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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術28巻5号

2000年05月発行

雑誌目次

病気のはなし

潰瘍性大腸炎

著者: 朝倉均

ページ範囲:P.422 - P.427

新しい知見
 潰瘍性大腸炎の原因は不明であるが,マウスのリンパ球やマクロファージに運伝子工学的に異常を起こすと,CD4というリンパ球やマクロファージが活性化されて,最終的にサイトカインのインターフェロン(IFN)γや腫瘍壊死因子(TNF)αの産生が亢進し,腸内細菌の存在のもとに大腸炎が引き起こされる.ヒトでも本症患者の末梢血よりリンパ球やマクロファージのもとになる単球を除去(白血球除去療法)すると,大腸炎は軽快する.最近,ざまざまな疾患の患者は,ある素因,換言すると疾患感受性遺伝子を保有していることが明らかになり,本症ではその遺伝子が染色体3,6,7,12,16にあるのではないかといわれている.日本人では第6染色体短腕のHLA上のDR2近傍にある.

技術講座 病理

マクロ臓器撮影

著者: 上久廣昭

ページ範囲:P.429 - P.437

新しい知見
 フィルムからデジタルへ
 民生用デジタルカメラの普及により,デジタルカメラの画素数も多くなり,画質もかなり向上したことから,最近はマクロ臓器撮影も従来のカラーフィルムでの撮影ではなく,デジタルカメラで撮影する施設も増えてきた.材料の節約(フィルムが要らない)や撮影したものがその場で確認できるなど,いくつかのメリットから,これからますますデジタル化が進むと思われる.
 しかしながら,デジタル撮影をする場舎には,色の再現,保存性などで問題点もある.臓器の色が正しく再現されているかどうかは,フィルムの場合には肉眼で判断可能であるが,デジタル撮影の場合にはパソコンモニターかプリントアウトしたもので判断することになる.当然ながら,モニターの発色はメーカーや機種の違いにより微妙に違いがあり,どれが正しく色を再現しているか迷うことがある.プリンターにしても同様である.

生化学

尿中遊離コルチゾールの測定法

著者: 石島道邦 ,   磯部和正 ,   中井利昭

ページ範囲:P.439 - P.443

新しい知見
 コルチゾール測定は血清,尿が検査材料であるが,簡便で,非侵襲的な検査として唾液中のコルチゾール(saliva cortisol)が最近外国で注目を浴びてきた測定である.当初,血清用のコルチゾール測定キットが用いられていたが,唾液中の少ないコルチゾールを測定できるよう感度的に改良されたキットが発売されている.しかしながら,わが国においてはその測定は一般的ではなく,キットを扱っている会社もない〔臨床検査Q&A,1999(http://www.jaclap.org/consultation.html)参照〕.

凍結破砕法

著者: 田島裕

ページ範囲:P.445 - P.449

新しい知見
 細胞や組織を破壊して,内容物を抽出する処理法の1つに,極低温での脆性を利用した“凍結破砕”がある.装置が比較的安価で,費やされる労力も少なくて済み,短時間のうちに目的を達成することができるのが魅力である.

血液

TAT,PICの測定法

著者: 福田晃子 ,   島津千里 ,   宮澤幸久

ページ範囲:P.451 - P.457

新しい知見
 TATは血中でのトロンビン生成を示す凝固系マーカーとして,またPIC(PPI)はプラスミン生成を反映する線溶系マーカーとしてDICなど血栓性疾患の診断や治療経過の指標に有用な検査である.DICは凝固亢進状態とそれに伴う二次線溶亢進状態をきたす症候群であるが,病態は多様で,基礎疾患により凝固・線溶活性のバランスが異なる.敗血症ではPIC/TAT比減少:凝固優位であり,また白血病,血管病変ではPIC/TAT比上昇;線溶優位となる.TAT,PIGは厚生省DIC診断基準の補助的検査として,可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC),FDPならびにDダイマーなどの凝固・線溶マーカーなどの結果と合わせて総合的に解析する.

