サマリー
食道癌は,食道粘膜を構成する重層扁平上皮から発生する扁平上皮癌がわが国では最も多く,喫煙,アルコール摂取が危険因子である.一方,欧米では逆流性食道炎患者の多さを背景として,腺上皮由来の腺癌が増加傾向にある.根治的治療法として,従来より外科的手術が行われてきたが,手術侵襲の大きさやQOL(quality of life,生活の質)の低下が問題でもあった.近年では,化学療法・放射線療法が外科的手術と遜色ない治療成績を挙げているほか,早期病変に対する内視鏡治療技術も驚異的に進歩している.
雑誌目次
検査と技術35巻6号
2007年06月発行
雑誌目次
病気のはなし
食道癌
著者: 河内洋
ページ範囲:P.512 - P.516
サルコイドーシス
著者: 高橋洋
ページ範囲:P.518 - P.521
サマリー
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である.肺門~縦隔リンパ節病変の存在が診断の契機となる症例が多いが,その他にも肺野,心臓,眼,皮膚,骨,筋肉など多臓器が標的となりうる.診断に際しては非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫を病理組織学的に証明することが重要である.一部の症例では重症化,難治化することがあるため厚生労働省の特定疾患に指定されているが,国内発症例に関しては両側肺門部リンパ節腫大(bilateral hilar lymphadenopathy,BHL)のみを有して無症状のまま経過する症例や自然軽快する症例も少なくない.積極的な全身的ステロイド療法が必要となる症例は進行性の肺野病変,心病変,難治性眼病変などを有する症例のうちの一部に限定される.
技術講座 血液
自動血球計数機の測定原理と留意点
著者: 池本敏行 , 田窪孝行
ページ範囲:P.523 - P.534
新しい知見
自動血球計数機はCBC(complete blood cell count),白血球分類および網赤血球を同時に測定できる機種が主流となっている.自動血球計数機は,用手法で測定されていたものを自動化したもので,自動血球計数機から得られる測定値は正確性において問題となることがあるが用手法によって確認することができる.最新の自動血球計数機には,これらの項目以外に新生血小板の指標である網血小板比率,血小板の蛋白質濃度や網赤血球内のヘモグロビン量を測定できる装置もある.また脆弱性細胞比率を測定し白血球分類に反映できる装置もある.網血小板比率は特発性血小板減少性紫斑病の診断1)に,網赤血球内ヘモグロビン含量は腎性貧血におけるエリスロポエチン投与量の指標2)として臨床応用され始めている.しかし,CBCや白血球分類とは違い,網血小板比率や網赤血球内ヘモグロビン含量を用手法で確認することはできない.したがってこれらの測定値の正確性は,各メーカーから提供される情報に頼らざるを得ない.網血小板比率については測定法によって基準値が大きく異なる3,4).
白血病遺伝子定量検査
著者: 横田浩充 , 矢冨裕
ページ範囲:P.535 - P.543
新しい知見
白血病遺伝子定量検査は,白血病病型の確定診断や治療法の決定,化学療法や造血幹細胞移植(stem cell transplantation,SCT)後の治療効果判定,再発の早期発見,予後判定,治療の層別化に利用され必須の検査へと進展した.転座型白血病を診断するキメラ遺伝子やリンパ腫,リンパ性白血病を診断する免疫グロブリン遺伝子,T細胞受容体遺伝子を対象として広く利用されている.本質的な診断情報を提供することにより診療に大きく貢献している一方で,検査法の標準化や精度管理法の確立が国際的な課題となっている.
疾患と検査値の推移
Bartter症候群とGitelman症候群
著者: 林松彦
ページ範囲:P.547 - P.551
Bartter症候群とGitelman症候群の病態,臨床症状と原因遺伝子
Bartter症候群は,1962年,Bartterらにより初めて報告された遺伝性尿細管疾患で,乳幼児期に発症する脱水,低カリウム(K)血症を主症状として,著しい高レニン血症,高アルドステロン血症を伴い,腎組織所見では傍糸球体装置の増生を特徴とする疾患として報告された1).その本質は図1に示したヘンレの太い上行脚(thick ascending limb of Henle,TAL)の機能異常であり,Bartter症候群の原因遺伝子は,この部位のイオン輸送に関与している3種類の輸送体と輸送体結合蛋白質,類似の症状を呈するものとしてカルシウム(Ca)感受性受容体(Ca sensing receptor,CaSR)の計5種類の遺伝子異常が報告されている(表).
