,後者はウイルス量測定,抗ウイルス薬に対する薬剤耐性の有無,免疫学的検査および日和見感染に関する診断である.
2)免疫学的検査 c)ウイルス感染症 臨床編—[3]サイトメガロウイルス,ロタウイルス
著者: 山根誠久
ページ範囲:P.900 - P.901
サイトメガロウイルス
1.検査の意義と目的
サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)は極めて多様な感染像を示すヘルペスウイルス科のウイルスで,通常は初感染の後,種々の臓器に潜伏感染し,終生体内に存続するが,臨床的には特に問題とならない.CMVを検査する主な目的は,①未感染の妊婦が初感染して経胎盤的に胎児が感染する場合,②輸血や臓器移植によって後天的に初感染する場合,③移植,AIDS(acquired immune deficiency syndrome,後天性免疫不全症候群),悪性腫瘍,妊娠,免疫抑制剤の使用などで潜伏感染したウイルスが再活性化する場合の3つである.CMVにはガンシクロビル(ganciclovir),ホスカルネット(foscarnet),シドホビル(cidofovir)などの抗ウイルス剤が有効であることから,正確に,迅速にその適応を診断する意義が高い.
2)免疫学的検査 d)原虫感染症 技術編+臨床編—赤痢アメーバ
著者: 小林正規 , 竹内勤
ページ範囲:P.902 - P.905
原理と手技
赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)感染症の免疫学的検査は赤痢アメーバの無菌培養法(Diamond,1968年)が確立されて以降,信頼性の高い検査が可能となった.抗原(赤痢アメーバ無菌培養標準株:HK-9,HM-1:IMSSなどより調製)と患者血清を反応させることで抗赤痢アメーバ抗体を検出しアメーバ症を診断する.また,免疫組織化学的に赤痢アメーバ抗原免疫動物血清を用いて組織病変部(組織簿切標本)から赤痢アメーバを検出し,同定することもできる.
2)免疫学的検査 d)原虫感染症 技術編+臨床編—マラリア
著者: 大友弘士 , 水野泰孝
ページ範囲:P.906 - P.908
原理と手技
マラリアの免疫学的検査としては,マラリア原虫(Plasmodium spp.)抗原を用いて患者血中に存在する抗マラリア原虫抗体を検出してマラリアを診断する方法のほか,最近は患者血中に存在する原虫由来の特異蛋白や酵素を免疫学的な手法を用いて検出する方法も開発されている.しかし,前者は病因原虫を直接検出する顕微鏡的検査法に優る方法として普及するには至っておらず,その応用域が限られていることに対する理解が必要である.
6.一般検査
1)尿検査 a)定性試験 技術編
著者: 鳥山満
ページ範囲:P.910 - P.913
測定項目と測定方法
1.測定項目
尿定性試験紙法の測定項目は,pH,比重,蛋白,糖,潜血,ケトン体,ビリルビン,ウロビリノーゲン,亜硝酸塩,白血球,アスコルビン酸,食塩,アミラーゼなどである.1枚の試験紙で最高10項目まで測定が可能であり,これらの項目がさまざまな組み合わせで製品化されている.
1)尿検査 a)定性試験 臨床編
著者: 森三樹雄
ページ範囲:P.914 - P.916
尿定性検査の意義
尿検査の定性試験としては,アンプル法や錠剤法なども一時使用されたが,操作が煩雑なことから利用されなくなった.現在は,尿に浸し色調変化を読み取る試験紙法が尿定性検査として広く全世界に普及している.この尿試験紙法は,病院では外来患者のスクリーニング検査や入院患者の経過観察に日常検査として用いられている(表1).このほか,集団健診,入社・入学健診,生命保険加入審査などでもスクリーニング検査として用いられている.また尿試験紙の一部(尿糖,尿蛋白,妊娠反応)は一般人が薬局で購入でき,これを用いて自己の健康管理に用いることもできる.
1)尿検査 b)尿沈渣 技術編
著者: 鳥山満
ページ範囲:P.917 - P.919
検査方法
尿沈渣検査法は1995年,日本臨床検査標準協議会(JCCLS)から提示された“尿沈渣検査法JCCLS GP 1-P2”により指針化され1),標本の作製と鏡検,尿沈渣成分の分類と記載法など,技術的な内容について詳細に記述されており,現在広く普及している.
以下,これに基づきながら尿沈渣検査法の要点について説明する.
1)尿検査 b)尿沈渣 臨床編
著者: 椿秀三千
ページ範囲:P.920 - P.922
検査の意義
尿沈渣は尿を遠心分離して得られる沈殿成分を鏡検し,腎・尿路系疾患の有無や全身状態の状況を判断する基本的な検査の1つである.尿沈渣検査は臨床検査の中でも頻繁に行われ,検体採取も比較的容易で手技的にも簡単であるが,そこから得られる情報量は多い.必ずしも緊急性を要するもののみではないが,実際に当院でも検査の要望は多い.
2)便検査 技術編
著者: 又吉和哉
ページ範囲:P.923 - P.925
便潜血検査
便に少量の血液が混入していたり,全体に赤褐色便のときは下部消化管,主に大腸からの出血を疑い,黒褐色便のときは上部消化管,主に胃や十二指腸からの出血を疑う.
消化管などからの出血により大便中に微量に含まれた血液(ヘモグロビン;Hb)の有無を判定するのが便潜血検査である.採便は2日連続法が原則であり,化学的便潜血検査(以下,化学法)と免疫学的便潜血検査(以下,免疫法)がある.
2)便検査 臨床編
著者: 山根誠久
ページ範囲:P.926 - P.927
検査の意義と目的
緊急検査として糞便が検査対象となる場合は,下痢症と出血であろう.下痢症については,その原因を究明すること,出血については出血部位とその程度を知ることが検査の目的となる.
