クローニング[I.-1.,895ページ]
あるDNA断片の塩基配列を決定したり,他の研究に使用する目的で全く同じDNA断片を作製すること.プラスミドやファージのDNA中に組み込み,大腸菌などの細菌で大量に複製することが一般的である.
雑誌目次
検査と技術30巻10号
2002年09月発行
雑誌目次
増刊号 誰でもわかる遺伝子検査
Ⅰ.総論—遺伝子検査の基礎,基本
Ⅰ.総論で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.892 - P.892
1.遺伝子とは何か
著者: 福地邦彦
ページ範囲:P.893 - P.897
ゲノムと遺伝子
地球上の生物は,動物,植物,カビ,細菌などすべて,姿や生きかたが遺伝子によって決定されている.そしてすべての生物の遺伝子は,アデニン(A),グアニン(G),シトシン(C),チミン(T)の4種類のヌクレオチドの繰り返し構造ででき上がっている(図1).ヒトでは遺伝子を構成するDNAの塩基対は32億対ある.1953年のワトソン,クリックによるDNAの構造の解明以来,50年余にわたる分子生物学の研究により,ゲノムに組み込まれている遺伝情報の発現機構が1つ1つ明らかになってきたが,生命の全体像はATGCの配列すべてを解読することによってのみ明らかになる.2000年に高等植物のシロイヌナズナゲノムの完全解読に続き,2001年に高等動物の代表であるヒトのゲノムのドラフトシークエンスが報告された1,2).これが直ちに,ヒトの設計図の解明とはならないが,いくつものヒトゲノムの特性が示された.発現する蛋白質は,ヒトでは35,000〜40,000個と予測され,酵母の6,000個,ショウジョウバエ13,000個,線虫18,000個,植物の26,000個と大きく変わるわけではないが,複雑に選択的スプライシングを行ってさらに多くの蛋白質を産生しているようである.減数分裂時の変異率は男性のほうが女性の約2倍ほど高いので,ほとんどの突然変異は男性側で起こっていることも興味深い.
2.なぜ遺伝子検査か—遺伝子診断の現状と展望
著者: 北村聖
ページ範囲:P.899 - P.903
はじめに
遺伝子操作技術と分子生物学的知見の集積に伴って,遺伝子診断という診断技術が進歩してきた.従来の臨床検査は細胞あるいは蛋白質の解析が主で,測定感度や特異性がつねに問題となった.もちろん,細胞レベルの解析,蛋白質解析それぞれでつねに進歩してきたが,遺伝子検査は,これらの問題を一挙に解決したかにみえる.
さらに,遺伝子検査では従来検査の対象とならなかったことをも検査できるようになった.例えば,体質という言葉であいまいにされてきたことが,今まさに,遺伝子の個人差で語られようとしている.近年,人間の遺伝子配列がすべて明らかにされ,21世紀はポストゲノムの時代といわれる.
3.遺伝子検査の基本原理
著者: 前川真人
ページ範囲:P.905 - P.911
検査の対象
1.標的として何を用いるか,DNAとRNA
遺伝子検査という言葉ではあるが,標的として遺伝子DNAを用いるのか,遺伝子のRNAを用いるのか,いずれかが対象となる.遺伝子DNAも核ゲノムDNAとミトコンドリアDNAとが含まれる.どちらを選択するのかの基準を考えるために,それぞれの特徴を簡単に記す.
通常,遺伝子というとDNAを指す.RNAウィルスではRNAということになる.すべての細胞において,遺伝情報を伝えるのが遺伝子であり,ここからすべての命令が出ていると考えてよい.それではすべての命令に従って,それを実際に行うのは蛋白質ということになるが,蛋白質を合成させるのはRNAの役割といえる.遺伝子から転写されたRNA,メッセンジャーRNA(mRNA)は,DNAの遺伝情報をそのまま写し取った設計図として働く.
Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか 1.遺伝子検査の適応—遺伝子検査の特性を知る
Ⅱ.各論—1.遺伝子検査の適応で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.914 - P.914
3省指針[Ⅰ.-1.-3),Ⅱ.-5.,1178ページ]
文部科学省,厚生労働省および経済産業省合同で作成された「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」を指す.すべての研究計画に対する倫理審査の必要性,インフォームドコンセント,個人情報の厳重な保護管理,研究の透明性の確保の重要性,などが記されている.「研究」のみを対象とした指針であるが,その結果が直ちに患者さんの診療に還元されうる可能性を持つ場合があるので,診療で行われるものとの境界線は不明瞭である.
1)感染症
著者: 菅野治重
ページ範囲:P.915 - P.918
はじめに
感染症の領域において,遺伝子検査は,感染症の病原体の検出,病原因子や抗菌薬耐性因子の検出,病原体の型別,などの分野で広く利用されており,今後の発展が期待される検査法の1つである.遺伝子検査は特徴として,培養検査に比べて迅速性に優れる,塗抹検査より検出感度が高い,半定量的な検出ができる,などの利点があるが,一方で,共存菌の情報が得られない,生菌が得られない,などの欠点もある1).これらの特徴を踏まえて,遺伝子検査の適応を整理した.
2)悪性腫瘍
著者: 上平憲
ページ範囲:P.919 - P.922
はじめに
造血器腫瘍や固形癌を含む悪性腫瘍(がん)は現在日本人の死因の約30%を占めている.そして,高齢化に従い2人に1人は生涯の間にがんに苦しむと予想されている.
悪性腫瘍の適正な治療は,細胞形態・免疫形質・遺伝子検査・臨床像の総和に基づく的確な診断に大きく依存している.従来より,悪性腫瘍の診断は,検査室レベルでは前二者の細胞形態と免疫マーカーによるいわゆる「形質検査」によって主に行われている.すなわち,過去約100年以上にわたり,血液がんはメイーギムザ(May-Giem sa;MG)などのロマノフスキー(Romanowsky)染色,固形癌はヘマトキシリン-エオジン(HE)染色によるパターン認識であった.
3)遺伝性疾患
著者: 小杉眞司
ページ範囲:P.923 - P.926
「遺伝子検査」とは何か
まず,「遺伝子検査」の定義が問題となる.本号では,総論として,「遺伝子とは何か」,「なぜ遺伝子検査か」などは取り上げられているが「遺伝子検査とは何か」についての項はない.わが国では,特に臨床検査の分野で「遺伝子検査」という言葉が多用されるが,その意味するところが,人によって,場合によって少しずつ異なることがある.その結果,時には,誤解を招く虞も生じている.臨床検査の分野で,「感染症」「悪性腫瘍」「遺伝性疾患」を含めて「遺伝子検査」という言葉を使う際は,DNAあるいはRNAを検出対象とする検査という意味と考えたほうがよく,「核酸検査」というほうが正確と思われる.何故かというと,「遺伝子検査」で扱われるものすべてが「遺伝子」ではないからである.例えば,筆者に与えられたテーマである「遺伝性疾患」では,マイクロサテライト多型マーカーを用いた連鎖解析が行われることがあるが,ここで調べられるマイクロサテライト多型マーカーの大半は,「遺伝子」上にはない.「遺伝子」とは,蛋白質の産生など,機能に関係する単位であって,反復配列など遺伝子間のものは「遺伝子」ではないからである.したがって,その意味では,「ゲノム検査」というのが正しい.本稿では,「核酸検査」あるいは「ゲノム検査」の意味で『遺伝子検査』を扱う.「遺伝子検査」という言葉が「遺伝性疾患」の『遺伝子検査』として狭義に使われることもあり,誤解を招きやすい.
2.技術編—遺伝子検査を活用するための知識
Ⅱ.各論—2.技術編で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.927 - P.929
DNAシークエンス法[Ⅱ.-2.-3)-(10),976ページ]
DNAを構成する4種類のヌクレオチド,すなわちデオキシアデニル酸(dAMP),デオキシグアニル酸(dGMP),デオキシシチジル酸(dCMP)とデオキシチミジル酸(dTMP)の配列を5'から3'方向に決定することをいう.ヌクレオチドの違いはそれを構成する塩基の違いであるので,単に(DNA)塩基配列ともいわれ,シークエンス結果はA,G,C,Tの一文字で表記される.
1)核酸検査における前処理・核酸抽出—感染症遺伝子検査を中心に
著者: 増川敦子 , 宮地勇人
ページ範囲:P.930 - P.934
はじめに
近年,遺伝子検査は,感染症検査を中心として測定の簡易キット化や自動化1)が進み,日常検査として定着してきた.遺伝子検査は,感染症や悪性腫瘍など多くの疾患の診断および治療の遂行において,その重要性を増している.確定診断につながる遺伝子検査の精度の高い測定には,測定工程自体とともに,サンプリングや検体処理など測定前の工程が重要とされる.遺伝子検査における前処理工程は,煩雑な用手操作を必要とし,特に感染症の核酸検査では,多様な検体種を検査材料とするため,測定結果に大きく影響する.
本稿では,感染症の核酸検査における検体前処理・抽出工程について概説する.
2)増幅法
(1)PCR法とその変法
著者: 舩渡忠男 , 小澤鹿子 , 大川淳雄
ページ範囲:P.935 - P.938
PCR法をどのようなときに利用するのか
ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain rea ction;PCR)法は遺伝子検査のうち最も頻用されている必須の遺伝子解析技術の1つである.PCR法は,特定の遺伝子のみをゲノムDNAあるいはcDNAより取り出し,アガロース上でバンドとしてあるいは発色させて検出することが可能な手段である.PCR法は,感染症の診断,遺伝性疾患,がんの診断(変異同定),法医学,遺伝子発現診断など病勢の把握,治療効果判定,環境スクリーニングなど多くの領域において日常的に使用されている.特に,微量(低コピー数)しか得られないサンプル,過去の保存検体においてその威力を発揮する.PCR法という単純な原理は,現在変法として多様なアプリケーションへと発展している.
最近では,PCR法の全自動システム(COBAS AMPLICORE)が確立され,感染症の病原検出に核酸同定検査として日常検査に導入されている.これは,PCR産物を標識プローブにより可視的に検出し,定量化したことにより可能となった.
(2)その他の増幅法
著者: 川口竜二
ページ範囲:P.939 - P.943
はじめに
遺伝子検査において微量遺伝子を増幅(あるいは増感)して測定することは,少量しか採取できない貴重な臨床材料を扱う分野では不可欠である.ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)法が臨床検査分野へもたらした成功例にならって,さまざまな核酸増幅法が開発されてきた.PCR以外の遺伝子増幅・増感法について,いくつか研究開発がなされ,また実用化されている.ここではそれらの方法の原理や特徴などについて述べる.高感度測定には,標的DNAそのものを検出レベルまで複製する「ターゲット増幅法」,ターゲットに結合するプローブを複製する「プローブ増幅法」およびプローブに標識したシグナルを増幅する「シグナル増幅法」があり,いずれも実用化されている(表1).
3)分析法/解析法
(1)核酸プローブ・ハイブリダイゼーション法
著者: 行正信康
ページ範囲:P.944 - P.947
核酸の構造と相補性
核酸(DNA)を対象とした初期の研究において,4種類の塩基,アデニン(A),チミン(T),グアニン(G),シトシン(C)のモル比が,[A]=[T],[G]=[C]という事実が判明した.このことからAとTおよびGとCの間で相補的塩基対が形成されることが示唆された.James WatsonとFrancis H. C. Crickは,DNAの物理化学的な知見とX線回折の結果とから,DNAが二重らせん構造を形成する多量体であることを明らかにした.