最初に原因遺伝子として報告されたNa+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)は2),新生児Bartter症候群あるいは古典的Bartter症候群と呼ばれていた最も重症で典型的なBartter症候群と臨床症状が一致しており,それに次いで報告されたROMKチャネルも同様に重症のBartter症候群を呈することが示された3).3番目にCLCNKB(chloride channel Kb)と呼ばれるClチャネルの異常に基づくBartter症候群が報告されたが4),その後に行われた多数の症例解析の結果,このチャネル異常によるBartter症候群は臨床像が多様であり,出生直後に重度の脱水を示すものから,11歳時に発症したものまで種々であることが報告された5).さらに,一部の症例では,後述のGitelman症候群というBartter症候群と類似した疾患の特徴的所見である低Ca血症と低マグネシウム(Mg)尿症を伴うことも報告された.これは,図2に示したように,Gitelman症候群の病変部位である遠位曲尿細管(distal convoluted tubule,DCT)にもこのCLCNKBが存在して,Cl輸送に役割を果たすことによると考えられている.4番目に報告されたBarttinの遺伝子異常はBartter症候群に加えて感音性聴力障害を伴い,それまでに報告された遺伝子異常によるBartter症候群とは特徴を異にしている6).このBarttinは,腎に存在するCLCNKBと腎と内耳に存在するCLCNKAのClチャネル機能発現に必須であり,その遺伝子異常は内耳CLCNKAの機能異常により難聴を生じることが示された.また,CLCNKAとCLCNKBの両者の機能喪失によるBartter症候群では聴力障害を伴い,Barttinの遺伝子異常によるものと同様の臨床像であることが確認されている7).
オピニオン
臨床検査の進化:Theranosticsという概念
著者: 登勉
ページ範囲:P.517 - P.517
2007年4月1日から4年間の任期で日本臨床化学会の会長を務めることになりました.伝統ある組織の運営を任され,舵取りをどうしていくのか,しっかり発展させていけるのか等々,自問しながら4月を迎えました.学会員の皆様をはじめ,関連諸団体や企業の皆様には,これまで以上のご指導とご支援をお願い申し上げます.
本稿においては,これからの臨床検査についての個人的展望を述べさせていただきます.
ワンポイントアドバイス
組織ドプラの使い方
著者: 室生卓
ページ範囲:P.552 - P.553
1 . 組織ドプラ法とは
組織ドプラ法とは,心室壁や弁輪部など心臓の組織の速度をドプラ法を用いて計測する手法である.血流計測に用いられるドプラ法と組織ドプラ法を比較すると,血流計測のドプラは対象を輝度が低く速度の速い赤血球としているのに対し,組織ドプラ法は輝度が高く速度の遅い心筋組織を対象にしている点が対照的である.
2 . 組織ドプラの実際
組織ドプラ法は前述のごとく,心筋組織の速度を計測するものであるが,計測値に含まれるのは,探触子方向への速度の総和であり,心尖部から僧帽弁輪部の速度を計測する方法が一般的となっている.実際には心尖部四腔断層図の左室側壁や心室中隔側の弁輪部にサンプルボリュームを設定して僧帽弁輪運動速度波形を記録する(図1).得られる指標には収縮期波(S'),拡張早期波(E'),心房収縮期波(A')がある(図2).
私の一推し免疫染色
乳管内癌の確定診断のために神経内分泌マーカーが有効
著者: 森谷卓也
ページ範囲:P.554 - P.555
乳腺の病理組織診断を行う際に,良性・悪性の判定に迷うことは決して少なくない.特に,乳管内に上皮細胞が増殖する,いわゆる“乳頭状病変”では,判断に苦慮する症例の頻度が高い.このようなときに,良悪性の鑑別に有用な免疫組織染色マーカーがあればいいと思うことがあるが,なかなかクリアカットにいかないのが実情である.しかし,ある特定の組織像をとっている症例に限られてはいるが,免疫染色が癌の判定に有効となるケースがあるので,紹介する.