3)髄液検査 技術編
著者: 山本慶和
ページ範囲:P.928 - P.931
測定対象項目
微生物の検索,細胞数,細胞分画,蛋白,糖,Cl,LD,乳酸,免疫グロブリン,オリゴクローナルバンドが髄液検査の測定対象である.
3)髄液検査 臨床編
著者: 浅野博 , 松尾収二
ページ範囲:P.932 - P.933
検査の目的
X線CTやMRIの出現で,中枢神経系の病変の部位や形態の検索は比較的容易になった.しかし,炎症など病変の性質を知ることは難しく,そのために髄液検査は重要な役割を担っている.
ただし,髄液検査は患者に与える苦痛も大きく,検査の合併症として,頭痛(採取量が多いと生じやすい),脳圧亢進時の髄液採取による脳ヘルニアなどがあり,特に後者は致命的である.これらを踏まえ,適応と禁忌を十分に把握して行う必要がある.
4)穿刺液 a)胸水 技術編
著者: 高橋勝幸
ページ範囲:P.935 - P.937
測定項目
胸水検査は,大別すると①滲出液と濾出液の鑑別検査,②病理学的検査,③細菌学的検査を目的に実施される.今回は,①を中心に胸水を材料とする検査について記述する.
滲出液と濾出液の鑑別は,古くから表1に示す検査項目により実施されている.また,近年では表2に示すように疾病の補助的診断として腫瘍マーカーや生化学的な検査も実施されるようになっている1).ただし,表中に示すリバルタ(Rivalta)反応については,反応特異性から検査項目としては推奨されず,当院においても現在は実施していない.
4)穿刺液 a)胸水 臨床編
著者: 熊坂一成
ページ範囲:P.938 - P.939
検査の意義と目的
胸水(pleural fluid)の貯留をきたす各種疾患の診断,病態の解析を目的とする.胸水の肉眼的性状を確認し,細胞数の算定と生化学検査〔蛋白,糖,アミラーゼ,LDH,アデノシンデアミナーゼ(adenosine deaminase;ADA)など〕を行う以外にも,細胞診,細菌検査などを施行する.
4)穿刺液 b)腹水 技術編
著者: 久保田力
ページ範囲:P.940 - P.942
腹水検査の実施状況
採取された腹水は,一般検査を中心に生化学的検査のほか細菌検査や細胞学的検査が行われているが,EIA(enzyme immunoassay)法などの分析法の進歩とともに,腫瘍マーカーの測定も一般化してきている.一般検査は,一般性状検査を中心に漏出液・滲出液の鑑別を目的とするが,検体の不安定さから腹水採取後直ちに検査する必要がある.生化学検査も自動分析装置の飛躍的な機能向上で迅速検査への対応が容易となり,一般検査とほぼ同様な所要時間内にデータを提供できるまでになってきている.一般性状の詳細な肉眼的観察により,細菌検査や細胞学的検査成績は予測が可能な場合もあり,腹水検査の中で重要な位置を占めている(表1).
4)穿刺液 b)腹水 臨床編
著者: 中野博
ページ範囲:P.943 - P.944
検査の目的
腹水の診断は,視診による蛙腹様の腹部緊満状態の存在,打診,触診による腹水の波動,体位変換に伴う腹水濁音界の変動の証明などで臨床的に診断するが,エコー,CTなどの画像診断はより確実な証明方法である.腹水の主な成因としては肝硬変,腹膜炎,心不全,門脈血栓症などのほか,飢餓・ネフローゼなどの低蛋白血症などがある.また,まれではあるが慢性膵炎,膵の仮性嚢胞に混濁,ときに乳び状の腹水が見られることがある.
いずれにしても異なる病態により腹水の性状が異なるため,穿刺して得られる腹水について検査を行う必要がある.
7.生理検査
1)心電図 技術編
著者: 土居忠文
ページ範囲:P.946 - P.949
原理
心電図検査は,心臓の活動により発生した電位変動(大きさ0.1〜10mV,周波数成分0.1〜100Hz)を身体から導き出して増幅し記録する検査である.心電計の基本的構成を図1に示す.
1)心電図 臨床編
著者: 桝井良裕 , 明石勝也
ページ範囲:P.950 - P.959
はじめに
心疾患,特に虚血性心疾患や不整脈を診断する際,最も一般的で,かつ簡便な検査方法の1つが標準12誘導心電図(以下,心電図)の記録である.しかし,最も一般的であるがゆえに,特に運動負荷心電図検査施行中などに急性心筋梗塞や狭心症が出現したり,不整脈の出現が見られることも多く,的確かつ迅速な対応が要求される.この際,常に循環器病に習熟した医師が傍にいるとは限らず,最初の判断は技師が下さなければならないことも往々にしてある.的確で迅速な判断を下すためには,その心電図所見が危険なものであるか否か,危険であるとすれば,その緊急度はどの程度なのかを知っておかなければならない.
本稿では,異常心電図を虚血性心疾患と不整脈とに分け,それぞれの心電図所見と臨床的意義を中心に説明することとしたい.
ほっとコーナー
当院における緊急検査体制と問題点—今,求められている緊急検査とは?
著者: 川崎俊次
ページ範囲:P.646 - P.646
当院の緊急検査室は,昭和53年救命救急センターの開設を機にセンター内に緊急検査室(サテライトラボ)として設置され,センターの緊急検査を主たる対象として24時間体制で運用が始まった.その後,緊急検査件数の増加によりサテライトラボでの対応が困難となり,現在では中央検査部内(中央検査部内緊急体制)に場所を移し,時間内は日常検査業務に割り込む形で,時間外は技師3名の当直体制で運用し,5〜30分程度で検査成績を報告している.
緊急検査の概念を広げよう
著者: 佐藤寛之
ページ範囲:P.693 - P.693
医療人である皆さんに「緊急検査といえばどんな言葉が浮かびますか」という質問をすると,ほとんどの人は急患・急変・救命救急という言葉が頭に浮かぶことでしょう.
