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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術38巻4号

2010年04月発行

雑誌目次

病気のはなし

原発性胆汁性肝硬変

著者: 広石和正 ,   大森里紗 ,   井廻道夫

ページ範囲:P.248 - P.252

サマリー

 原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis,PBC)は,中年以降の女性に好発し,慢性肝内胆汁うっ滞をきたす疾患である.血中に抗ミトコンドリア抗体が高頻度に検出され,肝病理組織像では慢性非化膿性破壊性胆管炎が認められることがこの疾患の特徴である.初発症状は皮膚掻痒感が多く,黄疸で発症する例もみられるが,多くは健診などで発見され無症状で経過する.胆汁酸製剤を用いた内科的治療が奏効するが,高度の黄疸例や食道静脈瘤合併例は肝不全に至ることがある.早期発見と適切な経過観察が必要である.

技術講座 生理

―ステップアップのための画像診断入門・2―胸部画像診断(胸部単純 X線撮影)②

著者: 西本優子 ,   東野貴徳 ,   野間恵之

ページ範囲:P.253 - P.256

新しい知見

 胸部単純X線写真のデジタル化に伴い,新たな画像処理技術が開発され,臨床に用いられるようになっている.コンピュータ支援診断(computer aided diagnosis,CAD)は,画像情報から臨床的に有用性の高い特徴量を抽出し,コンピュータで解析を行い,読影者に解析結果を提供して診断の助けとするものである.一方,元画像に処理を施して病変の検出能を向上させるものとして,エネルギーサブトラクション法と経時的差分画像がある.エネルギーサブトラクション法は,胸部単純X線写真で病変検出の妨げとなる骨性胸郭を除去するもので,胸腔内だけを観察することができる.経時差分画像は,骨性胸郭だけでなく,病変以外のすべての陰影を取り除き,病変を強調する方法である.時期の異なる2画像を処理して新たな病変を検出するので,経年的に胸部単純X線写真を撮影する肺癌検診の見落とし防止に効果が期待される.

生化学

―ホルモンの測定シリーズ・13 膵臓・消化管系:2―インスリン,Cペプチド,インスリン抗体

著者: 金重勝博

ページ範囲:P.257 - P.260

新しい知見

 最近,インスリン自己抗体の測定に関して新しい高感度な測定法が開発され,その方法を元にしたインスリン自己抗体測定キットが市販された.従来の方法では感度の点で不十分であった急性発症1型糖尿病や緩徐進行1型糖尿病患者の診断,早期発見に利用できる可能性があり,その有用性に期待がもたれている.

病理

抗酸菌染色のピットフォール

著者: 赤松美佐保 ,   植嶋輝久

ページ範囲:P.261 - P.266

新しい知見

 2009年2月に結核の医療基準が改正された.なかでも検査にかかわる事項として,赤血球沈降速度が削除され,培養検査を実施し陽性となった場合は必ず薬剤感受性検査を行うことを明記した.また,原則として単純X線撮影を行い必要に応じてCT検査を行うことが追記された.化学療法にかかわる事項として,リファンピシン(rifampicin,RFP)が抗結核菌薬に追加され,間歇療法が導入された.薬剤選択や投与基準量など詳細な使用方法についての規定は削除された.さらに,潜在性結核感染症の検査と診断に関する記述が追加されている.ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction,PCR)法に代わる新しい遺伝子増幅法としてloop mediated isothermal amplification(LAMP)法がある.栄研化学が独自に開発した方法で,現在は臨床試験段階にあり,2010年頃の製品化を目指し,2011年頃からその市場が立ち上がるようである.標的遺伝子の六つの領域に対して4種類のプライマーを設定し,鎖置換法を利用して一定温度で反応させることを特徴とする.増幅から検出までを1ステップの工程で行うことができ,増幅効率も高いため,高等な検査技術や専用検査装置をもたない医療機関においても遺伝子検査が可能となることが期待される.

疾患と検査値の推移

新生児黄疸

著者: 佐々木寛 ,   板橋家頭夫

ページ範囲:P.270 - P.274

はじめに

 黄疸とはビリルビン(bilirubin)により皮膚が黄染する病態である.程度の差はあるにせよすべての新生児において認められる.そのほとんどは生理的なものであり自然に軽快するが,なかには適切な治療が必要な黄疸も存在し,治療が遅れることにより核黄疸という重大な後遺症を残すこともある.そのため,治療が必要な黄疸は常に基礎疾患の存在を考慮し対処する必要がある.

オピニオン

糖尿病と生理機能検査

著者: 三浦純子

ページ範囲:P.267 - P.267

はじめに

 厚生労働省が公表した2007年国民健康・栄養調査で,糖尿病とその予備軍を含めた人が約2,210万人に推計されることがわかった.これは10年前,1997年(1,370万人)の約1.6倍であった.2,210万人とはおよそ東京都と神奈川県の総人口を合わせた人数になる.そして,現在もその数は増え続けている.本稿においては,糖尿病と生理機能検査について若干の私見を述べてみたいと思う.

今月の表紙

浸潤性微小乳頭癌

著者: 森谷卓也 ,   中島一毅

ページ範囲:P.291 - P.291

【症例の概要】

 50歳代,女性.検診マンモグラフィで左乳房A領域にスピキュラを伴う明瞭な腫瘤像を認めた.超音波検査,MRIいずれも癌が示唆され,穿刺吸引細胞診で癌細胞が確認された.乳房部分切除術および腋窩リンパ節郭清が実施され,主病巣は浸潤性微小乳頭癌と診断された.核異型は中等度,リンパ管侵襲を中等度認め,腋窩リンパ節にも転移巣がみられた.