DNAが二本鎖構造であることは重要で,各塩基は二重らせんの内側にあり,糖鎖-リン酸骨格は外側になる.その結果,両鎖の塩基は接近する.そこで,二本鎖になるためには,片方の鎖が複環状構造のピリミジン塩基(A,G)の場合,相手方は単環状構造のプリン塩基(T,C)という形をとる.二重らせんを安定させているのは,AとTは2か所,GとCでは3か所で生じる水素結合による.この結合の組み合わせを核酸の相補性(complementation)と呼ぶ(図1).
(2)サザンブロット・ハイブリダイゼーション法
著者: 引地一昌
ページ範囲:P.948 - P.952
サザン(Southern)ブロット・ハイブリダイゼーション法(以下サザンブロット法と略す)は,現在,臨床応用が広がっている遺伝子診断のうち最初に用いられてきた手法の1つである.サザンブロット法はDNAの量的,質的変化の異常を解析する場合に用いられる.研究的にはLOH(loss of heterozygosity,染色体DNAの欠損)などに用いられている.
ここでは臨床検査の範囲で日常的に使用されつつあるサザンブロット法について述べるが,試薬の作成法,詳細な検査手順については多くの手引き書が発売されているので参照いただきたい1〜3).
(3)ノーザンブロット・ハイブリダイゼーション法
著者: 酒井正春
ページ範囲:P.953 - P.957
はじめに
遺伝子発現の解析,すなわち特異的なmRNAの量,大きさなどを調べる最もオーソドックスな方法が「ノーザンブロット・ハイブリダイゼーション法」である.変性したRNAを変性条件下のアガロース電気泳動で分離し,フィルターに移して標識した特異的なプローブで検出する.ほぼ同様の目的で用いられるRNaseプロテクションアッセイ(リボプローブマッピング)やプライマー伸長法に比べると,RNAのサイズを調べられる点,類似のRNAやスプライスされる前の前駆体など,プローブがハイブリダイズし得るRNAの全体像を検出することができる点が長所である.検出感度はRNaseプロテクション法よりやや劣る.RNAを変性する方法によっていくつかの方法が知られているが,ここでは最もよく使われ,信頼性も高いホルムアルデヒドを用いる方法を紹介する.
(4)FISH法
著者: 荒川聡 , 大島利夫
ページ範囲:P.958 - P.962
はじめに
従来in situ hybridization法は,核酸プローブを用いて染色体上の遺伝子とハイブリダイゼーションすることにより,染色体上で遺伝子の局在を知るために用いられてきた1).蛍光色素で標識した核酸プローブを用いたin situ hybridization(fluorescence in situ hybridization;FISH)法は,蛍光色素を用いることで,RI(ラジオアイソトープ)よりも,安全かつ簡便に利用できるため,検査室のレベルでも近年実施可能となった.
FISH法の最大の利点は,従来の染色体検査が細胞培養後の分裂期(M期)核を用いるのに対し,問期(G0期)核を用いても観察ができることである.このため,分裂像の得られにくい末梢血細胞や腫瘍細胞でも反復して検査ができる.さらに近年,目的とする遺伝子領域に蛍光色素を直接標識したプローブのキット化が進んだことにより臨床検査として広く普及しつつある2).
(5)パルスフィールドゲル電気泳動法
著者: 満田年宏
ページ範囲:P.963 - P.967
パルスフィールドゲル電気泳動法と高分子染色体DNA電気泳動装置開発の歴史
まず表1には種々の遺伝子とそのサイズを示すので比べてほしい.『電気泳動』は,蛋白質や核酸をゲル状のマトリックスに荷電をかけて泳がせて,その分子量の違いによる泳動距離の差を一種の分子ふるいでより分ける技術である.通常の電気泳動法では電場は1方向に固定されており,泳動中に進行方向は変化しない.分子の大きさが大きくなるとアガロースゲルマトリックスの分子ふるい効果が失われ,分子量に関係なく一定の移動速度となる.
パルスフィールドゲル電気泳動(pulsed-field gel electrophoresis;PFGE)法では2方向の電場が任意の時間間隔で交互に変化する.巨大分子DNA断片をアガロースのマトリックス中で屈曲しながら電場方向に移動させるとともに,電場が新しい方向に変わるとDNA分子はそれに対応して方向を変えて移動を再開する.この仕組みでは分子量の大きなDNAほど方向転換に要する時間が長くなり,移動距離に差が生じてくるため各巨大分子NDA断片の分離が可能になる.
(6)SSCP解析
著者: 馬場真吾 , 林健志
ページ範囲:P.968 - P.971
はじめに
現在多くの遺伝病の原因遺伝子や癌関連の遺伝子が同定され,それらの配列中の変異と疾患の発生や病態との関連が精力的に研究されている.塩基配列における一塩基多型(single nucleotide polymorphism;SNP)は,遺伝的マーカーとして重要であるばかりでなく,細胞の機能に影響する場合は種々の遺伝病や家族性の癌の原因となる.このようなゲノム塩基配列の一塩基多型を検出する方法として,従来さまざまな方法が考え出されてきたが,それにPCR(polymerase chain reaction,ポリメラーゼ連鎖反応)を組み合わせることで,微量のサンプルで,簡便にしかも迅速に変異を検出できるようになった1).PCR-SSCP(single strand conformation polymorphism,一本鎖構造多型解析)法はPCRで増幅したDNAフラグメントを熱変性して一本鎖DNAとした後,非変性条件のポリアクリルアミドゲルで泳動することにより1塩基の違いによって生じる高次構造の変化を泳動距離の違いとして検出する方法である.ゲノム中のDNA塩基配列の違いを迅速かつ容易に検出する方法として,広く用いられており,優れたSNPs検出法の1つである2,3).
(7)キャピラリー電気泳動法
著者: 田渕眞理 , 馬場嘉信
ページ範囲:P.972 - P.975
はじめに
文明の進歩は“ゲル電気泳動”から試薬・検体量が少量で,手間・時間のかからない“キャピラリー電気泳動”へと移行した(10分程度で分離).さらに,大型(数十cm四方)のキャピラリー電気泳動装置と数十cm長のキャピラリーから,小型(ハードディスクサイズ)である“マイクロチップ電気泳動”装置が出現し,数cm長のチャンネルの中で,より簡易で高速に(数十秒での分離)電気泳動が行えるようになってきた.これらの方法を用いれば,従来のように手間ひまかけたゲル電気泳動を行わずに,遺伝子解析をスピーディーに行うことができる(図1).
(8)DNAシークエンス法
著者: 奥村伸生 , 寺澤文子
ページ範囲:P.976 - P.980
はじめに
DNAあるいはRNA(逆転写酵素によりcDNAに転換後に実施)の塩基配列を決定するということは,遺伝子の相違を最終的に判定するためのゴールデンスタンダードである.DNAの塩基配列決定法には,大きく分けて次の2通りの方法がある.第一は1977年に発表されたマクサム-ギルバート(Maxam-Gilbert)法1)であり,ジメチル硫酸やヒドラジンなどの化学試薬で塩基特異的な修飾と分解を行うことにより,DNAを切断・断片化し,標識された32Pをオートラジオグラフィーで検出するものであった.詳細は他の総説,2)を参考にしていただきたい.もう1つは同年に発表されたサンガー(Sanger)法あるいはジデオキシ(dideoxy)法3)である.本法は3’の位置のアルコール基を水素に置換した4種類のジデオキシヌクレオチド(ddNTP,図1)を,DNAポリメラーゼの基質特異的競合阻害剤として基質であるデオキシヌクレオチド(dNTP)と同時に加えて反応させる方法である.この反応ではddNTPを結合したDNAがその時点で伸長反応を停止してしまうことを利用した方法である.この方法は各メーカーから種々のキットが販売され,さらに改良が加えられたことから,どこの施設でも比較的容易にシークエンスが可能となり普及した.
このジデオキシ法はさらに次の2とおりの方法に分類される.
(9)DNAチップ法
著者: 河村好章 , 江崎孝行
ページ範囲:P.981 - P.985
はじめに
DNAチップとは1枚の基盤上(通常スライドガラス)に高密度にDNAを固定化したものをいう.ゲノムプロジェクトにより多くの生物の全遺伝子配列が解読されたが,解読された塩基配列から各遺伝子の機能を解明する,いわゆるポストゲノムの重要な技術として多方面で利用されている.また,1枚の基盤上にごく微量の多種類のDNA(またはオリゴヌクレオチド)を固定化できるところから,メンブランフィルター上などで行われてきたハイブリダイゼーションを微量化して実施できる.
(10)RFLP,マイクロサテライト解析
著者: 堀井康司
ページ範囲:P.986 - P.990
DNA多型
ヒトDNAを抽出し,制限酵素によって処理すると多数の断片を生じるが,その大きさは個体により多様である.これは同一の生物種またはその集団には異なる遺伝的性質が共存していることが主な原因であり一般にこれは多型(polymorphism)と呼ばれる.多様な断片を生じる原因として重要なものの1つは,塩基配列が繰り返す反復配列構造が個体によりに多様に存在していることによるものであり,このうち反復数が数十塩基ほどのものはミニサテライト型多型またはvariable number of tandem repeat(VNTR)型多型と呼ばれている.次に重要なものとして一塩基置換による変異により制限酵素切断部位の塩基配列が変化し,制限酵素により切断を受けたり,受けなかったりすることによって認識される多型が挙げられる.これは制限酵素断片長多型(restriction fragment length polymorphism;RFLP)と呼ばれている.
制限酵素処理より生じた多様な断片はアガロースで電気泳動を行うと,DNAの分子量によって分離することができる.なぜなら蛋白質をアガロース電気泳動すると主として表面荷電と分子量とのファクターが易動度を決定するが,DNAの場合表面荷電は相対的に均一であり,ほぼ分子量のファクターのみで易動度が決定され,いわゆる分子篩い効果で分離がなされるからである.
(11)SNP解析
著者: 村田満
ページ範囲:P.991 - P.995
一塩基多型(single nucleotide polymorphisms;SNP)とは
DNA多型は塩基変化のパターンにより以下の如く分類される.①ミニサテライト(minisatel lite)やVNTR(variable number of tandem repeat).これらは数十塩基の反復配列で,個体により反復数が幾つにも異なるため,遺伝情報としての価値は高い.電気泳動でDNAサイズが異なるため,適当な制限酵素でゲノムDNAを切断し,標識プローブを用いれば〔サザン(Southern)ブロット.ハイブリダイゼーション〕検出可能である.PCR法で検出可能な場合もある.ただその分布は染色体上の位置に偏りがあり,染色体全体をカバーするマーカーにはなりにくい.②マイクロサテライト(microsatellite)は数塩基(2〜5個)の繰り返し配列である.反復数は従来のサザンブロット・ハイブリダイゼーションでは解析できず,PCRにより解析される.反復数が多岐に渡るため,遺伝的情報量が多く遺伝的マーカーとして非常に重要な位置を占めている.③一塩基の置換(single nucleotide polymorphisms;SNP,スニップ),④数塩基の挿入や欠失.
③や④は通常サザンブロット・ハイブリダイゼーションなどのサイズで区別できず,塩基配列の決定(sequencing)が必要である.
3.応用編—遺伝子検査を利用する 1)感染症
Ⅱ.各論—3.応用編—1)感染症で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.997 - P.999
CDC[Ⅱ.-3.-1)-(7),1024,1025ページ]
米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)のことで,米国の連邦政府機関.アトランタに本部を有し,痘瘡の撲滅,アフリカでのエボラ出血熱の防圧など国際的に貢献している国際的な保健機関である.話題の感染症にいち早く行動し,数々の感染症における疫学,検査,防圧などの指針を掲示している.