緊急検査は現実に医療の現場において必要不可欠な存在であることはいうまでもありません.しかし,日ごろ,検査の現場ではどう考えても緊急検査の必要があるとは思えないケースに遭遇することが多々あります.それは,裏を返していえばこういうことではないでしょうか.近年,医療の特殊化,専門化に伴う高度医療における臨床検査情報の重要性が非常に高くなったこと,また外来患者における当日の検査データをもとにした診察・治療が当然のこととして認識されてきていることなどが背景にあると考えられます.そうはいっても,緊急検査は早くから結果を報告して当たり前で,病棟・外来から緊急検査がどっさりきたときには,緊急検査の多さをどうにかしてほしいという担当技師の悲鳴が聞かれるのは,私たちの施設だけでしょうか.
私と緊急検査
著者: 丸山元美
ページ範囲:P.702 - P.702
普段,私は生理検査室で業務についており,1か月に2回程度,日・当直として緊急検査に携わっています.
日常業務では,主に循環器系の検査担当で,当たり前のことですが,大半が患者さんの状態を目で見,訴えを聞きながら検査し,結果報告をしています.
緊急検査業務を行うコツ
著者: 米田孝司
ページ範囲:P.715 - P.715
緊急検査は看護婦との接点が一番多く,トラブルが生じやすい.幸か不幸か私もトラブルが原因で手術室の看護婦と結婚するに至った.また,当センターでは24時間体制となっており,専任者以外の検査技師も輪番制で日・当直の緊急検査を行うので,機械のトラブルや普段遭遇しないパニック値を経験する.したがって,いかに他部門とコミュニケーションをとったり,機械トラブルが生じたときに早急に対処できるかが,日・当直の緊急検査業務を行う技師の能力でありコツである.もちろん,間違いのない検査値を報告することは当たり前であるが,緊急検査ではヘパリン加血漿を試料として使用したり,日常検査と測定方法が異なったりすることにより測定値間差が生じることがある.もし,誤った値を時間外に報告した場合,日中の専任緊急検査担当者はその原因が何か推理し,名探偵にならなければいけないときがある.
例えば,10年ほど前までは緊急検査の採血管は分離剤のない10ml用ヘパリンリチウム採血管を使用していたために,次のようなことが起こった.前回AST,ALT,LDが正常であったのが,当直時にASTが若干高値,LDが異常高値を示し,また日勤時には正常化した.そこで当直時の検体を調べると,溶血でなく血漿が薄く不透明な状態になっており,遠心不十分による血小板の浮遊が考えられたので,再遠心後の結果を報告した.これは測定試薬中に界面活性剤が添加されているか否かによって影響度は異なる.
呪われた緊急検査室
著者: 柴田綾子
ページ範囲:P.723 - P.723
「ルルルルル……」と自宅の電話の音が鳴る.「慶應病院の○○ですが……」聞き覚えのある声が耳に入る.
「△△△の分析機が動かないのですが……」
変則2交替制を取り入れた緊急検査勤務体制
著者: 白井求
ページ範囲:P.755 - P.755
緊急検査を24時間稼働している施設での勤務体制は,夜勤では宿直,休日の日勤では日直という当直体制(労働基準法第41条3号)を採っている施設が大部分である.
医療従事者で交替制勤務体制(労働基準法第32条2項)を行っているのは看護婦(士)くらいと推測する.当院の薬剤師,診療放射線技師,臨床検査技師は全国でもまれな変則2交替制勤務を採用して,各部門24時間勤務を行っている.そこで,当院の緊急検査室での臨床検査技師の勤務体制を紹介する.
当院の緊急検査の実状と今後の取り組み
著者: 安住郁
ページ範囲:P.808 - P.808
当院の緊急検査業務は,免疫化学検査室の一部署として運営している.日常勤務帯は免疫化学所属の技師が機器の整備や精度管理を含め,緊急検査業務を3名で担当している.夜間休日は日・当直業務とし,2名体制で行っている.
検査項目は血球数算定(血小板を含む),凝固機能検査としてトロンボテスト,緊急化学検査17項目(CRPを含む),血液ガス分析,感染症検査(HBs抗原,HCV抗体,HIV抗体,TP抗体),尿定性検査,妊娠反応検査などである.ただし,日常勤務時間内の緊急化学検査以外の項目は,それぞれの担当部署で測定している.
きのこ中毒(趣味)になった症例
著者: 村上勉
ページ範囲:P.811 - P.811
救命救急センターの特徴として,一般病院と同様に短時間での迅速検査が要求されますが,病院に比べて“急性中毒”が多い実態があります.日本中毒情報センターは,中毒原因物質を家庭用品・医薬品・園芸用品・工業用品・その他の5項目に分類しています.自然毒の「きのこ中毒の症例」から私が“きのこ中毒(趣味)”になった話を紹介します.
3年ほど前の秋,T先生から「アマニチン,イボテン酸,ムシモルの血中濃度を測定できないか」との問い合わせに「アマニチン,イボテン酸,ムシモル???きのこ中毒ですか?」と私.患者は,公園に生えているきのこを美味しく食されて,その後気分が悪くなり来院.きのこの毒成分を分析している施設を探すため,検査センターや各地の公衆衛生研究所に連絡しましたが,分析可能な施設とコンタクトはできませんでした.きのこ中毒患者は,幸いにも症状は消退し退院となりましたが,ドクターのリクエストに応じられず,恥ずかしい思いが残りました.