検査データを考える

PSAと前立腺癌

著者: 飯泉達夫

ページ範囲:P.473 - P.476

はじめに
 わが国における前立腺癌の発生頻度は,欧米に比べ1/3〜1/4程度とされている.しかし,生活の欧米化,高齢化の進行とともに患者数は著明に増加しており,その増加率は全固形腫瘍中第1位となっている.それに伴い,前立腺癌を早期に発見する重要性が高まり,男性の壮年期以降の健康診断に前立腺の触診や前立腺特異抗原(prostatespecific antigen;PSA)の測定を加える場合も増えてきている.
 PSAは1979年にWangらによって初めて分離・精製された分子量33,000の糖蛋白であり,前立腺上皮に局在する.その後の研究でPSAはキニン・カリクレイン(kinin-kallikrein)系に属するセリンプロテアーゼ(serine protease)であることが判明している.また,PSAは血清中ではPSA分子だけのfree PSAとPSAにいくつかの蛋白が結合した形で存在することが明らかにされている.しかし,現在測定可能なものはfreePSAとPSAの酵素活性を抑制するアンチキモトリプシン(anti-chymotrypsin;ACT)と結合したACT-PSAの2つである1)

臨床検査に必要な統計処理法・5

外部精度評価のデータ解析—コントロールサーベイを有効活用するために

著者: 細萱茂実

ページ範囲:P.477 - P.482

はじめに
 一般に外部精度評価(external quality assessment;EQA)の主目的は,検査値の施設間差の実態を把握するとともに,個々の施設における検査法の正確さを知ることである.そのための調査をコントロールサーベイといい,多くの組織や団体により実施されている.その評価方式はさまざまであり,また種々の問題点も指摘されている.ここでは,外部精度評価におけるデータ解析の観点を中心に,コントロールサーベイを有効活用し検査精度を向上するための方法について考える.

日常染色法ガイダンス 組織内病原体の日常染色法—Helicobacter pyloriの証明

ワルチン・スターリ法

著者: 金子伸行

ページ範囲:P.458 - P.460

はじめに
 ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori;Hp)は1983年,オーストラリアのWarrenとMarshallによってヒトの胃粘膜より分離培養された,らせん状グラム陰性桿菌である.Hpは胃炎,消化性潰瘍との関連が示唆されており,さらに胃癌,MALTリンパ腫などとの関係についても議論されている.Hpの一般的な存在診断法は表に示すとおりである.それぞれの検査には長所,短所があり,複数の検査法を組み合わせて判定することが一般に行われている.
 組織形態学的にHpを同定する染色法としては,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色法,ギムザ染色法,ワルチン・スターリ法などがある.その他に蛍光法のアクリジン・オレンジ法,抗Hp抗体(DAKO社,ダイアヤトロン社などから市販されている)を用いた免疫組織学的検索法などが利用される.本稿ではワルチン・スターリ法についてのみ記述する(他の同定法は一般的な手技が用いられるので,その方法については他稿に譲る).

内分泌細胞(細胞内顆粒)の日常染色法—下垂体細胞の染色法

アルデヒド・チオニン染色

著者: 広井禎之 ,   舘亜矢子 ,   冨永晋 ,   河合俊明

ページ範囲:P.461 - P.464

目的
 アルデヒド・チオニン染色は,Pagetらによりアルデヒド・フクシン染色の改良法(アルデヒド・フクシン染色とほぼ同様の染色態度をとり,退色しない色素)として考案された染色法である.
 アルデヒド・チオニン染色は膵ランゲルハンス島のB細胞のほか,下垂体前葉好塩基性細胞の一部(TSH,LH,FSH産性細胞)などを染め出す.