組織像の特徴は以下のとおりである.①拡張した乳管内に上皮細胞が増殖していること,②樹枝状の線維血管性間質が介在する増殖性病変であること,③さらに,間質に付随する上皮成分が強く重層化し,充実性の胞巣をとっていること,である(図1).
一般検査室から私の一枚
ある沈渣像
著者: 油野友二
ページ範囲:P.546 - P.546
なんだ円柱じゃない?と思われるかもしれません.でもそう思っていただけると嬉しいです.実はこれは材料が尿ではなくて腎臓の割面を生食水で洗ったときの,その生食水の沈渣像です.20年ほど前,病理解剖中に腎臓の写真を撮るときに洗浄した液をビーカーに取っておいて,後で覗いてみたんです.なぜかって!覚えていません.多分,ただ見たかったからでしょう.よく見ると細胞がホースの管ように並んで,まさに尿細管では…….そのなかに赤血球が詰まっています.赤血球円柱はこうやってできるんだとドキドキした記憶があります.少し落ちついてからよく見ると管の左上の細胞,脂肪変性しているように見えませんか?「卵円形脂肪体だ!」とさらに顔は紅潮してきました.こんな私の姿,傍から見れば異常ですよね.
尿沈渣情報から伝えるべき病態情報はたくさんあるはずですが,どうも曖昧な情報が多いのが現状です.日常業務からちょっと離れて何かやってみると,思わぬ発見が!そんな貴方を尿中のみんなが今や遅しと待っているような気がします.
今月の表紙
濾胞性リンパ腫:Follicular lymphoma
著者: 常名政弘 , 東克巳
ページ範囲:P.522 - P.522
今回は,濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma)を取り上げた.
WHO(World Health Organization,世界保健機関)分類では,リンパ系腫瘍の成熟B細胞性腫瘍(mature B-cell neoplasms)のなかの濾胞性リンパ腫となる.
濾胞性リンパ腫は中高年に多く,全経過が8~13年と比較的長い経過をとるが,再発率が高く,治癒しにくい難治性リンパ腫の代表的疾患とされている.わが国での発生頻度はリンパ系腫瘍の約7%と比較的低いが,近年増加傾向にあるといわれている.濾胞性リンパ腫のWHO分類での規定は,胚中心の細胞に相当するB細胞の腫瘍のため少なくとも部分的に濾胞構造が認められるものとされている.また初発診断時の約半数に骨髄浸潤を認め,末梢血液像にもよく出現するが,正常の成熟リンパ球に近似していることも多く,鑑別困難な細胞の一つに挙げられる.細胞の特徴は,大きさが赤血球よりやや大きい10μm程度の小型の細胞で,細胞質はほとんど認めず,核と細胞膜との接する部分が多く,N/C比(nucleocytoplasmic ratio,核細胞質比)が大きく,核は濃染し,核の中心部へ向け切れ込みを認めることがある.
復習のページ
血清蛋白分画像の読み方―α2/α1の有効利用と形態確認の重要性
著者: 米川修
ページ範囲:P.572 - P.574
[エピソードその1]
“えっ,やっぱり”.納得しつつも,しばし,呆然.臨床検査医学会が臨床病理学会を名乗っていた時代のこと,北里大学の発表ポスターを見てビックリ.発表の要旨は,“前立腺癌患者では,後天的にα2マクログロブリンの欠損症をきたす”であった.
[エピソードその2]
検査専門医の認定も取得してだいぶ経ったある学会(記憶が曖昧だが,臨床検査医学会か)でのこと.RCPC(reversed clinicopathological conference)が行われるというので会場に急ぎ,早速データを確認してみると,蛋白分画の項を目にして…….がっくり.