第三次救急医療における緊急検査—その使命と心構え
著者: 福田篤久
ページ範囲:P.817 - P.817
われわれが救命救急センター専属検査室で日常行っている検査業務の大部分は,緊急検査であるといっても過言ではないが,そもそも緊急検査とはどのような検査を指すのだろうか?筆者らはある雑誌に『一般に“臨床検査”とは,的確な診断と治療を導くための補助手段であるが,緊急検査はこれに加え「今・現在」の情報を提供する必要がある』と書いたことがある.言い換えれば,緊急検査とは,確定診断のための要素は少なく,患者の現在の病態を把握できるものでなければならず,現在に近ければ近いほど意義があり,かつ有用なものである.“現在に近ければ近いほど”というのは,御承知のとおり迅速報告を意味するものである.そこで今回,緊急検査に課せられた迅速性の意義について,第三次救急患者の初療時検査を『緊急検査の束』と見なし述べることにする.
初療時検査における迅速性とは,先にも述べたとおり一般臨床検査のそれとは異なり,単に“速さ”というのではなく,患者の病態把握のために,今,医師が必要であると思われる情報を迅速に提供することである.要するに,無秩序に報告するのではなく,患者にとって,今,医師が必要な情報は何か?現場の技師がみずから患者情報を収集したうえで,瞬時に判断し報告するということが緊急検査には必要かつ重要であると考えている.さらに“定性的な結果報告”をどのように生かせるかである.
リードタイム28分—中央採血・迅速検査システムの構築
著者: 大田喜孝
ページ範囲:P.836 - P.836
Patient focused care(患者中心医療)の理念のもと,聖マリア病院の外来診療においては1時間診療を目的としたリエンジニアリングが推進され,会計・投薬に要する待ち時間は8分程度に短縮された.また予約診療も徐々に定着し,現在の外来診療の8割以上を占めている.こうした展開の中,臨床検査においても外来診療支援を目的とした“中央採血・迅速検査システム”を構築,1997年8月に稼働を開始した.
本システムの基本概念は,患者さんが来院され,検査指示〜採血・採尿を経て診察を受けられるまでの限られた時間内に必要な臨床検査データを迅速に医師の手元に提供するというものであり,医師が検査を指示し,結果を受け取るまでの時間(臨床検査のリードタイム)は30分以内,各外来のスタッフが検体搬送や結果受取りのために検査室に足を運ぶ必要がないことを原則としている.
サテライトラボ(手術部検査室)の役割
著者: 井宣隆
ページ範囲:P.847 - P.847
佐賀医科大学病院検査部では,昭和56年の開院当初から,人工心肺を使用する手術の際は技師をサテライトラボ(手術部検査室)へ派遣し,緊急検査サービスを提供してきました.平成8年6月からは,人工心肺の運転にかかわらず月曜日から木曜日までの4日間医療チームの一員として常駐し,その機能を充実することになりました.
ここでは,技師の業務の詳細を述べ,サテライトラボ(手術部検査室)の役割について報告します.
緊急検査のスピードアップを目ざして
著者: 矢沢正隆
ページ範囲:P.867 - P.867
当院は福島県会津若松市にあり,診療科目25科,病床数1,209床,外来患者数1日平均2,428人,入院患者数1,016人で,県総面積の2/3を占める全会津の中核医療施設として重要な役割を担っている.当検査科の緊急検査は24時間体制をとり,夜間は2名の技師,日・祭日は3名の技師,日勤帯では助手1名,技師2名が担当し,専用の依頼用紙を使用し,受付から報告まで一括処理をしてきた.しかし,平成9年9月より三菱化学ビーシーエルと共同運営方式(FMS方式)を採用することとなり,人員の有効利用,省力化から,日・祭日および夜間の体制は従来どおりだが,日勤帯においては緊急検査のための担当者を配置せず,ルーチン検査の中で実施することとなった.従来の一括処理から分散処理へ変更するに当たり,結果報告の遅れなど,種々の問題点について検討を行った.
新検査体制では検体検査部門の統一(ワンフロア化)や検査室のスペース内に中央採血所(採尿室も含む)を設け,検体の運搬を省略化し,さらに検査支援システム「MY-LIFE III」を導入し,依頼書,報告書の統合,受付の一本化,データの一元化,バーコード処理(バーコードラベルの印字から緊急検体を認別する)を実施することにより緊急検査のスピードアップを計った.結果報告は各外来,病棟に配置されたクライアント,プリンター,FAXへ出力され,従来の電話報告を廃止した.
緊急検査(宿・日直検査)11年目の願い
著者: 田川正和
ページ範囲:P.877 - P.877
昭和63年に始まった宿・日直体制は,片田舎の病院としては早いほうであったと思う.当時の呉市周辺の病院は,夏休み,年未年始,ゴールデンウィークなどは医師がみずから簡単な検査を行うか,技師の呼び出しが主流であった.宿・日直体制スタートにあたり,緊急検査室を作り,スクリーニング検査を主体として始めたが,検査項目がしだいに増えてゆき,緊急検査室のみでは手狭で処理しきれなくなり,現在では検査室全体が緊急検査室となっている.検査部の構造は13年前よりオープンフロアー形式を採用しており,部屋全体が1室として使えるため,これに対する違和感はまったくなかった.
呉市は従来より肝硬変,梅毒の多い土地柄(旧海軍基地,現海上自衛隊基地)であるとともに「仁義なき戦い」でも知られるように,麻薬,覚醒剤患者も考慮しておく必要があり,そのため,以前より緊急検査項目には一連の薬物スクリーニング検査を用意している.また,年末には農薬による自殺未遂患者が毎年発生するため,尿中パラコート検査も欠かせない検査となっている.