絵で見る免疫学 基礎編・5

免疫グロブリンの種類と機能(1) 抗体の構造と種類

著者: 高木淳 ,   玉井一 ,   隈寛二

ページ範囲:P.466 - P.467

抗体分子の基本的構造
●抗体分子はH鎖とL鎖からなり,ジスルフィド結合でつながれている
 免疫グロブリンの基本構造はIgGである.IgGは2本の重鎖(heavy chain,以後H鎖)と2本の軽鎖(light chain,以後L鎖)で構成されている.図1に示すように,IgGは,H鎖とL鎖がジスルフィド(S-S)で結合したH鎖とL鎖のペアがさらにジスルフィド結合によってつながれて,1個の分子を作っている.H鎖の分子サイズは50kDa,L鎖は25kDaなので,IgGの合計の分子サイズは150kDa(分子量15万)である.ジスルフィド結合はシスチンを2個酸化することででき,この結合はIgGの複数のポリペプチド鎖を集合させ,構造を立体的に安定化させる役目を持っている.

ラボクイズ

問題:尿沈渣【3】

ページ範囲:P.470 - P.470

4月号の解答と解説

ページ範囲:P.471 - P.471

オピニオン

臨床検査技師教育の将来

著者: 多羅尾史明

ページ範囲:P.428 - P.428

 先日,当学科の3年生が無事病院実習を終え,彼らに臨床実習に関するアンケートを課し,その集計を見させていたださました.その中に「検査技師の将来性に対するポジティブな意見を学生に伝えてほしい.」との意見が書き込まれていました.われわれ技師が感じている現状の憂いを学生もひしひしと肌で感じてきたのだなと思うと同時に,臨床検査技師の先達(?)としての自分のふがいなさをも感じ,情けなく思っています.現在の検査業務をしっかりと見つめることは大変重要なことですが,それに続くアグレッシブな考えが即答できない自分にはたと気づいた次第です.検査技師が淘汰される時代,意識の変革など諸先生の多種のご進言も技師個人としての目標としてはすべて納得のいくものです.しかしながら職能団体や,臨床検査学としての目標としての答えにはなっていない気がします.
 今から四半世紀も昔,当時珍しがられた4卒の技師として全国に同じ思いを秘めてはばたいていった同期の仲間が,先日,この北の地に集いました.酒宴の席でも,出てくる話は就職当時の苦労話が中心でした.

けんさアラカルト

青年海外協力隊員レポート

著者: 橋本文子

ページ範囲:P.468 - P.469

■協力隊活動は何でも“やる”という気合いだ
 私が協力隊に参加しようとしたとき,ある人が言いました.「日本にいてもやるべきボランティアは沢山ある」と.なぜ私はわざわざアフリカへ行ったのか?それは日本でのボランティアは地味に感じるけれど,外国でのボランティアは格好いいと,当時の私はそう感じたからだと思います.
 しかし,任国で自分の実力のなさに愕然としたとき,先の言葉が戒めとなり,なにくそと頑張ることができました.けれども私のように安易に何かを期待してくる人はやはりいるようで,活動において簡単につまずく人も見ました.

Laboratory Practice 血液 骨髄塗抹標本の見かた

骨髄液中に見られる正常細胞・2 赤芽球系細胞

著者: 大畑雅彦

ページ範囲:P.488 - P.489

はじめに
 赤芽球系細胞は分裂を繰り返しながら成熟し,脱核し赤血球となる.顆粒球系細胞と同様に形態学的特徴に応じた名称が与えられているが,その鑑別上のポイントは細胞質の染色性と核クロマチン構造である.また,赤芽球全体を通しての特徴として,①核,細胞質とも類円形で,核は中心性に位置する,②正常では,細胞質内に顆粒を認めない,ことが挙げられる.

生化学 精査と治療に生かす検査データ

甲状腺機能亢進症

著者: 清水多恵子

ページ範囲:P.490 - P.491

はじめに
 甲状腺がそのホルモンを過剰に分泌している状態を甲状腺機能亢進症という.この定義からは甲状腺組織が破壊されて甲状腺ホルモンが血液中に流出したために起こる甲状腺ホルモンの上昇や甲状腺製剤過剰服用で起こる甲状腺中毒症状は,甲状腺機能亢進症と厳密には区別される.しかし,それらの甲状腺中毒症は甲状腺機能亢進症の鑑別診断に大切であり,甲状腺機能亢進症の原因として表1にまとめた.甲状腺機能亢進症を起こす原因として最も頻度が高いのはバセドウ病である.