臨床検査フロンティア 検査技術を生かせる新しい職種
電子顕微鏡一級技士
著者: 野口教彦
ページ範囲:P.576 - P.577
はじめに
一般に血液,細菌,病理検査室などで使用される顕微鏡とは光学顕微鏡であり,その分解能は0.2μm程度で,実際に使用できる拡大率(直接)は1,500倍が限界です.この分解能は線源となる可視光線の波長に依存しており,より波長の短い電子線を線源として用いることにより分解能はA°(0.1mμ)レベルまで向上させることができ,数百万倍での観察が可能となります.
電子顕微鏡は生物系,非生物系を問わず多くの分野で使用されており,検査室内では細胞質内小器官をはじめとする細胞内構造物やウイルス粒子,細胞外基質などの観察に使用され,診断や研究などのための補助ツールとして活躍しています.
Laboratory Practice 〈臨床生理●呼吸機能検査のステップアップ・2〉
高齢者における肺機能検査と評価
著者: 石井正紀 , 寺本信嗣
ページ範囲:P.556 - P.559
はじめに
老化は加齢に伴う進行性の機能喪失であり,全身の臓器における生理的機能低下をもたらす.そのなかでも呼吸器系は,加齢による影響を最も顕著に受ける臓器系の一つであり,加齢に伴って呼吸器系疾患も増加する.本稿では加齢と肺機能の変化について概説し,高齢者における肺機能検査を施行する場合のポイントと,得られた成績の評価の問題点について解説する.
〈病理●癌取扱い規約の解説と問題点・6〉
原発性肝癌取扱い規約
著者: 神代正道 , 中島収
ページ範囲:P.560 - P.564
はじめに
「原発性肝癌取扱い規約」(以下,「取扱い規約」)は,1983年に第1版が発行されて以来,1987年に第2版,1992年に第3版,2001年に第4版1)と,診断,治療の進歩とともに改訂され,この間,1997年には英語版が発行された2).第4版発行以来6年を経過した現在,第5版発行に向け改訂が進行中である.
〈教育〉
論文の書きかた(その2)
著者: 大澤進
ページ範囲:P.565 - P.567
論文の作成
論文の作成にあたっては実験を計画する前に,投稿する候補雑誌を決めておくことが望ましい.そして,原著,研究,症例,短報などの投稿区分を選択する.次に雑誌の投稿規定に沿った実験計画を立て,実験結果をまとめる.通常,投稿する雑誌の多くは学会会員でなければ投稿を受け付けないが,商業雑誌であればこの限りではない.ここでは原著に投稿することを例として,論文の作成手順について解説する.
原著は基本的に新知見を含み,オリジナリティーのあるものが求められる.初めての投稿であれば,商業雑誌や学術雑誌の短報や症例報告から手がけるのもよい.初めて書く論文の文章は長くなりがちである.科学論文は文学作品ではないので,極力簡潔にわかりやすく書くことが基本である.一つの文の長さは2~3行以内に収めることを心がける.
自分が報告した論文は国内外で公になり永く保存されることから,論文は実験事実に基づいて投稿することが最も重要であり,これを守らなければならない.実験をせず虚偽の実験結果を捏造し,報告することは許されない.また,信頼性の低い実験を行い,素早く報告しても,いずれ他の研究者が追試を行い評価され,実験の信頼性が問われることになる.投稿した論文は永久に残るものであるから,十分に吟味し,文章もよく推敲・校正して投稿したい.
検査じょうほう室 〈微生物〉
感染症検査研修を経験して
著者: 菊池和代
ページ範囲:P.568 - P.571
はじめに
高根病院への出向以前の筆者は県内某病院のブランチ技師であり,微生物検査の経験は皆無であった.出向は社内公募を受けて実現し,高根病院で試行されるという新しい感染症検査技術を3年間で習得することが条件とされた.細菌検査といえば技師学校時代に習った程度であった筆者にとって,専門外の難題に取り組むこともさることながら,わが国における感染症の権威である菅野治重医学博士のもとで研修を受けることのプレッシャーは例えようもなく大きく,常に挫折と隣合わせの日々でもあった.多くのベテランスタッフの助けを借り,無我夢中で過ごしたこの2年半は,これまでの技師人生では経験のないほど苦しかったが,いくつものかけがえのない収穫を得た期間でもあった.例えば,この研修を通じて真の感染症検査技術や知識を一から叩き込まれたが,同時に感染症だけにとどまらず,医療のなかにおける臨床検査技師の役割やあり方,さらに包括化医療時代に検査技師として必要なスキルを身につけることさえできた.