救命救急センターにおける臨床検査
著者: 河口豊 , 山本誠一
ページ範囲:P.881 - P.881
当院高度救命救急センターには,重症患者を処置する救急室の隣に約23m2の検査室が設置されており24時間稼働している.臨床検査技師は,救急専属技師として配属された2名が通常勤務を担当し,休日および夜間は日・当直が2名ずつ当番制で勤務につく.ここでは,各種救急患者や入院中の重症患者における緊急手術時や病態の急激な変化に即応するために,血液ガス分析(CO-Hbも含む),電解質,生化学スクリーニング,CBC,尿一般検査,心電図,血液型,交差試験,出血時間,髄液検査,妊娠反応,グラム染色,尿中パラコート定性検査などが共通の緊急検査項目として行われている.また,救急専属の技師は,救急室でなされる一般緊急検査以外に,HPLC法による血中・尿中パラコート定量,TOXI-LAB®システムによる薬物定性分析,高度救命救急センターICU,HCUおよび一般病棟において脳波検査および脳幹聴覚誘発電位(BAEP)とそれらの持続モニター,TCDによる頭蓋内血管の血流速度測定などをルーチン検査として行っている.これらはすべて予約検査ではなく,いつでも対応できるようにしている.
救急室において臨床検査技師は,検査を迅速かつ正確に行うのは当然のことであるが,鑑別診断や救急処置が円滑に行われるように,事前に採血量の確認など検査の準備をしておくことや実施のタイミングを図ることも重要となる.
当院緊急検査室の災難と人の力
著者: 山﨑哲
ページ範囲:P.891 - P.891
当院緊急検査室は昭和55年の救命救急センター開設以来,24時間検査技師が常駐し,検査業務を遂行してきました.救命救急センター内に位置し,専任技師のみにより構成され,救命救急センターはもとより,熱傷センター・夜間急患センターおよび各病棟から発生する検査に日夜対応しています.
当検査室の特徴は,専任制という体制をとったことにあると思います.緊急検査室は,24時間開いている検査室の窓口として,また検査室運営上必要な検査システムなどのメンテナンス作業にも適した部署であると考えます.これらの点からも,専任制によって種々発生する事項に対応できるよう柔軟な体制作りを心がけたいと考えます.
緊急検査の現状と今後の展望
著者: 浅沼康一 , 渡辺直樹
ページ範囲:P.899 - P.899
札幌医科大学医学部附属病院検査部では,救急集中治療部の発足(昭和60年)と同時に,緊急検査の24時間体制が確立された.
現在緊急検査は,夜間,土・日,祝祭日は検査技師46名のうち2名,平日午前9時から午後5時までは,血液検査係8名のうち1名を配置し実施している.現有機器は,インテグラ(ロシュ)とコールターMAXM(ベックマンコールター)の2機種であり,バーコードにより測定している.緊急検査の平均検体数は,休日で約120検体,平日で約90検体であり,休日は,午前6時から10時の間に約80%の検体が集中して提出される.一方,平日は,入院検体が午前6時から8時と午後4時から6時,外来検体は,午前10時から正午に,多くの検体が提出されている.
緊急検査“Time goes by”
著者: 二木敏彦
ページ範囲:P.905 - P.905
強いプレッシャーを感じながらの仕事であるとともに,結果的に技師や検査部の能力を臨床側から試されるのが緊急検査,至急検査,迅速検査と呼ばれるものでしょう.何のトラブルもなく検査結果を報告し終えたときや,患者さんが救命され,臨床の先生からお礼をいわれたときなどは,日常検査とはひと味違った充実感を覚えることも多いものです.ただ,少し興奮気味に報告すると検査依頼医師が見つからなかったり,患者さんが帰宅された後であったりして,“緊急”とは何なのだろうか,と考えさせられることもありますが,皆さんはいかがですか.
さて,私の勤める施設(病床数300床)でも毎日さまざまな緊急検査が提出されています.そしてこれまで,臨床からの問い合わせの多さに閉口してしまうことや,人的過誤が少なからずつきまとう電話による結果報告に,ジレンマを感じていました.しかし昨年,病院の改築に併せて院内LANと臨床検査システムを構築する機会があり,迅速報告システム(検査部サーバーに緊急検査の結果が格納されると,院内LANを通じて各部署のプリンターに自動的に結果が出力されるというものです)が稼働し始めました.すると臨床側にとっては,ディスプレイ検索の必要がない便利さと,前回値とともに必ず報告される確実性などから,検査結果についての問い合わせが激減しました(看護婦さんがこなくなったのが少し残念ですが……).
当院の緊急検査体制
著者: 渡辺務
ページ範囲:P.909 - P.909
亀田総合病院は10年以上前から第三次救急体制で救命救急患者に対応し,加えて千葉県南総地域の拠点病院として医療に携わってきました.
当臨床検査センターにおいても,緊急検査室をルーチン検査と別に設けて10年近くが経過しました.当初は救命救急センターの近くで,輸血検査室領域の一部にサテライトラボを開設し,そこでスタートしました.
検査システムの思い出
著者: 柴崎光三
ページ範囲:P.916 - P.916
緊急検査は誰のために行うのか.もちろん患者さんのためである.日々行われる緊急検査をスムーズに,より利便性よく供給するためには,その施設に合った若干の創意・工夫が必要ではないだろうか.ある病院で見かけたことだが,医師がディスプレイの前で検査データを書き写している光景を見たことがある.その医師に話を聞いてみると,これから病棟に回診に行くのだが,患者さんの検査結果を書き写しているところだという返事であった.コンピュータディスプレイの回りにはプリンターもあるのだが…….また,あるときディスプレイの前で画面を変えながら長時間結果を探しているようなので聞いてみると,緊急の検査結果が返ってきたかどうかを見ているのだということであった.自分の施設のコンピュータを購入するときがきたので,以前感じた問題を解決するように工夫してみた.まず当院の実情を見てみると,未熟児センターがあるため緊急検査が多い.担当の医師に話を聞いてみると,低体重児は病状をいろいろと表現できないため,24時間を何時間かおきに検査を行い,刻々と病状を把握して治療を行わなければならないとのことであった.コンピュータシステムの担当者に事情を話し,当院にはこのような患者さんがいるので,ぜひコンピュータを24時間ノンストップで稼働させてほしいと依頼をした.技術的には困難なことなので,なかなか色よい返事はなかったが,1年以上かけてねばり強くお願いして,なんとか実現していただいた.