(1)B型肝炎ウイルス
著者: 横須賀収 , 平澤雄一
ページ範囲:P.1000 - P.1003
はじめに
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus;HBV)はB型肝炎の原因ウイルスである.B型肝炎の診断は主として各種抗原抗体系の検査により行われてきたが,近年,HBVに関連した遺伝子検査が広く行われるようになってきた.本稿では,従来の抗原抗体系の検査の意味を踏まえて,HBVの遺伝子検査の意義について述べてみたい.
(2)C型肝炎ウイルス
著者: 三田村圭二
ページ範囲:P.1004 - P.1008
はじめに
感染症における病原体の検索に遺伝子検査はますます有用となっている.感染症の解明には病原体の検出・同定と感染個体の免疫応答により産出される主として液性抗体の検出測定がなされている.感染症における遺伝子検査は病原体の遺伝子そのものを検出し,その感度と特異性は高い.
C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)感染においても遺伝子検査が主体となっている.
(3)ヒト免疫不全ウイルス
著者: 西田恭治 , 福武勝幸
ページ範囲:P.1009 - P.1012
はじめに
HIV(human immunodeficiency virus,ヒト免疫不全ウイルス)感染症の臨床における進歩は,治療方法においても検査方法においても近年著しい.検査方法として遺伝子技術の応用は,HIVRNA定量と薬剤耐性ウイルスの検出とに欠かすことができない.本稿では,それら検査方法の現状と有用性および問題点を示す.
(4)単純ヘルペスウイルス
著者: 原紳也 , 木村宏
ページ範囲:P.1013 - P.1015
はじめに
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus,以下HSV)は,他のヘルペスウイルス同様に初感染後,感染が治癒しても宿主内に潜伏感染する.そのため宿主の免疫が低下する状況,例えば,加齢,骨髄・固形臓器移植後またはHIV感染などで再活性化(回帰感染)するという特徴を持つ.また,その臨床像は,年令,ウイルス型別,基礎疾患の有無などから多様である.HSV感染症の診断は特徴的な経過・皮疹から容易なものもあれば,確定診断が非常に困難なものまでさまざまである.
従来HSV感染症の診断は病巣からウイルスの存在を証明するウイルス分離,あるいはウイルス抗原の検出,もしくは血清学的に特異的ウイルス抗体産生の証明によってなされてきた.近年ではウイルスDNAの検出,なかでもポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)法により微量DNAの検出が可能となった.最近では定量の技術の進歩により診断のみならず,抗ウイルス剤の治療効果判定が可能となった.本稿ではこのPCR法の単純ヘルペスウイルス感染症への応用について,われわれの小児科領域での成績を含め概説する.
(5)サイトメガロウイルス
著者: 豊川真弘 , 西功 , 浅利誠志
ページ範囲:P.1016 - P.1020
はじめに
サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)は免疫能が正常な宿主に対してはほとんど病原性を有しないが,骨髄移植患者やAIDS(acquired immunodeficiency syndrome,後天性免疫不全症候群)患者などの易感染性宿主においては,間質性肺炎,網膜炎,腸炎,肝炎などさまざまな感染症を引き起こす.CMV感染症は骨髄移植や臓器移植患者の20〜50%1,2)に認められ,なかでも移植後10〜20%に合併するCMV間質性肺炎は,適切な治療を行わなければ80%以上が死に至るとされており,CMV感染対策は移植医療を行ううえで非常に重要である.
遺伝子学的技術,特に核酸増幅技術の進歩によって,CMVに対してもDNAを標的とした迅速検出が可能となった.しかし,易感染性患者にみられるCMV感染症の多くは内因性感染症であるため,単に生体材料からDNAが検出されたからといってCMV感染症と即断することはできない.近年,この問題を解決する手段として,CMVの増殖時にのみ発現される転写mRNAを測定し,CMV再活性化(活動性)の指標とする試みがなされている.
(6)ヒトパピローマウイルス
著者: 久保田武美 , 田口雄史 , 野島美知夫
ページ範囲:P.1021 - P.1023
臨床におけるヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)の概要
HPVは現在までに数十種の型が同定されており,そのうちの多くは皮膚に感染しウイルス性疣贅(ゆうぜい)などの原因となる.そのほかは尖圭コンジローマや子宮頸部前癌病変ないし子宮頸癌の原因となる.
これらの性器病変のうち,尖圭コンジローマの場合は主としてHPVの6,11型感染により,また子宮頸部前癌病変や子宮頸癌の原因ウイルスと考えられているものは16型をはじめとする悪性型のHPVによる.これら性器への感染は性交あるいはその類似行為による,いわゆる性感染である.
(7)抗酸菌
著者: 小松方 , 相原雅典
ページ範囲:P.1024 - P.1028
はじめに
CDC(米国疾病管理予防センター)は結核検査に携わる関係者とその施設に3つの勧告を行った.すなわち①抗酸菌の塗抹検査は検体が採取されてから24時間以内にその結果を臨床医へ報告すること,②結核菌の分離,同定結果は10〜14日以内に報告すること,③薬剤感受性試験の結果は15〜30日以内に報告することである.本稿で述べる遺伝子検査は②項の結核菌の迅速同定に大きく関係する.ここでは高価であるが感度,特異度および迅速性に優れた本検査法をいかなる場合に臨床検査として活用すべきかを解説する.
(8)淋病,クラミジア・トラコマチス
著者: 作間俊治 , 田中正利
ページ範囲:P.1029 - P.1032
はじめに
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)感染症(淋病)と性器クラミジア・トラコマチス(Chlamydia tracho matis)感染症は最も頻度の高い性感染症(STD;sexually transmitted disease)である.ともに男性の尿道炎,女性の子宮頸管炎の病原体となる.男性の淋病(淋菌性尿道炎)はその特徴的な症状や尿道分泌物の鏡検で診断が可能で,遺伝子検査をするまでもないことが多いが,女性の淋病では顕微鏡検査で淋菌の検出が困難なことが多く,遺伝子検査の有用性が高い.性器クラミジア感染症では,クラミジアが通常の顕微鏡検査では検出できず,また培養も通常の検査室では不可能であるため,遺伝子検査が有用である.淋菌感染症と性器クラミジア感染症は合併することも多く,淋菌性尿道炎と診断した場合でも,クラミジア感染症の合併を否定するためにもクラミジアについての遺伝子検査が必要となる.表に各々の遺伝子検査の特徴を示す.
本稿においては遺伝子検査が必要な状況について述べる.
(9)レジオネラ属菌
著者: 青木志保 , 平泻洋一
ページ範囲:P.1033 - P.1037
はじめに
グラム陰性桿菌であるレジオネラ属菌を原因とするレジオネラ肺炎は,1976年に米国フィラデルフィアで221名の原因不明の重症肺炎が集団発生し,そのうちの34名が死亡したことから,その存在が知られるようになった.その後,症例の報告が相次ぎ,欧米においては市中肺炎の8.6〜16.2%を占めるといわれている.わが国では1981年に第一症例が報告されたものの比較的稀な疾患とされてきた.しかし,PCR(polymerase chain reaction,ポリメラーゼ連鎖反応)法や尿中抗原検査法の普及により,レジオネラ肺炎と診断される症例が増加するとともに,近年,新生児病棟における院内感染事例,あるいは循環浴槽水を感染源とする集団感染事例を認め,注目される感染症の1つとなっている.ここでは,レジオネラ肺炎の診断と,そのなかでの遺伝子診断の位置づけや具体的な方法について概説する.
(10)病院感染菌型別
著者: 満田年宏
ページ範囲:P.1038 - P.1042
病院感染菌型別法の現状
この20年の間に細菌の型別法は分子生物学的解析手法の進歩とともに急速に発展してきた.図1に,主要な細菌型別法による解析結果の系統発生学的な意味づけを示す.これらを疫学情報として利用する際,解析対象が院内感染事例であっても食中毒事例であっても適応や解釈の基本は変わらない.菌固有の染色体情報の「DNA塩基配列」そのものを比較することは最も多様な情報に富み,幅広い意味付けを可能にする.
現在行われている主要な病原菌型別法の機能比較してみると,本誌「Ⅱ.各論-2.技術編」で述べたパルスフィールドゲル電気泳動(pulsedfield gel electrophoresis;PFGE)型別法がバランスのとれた優等生であることがわかる(表1).PFGE法はMolecular Typing Working Group of the Society for Healthcare Epidemiology of America(1997)の示す主要病院感染および市中感染症原因菌の標準的型別法の一覧(表2)でも,標準的菌型別法として推奨されている1).しかし,いくつかの例外もある.例えば,ディフィシル菌の場合PFGE解析を試みるとバンドがスメアになり解析不能であることが多く,この不安定さからAP-PCR(arbitrarily primed polymerase chain reaction)法がむしろ普及している2).
(11)薬剤耐性菌
著者: 柴田尚宏 , 荒川宜親
ページ範囲:P.1043 - P.1052
はじめに
近年,次々と新しいタイプの耐性菌が報告されている.グラム陽性菌では,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus;MRSA),バンコマイシン耐性腸炎球菌(vancomycin resistant Enterococcus;VRE)が海外でも大きな問題となっており,またグラム陰性桿菌では,セラチアや緑膿菌,肺炎桿菌などの菌種において広域-β-ラクタム耐性やアミノグリコシド耐性,ニューキノロン耐性などが問題となってきている.これらの薬剤耐性菌は,担癌患者や術後患者および高齢者などのimmunocompromised host(免疫機能に支障を来した宿主)における日和見感染症や病院感染症の起炎菌として警戒されその対策が求められている.本稿では,こうした医療現場で問題となっている主な耐性菌とその遺伝子検査について紹介する.
(12)ニューモシスチス・カリニ
著者: 安岡彰
ページ範囲:P.1053 - P.1056
ニューモシスチス・カリニとは
Pneumocystis cariniiは免疫不全状態で肺に病変を形成する病原体で,従来は極めて稀にしかみられない感染症であった.医療の高度化,免疫抑制を伴った医療,例えば移植医療や癌治療,自己免疫疾患の治療などが普遍的に行われるようになったことにより,みられる頻度が増してきている.特にカリニ肺炎の多発によって発見されたHIV(human immunodeficiency virus,ヒト免疫不全ウイルス)感染症が爆発的に蔓延するに伴い,病院に初めて来院した患者がカリニ肺炎であるということも珍しくなくなってきている.
P. cariniiは栄養型(trophozoite,トロフォゾイト)と嚢子(cyst,シスト)という形態をとること,人工培養ができないこと,抗真菌剤が無効で抗原虫薬であるペンタミジンが有効であることなどから,長い間原虫として分類されてきた.しかし,微生物の系統分類に遺伝子解析を用いた方法が導入され,16S-リボソームRNA遺伝子(16S ribosomal RNA gene)の解析結果で真菌に近いことが示されて以来,保有する酵素の類似性,シスト壁の電子顕微鏡での構造類似性や構成成分(1-3β-D-グルカンなど)の共通性などからも真菌,あるいは真菌に近い微生物と認識されるに至っている.
(13)マラリア
著者: 綿矢有佑 , 金惠淑
ページ範囲:P.1057 - P.1059
はじめに
マラリアの早期発見・早期治療はマラリア制圧の柱である.マラリアの制圧には広範囲な集団検診が必要とされるが,顕微鏡法を用いた診断法では多数の検体に対応することは難しい.新しい検査法としてポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)を応用したマラリアのDNA診断法が開発された.PCRを用いたDNA診断法は,多数のサンプルを短時間で処理でき,操作が簡便で結果の判定が容易であり,感度,および特異性に優れている.それ故,DNA診断法は疫学調査や集団検診に有用であるばかりでなく,原虫種の確定診断に臨床で用いることができる.