けんさ質問箱
前立腺の体積計測法はどうするのがよいのか?
著者: 武山茂
ページ範囲:P.578 - P.580
Q.前立腺の体積計測法はどうするのがよいのか?
本誌vol.33 no.4,358~363ページの〈検査じょうほう室〉「腎臓・前立腺」で,359ページに前立腺の経腹的走査法と計測法とが示されています.この図3-bでHを横方向に計測していますが,他の成書では縦方向に計測しています.どの計測法がよいのでしょうか,教えてください.(東京都 T.N.生)
A.武山 茂
前立腺体積の計測法には経直腸的超音波検査と経腹的超音波検査がある.経直腸的超音波検査は経腹的超音波検査に比べ,アーチファクトが少なく,明瞭に描出されるため,計測誤差が少なく評価できる.しかし,経直腸的超音波検査は検査技師には行えないこと,侵襲的であることなどから,通常のスクリーニングや健診などでは経腹的超音波検査による前立腺計測を行っているのが現状である.現在,一般的に使用されている測定方法,特徴,注意点を述べる.
トピックス
血管を作る蛋白質bFGF
著者: 江崎二郎 , 丸井晃 , 米田正始
ページ範囲:P.581 - P.583
はじめに
近年,食生活の欧米化に伴い,糖尿病,高脂血症,高血圧などの動脈硬化をきたす疾患が増加し,それに伴い,心臓の血管(=冠動脈)に動脈硬化が及ぶ狭心症・心筋梗塞といった虚血性心疾患や,足の血管に動脈硬化が及ぶ閉塞性動脈硬化症などが増加している.軽症であれば内服薬のみで効果があるが,病気がある程度進行すると,虚血性心疾患に対しては経皮的冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty,PTCA)や冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting,CABG)が行われ,閉塞性動脈硬化症に対しては経皮的血管形成術(percutaneous transluminal angioplasty,PTA)やバイパス術が行われる.しかし,病気がさらに進行すると,ある程度の太さの血管が閉塞し,非常に微細な血管のみとなっていき,経皮的血管形成術やバイパス術は行うことができなくなる.また,四肢末梢の血管炎のために末梢血管が閉塞を起こすバージャー病や,末梢微小循環障害による糖尿病性下肢壊疽なども血管形成術やバイパス術の適応にならないことが多い.
虚血性心疾患が進行すると虚血性心筋症といって虚血のために心機能が低下し,心不全を繰り返すようになる.また,下肢虚血が進行すると下肢の切断が必要になり,QOL(quality of life,生活の質)が著しく低下する.経皮的血管形成術やバイパス手術が施行不可能な症例に対して,血管新生療法が最近注目を浴びるようになってきた.
イヌリン測定キット
著者: 折田義正
ページ範囲:P.583 - P.586
「イヌリン測定キット」は血清および尿イヌリンを酵素法により特異的に測定できるダイヤカラー(R)・イヌリン(東洋紡績)で,2006年1月に体外診断薬医薬品として製造承認され同年7月保険薬価収載された.このキットは,国際的に糸球体濾過量(率)(glomerular filtration rate,GFR)測定の標準法とされているイヌリンクリアランス(inulin clearance,Cin)測定に用いるわが国で初めての実用化キットである.
まず,GFR,クリアランスおよびイヌリン(inulin,in)について簡単に説明する.