緊急輸血へ貢献するために
著者: 今野隆子
ページ範囲:P.934 - P.934
当院は189床の小規模ながら,7名の臨床検査技師が24時間体制でポケットベルにより対応している救急病院である.脳外科を中心としているので,緊急としての輸血検査が多くを占める.特に予期せぬ術中の大出血となると,備蓄を置かない方針の検査部にとっては,あまりにもめまぐるしく,かつ緊張した時間を迎えることになる.どんなに最先端の外科的な技術を駆使しても,生身の人間の体であることに変わりはないと認める時だ.
まず,検査部の輸血担当者(時間外は当番)が血液センターに連絡をとり,とりあえず手術室からのオーダー分を取り寄せる.院内に在庫が少しでもあれば交差適合試験に入るが,各型の在庫は十分ではなく,たいていは緊急出動を願うことになる.製剤が届くのに速くても25分はかかるので,手術室からの催促に強靱に耐えなければならないのが一番の試練だ(ときに泣きたくなることもある).つい先日も手術中の脳外科医から「このままだと患者が危ない」といわれたときはさすがに足が震えた.
編集後記 フリーアクセス
著者: 渡辺清明
ページ範囲:P.960 - P.960
現在,多くの病院で緊急検査が施行されているが,検査項目や検査法はまちまちであり,かつ各種異なった機器・試薬が使用されている.また,緊急検査を行う臨床検査技師もルーチンとは別の検査をすることになり,日ごろ慣れていない検査を緊急に行わなければならない状況にある.最近は緊急検査項目も増えてくる一方であるし,検査法も日進月歩である.しかし,このような変化の激しい環境で,救急や重症の患者に,常に精度の高い緊急検査結果を提供することが検査室に要求されている.
本増刊号はこのような緊急検査の状況の中で,“より迅速に,より精度の高い緊急検査が実際にできるように”という意図で企画された.時代に即した検査書であると考えているが,いかがなものであろうか.
基本情報
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28巻3号(2000年3月発行)
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28巻2号(2000年2月発行)
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28巻1号(2000年1月発行)
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24巻7号(1996年6月発行)
増刊号 感染症検査実践マニュアル
24巻6号(1996年6月発行)
技術講座 病理
24巻5号(1996年5月発行)
技術講座 生理
24巻4号(1996年4月発行)
技術講座 生理
24巻3号(1996年3月発行)
技術講座 生理
24巻2号(1996年2月発行)
技術講座 生理
24巻1号(1996年1月発行)
技術講座 一般
23巻13号(1995年12月発行)
技術講座 生理
23巻12号(1995年11月発行)
技術講座 病理
23巻11号(1995年10月発行)
技術講座 微生物
23巻10号(1995年9月発行)
技術講座 生理
23巻9号(1995年8月発行)
技術講座 一般
23巻8号(1995年7月発行)
技術講座 免疫
23巻7号(1995年6月発行)
技術講座 生理
23巻6号(1995年5月発行)
技術講座 一般
23巻5号(1995年4月発行)
増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
23巻4号(1995年4月発行)
技術講座 病理
23巻3号(1995年3月発行)
技術講座 病理
23巻2号(1995年2月発行)
技術講座 一般
23巻1号(1995年1月発行)
技術講座 生理
22巻13号(1994年12月発行)
技術講座 一般
22巻12号(1994年11月発行)
技術講座 一般
22巻11号(1994年10月発行)
技術講座 一般
22巻10号(1994年9月発行)
技術講座 一般
22巻9号(1994年8月発行)
技術講座 生理
22巻8号(1994年7月発行)
技術講座 病理
22巻7号(1994年6月発行)
技術講座 一般
22巻6号(1994年5月発行)
技術講座 一般
22巻5号(1994年4月発行)
増刊号 免疫検査実践マニュアル
22巻4号(1994年4月発行)
技術講座 生理
22巻3号(1994年3月発行)
技術講座 免疫
22巻2号(1994年2月発行)
技術講座 一般
22巻1号(1994年1月発行)
技術講座 生理
21巻13号(1993年12月発行)
技術講座 一般
21巻12号(1993年11月発行)
技術講座 一般
21巻11号(1993年10月発行)
技術講座 一般
21巻10号(1993年9月発行)
技術講座 生理
21巻9号(1993年8月発行)
技術講座 一般
21巻8号(1993年7月発行)
技術講座 病理
21巻7号(1993年6月発行)
技術講座 一般
21巻6号(1993年5月発行)
技術講座 生理
21巻5号(1993年4月発行)
増刊号 臨床化学実践マニュアル
21巻4号(1993年4月発行)
技術講座 生理
21巻3号(1993年3月発行)
技術講座 病理
21巻2号(1993年2月発行)
技術講座 生理
21巻1号(1993年1月発行)
技術講座 生理
20巻13号(1992年12月発行)
技術講座 一般
20巻12号(1992年11月発行)
技術講座 一般
20巻11号(1992年10月発行)
技術講座 一般
20巻10号(1992年9月発行)
技術講座 一般
20巻9号(1992年8月発行)
技術講座 一般
20巻8号(1992年7月発行)
技術講座 血液
20巻7号(1992年6月発行)
技術講座 一般
20巻6号(1992年5月発行)
増刊号 尿検査法
20巻5号(1992年5月発行)
技術講座 生理
20巻4号(1992年4月発行)
技術講座 生理
20巻3号(1992年3月発行)
技術講座 病理
20巻2号(1992年2月発行)
技術講座 一般
20巻1号(1992年1月発行)
技術講座 生理
19巻13号(1991年12月発行)
技術講座 管理
19巻12号(1991年11月発行)
技術講座 生理
19巻11号(1991年10月発行)
技術講座 生理
19巻10号(1991年9月発行)
技術講座 一般
19巻9号(1991年8月発行)
技術講座 一般
19巻8号(1991年7月発行)
技術講座 生理
19巻7号(1991年6月発行)
増刊号 臨床血液検査
19巻6号(1991年6月発行)
技術講座 生理