本稿では紙面の関係上,筆者らが開発した低感染率のマラリアを正確に診断できるマイクロタイタープレートハイブリダイゼーション(microtiter plate hybridization;MPH)法についてその原理,および有用性について紹介する.
(14)トキソプラズマ
著者: 矢野明彦
ページ範囲:P.1060 - P.1063
はじめに
トキソプラズマ症は胞子虫類に属する細胞内寄生原虫トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)による感染症で,ヒトをはじめ広く鳥類,哺乳類に感染がみられる人獣共通感染症であり,開発途上国のみならず欧米や日本にも分布する先進国型原虫症の1つである.トキソプラズマ原虫のヒトへの感染は,終宿主であるネコが糞便中に排出するオーシスト(10μm)や中間宿主のブタなどの食肉中の嚢子型トキソプラズマ原虫(シスト;10〜50μm,緩増殖虫体の集合体)による経口感染が主なものである.ヒトは中間宿主であり通常ではヒトからヒトへの感染はないが,感染臓器の移植などで問題となる.輸血で感染することは稀である.
2)悪性腫瘍
Ⅱ.各論—3.応用編—2)悪性腫瘍で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.1064 - P.1065
CDR[Ⅱ.-3.-2)-(3),1075ページ]
抗原が抗体と結合する部分は免疫グロブリンの超可変部分であり,抗原構造に対して相補的な構造をとっている.そのためこの部分は相補性決定領域(Complementarity determining region;CDR)と呼ばれ,個々のB細胞間で多様性に富んでいる.この中でも最も多様性に富むのはCDR3領域であるため,この部分にプライマーを設定してPCRを行うことにより,B細胞集団が単クローン性か多クローン性かを識別する指標として利用される.
(1)急性白血病
著者: 三谷絹子
ページ範囲:P.1066 - P.1069
はじめに
血液疾患の臨床の場において汎用される遺伝子診断の技術は,サザン解析(Southern analysis),RT-PCR(reverse transcription-polymerase chain reaction,逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)法,SSCP(single-strand conformation polymorphism,一本鎖構造多型解析)法である.これらの技術は,造血器腫瘍の詳細な病型分類を可能にするとともに,予後の予測・治療方針の決定に絶大な威力を発揮する.さらに,PCR法は微少残存病変(minimal residual disease;MRD)の検出にも極めて有用な検査である.急性白血病では,骨髄中の芽球が5%未満の状態を完全寛解と定義している.しかしながら,これは白血病が治癒したことを意味せず,残存白血病細胞が再増殖すれば再発につながる.したがって,治療効果を正確にモニターするために,微少残存病変の検出は重要である.
(2)慢性白血病
著者: 東田修二
ページ範囲:P.1070 - P.1073
はじめに
慢性白血病には慢性リンパ性白血病と慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia,以下CMLと略す)とがある.前者は末梢血や骨髄に成熟リンパ球が増加し,フローサイトメトリー法によってリンパ球の表面形質や単クローン性を調べることにより診断される.疾患特異的な染色体異常や遺伝子異常は存在しないため遺伝子検査は有用ではない.後者は腫瘍性疾患の中で遺伝子検査が最も多用されている疾患である.
本稿ではCMLの遺伝子検査について解説する.なお,CMLでは染色体検査と遺伝子検査を相互補完的に施行する必要があるため,染色体検査についても述べる.
(3)悪性リンパ腫
著者: 山田恭暉 , 菅原和行
ページ範囲:P.1074 - P.1078
はじめに
悪性リンパ腫診断の基本は病理組織学的な形態診断であるが,免疫学や分子生物学の進歩ととも新しい情報が加えられ,組織分類は変遷を重ねている.複数の分類が存在し,全く同一の疾患であってもどの分類を用いるかによって診断名が異なる場合があり,さらに新しい疾患単位が追加されたこともあって,血液内科を専門とする者にとっても難解である.しかし病理診断名は患者の予後と密接に関係し,また治療法選択の指標となっているため,正確な診断が強く求められる.既に細胞形質(表面マーカー)検査は必要不可欠となっているが,近年遺伝子検査もしだいにその重要性を増してきている.本稿では新WHO分類1)の診断名に基づき,悪性リンパ腫診断における遺伝子検査の意義を解説する.
(4)乳癌
著者: 須貝幸子 , 三木義男
ページ範囲:P.1079 - P.1083
はじめに
日本における乳癌の罹患率は約50人に1人,欧米ではおよそ10人に1人で発症頻度に日本と欧米とでは違いが認められる.しかし生活様式の欧米化に伴い,日本での乳癌の発症数は年々増加傾向にある.また乳癌の発症には遺伝的要因と環境因子などの外的要因が関与するといわれている.
全乳癌の5%程度に認められる家族性乳癌は,同一家系内に複数の乳癌患者が存在する場合をいう.また家族性乳癌は,乳癌の原因遺伝子の異常を遺伝的に受け継いだ場合のみならず,同一環境因子の影響を受けたことで発生する場合がある.
(5)肺癌
著者: 高橋和久 , 平間未知大 , 島貫由理 , 福地義之助
ページ範囲:P.1084 - P.1087
はじめに
日本における肺癌の羅患率と死亡率は最近著増傾向にあり,1993年には男性の癌死の第一位になり,1998年では男女合計でも年間死亡数が5万1千人と死亡要因第一位の癌種となった1).肺癌の死亡率が高い原因として以下の要因が考えられる.①初診時に手術可能な症例が約4割と早期発見が困難,②手術例でも早期に再発する症例がある,③手術不能例に対しては抗癌剤の投与が行われるが,現在使用可能な薬剤では単剤,併用ともに数か月の延命は可能であっても根治は困難であること.またその効果,および副作用の発現も個々の症例によって一定しない.一方,最近の癌の基礎研究の進歩は目覚ましいものがあり,肺癌は複数の遺伝子が経時的,多段階的に異常(活性化,不活性化,発現異常など)を来し,発症する遺伝子病であることが明らかになった.しかしながら日常臨床上,遺伝子異常の検出が診断と治療へ影響を与えるまでには至っていない.一般的に肺癌遺伝子診断の臨床応用には,①発癌の感受性診断,②微小癌検出による早期診断,正確な臨床病期診断,③抗癌剤の感受性,耐性診断,副作用予測,④予後の予測などが挙げられる(表).
本稿では,肺癌の遺伝子診断の現状と今後の方向性,展望について概説する.
(6)大腸癌
著者: 末広寛 , 濱中裕一郎 , 日野田裕治
ページ範囲:P.1088 - P.1091
はじめに
大腸癌の大部分は散発性(非遺伝性)であり,図のような大腸癌の多段階発がんモデル1)が考えられている.一方遺伝性非ポリポーシス大腸癌のような遺伝性腫瘍ではこの経路は関与していない.
本稿ではこのように異なった遺伝学的特徴を持った大腸癌を分類し,それぞれに対する遺伝子検査法の実際を解説する.
3)遺伝性疾患
Ⅱ.各論—3.応用編—3)遺伝性疾患で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.1093 - P.1094
CHK2遺伝子[Ⅱ.-3.-3)-(7),1124ページ]
CHK2は酵母のチェックポイントにおいてG2期制御に重要な役割を果たすことが知られていたRad 53(出芽酵母)/Cdsl(分裂酵母)のヒトホモログであり,細胞がDNAに損傷を受けるとリン酸化・活性化され,Cdc25Cをリン酸化することでG2期チェックポイントの制御を行っている.CHK2はまたp53をリン酸化して,MDM2との結合を阻害することでG1期チェックポイントの制御にも関与し,最近ATMとの関連も報告されている.
(1)先天代謝異常症
著者: 坂本修 , 松原洋一
ページ範囲:P.1095 - P.1097
はじめに
1908年英国のGarrodはシスチン尿症,白皮症,五炭糖尿症,アルカプトン尿症の4疾患を例に挙げ,糖や蛋白質の代謝経路の中間に存在するはずの物質が尿中に大量に排泄されていること,Mendelの遺伝形式に従うことを明らかにした.Garrodはこれらの病的状態が生体内のある特定の代謝過程の先天的欠損によるという考えを提唱し,先天代謝異常(inborn errors of metabolism)の概念を確立した.現在,遺伝子異常により代謝系が障害される酵素異常,膜転送異常,受容体異常などが先天代謝異常症と分類されている.
歴史的に先天代謝異常症の診断は異常蓄積物質(アミノ酸,有機酸,ムコ多糖,糖脂質など)を検出する生化学的診断から始まり,測定法・測定機器の発達とともに飛躍的に診断される疾患が増えてきた.現在アミノ酸の検出は自動アミノ酸分析計が,有機酸分析ではガスクロマトグラフィー(gass chromatography)/質量分析計(mass spectrometer)(GC/MS)が力を発揮しており,これらの診断法で相当数の先天代謝異常症の診断が可能である.
(2)糖尿病
著者: 北里博仁 , 堀越桃子 , 原一雄 , 野田光彦 , 門脇孝
ページ範囲:P.1098 - P.1101
はじめに
1997年に実施された厚生省(現,厚生労働省)の糖尿病実態調査報告によれば,日本における糖尿病患者数はおよそ690万人と推定され,さらにはそれとほぼ同数の耐糖能異常患者が存在すると推定されている.さらにその数が年々増加傾向にある現在,糖尿病およびその合併症の治療に対する国民レベルでの社会的・経済的負担は多大なものとなってきている.これらを抑止するためにも病因を解明し,糖尿病発症前からの適切な治療選択を可能とする検査法を確立することは大変意義深い.
糖尿病は,現在「生活習慣病」と呼ばれる一方で,その発症に家系内集積性が高いこと,民族により発症率や有病率や病態に違いがあること,二卵性双生児に比して一卵性双生児でのより高い発症の一致率などから,遺伝因子の関与が示唆されている.そして,遺伝学的,分子生物学的手法の発達に伴い,その遺伝因子の一端が明かされつつある.
(3)甲状腺疾患
著者: 巽圭太 , 網野信行
ページ範囲:P.1102 - P.1106
はじめに
甲状腺疾患は,機能異常と腫瘍に大別される.甲状腺機能異常は甲状腺の濾胞細胞における甲状腺ホルモン(T4,T3)の生成・分泌の異常のほか,上位の視床下部や下垂体での異常や末梢組織におけるホルモン作用の発現の異常(不応)でも発症する(図1).遺伝性の甲状腺機能異常はまず先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)で解析され,蛋白質・細胞レベルで解析できるホルモン蛋白質,ホルモン合成酵素,ホルモン結合蛋白質で報告された(表).最近の10年間では,これまで蛋白質・細胞レベルでは解析が困難であった転写因子,ホルモン受容体,伝達器の異常に関しても,遺伝子異常が次々に明らかにされた.このほか,先天性甲状腺機能亢進症ではTSH(thyroide-stimulating hormone,甲状腺刺激ホルモン)受容体の異常が,甲状腺腫瘍では甲状腺髄様癌ではさまざまなキメラ遺伝子が報告されている.最近では橋本病やバセドウ(Basedow)病の感受性遺伝子や甲状腺腫瘍特異的に発現/抑制される遺伝子も同定されてきている.
本稿では,先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)を中心に紹介する.