病理 細胞像からここまでわかる

呼吸器(1) 正常組織・細胞と反応性変化

著者: 堀内啓 ,   荒井政和 ,   松谷章司

ページ範囲:P.492 - P.493

呼吸器系の組織構造(図1,9)
 呼吸器系は大別して気道と肺に分かれ,前者は鼻腔,咽頭,喉頭,気管および気管支からなる.鼻腔は多列線毛円柱上皮により覆われており,咽頭は上・中・下咽頭に分けられ,上咽頭は多列線毛円柱上皮,中・下咽頭は重層扁平上皮に覆われている.喉頭はその大部分が杯細胞を含む多列線毛円柱上皮に覆われ,一部(喉頭蓋前面,声帯ヒダ,室ヒダの一部)であるが重層扁平上皮が存在し,輪状軟骨を境に気管となる.気管はさらに,気管支,細気管支,終末細気管支,呼吸細気管支,肺胞道,肺胞・肺胞嚢となる.気管の粘膜は,杯細胞を含む線毛円柱上皮に覆われ,基底膜側に予備細胞が存在する.これらの上皮を取り囲むように軟骨や線維性結合組織が存在し,その中に気管付属腺や平滑筋がある.気管支の上皮は,基本的に気管と同様ではあるが,細気管支を境に軟骨は消失し,杯細胞は減少し,それに変わってクララ細胞が出現する.また,付属腺も徐々に消失する.気管から細気管支に至るまで,リンパ装置が結合組織中に認められ,bronchial associated lymphoid tissue(BALT)と呼ばれる.肺胞はガス交換をつかさどる扁平なI型肺胞上皮細胞と,オスミウム酸好性のサーファクタントを分泌する立方状のII型肺胞上皮細胞で覆われている.また,肺胞腔内には炭粉を含む肺胞マクロファージ(dust cell)が存在する.

生理 この症例をどう読むか

脳波から確定診断できる神経疾患

著者: 杉原浩 ,   高橋洋一

ページ範囲:P.494 - P.495

 症例:TY.67歳,女性.
 主訴:歩行障害,意欲低下.

トピックス

CETPの変異と血液透析患者の血管合併症

著者: 木村秀樹 ,   鈴木亨 ,   吉田治義

ページ範囲:P.503 - P.505

はじめに
 コレステリルエステル転送蛋白(cholestervl estertransfer protein;CETP)は,高比重リポ蛋白(highdensity lipoprotein;HDL)のコレステリルエステル(cholesteryl ester;CE)を超低比重リポ蛋白(verylow density lipoprotein;VLDL)や低比重リポ蛋白(low density lipoprotein;LDL)などのリポ蛋白へ転送する66kDaの血漿蛋白である(図1)1).CETP欠損症では,その遺伝子変異によりCETPの活性と蛋白抗原量が低下し,HDL内CEのVLDL,LDLへの転送量が減少するため,高HDL-C血症を呈することが特徴である.しかし,CETPのCE転送は,末梢組織に蓄積したCEを肝へ転送し排泄するコレステロール逆転送系の一端を担っていることから,同蛋白の活性低下は動脈硬化に促進的に作用するとの考えが有力になっている1).これらの遺伝子異常は,わが国で高頻度であることが特徴であり,高HDL-C血症例の10〜30%に同異常が認められる2,3)
 一方,透析患者は心血管疾患の合併率が著しく高く,動脈硬化のハイリスク群である4).透析患者に特徴的な脂質代謝異常は低HDL-C血症とコレステロール逆転送系活性の低下であり,動脈硬化の危険因子の1つと考えられている5)