19巻5号(1991年5月発行)
技術講座 生理
19巻4号(1991年4月発行)
技術講座 一般
19巻3号(1991年3月発行)
技術講座 生理
19巻2号(1991年2月発行)
技術講座 生理
19巻1号(1991年1月発行)
技術講座 一般
18巻13号(1990年12月発行)
技術講座 生理
18巻12号(1990年11月発行)
技術講座 微生物
18巻11号(1990年10月発行)
技術講座 生理
18巻10号(1990年9月発行)
技術講座 一般
18巻9号(1990年8月発行)
技術講座 一般
18巻8号(1990年7月発行)
技術講座 一般
18巻7号(1990年6月発行)
技術講座 一般
18巻6号(1990年5月発行)
増刊号 血液・尿以外の体液検査法
18巻5号(1990年5月発行)
技術講座 一般
18巻4号(1990年4月発行)
技術講座 一般
18巻3号(1990年3月発行)
技術講座 血液
18巻2号(1990年2月発行)
技術講座 生理
18巻1号(1990年1月発行)
技術講座 生理
17巻13号(1989年12月発行)
技術講座 一般
17巻12号(1989年11月発行)
技術講座 一般
17巻11号(1989年10月発行)
技術講座 一般
17巻10号(1989年9月発行)
技術講座 一般
17巻9号(1989年8月発行)
技術講座 生理
17巻8号(1989年7月発行)
技術講座 血清
17巻7号(1989年6月発行)
技術講座 一般
17巻6号(1989年5月発行)
感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
17巻5号(1989年5月発行)
技術講座 一般
17巻4号(1989年4月発行)
技術講座 生理
17巻3号(1989年3月発行)
技術講座 病理
17巻2号(1989年2月発行)
技術講座 一般
17巻1号(1989年1月発行)
技術講座 生理
16巻13号(1988年12月発行)
技術講座 一般
16巻12号(1988年11月発行)
技術講座 一般
16巻11号(1988年10月発行)
技術講座 一般
16巻10号(1988年9月発行)
技術講座 生理
16巻9号(1988年8月発行)
技術講座 一般
16巻8号(1988年7月発行)
技術講座 一般
16巻7号(1988年6月発行)
免疫化学検査法 資料
16巻6号(1988年6月発行)
技術講座 一般
16巻5号(1988年5月発行)
技術講座 一般
16巻4号(1988年4月発行)
技術講座 病理
16巻3号(1988年3月発行)
技術講座 生理
16巻2号(1988年2月発行)
技術講座 一般
16巻1号(1988年1月発行)
技術講座 血液
15巻13号(1987年12月発行)
技術講座 一般
15巻12号(1987年11月発行)
技術講座 病理
15巻11号(1987年10月発行)
技術講座 細胞診
15巻10号(1987年9月発行)
技術講座 一般
15巻9号(1987年8月発行)
技術講座 細胞診
15巻8号(1987年7月発行)
技術講座 病理
15巻7号(1987年6月発行)
技術講座 病理
15巻6号(1987年5月発行)
技術講座 病理
15巻5号(1987年4月発行)
臨床生理検査と技術 座談会
15巻4号(1987年4月発行)
技術講座 生理
15巻3号(1987年3月発行)
技術講座 血液
15巻2号(1987年2月発行)
技術講座 一般
15巻1号(1987年1月発行)
技術講座 病理
14巻13号(1986年12月発行)
技術講座 一般
14巻12号(1986年11月発行)
技術講座 病理
14巻11号(1986年10月発行)
技術講座 血清
14巻10号(1986年9月発行)
技術講座 血清
14巻9号(1986年8月発行)
技術講座 生理
14巻8号(1986年7月発行)
技術講座 血清
14巻7号(1986年6月発行)
技術講座 病理
14巻6号(1986年5月発行)
技術講座 生理
14巻5号(1986年4月発行)
形態学的検査と技術 血液と病理
14巻4号(1986年4月発行)
技術講座 病理
14巻3号(1986年3月発行)
技術講座 細菌
14巻2号(1986年2月発行)
技術講座 病理
14巻1号(1986年1月発行)
技術講座 細菌
13巻12号(1985年12月発行)
技術講座 病理
13巻11号(1985年11月発行)
技術講座 病理
13巻10号(1985年10月発行)
技術講座 生理
13巻9号(1985年9月発行)
技術講座 病理
13巻8号(1985年8月発行)
技術講座 病理
13巻7号(1985年7月発行)
技術講座 血液
13巻6号(1985年6月発行)
技術講座 一般
13巻5号(1985年5月発行)
技術講座 病理
13巻4号(1985年4月発行)
技術講座 一般
13巻3号(1985年3月発行)
技術講座 血液
13巻2号(1985年2月発行)
技術講座 一般
13巻1号(1985年1月発行)
技術講座 血液
12巻12号(1984年12月発行)
技術講座 血液
12巻11号(1984年11月発行)
技術講座 病理
12巻10号(1984年10月発行)
技術講座 輸血
12巻9号(1984年9月発行)
技術講座 一般
12巻8号(1984年8月発行)
技術講座 細菌
12巻7号(1984年7月発行)
技術講座 細菌
12巻6号(1984年6月発行)
技術講座 生理
12巻5号(1984年5月発行)
技術講座 一般
12巻4号(1984年4月発行)
技術講座 病理
12巻3号(1984年3月発行)
技術講座 血液
12巻2号(1984年2月発行)
技術講座 一般
12巻1号(1983年12月発行)
技術講座 血清
11巻12号(1983年12月発行)
技術講座 一般
11巻11号(1983年11月発行)
技術講座 細菌
11巻10号(1983年10月発行)
技術講座 細胞診
11巻9号(1983年9月発行)
技術講座 一般
11巻8号(1983年8月発行)
技術講座 血清
11巻7号(1983年7月発行)
技術講座 細菌
11巻6号(1983年6月発行)
技術講座 一般
11巻5号(1983年5月発行)
技術講座 病理
11巻4号(1983年4月発行)
技術講座 一般
11巻3号(1983年3月発行)
技術講座 血液
11巻2号(1983年2月発行)
技術講座 一般
11巻1号(1983年1月発行)
技術講座 血液
10巻12号(1982年12月発行)
技術講座 一般
10巻11号(1982年11月発行)
技術講座 生理
10巻10号(1982年10月発行)
技術講座 血清
10巻9号(1982年9月発行)