(4)神経・筋疾患
著者: 林由起子
ページ範囲:P.1107 - P.1111
はじめに
神経・筋疾患は,中枢神経系,末梢神経系,そして骨格筋の疾患といった幅広い領域にまたがっており,病態もまた血管障害,変性疾患,自己免疫疾患,代謝異常,感染,中毒などさまざまである.そのなかで遺伝性神経・筋疾患については,近年の分子生物学の進歩により,実に多くの原因遺伝子,および原因遺伝子産物が同定されてきている.本稿では,その一端を紹介したい.
(5)血栓症
著者: 濱﨑直孝
ページ範囲:P.1112 - P.1116
はじめに
今日ではヒトの全遺伝子がほぼ明らかにされたといわれている.このような偉業が成し遂げられたのも,ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)法がMullis KBによって考案されたのが大きく貢献している.このような技術のおかげで,さまざまな疾病の病因解析にも遺伝子レベルまでの解析が容易にできるようになってきた.しかしながら,ゲノム計画の最終的な目標である人類の福祉向上と医療現場への応用面については今まさに端緒についたばかりである.その際,最重要な課題の1つは個々の遺伝子の機能とその変異および後天的環境要因を含めた視点での病態解析や診断および治療の体系化にあると考えられる.
一方,ヒトゲノム計画の急速な進展の背景には,DNA配列解析装置の高速化,PCR法,DNAチップなどの簡便な方法論の確立がある.医療機関でのこれらDNA検査手法の幅広い普及が体質的背景と疾病発症との因果関係を明らかにし,流行の言葉でいえば,テーラメイド医療を加速させると考えられる.特に,病院検査部にこのような体制ができているか否かはその病院の医療の質を左右する重要なポイントになる.
(6)ヘモグロビン異常症
著者: 服部幸夫
ページ範囲:P.1117 - P.1121
血色素異常症の遺伝子診断
血色素(Hb)異常症は赤血球膜異常,赤血球酵素異常と並んで,先天性溶血性貧血の一部をなしている1).異常Hb症ならびにサラセミアがこれに入る.Hbはα,非αグロビン各2分子ずつから成る四量体で,赤血球内に限局し,体内での酸素運搬の機能を担っている.αグロビン遺伝子は第16染色体短腕末端(16p13.33)に5'-ζ-α2-α1の順に並び,非αグロビン遺伝子群は第11染色体短腕(11p15.5)に5'-ε-Gγ-Aγ-δ-β-の順に配列している(図1).発生に伴い原則として5'側から順に発現する.つまり,ζ,εは胎芽期,2個のγグロビン遺伝子Gγ,Aγは胎生期,δ,βは主に生下後に発現される.その結果,出生を境に胎生のHbF(α2γ2)の産生は低下し,HbA(α2β2)がそれに代わる,いわゆるスイッチングが行われる.成人ではHbAが96%,HbA2(α2δ2)が2.5〜3.5%,そしてHbFが1%以下を占める.したがって,成人のHb異常症は主に,HbAを形成するα,βグロビンの異常を意味する.
(7)家族性腫瘍
著者: 林泰秀
ページ範囲:P.1122 - P.1126
はじめに
近年の分子生物学の進歩により,発癌の発症機構の解明が急速に進み,癌予防の戦略が具体的となった.このため家族性腫瘍(familiar tumor)に対する認識が高まり1),研究も進展している.これまでに,癌抑制遺伝子として網膜芽腫(retinoblastoma;RB)からRB遺伝子が,ウィルムス(Willms)腫瘍からWT1遺伝子が単離され,さらに17番短腕(17p)にあるP53遺伝子が単離されている.また胚細胞変異を有する家族性腫瘍のうち,リー-フラウメニ(Li-Fraumeni;LF)症候群がP53遺伝子の異常が原因で発症することが見いだされ2),9pから単離されたP16遺伝子が3)家族性悪性黒色腫の原因遺伝子であることが判明し4),癌は遺伝子の病気であるばかりでなく,その一部は遺伝することが明らかになった.さらに,DNAチップやマイクロアレイを用いたコンピュータ遺伝子工学の進歩により,1塩基の違いを簡便に論ずる時代が到来し,正常な表現型を示す集団内において,1塩基の違いによるsingle nucleotide polymorphisms(SNPs)による癌になりやすさの研究も始まっている.
本稿では家族性腫瘍特にLF症候群,家族性悪性黒色腫,およびその他の家族性腫瘍と高発癌性遺伝病および多因子癌素因について,最近の知見を述べる.
(8)酵素欠損症
著者: 須藤加代子
ページ範囲:P.1127 - P.1130
はじめに
遺伝性疾患の多くはその酵素に異常がある.異常の中で酵素活性を失ったものが酵素欠損である.活性の欠損のみではなく,蛋白質の発現のない場合,さらに遺伝子レベルでの欠損までの酵素欠損を完全欠損といえるのかもしれない.しかし,従来から,遺伝子あるいは蛋白質が存在していても活性低下の場合に酵素欠損と表現されている.酵素異常が関与する疾患の病態は,ある原因(遺伝,環境,食生活など;大別すれば内因と外因に分けられる)が根底にあって,疾患に至るまで酵素,生成物,あるいは前駆物質,臨床症状というようにいくつかのレベルの関与が考えられ,かなり複雑である.
1つの酵素遺伝子の異常であっても,その異常の種類・程度により酵素活性の障害の程度が異なり,臨床症状も異なった様相を呈することもまれではない.また,同じ異常であっても個体によっては他の酵素レベルなどが異なるため,同じ臨床症状が発現するとは限らない.臨床症状(臨床所見)は患者・臨床医が把握することができる.一方,臨床検査では酵素や生成物・前駆物質の一部を測定することができる.生成物・前駆物質のレベルの検査は,例えば先天代謝異常のマス・スクリーニングで実施されている.
4)個人識別
Ⅱ.各論—3.応用編—4)個人識別で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.1131 - P.1131
cisAB型[Ⅱ.-3.-4)-(1),1132,1135ページ]
A遺伝子とB遺伝子が同じ染色体上に乗って遺伝するAB型の亜型がある.1964年ポーランドで初めてA2B型とO型の両親からA2Bの子どもが生まれた家系が報告され,1966年にはわが国でもO型とAB型の両親からAB型の子ども3人が生まれた家系が報告された.また,日本で特に徳島県,香川県,大阪および石川県に多く分布しており,その多くは徳島県由来の家系が多いことでも知られている.
(1)血液型
著者: 細井英司
ページ範囲:P.1132 - P.1137
はじめに
血液細胞の膜上には,極めて多種類の蛋白質や血液型抗原が存在し,それぞれ固有の構造を有している.特に,血液型は個人の持つ遺伝子によって表現され,輸血や骨髄移植などの臓器移植時の適合性を考えるうえで極めて重要であり,個人識別,親子鑑定や犯罪捜査のための遺伝標識としても個人を識別するよい標識となっている.血液型判定法の基本は,1900年Karl LandsteinerがABO式血液型を発見したときより今もほとんど変わっておらず,血清学的な解析が行われている.
しかし,この方法は,使用する抗体の種類や反応性の違いなどにより判定結果が異なる場合がある.特にABO式血液型の亜型などの判定では,家系調査ができない場合には血液型が確定できない場合もある.近年,遺伝子工学の進歩によりABO遺伝子座の3つの主要な対立遺伝子(A,B,O)のcDNAの塩基配列の違いが明らかにされ,その塩基配列の差異により遺伝子型の判定が可能となり,AB型の亜型であるcisAB型をはじめとして一部の亜型の遺伝子学的診断,血液型キメラ・モザイクや家系調査を行わなければ判定できなかったA型およびB型のホモ・ヘテロ接合の識別が可能となった.
(2)HLAタイピング
著者: 柏瀬貢一
ページ範囲:P.1138 - P.1145
はじめに
HLA(human leukocyte antigen,ヒト白血球抗原)タイピングは,骨髄移植,腎臓移植,HLA適合血小板での患者とドナーの適合性を判断するうえで必要不可欠の臨床検査として定着している.さらに,HLAはヒトのなかで最も多型性(個人差)を示す抗原系であることから,人類学では集団の類縁関係の調査,法医学では個人の特定や親子鑑定に利用されている.また,特定の疾患ではHLAタイプが疾患感受性・抵抗性と相関することが知られていることから,疾患の診断の補助に使われるなど,その応用分野は多岐にわたっている.
ここでは,HLA遺伝子群が個人識別のマーカーとして優れている点と最近急速に進歩したHLAのDNAタイピング法を中心に概説する.
(3)法医学
著者: 向田政博
ページ範囲:P.1146 - P.1149
法医学分野での個人識別は犯罪,事故などさまざまな場合に必要になる.目的の案件が犯罪に関係するような場合には特定の一個人を対象とする場合と事故や大規模災害で発生する多数の被害者がそれぞれ誰であるかの識別が必要になる場合とがある.
患者さん由来の検体や一般的な臨床検査試料は特定の個人から採取され,他のヒト由来の生体試料で汚染されたり,カビや細菌の増殖による試料の汚染や変性をほとんど考慮する必要がなく,検体としては良好な状態のまま検査に着手できる.一方,法医学分野で対象になる試料は親子関係の鑑定のように新鮮な試料から検査が着手されることもあるが,大部分の例ではさまざまな物質や生物による汚染だけでなくしばしば分解を伴う1).また,熱や乾燥に伴う物理化学的作用による変性だけでなく,細菌の増殖による変化を受けていることが多い.その対象になる試料の量が十分あり,検査に必要なだけ消費できる場合だけでなく,検査物が極微量しかない場合もあり,それぞれの試料の性状はさまざまである2).
4.管理編
Ⅱ.各論—4.管理編で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.1151 - P.1151
Clinical Laboratory Improvement Amendments:CLIA 1988[Ⅱ.-4.-2),1159ページ]
CLIA 1988は米国内のすべての臨床検査室における検査精度向上と監視を目指すための基準を設定した.1988年当時は,遺伝子検査自体が臨床検査として未熟であったため,遺伝子検査についての項目を設けなかった.近年,遺伝子検査が有する法的,社会的,経済的,倫理的な意義および急速な商業化のためCLIAは遺伝子検査を単独項目として取り上げた.推奨する提案には,秘密保持,同意取得,精度管理,汚染,熟達度試験,検査の有効性,特別報告書,記録保管,検査後サンプルの再利用が含まれている.
1)遺伝子検査とインフォームド・コンセント
著者: 川上康
ページ範囲:P.1152 - P.1155
遺伝子検査に関連した議論
ヒトの全ゲノム塩基配列がほぼ解読されたことから,近い将来すべての遺伝子についての遺伝子解析が可能となるものと予想される.それに伴って遺伝子検査そのものの是非,検査の適応,具体的方法について各国で議論されているが,特有の文化・宗教・倫理観・法律といった諸問題がからみ合い,統一した見解が得られていないのが現状といえよう.
わが国では,諸外国と比較すると最近まで,遺伝子検査の倫理面に関する議論がされてこなかったが,単一遺伝子異常による遺伝病の頻度が極めて少ないということは要因の1つかもしれない.生活習慣病のように遺伝子多型の組み合わせにより発症リスクが高まるような多因子遺伝についても遺伝子検査が行われるようになったものの,感染症診断を除いた遺伝子検査の主たる対象は単一遺伝子異常といえる.例えば,世界で最も患者さんの多い単一遺伝子遺伝病であるサラセミア(地中海貧血),鎌状赤血球症といったヘモグロビン遺伝子異常は日本人ではほとんど報告がない.また,嚢胞線維症(cystic fibrosis)の保因者はアメリカでは約20人に1人,ヘモクロマトーシスの保因者はヨーロッパ系白人では約1,000人に5人と頻度が高いが,同様に日本人における報告はほとんどない.こうした理由などもあり,わが国では医療従事者,一般社会ともに遺伝子検査の認知度が比較的低かった.