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あとがき フリーアクセス
著者: 永江学
ページ範囲:P.624 - P.624
ある研究で社会と絆を持たない人は,絆を持っている人に比べて死亡率が2~3倍高いとの報告があります.また,免疫システムと社会的な絆の研究では,社会的つながりが肉体や精神面の両方に作用していることがわかってきております.社会とのつながりが三つ以下の人は六つ以上の人に比べて風邪を引くリスクが4倍高いとのことです.
医学の最終目的は予防医学ではないかと考えておりますが,診断・治療によって平均寿命を上げているのが現実です.東洋医学では「未病」という概念があり,予防医学に通じるものだと思います.西洋医学でもここ数年,政府による健康診断の推進が行われ予防医学的な考えかたが広まってきております.この分野での活躍が最も期待されるのが臨床検査ではないでしょうか.病を治療することも大事ですが,それ以上に病気にならないような予防診断が行えれば,今後の高齢化社会において高齢者のQOLを高めることにもなるかと思います.
基本情報
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技術講座 病理
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増刊号 輸血検査実践マニュアル
25巻6号(1997年6月発行)
技術講座 免疫
25巻5号(1997年5月発行)
技術講座 生理
25巻4号(1997年4月発行)
技術講座 生理
25巻3号(1997年3月発行)
技術講座 微生物
25巻2号(1997年2月発行)
技術講座 生理
25巻1号(1997年1月発行)
技術講座 一般
24巻13号(1996年12月発行)
技術講座 生理
24巻12号(1996年11月発行)
技術講座 一般
24巻11号(1996年10月発行)
技術講座 生理
24巻10号(1996年9月発行)
技術講座 管理
24巻9号(1996年8月発行)
技術講座 生理
24巻8号(1996年7月発行)
技術講座 生理
24巻7号(1996年6月発行)
増刊号 感染症検査実践マニュアル
24巻6号(1996年6月発行)
技術講座 病理
24巻5号(1996年5月発行)
技術講座 生理
24巻4号(1996年4月発行)
技術講座 生理
24巻3号(1996年3月発行)
技術講座 生理
24巻2号(1996年2月発行)
技術講座 生理
24巻1号(1996年1月発行)
技術講座 一般
23巻13号(1995年12月発行)
技術講座 生理
23巻12号(1995年11月発行)
技術講座 病理
23巻11号(1995年10月発行)
技術講座 微生物
23巻10号(1995年9月発行)
技術講座 生理
23巻9号(1995年8月発行)
技術講座 一般
23巻8号(1995年7月発行)
技術講座 免疫
23巻7号(1995年6月発行)
技術講座 生理
23巻6号(1995年5月発行)
技術講座 一般
23巻5号(1995年4月発行)
増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
23巻4号(1995年4月発行)
技術講座 病理
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技術講座 病理
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技術講座 一般
23巻1号(1995年1月発行)
技術講座 生理
22巻13号(1994年12月発行)
技術講座 一般
22巻12号(1994年11月発行)
技術講座 一般
22巻11号(1994年10月発行)
技術講座 一般
22巻10号(1994年9月発行)
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22巻9号(1994年8月発行)
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22巻8号(1994年7月発行)
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22巻5号(1994年4月発行)
増刊号 免疫検査実践マニュアル
22巻4号(1994年4月発行)
技術講座 生理
22巻3号(1994年3月発行)
技術講座 免疫
22巻2号(1994年2月発行)
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22巻1号(1994年1月発行)
技術講座 生理
21巻13号(1993年12月発行)
技術講座 一般
21巻12号(1993年11月発行)
技術講座 一般
21巻11号(1993年10月発行)
技術講座 一般
21巻10号(1993年9月発行)
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技術講座 一般
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21巻5号(1993年4月発行)