技術講座 細菌
10巻8号(1982年8月発行)
技術講座 一般
10巻7号(1982年7月発行)
技術講座 病理
10巻6号(1982年6月発行)
技術講座 細菌
10巻5号(1982年5月発行)
技術講座 病理
10巻4号(1982年4月発行)
技術講座 血清
10巻3号(1982年3月発行)
技術講座 生化学
10巻2号(1982年2月発行)
技術講座 病理
10巻1号(1982年1月発行)
技術講座 生化学
9巻12号(1981年12月発行)
技術講座 細菌
9巻11号(1981年11月発行)
技術講座 生理
9巻10号(1981年10月発行)
技術講座 一般
9巻9号(1981年9月発行)
技術講座 血清
9巻8号(1981年8月発行)
技術講座 血清
9巻7号(1981年7月発行)
技術講座 生理
9巻6号(1981年6月発行)
技術講座 細菌
9巻5号(1981年5月発行)
技術講座 一般
9巻4号(1981年4月発行)
技術講座 一般
9巻3号(1981年3月発行)
技術講座 血清
9巻2号(1981年2月発行)
技術講座 一般
9巻1号(1981年1月発行)
技術講座 生化学
8巻12号(1980年12月発行)
技術講座 一般
8巻11号(1980年11月発行)
技術講座 生理
8巻10号(1980年10月発行)
技術講座 検体の取り扱いと保存
8巻9号(1980年9月発行)
技術講座 病理
8巻8号(1980年8月発行)
技術講座 生化学
8巻7号(1980年7月発行)
技術講座 一般
8巻6号(1980年6月発行)
技術講座 生理
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技術講座 生化学
8巻4号(1980年4月発行)
技術講座 血清
8巻3号(1980年3月発行)
技術講座 病理
8巻2号(1980年2月発行)
技術講座 一般
8巻1号(1980年1月発行)
技術講座 生化学
7巻12号(1979年12月発行)
技術講座 一般
7巻11号(1979年11月発行)
技術講座 一般
7巻10号(1979年10月発行)
技術講座 細菌
7巻9号(1979年9月発行)
技術講座 生理
7巻8号(1979年8月発行)
技術講座 病理
7巻7号(1979年7月発行)
技術講座 生理
7巻6号(1979年6月発行)
技術講座 一般
7巻5号(1979年5月発行)
技術講座 血液
7巻4号(1979年4月発行)
技術講座 生理
7巻3号(1979年3月発行)
技術講座 病理
7巻2号(1979年2月発行)
技術講座 細菌
7巻1号(1979年1月発行)
技術講座 生化学
6巻12号(1978年12月発行)
技術講座 細菌
6巻11号(1978年11月発行)
技術講座 病理
6巻10号(1978年10月発行)
技術講座 血清
6巻9号(1978年9月発行)
技術講座 細菌
6巻8号(1978年8月発行)
技術講座 生化学
6巻7号(1978年7月発行)
技術講座 一般
6巻6号(1978年6月発行)
技術講座 病理
6巻5号(1978年5月発行)
技術講座 生理
6巻4号(1978年4月発行)
技術講座 一般
6巻3号(1978年3月発行)
技術講座 病理
6巻2号(1978年2月発行)
技術講座 一般
6巻1号(1978年1月発行)
技術講座 病理
5巻12号(1977年12月発行)
技術講座 生理
5巻11号(1977年11月発行)
技術講座 一般
5巻10号(1977年10月発行)
技術講座 細菌付録
5巻9号(1977年9月発行)
技術講座 一般
5巻8号(1977年8月発行)
技術講座 生理
5巻7号(1977年7月発行)
技術講座 一般
5巻6号(1977年6月発行)
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5巻5号(1977年5月発行)
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5巻4号(1977年4月発行)
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5巻3号(1977年3月発行)
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5巻2号(1977年2月発行)
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5巻1号(1977年1月発行)
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4巻12号(1976年12月発行)
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4巻11号(1976年11月発行)
技術講座 一般
4巻10号(1976年10月発行)
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4巻9号(1976年9月発行)
技術講座 一般
4巻8号(1976年8月発行)
技術講座 一般
4巻7号(1976年7月発行)
技術講座 一般
4巻6号(1976年6月発行)
技術講座 一般
4巻5号(1976年5月発行)
技術講座 一般
4巻4号(1976年4月発行)
技術講座 一般
4巻3号(1976年3月発行)
技術講座 一般
4巻2号(1976年2月発行)
技術講座 一般
4巻1号(1976年1月発行)
技術講座 一般
3巻12号(1975年12月発行)
技術講座 一般
3巻11号(1975年11月発行)
技術講座 一般
3巻10号(1975年10月発行)
技術講座 一般
3巻9号(1975年9月発行)
技術講座 一般
3巻7号(1975年8月発行)
特集 必修 日常検査の実技
3巻6号(1975年6月発行)
技術講座 生理
3巻5号(1975年5月発行)
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3巻4号(1975年4月発行)
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3巻3号(1975年3月発行)
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3巻2号(1975年2月発行)
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3巻1号(1975年1月発行)
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