2)遺伝子検査における精度管理
著者: 宮地勇人
ページ範囲:P.1156 - P.1160
はじめに
遺伝子検査は感染症,癌,遺伝性疾患の確定診断に直結する病因診断が可能である.したがって,正確な診断と適正な診療の遂行のため,遺伝子検査は精度と正確性とが強く求められる1〜3).遺伝子検査が広く普及し,診療上の重要性が増すにつれ,どの施設でも同様に高い精度の検査実施と適正利用の必要性が高まってきた4).感染症の遺伝子検査では,精度管理・精度保証につながる測定試薬のキット化,自動化や標準物質の開発が進んできた.一方,造血器腫瘍や遺伝性疾患の遺伝子検査の工程は,目下,ヒト細胞から用手法による核酸抽出と各施設独自に設定した増幅・検出法が一般的であり,安定した測定結果を得るためにはさまざまな課題がある.遺伝子検査の精度管理さらには精度保証の取り組みは,測定前,測定中および測定後の3つの作業段階で実施する必要性が指摘されている5).本稿では,遺伝子検査の各作業段階で考慮すべき精度管理について,核酸増幅法として最も利用されているポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)を中心に述べる.
3)遺伝子検査における安全管理
著者: 丸茂健治 , 中村良子
ページ範囲:P.1161 - P.1164
はじめに
遺伝子検査が進展するなか,作業中の安全管理が重要になってきた.特に,保険適用になっている遺伝子検査のほとんどが病原微生物の検出であり,検査時における検査技師などへの感染防止対策は必須である(表1).病原微生物に関する感染対策は,1999年に日本細菌学会バイオセイフティー委員会により“日本細菌学会バイオハザード防止指針の改訂(バイオセイフティー指針の制定)について”と題し,指針が示され,今日に至っている1).
今回,この指針に基づき,病原菌とそれが含まれる検査材料の取り扱いかた,事故対策,滅菌・消毒・廃棄についてまとめ,加えて遺伝子検査におけるケミカルハザードについてもまとめた.
4)遺伝子検査における経営管理(コスト・パフォーマンス)
著者: 上野一郎 , 日高惠以子 , 山内一由 , 戸塚実 , 本田孝行
ページ範囲:P.1165 - P.1168
はじめに
遺伝子検査は疾患の診断と治療,およびその効果判定と予後の観察に深くかかわってきている.今後,検査が遺伝子治療や遺伝子多型による易罹患性の診断へと拡大すると,需要はさらに拡がるものと思われる.ところが,遺伝子検査は感染症を中心とした6分野と造血器腫瘍核酸増幅同定検査が保険診療として認められているにすぎない(表1).さらに,大学病院などの特定機能病院では,入院患者の感染症核酸同定検査や造血器腫瘍核酸増幅同定検査は,他の大部分の検査と同様に基本検体検査実施料に包括され,一検査として単独に評価されていない.また,これらの病院では,2003年度から疾患別包括診療報酬制度の導入が検討されており,遺伝子検査はますます厳しい状況に立たされている.
冒頭にも述べたように,診療における遺伝子検査の役割は,今後,拡大することはあれ縮小するとは思われない.
5.遺伝子検査の今後の展望
Ⅱ.各論—5.遺伝子検査の展望で用いられる用語の解説
ページ範囲:P.1169 - P.1169
CYP(チトクロームP450)[Ⅱ.-5.,1179ページ]
1962年に大村・佐藤により初めて記載されたヘム蛋白質で,肝の薬物酸化反応の主役である.ヒト肝のCYPは多数の分子種から成るが,CYP1A2,CYP2A6,CYP2B6,CYP2C8,CYP2C9,CYP2C19,CYP2D6,CYP2E1,CYP3A4が薬物やアルコールの代謝に関与する分子種である.CYP2B6以外では遺伝的多型が報告されているが,2C9,2C19,2D6の多型は特に臨床的に重要である.現在もCYPのSNPに関する情報は日々更新されていて,その情報はhttp://www.imm.ki.se/CYPalleles/で参照できる.
遺伝子検査の今後の展望
著者: 奈良信雄
ページ範囲:P.1170 - P.1172
はじめに
20世紀後半に急速な発展を遂げた分子生物学,遺伝子工学などを応用して,疾患の病態が遺伝子レベルで解析されてきた.異常ヘモグロビン症,フェニルケトン尿症など先天性疾患はもちろん,高血圧症,糖尿病,悪性腫瘍など後天性疾患においても,遺伝子解析が進められている.それは,先天性,後天性を問わず,ほとんどの疾患において,病態の発生や進展に遺伝子が多少なりとも関与していることによる.そして,遺伝子解析は病態解析だけにとどまらず,臨床検査の分野にも応用が進められている.実際,肝炎ウイルスや抗酸菌などといった病原微生物の同定,白血病など造血器悪性腫瘍の診断においては,遺伝子検査はもはや欠かせない臨床検査になっている.
遺伝子検査が普及しているのは,表現型(phenotype)だけでなく遺伝子型(genotype)を検査することで,より病態に直結する精密なデータが得られることによる.迅速に結果が得られる利点もある.その反面,コストがかかる,技術の習得が十分でない,必ずしも標準化されていない,などといった短所も指摘される.こうした短所は,今後の技術画新で,いずれは解決されると思われる.
遺伝子検査の今後の展望
著者: 辻直樹 , 渡辺直樹
ページ範囲:P.1173 - P.1176
はじめに
分子生物学の急速な進歩に伴い,臨床検査にも遺伝子操作技術が取り入れられるようになった.特に,抗酸菌や肝炎ウイルスなど病原微生物の同定および造血器腫瘍の診断において,その有用性が高く評価されている.しかし,いまだ研究室レベルに留まっているものも少なくない.
本稿では,遺伝子検査の現状と今後の展望について,われわれの知見も含めて概説する.
遺伝子検査の今後の展望
著者: 野村文夫
ページ範囲:P.1177 - P.1180
はじめに
ポストゲノムシークエンス時代に入り,ゲノムからトランスクリプトーム,プロテオーム,さらにはフェノームとの関連が論じられる時代となった.今後の医療の展開は遺伝子検査なしには語れないが,新たな領域であるだけに課題も多い.本稿では遺伝子検査の今後について,技術,情報,人材養成,倫理,医療の面から展望する.
コラム
脆弱X症候群
著者: 大島利夫
ページ範囲:P.897 - P.897
脆弱X症候群は,X染色体の長腕q27.3に存在する葉酸感受性脆弱部位と密接に関係している性染色体異常である.先天性の精神遅滞症のうちでダウン(Down)症候群についで頻度の高いX連鎖の遺伝性疾患である.臨床症状として,細長顔,前頭部と下顎の突出,大耳介,巨大睾丸などの身体症状と精神遅滞とを呈する.脆弱X染色体の診断は,患者末梢血リンパ球を葉酸欠乏培地によりチミン飢餓の条件下で培養すると,X染色体の長腕q27.3の部位にギャップが検出される.患者の大部分は男性であるが,女性の保因者でも約3割は軽度の精神遅滞が認められる.1991年にXq27.3にあるFMR1(fragile X mental retar dation-1)遺伝子が単離された.その近傍領域にある単純反復配列(CCG)nの増幅変異によりFMR1遺伝子の発現が抑制されることが本疾患の原因であると考えられている.
脆弱X部位の発現頻度は患者によって異なるため,染色体検査のみによって確定診断を行うことは困難である.一方,DNA診断では,FMR1遺伝子の上流にある(CCG)nの異常伸長とそれに伴うCpG島のメチル化によるFMR1遺伝子の転写阻害によるものであるため確実な診断が可能である.
染色体分染法
著者: 荒川聡
ページ範囲:P.898 - P.898
染色体分染法の目的は,バンドパターン(濃淡の縞模様)により染色体を同定することにある.この分染パターンによる染色体同定法は,ISCN(An Interna—ional System for Human Cytogenetic Nomenclature)パリ会議により国際命名規約として定められた模式図および核型記載法に従わなければならない.分染法の代表的なものにはGバンド,Rバンド,Cバンドなどがあり,酵素処理や塩類溶液処理,蛍光色素処理,熱処理を利川し分染を行う.
多発性骨髄腫
著者: 浅井さとみ
ページ範囲:P.904 - P.904
病態と意義
多発性骨髄腫での染色体異常は約70%にみられ,トリソミー(3,5,9,15)やモノソミー(13,16)など染色体数の異常,転座・逆位・重複・欠失など構造異常以外に,遺伝子増幅の場であるHSR(homogene ous staining region)やDMS(double minute chromo some)の異常もある.主な構造異常として14q32転座や1q異常がある.14q32には免疫グロブリンIgH(Immunogloblin heavy chain)遺伝子が存在し,t(11;14)(q13;q32)では,11q13に細胞周期を制御する増殖関連因子cyclin D1をコードするBCL1/PRAD1遺伝子,t(14;18)(q32;q21)では18q21に存在するBCL2遺伝子,t(8;14)(q24;q32)では,8q24に存在するMYC遺伝子とそれぞれキメラ遺伝子を形成する.癌抑制遺伝子であるRB-1(retinoblastoma:RB)が存在する13q14の欠失(図)が約40%にみられ,予後不良である.Hypodiploidy(低二倍体)は,ベンスジョーンズ蛋白質(Bence Jones protein;BJP)型に主にみられ治療抵抗性の症例が多い.
性染色体異常
著者: 山本美紀
ページ範囲:P.911 - P.911
性染色体異常とは,性染色体の異常による性分化障害を来す疾患である.常染色体異常のような知能障害や奇形はみられず,思春期以後に二次性徴の欠如や不妊症を主訴として初めて診断されることが多い.性染色体上には性決定遺伝子であるSRY遺伝子や,精子形成にかかわると考えられているDAZ遺伝子,骨の成長に関与しているSHOX遺伝子などがある.ターナー(Turner)症候群での低身長,クラインフェルター(Klinefelter)症候群での高身長は,SHOX遺伝子の量的効果によるとされている.
8q24転座
著者: 増川敦子
ページ範囲:P.912 - P.912
病態と意義
8番染色体の長腕の8q24にはMYC遺伝子が存在し14q32との相互転座t(8;14)において14q32上の免疫グロブリンH鎖(IgH)とキメラ遺伝子を形成する.バーキット(Burkitt)リンパ腫の80%にt(8;14)(q24;q32),亜型として,5%にt(2;8)(p12;q24),15%にt(8;22)(q24;q11)がみられる.2p12上のIgL鎖のκ鎖,22q11上のλ鎖遺伝子と転座により結合する.この結果,MYCの発現増加が起こり腫瘍化する.多発性骨髄腫でもt(8;14)がみられる.T細胞性リンパ性白血病での8;14転座ではMYC遺伝子と14q11.2に存在するTCRA(TCRα)(T細胞抗原受容体)遺伝子間で再構成が起こる.
隣接遺伝子症候群
著者: 大島利夫
ページ範囲:P.943 - P.943
隣接遺伝子症候群は,常染色体の一部領域の欠失による疾患である.この隣接遺伝子症候群には,古典的な染色体異常として知られている5p15の欠失,5pモノソミー(ネコ泣き)症候群や,近年DNAプローブにより診断が比較的簡便になったプラダー-ウィリー(Prader-Willi)症候群,アンジェルマン(Angelman)症候群などが知られている.その染色体欠失部位の大きさは,FISH(fluoresaence in situ hybridization,蛍光組織内交雑)法で微細欠失が簡便に検出できるようになったため,高精度分染法により光学顕微鏡下で確認できるものから,DNAのレベルのごく狭い領域のものまで,いくつか報告されている.