増刊号 臨床化学実践マニュアル
21巻4号(1993年4月発行)
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21巻3号(1993年3月発行)
技術講座 病理
21巻2号(1993年2月発行)
技術講座 生理
21巻1号(1993年1月発行)
技術講座 生理
20巻13号(1992年12月発行)
技術講座 一般
20巻12号(1992年11月発行)
技術講座 一般
20巻11号(1992年10月発行)
技術講座 一般
20巻10号(1992年9月発行)
技術講座 一般
20巻9号(1992年8月発行)
技術講座 一般
20巻8号(1992年7月発行)
技術講座 血液
20巻7号(1992年6月発行)
技術講座 一般
20巻6号(1992年5月発行)
増刊号 尿検査法
20巻5号(1992年5月発行)
技術講座 生理
20巻4号(1992年4月発行)
技術講座 生理
20巻3号(1992年3月発行)
技術講座 病理
20巻2号(1992年2月発行)
技術講座 一般
20巻1号(1992年1月発行)
技術講座 生理
19巻13号(1991年12月発行)
技術講座 管理
19巻12号(1991年11月発行)
技術講座 生理
19巻11号(1991年10月発行)
技術講座 生理
19巻10号(1991年9月発行)
技術講座 一般
19巻9号(1991年8月発行)
技術講座 一般
19巻8号(1991年7月発行)
技術講座 生理
19巻7号(1991年6月発行)
増刊号 臨床血液検査
19巻6号(1991年6月発行)
技術講座 生理
19巻5号(1991年5月発行)
技術講座 生理
19巻4号(1991年4月発行)
技術講座 一般
19巻3号(1991年3月発行)
技術講座 生理
19巻2号(1991年2月発行)
技術講座 生理
19巻1号(1991年1月発行)
技術講座 一般
18巻13号(1990年12月発行)
技術講座 生理
18巻12号(1990年11月発行)
技術講座 微生物
18巻11号(1990年10月発行)
技術講座 生理
18巻10号(1990年9月発行)
技術講座 一般
18巻9号(1990年8月発行)
技術講座 一般
18巻8号(1990年7月発行)
技術講座 一般
18巻7号(1990年6月発行)
技術講座 一般
18巻6号(1990年5月発行)
増刊号 血液・尿以外の体液検査法
18巻5号(1990年5月発行)
技術講座 一般
18巻4号(1990年4月発行)
技術講座 一般
18巻3号(1990年3月発行)
技術講座 血液
18巻2号(1990年2月発行)
技術講座 生理
18巻1号(1990年1月発行)
技術講座 生理
17巻13号(1989年12月発行)
技術講座 一般
17巻12号(1989年11月発行)
技術講座 一般
17巻11号(1989年10月発行)
技術講座 一般
17巻10号(1989年9月発行)
技術講座 一般
17巻9号(1989年8月発行)
技術講座 生理
17巻8号(1989年7月発行)
技術講座 血清
17巻7号(1989年6月発行)
技術講座 一般
17巻6号(1989年5月発行)
感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
17巻5号(1989年5月発行)
技術講座 一般
17巻4号(1989年4月発行)
技術講座 生理
17巻3号(1989年3月発行)
技術講座 病理
17巻2号(1989年2月発行)
技術講座 一般
17巻1号(1989年1月発行)
技術講座 生理
16巻13号(1988年12月発行)
技術講座 一般
16巻12号(1988年11月発行)
技術講座 一般
16巻11号(1988年10月発行)
技術講座 一般
16巻10号(1988年9月発行)
技術講座 生理
16巻9号(1988年8月発行)
技術講座 一般
16巻8号(1988年7月発行)
技術講座 一般
16巻7号(1988年6月発行)
免疫化学検査法 資料
16巻6号(1988年6月発行)
技術講座 一般
16巻5号(1988年5月発行)
技術講座 一般
16巻4号(1988年4月発行)
技術講座 病理
16巻3号(1988年3月発行)
技術講座 生理
16巻2号(1988年2月発行)
技術講座 一般
16巻1号(1988年1月発行)
技術講座 血液
15巻13号(1987年12月発行)
技術講座 一般
15巻12号(1987年11月発行)
技術講座 病理
15巻11号(1987年10月発行)
技術講座 細胞診
15巻10号(1987年9月発行)
技術講座 一般
15巻9号(1987年8月発行)
技術講座 細胞診
15巻8号(1987年7月発行)
技術講座 病理
15巻7号(1987年6月発行)
技術講座 病理
15巻6号(1987年5月発行)
技術講座 病理
15巻5号(1987年4月発行)
臨床生理検査と技術 座談会
15巻4号(1987年4月発行)
技術講座 生理
15巻3号(1987年3月発行)
技術講座 血液
15巻2号(1987年2月発行)
技術講座 一般
15巻1号(1987年1月発行)
技術講座 病理
14巻13号(1986年12月発行)
技術講座 一般
14巻12号(1986年11月発行)
技術講座 病理