MRSAによる新しい新生児発疹性疾患“新生児TSS様発疹症”とスーパー抗原

著者: 陳露秋 ,   内山竹彦

ページ範囲:P.505 - P.509

はじめに
 今から約11年前の1989年に,免疫システムの中心的役割を演じるT細胞を強く活性化するいくつかの細菌産物について,スーパー抗原(superantigen)という新しい概念が提唱された1,2).スーパー抗原は細菌性,ウイルス性,そして植物性の3群に大別される.細菌性スーパー抗原はいくつかの感染症の第一義的な病原因子となりうることが明らかになってきた.
 本稿ではスーパー抗原のT細胞活性化機序とそれによる疾患の発症機序との関連性を,毒素性ショック症侯群(toxic shock syndrome;TSS)や,新しく見いだされた疾患の新生児TSS様発疹症(neonatal TSS-like exanthematous disease;NTED)に焦点を当てながら解説したい.

肝癌マーカーの感度と特異性

著者: 青柳豊

ページ範囲:P.509 - P.512

はじめに
 わが国での肝細胞癌(hepatocellular carcinoma;HCC)による死亡者数は年間30,000人を超えており,その90%以上がC型を主とするウイルス性肝硬変(liver-cirrhosis;LC)を発生母地としている.現在,慢性肝疾患を対象にHCCの早期診断を目的として腫瘍マーカーの定期的測定が行われている.
 本稿では,HCCの腫瘍マーカーとして広く用いられているアルファフェトプロテイン(α-fetoprotein;AFP)ならびにPIVKA-II(protein induced by vitamin K absence or antagonist-II)のHCC診断能について概説する.

今月の表紙

臘様円柱

著者: 今井宣子

ページ範囲:P.437 - P.437

症例:外科,55歳,男性
診断:胃癌術後

検査じょうほう室 輸血:輸血検査と血液型の謎

Rh血液型

著者: 永尾暢夫

ページ範囲:P.484 - P.485

はじめに
 Rh系の血液型は,45の抗原が国際輸血学会の赤血球型の用語委員会で公認されている.その中で最も重要な抗原はDで,わが国では陽性,Du,partial D,Delの4通り,英国のDaniels1)は陽性,weak D(Du),partial D,partial weakD,elevated Dの5通りにそれぞれ分けている.このような分類は,単に学問的意味あいのみならず,抗Dの産生を阻止し,輸血副作用ならびに母児不適合妊娠の回避という臨床上の意義も併せもっている.
 Duとpartial Dについてはいずれも抗Dの産生と母児不適合妊娠例の報告2〜4)がある.

一般:一般検査のミステリー

メダカとハンドクリーム

著者: 佐々木美幸

ページ範囲:P.486 - P.487

はじめに
 一般検査は検体検査でありながら,外来で患者さんに接して直接検体を受け取ります.また,検体の多くは医師や看護婦,検査技師などの医療職が採取している中で,尿や便は患者さんご自身が採取されます.一般検査に長く従事していると,検体採取にまつわるちょっとした事件や珍しい検体に遭遇することがあります.

けんさ質問箱

Q ジャームチューブ形成試験でのCandida albicansの同定

著者: 阿部美知子 ,   K.S.

ページ範囲:P.496 - P.496

Candida albicansを同定するジャームチューブ形成試験は37℃,2時間の反応となっていますが,2時間を超えるとCandida albicans以外のCandidaも陽性になるのでしょうか.

Q 血液型ウラ検査でB血球の凝集か弱くなる場合

著者: 渡邊博文 ,  

ページ範囲:P.497 - P.498

 小児科からの血液型検査の依頼があり,オモテでは抗A(4+),抗B(-)で,ウラではA血球(-),B血球(2+)→(+),O血球(-)でした.試験管法で検査したのですが,試験管を振っているうちにB血球の凝集が弱くなっていきます.ある成人の検体でも同様の現象が起こりました.血液型はどれくらいの年齢ではっきりするのでしょうか.また,成人の場合に考えられる疾患などご教示ください.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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