プラダー-ウィリー症候群は,15番染色体の15q11-q13部分の欠失または母親性片親性ダイソミーが原因である.発生頻度は,1万人ないし1万5千人に1人といわれている.臨床症状は,①新生児,乳児期の中枢性筋緊張低下,哺乳障害,②幼児期より発生する食欲の異常亢進と体幹部中心の肥満,③特徴的な顔貌,④性腺機能不全,⑤発達遅延,⑥過食,⑦不活動性,⑧短気,盗癖,虚偽癖などの異常行動,⑨低身長などの身体的特徴がみられる.知能IQの平均は60〜70である.
常染色体異常
著者: 山本美紀
ページ範囲:P.952 - P.952
常染色体異常とは,ヒト体細胞46本の染色体のうち,1〜22番目の常染色体の数的あるいは構造異常による疾患である.常染色体の数的異常のうち,染色体が1本少ないモノソミー(monosomy)では出生に至るものはない.一方染色体が1本多いトリソミー(trisomy)では,21トリソミー,18トリソミー,13トリソミーのみ出生に至る可能性がある.構造異常には,転座・逆位・環状染色体・同腕染色体などがある.このとき,染色体の量的不均衡を伴わない均衡型では無症状であるが,量的不均衡を伴う不均衡型では部分トリソミーあるいはモノソミーを合併する.
12トリソミー
著者: 浅井さとみ
ページ範囲:P.962 - P.962
病態と意義
B細胞性慢性リンパ性白血病(B-cell chronic lymphocytic leukemia;B-CLL)の約50%に染色体異常が認められ,12トリソミーは,その約1/3に認められる(図).この染色体部位には癌遺伝子や抗アポトーシス因子が存在し,細胞周期への影響やアポトーシスへの誘導抑制が考えられている.12トリソミー症例の約40〜50%は,14q,13q,11qの部分的な付加や欠失の構造異常を合併し,12トリソミー単独症例と比較し予後不良である.ただし,他の白血病のようにclonal evolution(クローン性の細胞増殖進展)に伴う染色体異常の増加は少ない.
染色体切断症候群
著者: 大島利夫
ページ範囲:P.990 - P.990
染色体切断症候群とは,染色体の断裂(break)やギャップ(gap),娘染色体交換(exchange)などの異常が高頻度に生じる先天性疾患である.ファンコニ(Fanconi)貧血や,ブルーム(Bloom)症候群,毛細血管拡張性運動失調症(ataxia-telangiectasia;AT)などが知られている.染色体断裂やギャップの形成は,葉酸拮抗薬メソトレキセートや,マイトマイシンC,ブレオマイシンなどのDNA二重鎖間架橋形成薬の添加により著しく増加する.
ファンコニ貧血は,先天性の骨髄造血機能低下による再生不良性貧血と多発性先天異常を合併する疾患で,常染色体劣性遺伝をする.染色体断裂の発生機序は,DNA損傷の修復系の異常と損傷発生の阻止機能の異常が考えられている.また,DNA損傷の発生機序は,酸素による傷害が考えられている.このことは正常細胞でも,酸素分圧の高い条件下で培養すると染色体の断裂やギャップなど異常が発生することや,ファンコニ貧血の細胞を低酸素状態で培養すると染色体の異常が抑制されることから推測される.遺伝的な発生頻度は,1〜40万人に1人で保因者は0.3〜2%と推定されている.臨床像として,皮膚の色素沈着,骨格の奇形,低身長,性腺機能不全などが挙げられる.診断の契機は小児期の再生不良性貧血や思春期以降の白血病の発症が多い.診断の確定には,DNA二重鎖間架橋形成薬の添加による染色体の脆弱性試験が行われる.
7q転座型急性白血病
著者: 浅井さとみ
ページ範囲:P.995 - P.995
病態と意義
7q35には,T細胞抗原受容体(T-cell receptor:TCR)遺伝子の1つTCRB(TCRβ)鎖遺伝子が存在し,同部位の染色体異常すなわち転座はT細胞性急性リンパ性白血病にみられる.7q35転座によってt(1;7)(p34;q35)でLCK,t(7;9)(q35;q32)でTAL2, t(7;19)(q35;p13)でLYL1,t(7;10)(q35;q24)でHOX11(図)とキメラ遺伝子が形成され,T細胞の分化の障害や癌化に関与している.TCRα鎖/δ鎖遺伝子が存在する14q11転座と合わせると,頻度は急性リンパ性白血病の約5%で,未熟T細胞型の表現型を示すが,B前駆細胞型を呈する例もある.予後は一般に不良である.
X染色体の不活化
著者: 大島利夫
ページ範囲:P.996 - P.996
ヒトの染色体は,22対の常染色体と2本の性染色体で合計46個である.男女とも常染色体は同数で遺伝子の量も同量であるが,性染色体は男性がX染色体とY染色体を1個ずつ,女性はX染色体を2個持つ.すなわち,X染色体の遺伝子の量は,女性では男性の2倍量あることになるが遺伝量の違いによる男女の形質発現の差異はない.これは,女性にある2個のX染色体のうち1個は不活性化により遺伝学的にほとんど機能せず,男女におけるX染色体上由来の遺伝子産物は実質的に同量となる機構があるためで,これを遺伝子の量的補償(gene dosage compensation)という.
この現象は,1960年,Lyon MFにより,マウスのX染色体上にある毛色遺伝子の発現様式の研究がきっかけとなり実験的証明がなされた.今日X染色体の不活化現象(X chromosome inactivation)はLyonizationとも呼ばれている.不活性化しているX染色体は,すべてにわたって不活性化しているのではなく,短腕末端部などは部分的に活性化が維持されている.1940年,BarrとBertramは,雌ネコの神経細胞の休止核に,塩基性色素に濃染する小体を発見した.この小体は性染色質(Xクロマチン),または,発見者の名前にちなんでバール(Barr)小体と呼ばれている.ヒトでも女性の口腔粘膜などの組織細胞で確認できる.染色体の複製は,細胞が分裂していない分裂間期に行われる.
3;21転座
著者: 荒川聡
ページ範囲:P.1008 - P.1008
病態と意義
3;21転座は慢性骨髄性白血病の急性転化や骨髄異形成症候群の急性白血病への移行時,トポイソメラーゼⅡ阻害剤など化学療法後の治療関連急性白血病に認められる.3;21転座は3番染色体(3q26)上のEVI1遺伝子と21番染色体(21q22)上のAML1遺伝子が結合したEVI1-AML1融合遺伝子が形成される.これから翻訳されたEVI1-AML1キメラ型転写因子は,AML1蛋白質に対し優性阻害(dominant negative)に働き,また転写因子AP1の活性を高めることで急性転化に重要な役割を持つとされる.
11;14転座
著者: 増川敦子
ページ範囲:P.1020 - P.1020
病態と意義
11;14転座は,リンパ節のマントル層を構成するCD5陽性B細胞の腫瘍化とされるマントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma)に認められる.t(11;14)(q13;q32)では,11q13に存在するCCND1/BCL1/parathyroid adenomatosis-1(PRAD1)遺伝子と免疫グロブリンH鎖(IgH)との結合により,細胞周期のG1-S移行期に作用するサイクリンD1をコードするPRAD1遺伝子が過剰発現する.高齢男性に多く節外浸潤や白血化の頻度が高い.経過は緩徐であるが治療抵抗性である.多発性骨髄腫でも約5%みられる.
6;9転座
著者: 荒川聡
ページ範囲:P.1028 - P.1028
病態と意義
6;9転座は急性骨髄性白血病の0.5〜4%に認められ,約90%はFAB分類のM2またはM4に分類され約10%はM1を呈する.若年成人(20〜30歳代)に多く予後不良である.末梢血で好塩基球増加を伴うのが特徴とされる.6;9転座では6番染色体(6p23)上のDEK遺伝子と9番染色上(9q34)上のCAN遺伝子が融合したDEK-CANキメラ遺伝子が形成される.このキメラ遺伝子からDEK-CANキメラmRNAが転写される.翻訳されたDEK-CAN融合遺伝子は核内に存在し,DNA結合領域を持つことから転写因子として白血化に関与していると考えられる.
3q26異常
著者: 深川智美
ページ範囲:P.1037 - P.1037
3q26異常には,逆位・挿入や相互転座がある(inv(3)(q21q26)(図),ins(3;3)(q26;q21q26),t(3;3)(q21;q26)など).これらは3q21q26症候群として分類される.3q26異常は,急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML),骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS),MDSからAMLへの移行時,慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia;CML)の急性転化時などにみられる染色体異常である.特にMDSにおける染色体異常の出現は,治療への反応性および予後を決定する重要な因子となる.AMLの場合M1に多いが,M2・M4・M7のこともある.血液学的所見として,血小板増加と巨核球の異形成(micromegakaryocyte)を認めることが特徴で,臨床的に予後不良である.3q26異常の共通点は,3q26のEVI1遺伝子が関与し,EVI1遺伝子の転写活性が増加していることである.EVI1蛋白質は転写因子のAP-1活性を上昇させ,このAP-1活性の上昇を通じて細胞増殖に関与すると考えられる.3q26異常は単独で存在することはまれで,7モノソミー,他の構造異常を伴うことが多い.
5q-
著者: 権藤和美
ページ範囲:P.1059 - P.1059
5q-は骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)で最も多くみられる染色体異常で,MDS全体の20〜30%に検出される.5q-を単独異常とする症例は5q-症候群と呼ばれ,①予後良好で安定した経過をとる,②大球性貧血を示す,③血小板数は正常もしくは増多し,巨核球生成異常(単核巨核球や巨大血小板)がみられる,④女性の高齢者に多い(男女比1:3)ことが特徴とされている.MDSの中ではRA(refractory anemia)と診断されることが多い.5q-に加えて他の異常を同時に持つ症例はこの概念から外れ,治療関連MDS/白血病に頻度が高く,予後不良である.5q-は中間部欠失(interstitial deletion)であり,欠失の程度により,5q13-5q31または5q13-5q33までの部分が欠失するtype Ⅰ,5q12-5q23または5q14-5q23までの部分が欠失するtype Ⅱ(図),5q23-5q32の部分が欠失するtype Ⅲに分類され,type Ⅰの欠失部分が最も大きく,全症例の90%がこのtypeに属する.
inv(16)
著者: 権藤和美
ページ範囲:P.1065 - P.1065
inv(16)は好酸球増多を伴う急性骨髄単球性白血病(M 4Eo)に特異的にみられる染色体異常で,M 4Eoの約75%に検出される.この染色体異常を有する症例の特徴は,①強力な化学療法に反応し予後良好である,②骨髄において粗大な好塩基性顆粒を有し異常な形態を示す特異な好酸球増加が認められる,③再発時に中枢神経系浸潤,特に頭蓋内腫瘍を伴いやすいなどが挙げられる.inv(16)(p13q22)は16番染色体の短腕のp13と長腕のq22がともに切断され,その間で染色体の逆位を生じたものである.16番染色体逆位inv(16)(p13q22)の結果,16p13上の平滑筋ミオシン重鎖(smooth muscle myosin heavy chain)遺伝子MYH11遺伝子と16q22上のCBF(core-binding factor)β遺伝子が融合遺伝子を形成する.この融合遺伝子からCBFB(CBFβ)-MYH11キメラmRNAが転写される.CBFBはCBFA(CBFα)とヘテロダイマーを形成し,CBFAのDNA結合能を高め,転写因子としての機能を発揮する.CBFBはミエロペルオキシダーゼと好中球エラスターゼの2つの骨髄系細胞に特異的な遺伝子発現を調節する.