14巻11号(1986年10月発行)
技術講座 血清
14巻10号(1986年9月発行)
技術講座 血清
14巻9号(1986年8月発行)
技術講座 生理
14巻8号(1986年7月発行)
技術講座 血清
14巻7号(1986年6月発行)
技術講座 病理
14巻6号(1986年5月発行)
技術講座 生理
14巻5号(1986年4月発行)
形態学的検査と技術 血液と病理
14巻4号(1986年4月発行)
技術講座 病理
14巻3号(1986年3月発行)
技術講座 細菌
14巻2号(1986年2月発行)
技術講座 病理
14巻1号(1986年1月発行)
技術講座 細菌
13巻12号(1985年12月発行)
技術講座 病理
13巻11号(1985年11月発行)
技術講座 病理
13巻10号(1985年10月発行)
技術講座 生理
13巻9号(1985年9月発行)
技術講座 病理
13巻8号(1985年8月発行)
技術講座 病理
13巻7号(1985年7月発行)
技術講座 血液
13巻6号(1985年6月発行)
技術講座 一般
13巻5号(1985年5月発行)
技術講座 病理
13巻4号(1985年4月発行)
技術講座 一般
13巻3号(1985年3月発行)
技術講座 血液
13巻2号(1985年2月発行)
技術講座 一般
13巻1号(1985年1月発行)
技術講座 血液
12巻12号(1984年12月発行)
技術講座 血液
12巻11号(1984年11月発行)
技術講座 病理
12巻10号(1984年10月発行)
技術講座 輸血
12巻9号(1984年9月発行)
技術講座 一般
12巻8号(1984年8月発行)
技術講座 細菌
12巻7号(1984年7月発行)
技術講座 細菌
12巻6号(1984年6月発行)
技術講座 生理
12巻5号(1984年5月発行)
技術講座 一般
12巻4号(1984年4月発行)
技術講座 病理
12巻3号(1984年3月発行)
技術講座 血液
12巻2号(1984年2月発行)
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12巻1号(1983年12月発行)
技術講座 血清
11巻12号(1983年12月発行)
技術講座 一般
11巻11号(1983年11月発行)
技術講座 細菌
11巻10号(1983年10月発行)
技術講座 細胞診
11巻9号(1983年9月発行)
技術講座 一般
11巻8号(1983年8月発行)
技術講座 血清
11巻7号(1983年7月発行)
技術講座 細菌
11巻6号(1983年6月発行)
技術講座 一般
11巻5号(1983年5月発行)
技術講座 病理
11巻4号(1983年4月発行)
技術講座 一般
11巻3号(1983年3月発行)
技術講座 血液
11巻2号(1983年2月発行)
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11巻1号(1983年1月発行)
技術講座 血液
10巻12号(1982年12月発行)
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10巻11号(1982年11月発行)
技術講座 生理
10巻10号(1982年10月発行)
技術講座 血清
10巻9号(1982年9月発行)
技術講座 細菌
10巻8号(1982年8月発行)
技術講座 一般
10巻7号(1982年7月発行)
技術講座 病理
10巻6号(1982年6月発行)
技術講座 細菌
10巻5号(1982年5月発行)
技術講座 病理
10巻4号(1982年4月発行)
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10巻2号(1982年2月発行)
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10巻1号(1982年1月発行)
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9巻12号(1981年12月発行)
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9巻9号(1981年9月発行)
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9巻7号(1981年7月発行)
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技術講座 検体の取り扱いと保存
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技術講座 一般
4巻1号(1976年1月発行)
技術講座 一般
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技術講座 一般
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技術講座 一般
3巻7号(1975年8月発行)
特集 必修 日常検査の実技
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