2;5転座
著者: 深川智美
ページ範囲:P.1106 - P.1106
t(2;5)(p23;q35)は,ki-1(CD30)抗原が陽性となる未分化大細胞性リンパ腫で40〜60%に認められる.臨床症状は,末梢リンパ節腫脹や発熱を初発症状とすることが多く,皮膚病変,軟部組織,消化管を原発巣とすることもある.若年者に多く,予後は非ホジキン(Hodgkin)リンパ腫のなかでは比較的よい.t(2;5)(p23;q35)において2p23上のALK(anaplastic lymphoma kinase)遺伝子と5q35上のNPM(nucleo phosmin)遺伝子が結合したキメラ遺伝子を形成する.2p23の異常はT細胞性腫瘍に多く認められる.
14q11異常
著者: 深川智美
ページ範囲:P.1111 - P.1111
14q11上には,T細胞抗原受容体(TCR)遺伝子のうちTCRA(TCRα)およびTCRD(TCRδ)が局在する.同部位の染色体異常として転座や逆位がある.T細胞性の急性リンパ性白血病,非ホジキン(Hodgkin)リンパ腫では転座型異常がみられ,T細胞性慢性リンパ性白血病の約75%でinv(14)(q11q32)がみられる.
(1)14q11上のTCRA遺伝子は,t(8;14)(q24;q11)において8q24に位置するMYC遺伝子と結合し,MYC遺伝子の発現増加により腫瘍化する.T前駆細胞性白血病,T細胞性リンパ腫においてみられる.
3q27転座
著者: 増川敦子
ページ範囲:P.1126 - P.1126
病態と意義
3q27を含む染色体転座,BCL6遺伝子の再構成が約40%に認められる.3q27上には,転写因子BCL6遺伝子が存在しt(3;14)(q27;q32),t(2;3)(p12;q27),t(3;22)(q27;q11)の転座により,それぞれ14q32に位置する免疫グロブリンH鎖(IgH)遺伝子,2p12上のIgL鎖のκ鎖,22q11上のλ鎖遺伝子と結合し,BCL6蛋白質発現が増加し腫瘍化する.AIDSで発症したびまん性リンパ腫の約20%にBCL6遺伝子の再構成が認められる報告がある.
8;21転座
著者: 田中由美子
ページ範囲:P.1131 - P.1131
病態と意義
t(8;21)(q22;q22)転座は,急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML)でFAB分類M2の40%にみられる染色体異常である.8;21転座のM2症例は,予後良好で形態学的特徴としては,アウエル(Auer)小体,ペルオキシダーゼ強陽性の骨髄芽球,骨髄好酸球増加,均一なサーモンピンクの顆粒,粗大な細胞質小体や空胞などが見られる.8;21転座の結果,8番染色体(8q22)上のETOまたはMTG8(myeloid translocation gene on chromosome8)遺伝子と21番染色体(21q22)上のAML1遺伝子が融合する.MTG8-AML1遺伝子からキメラ転写因子に翻訳され,キメラ蛋白質がAML1に抑制される骨髄系細胞に特異的なプロモーターの活性化を抑制し,骨髄系分化を抑制することが白血化に重要な働きをする.
11q23転座
著者: 田中由美子
ページ範囲:P.1137 - P.1137
病態と意義
11q23転座は,急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML),急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL),悪性リンパ腫,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)に検出され,病型特異性に乏しい染色体異常である.11q23転座は,リンパ系と骨髄系の両細胞系統の形質(biphenotypic)であったり,経過中にリンパ系から単球系に変換する症例があることから,骨髄系とリンパ系の両方へ分化しうる未分化な造血幹細胞での白血化に関与していると考えられている.AMLにおける11q23転座は,t(9;11)(p22;q23)とそれ以外の11q23転座に分けられる.t(9;11)(p22;q23)(図)は,主に治療関連白血病で,エトポシド(VP-16)などの抗白血病剤治療後に比較的短期間で,前白血病期を経ずに単球系の細胞形質を示す急性白血病を発症する.ALLにおける11q23転座は,t(4;11)(q21;q23)が最も多く,1歳以下の乳幼児にみられる.4;11転座型白血病は,リンパ系・単球系の2系統の細胞形質を持ち,白血球増多,CD10陰性の特徴を有し,通常の化学療法で予後不良である.そのほか,t(6;11)(q27;q23),t(11;19)(q23;p13)が知られている.
7モノソミー
著者: 権藤和美
ページ範囲:P.1145 - P.1145
7番染色体の長腕欠失(-7/7q-)は5q-に次いで多くみられる染色体異常で,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)の約15%でみられるが,急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML)でも約4%みられる(M2やM4に多い).-7/7q-を示す症例は,好中球機能の低下が認められ,重症感染症を起こしやすく,予後不良である.また小型巨核球出現との関連が深いとされている.
小児MDSでは7モノソミーが成人より高頻度に検出される.治療関連白血病では-7/7q-は高頻度に認められ,アルキル化剤や放射線治療の既往と強い関連があるとされている.また重症再生不良性貧血から発症した二次性MDS/白血病においては高率に7モノソミーが検出され,免疫抑制療法あるいは顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)投与との関連も指摘されている.
9;22転座
著者: 田中由美子
ページ範囲:P.1160 - P.1160
病態と意義
9;22転座(図)は,フィラデルフィア(Philadelphia;Ph)染色体と呼ばれ,慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia;CML)の約95%,急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)の10〜20%に認められる.稀にAMLでも検出される.9;22転座は9番染色体と22番染色体との相互転座t(9;22)(q34;q11)により生じ,この結果9番染色体(9q34)上のABL遺伝子が22番染色体(22q11)のBCR遺伝子と組み換えを起こし,キメラ遺伝子BCR-ABLを形成する.このキメラ蛋白は高いチロシンキナーゼ活性を持ち白血病の発症に深く関与している.
14;18転座
著者: 増川敦子
ページ範囲:P.1168 - P.1168
病態と意義
14;18転座は,濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma)に70%高頻度に認められる.t(14;18)(q32;q21)は,14q32に位置する免疫グロブリンH鎖(IgH)遺伝子と18q21に位置するBCL2遺伝子と組み換え結合する.BCL2遺伝子の転写因子が亢進し,BCL2蛋白質が過剰発現し,アポトーシス(プログラム細胞死)が抑制され腫瘍化する.
亜型として,t(2;18)(p12;q21),t(18;22)(q21;q11)がみられる.18q21に位置するBCL2遺伝子は,それぞれIgL鎖の2p12上のκ鎖,22q11上のλ鎖遺伝子と転座により結合する.
ヘテロ接合性消失
著者: 宮地勇人
ページ範囲:P.1176 - P.1176
病態と意義
癌において,癌遺伝子や癌抑制遺伝子の変異の検索は,発癌や脱制御された異常増殖の分子機構を知る一助となり,癌の生物学的悪性度,治療反応性の指標となる.正常細胞では癌抑制遺伝子がヘテロ接合体を形成することで癌化は抑制されており,主に欠失により癌抑制遺伝子のヘテロ接合性が消失(loss of heterozygosity;LOH)することが癌化に重要な働きをすると考えられている.ヘテロ接合性の喪失は,染色体の欠損または遺伝子欠失などのDNA変異により生じる.一例として,17番染色体短腕(17p)上に存在するP53の異常はヒトのあらゆる組織の癌で高頻度に検出され,17pあるいはP53のLOHが乳癌,肺癌,大腸癌,脳腫瘍,食道癌,骨肉腫,悪性黒色腫,肝癌,前立腺癌などでみられる(図).P53遺伝子の点変異または欠失が両アレルに発生したとき,細胞の増殖抑制が効かなくなることが癌化に重要と考えられている.
15;17転座
著者: 宮地勇人
ページ範囲:P.1180 - P.1180
病態と意義
15;17転座(図)は急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia;APL)に特異的な染色体異常で,70〜80%にみられる.15;17転座によって,15番染色体(15q22)上のPML遺伝子と17番染色体(17q11-21)上のRARA(RARα)遺伝子との間に組換えが生じ,PML-RARAキメラ遺伝子が形成される.転座の結果,PML-RARAキメラ転写因子はPMLまたはRARAに対する優性阻害(dominant negative)効果により,レチノイン酸非存在下で骨髄系分化を抑制する.
基本情報
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増刊号 血液・尿以外の体液検査法
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技術講座 血清
17巻7号(1989年6月発行)
技術講座 一般
17巻6号(1989年5月発行)
感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
17巻5号(1989年5月発行)
技術講座 一般
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16巻8号(1988年7月発行)
技術講座 一般
16巻7号(1988年6月発行)
免疫化学検査法 資料
16巻6号(1988年6月発行)
技術講座 一般
16巻5号(1988年5月発行)
技術講座 一般
16巻4号(1988年4月発行)
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技術講座 生理
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技術講座 一般
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15巻13号(1987年12月発行)
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技術講座 細胞診
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技術講座 病理
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臨床生理検査と技術 座談会
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技術講座 生理
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技術講座 病理
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技術講座 一般
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形態学的検査と技術 血液と病理
14巻4号(1986年4月発行)
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14巻2号(1986年2月発行)
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11巻7号(1983年7月発行)
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11巻6号(1983年6月発行)
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11巻5号(1983年5月発行)
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11巻4号(1983年4月発行)
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11巻3号(1983年3月発行)
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11巻2号(1983年2月発行)
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11巻1号(1983年1月発行)
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技術講座 検体の取り扱いと保存
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6巻6号(1978年6月発行)
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5巻12号(1977年12月発行)
技術講座 生理
5巻11号(1977年11月発行)
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技術講座 細菌付録
5巻9号(1977年9月発行)
技術講座 一般
5巻8号(1977年8月発行)
技術講座 生理
5巻7号(1977年7月発行)
技術講座 一般
5巻6号(1977年6月発行)
技術講座 一般
5巻5号(1977年5月発行)
技術講座 一般
5巻4号(1977年4月発行)
技術講座 一般
5巻3号(1977年3月発行)
技術講座 一般
5巻2号(1977年2月発行)
技術講座 一般
5巻1号(1977年1月発行)
技術講座 一般
4巻12号(1976年12月発行)
技術講座 一般
4巻11号(1976年11月発行)
技術講座 一般
4巻10号(1976年10月発行)
技術講座 一般
4巻9号(1976年9月発行)
技術講座 一般
4巻8号(1976年8月発行)
技術講座 一般
4巻7号(1976年7月発行)
技術講座 一般
4巻6号(1976年6月発行)
技術講座 一般
4巻5号(1976年5月発行)
技術講座 一般
4巻4号(1976年4月発行)
技術講座 一般
4巻3号(1976年3月発行)
技術講座 一般
4巻2号(1976年2月発行)
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4巻1号(1976年1月発行)
技術講座 一般
3巻12号(1975年12月発行)
技術講座 一般
3巻11号(1975年11月発行)
技術講座 一般
3巻10号(1975年10月発行)
技術講座 一般
3巻9号(1975年9月発行)
技術講座 一般
3巻7号(1975年8月発行)
特集 必修 日常検査の実技
3巻6号(1975年6月発行)
技術講座 生理
3巻5号(1975年5月発行)
技術講座 一般
3巻4号(1975年4月発行)
技術講座 一般
3巻3号(1975年3月発行)
技術講座 一般
3巻2号(1975年2月発行)
技術講座 一般
3巻1号(1975年1月発行)
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