ラボクイズ

ウイルス性肝炎

著者: 内藤勝人

ページ範囲:P.292 - P.292

3月号の解答と解説

著者: 小宮山豊

ページ範囲:P.293 - P.293

ワンポイントアドバイス

病理検査における骨髄クロット各種固定液の検討―エタノールの効用

著者: 守安岳征 ,   森地久子 ,   大森康旨 ,   西村知己 ,   雑賀興慶 ,   白瀬智之 ,   竹島通

ページ範囲:P.268 - P.269

はじめに

 最近,骨髄疾患の診断精度向上のため,病理検査に骨髄生検(主にクロット)が多く提出されるようになってきた.骨髄組織には,各種細胞系列が色々な割合で混在し,骨髄疾患の鑑別を極めて困難にしている.筆者らは,これら細胞系列を可能な限り判別可能にする精緻な組織標本の作製が最も重要と考え,骨髄クロットの固定とその染色に及ぼす影響について検討した1)

臨床医からの質問に答える

尿試験紙法による慢性腎臓病診断の可能性

著者: 星雅人 ,   小林沙織

ページ範囲:P.304 - P.305

はじめに

 近年,慢性腎臓病(chronic kidney disease,CKD)は,増加傾向にある末期腎不全の予備軍として注目されている.CKDは蛋白尿または推定糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate,eGFR)で診断でき,eGFRによって病期(1~5期)が分類される1).わが国では,検診,診療検査などで広く尿定性検査が行われており,自覚症状に乏しいCKD早期発見に貢献している.特に重要なのは尿蛋白検査であり,尿蛋白陽性者では,透析移行率が高く,早期発見・治療が望まれる.

Laboratory Practice 〈病理〉

細胞診の免疫組織化学のコツ―美しい免疫細胞化学標本を作製するために

著者: 畠榮 ,   米亮祐

ページ範囲:P.275 - P.281

はじめに

 抗原抗体反応を応用して抗原の局在を観察する免疫組織・細胞化学染色は,1980年頃から細胞診にも応用が試みられるようになり,現在では腫瘍の診断,組織型推定,悪性度評価,病原体検索などの目的で広く用いられている.従来のパパニコロウ染色による形態観察が細胞診断の“gold standard”であることは現在でも変わりはないが,これを踏まえたうえで適応を選択すれば,免疫細胞化学染色は有用な補助的診断手技となりうる.ただし,細胞診材料の場合には,標本の枚数に制限があること,通常は固定にアルコールが用いられることなどから,組織標本の場合とは異なる技術的配慮が必要となる.

 本稿で解説する美しい免疫細胞化学標本の作製にはまさに“science and arts”が必要となる.免疫細胞化学染色を行うためには自身が当該病変を的確に把握し,病理組織細胞像や抗原の局在を十分に理解していることが必須条件となる.本稿では,細胞診における免疫細胞化学染色の“コツ”となる手技を紹介するとともに,腫瘍の組織型,原発巣の推定,予後推定や悪性度評価などへの応用について述べる(表1).

大腸癌とEGFR

著者: 大井章史

ページ範囲:P.286 - P.290

はじめに

 上皮増殖因子受容体(epidermal growth factor receptor,EGFR)は細胞膜上に存在する分子量170kDaのチロシンキナーゼ受容体で,①細胞外の受容体部分,②細胞膜貫通部分,③細胞膜近傍部分,④チロシンキナーゼ部分,⑤C末端部分から構成される.同様の構造をもったEGFRファミリーには,human EGFR2(HER2)(別名ERBB2),EGFR3(HER3),EGFR4(HER4)がある(図1).リガンドであるEGFやTGFα(transforming growth factor α)が受容体に選択的に結合すると,EGFRどうし(homo-dimerization),もしくは他のEGFRファミリーメンバーと2量体を形成する(hetero-domerization).この結果,チロシンキナーゼの自己リン酸化が起こり,チロシンキナーゼが活性化され,C末端部分に存在する種々のチロシン残基がリン酸化される.このリン酸化チロシンを認識する分子や,これに結合する蛋白,酵素群が引き寄せられ,さらにリン酸化され,シグナルは次々と下流に伝えられて最終的には核に伝達され,各種の遺伝子の発現を促して,細胞増殖,分化,アポトーシスの回避,細胞周期促進を惹起する.シグナルを核内に伝える経路として,RAS-MAPK経路,PI3K/Akt経路,Jak/STAT経路の三つが重要である.MAPK経路は主に細胞の増殖と生存に関与するとされ,下流にはG蛋白質であるKRAS,セリン・スレオニンキナーゼであるBRAFがある.

 近年,EGFRを標的とする抗体が開発され,大腸癌の治療に用いられつつあるが,その適応に関して議論があり,EGFR過剰発現,EGFR遺伝子変異,遺伝子増幅さらにはKRAS,BRAFなどの下流のシグナル伝達物質の異常などが治療選択の指標として検討されている.

〈一般〉

尿中好酸球の診断的意義

著者: 宿谷賢一 ,   田中雅美 ,   下澤達雄

ページ範囲:P.282 - P.285

はじめに

 腎・泌尿器系の炎症性疾患では,尿中白血球の増加は頻繁に認められる.その大部分は好中球であることから,尿沈渣検査では,詳細な白血球分画は軽視されている.しかしながら,詳細に観察するとリンパ球,好酸球,単球が確認できる.白血球分画を確認することは病態解析の手がかりになり,臨床的意義も大きい.特に尿中好酸球の検出は,薬剤性・非薬剤性の間質性膀胱炎の診断に役立ち,尿路結石症でも尿中好酸球は認められるとの報告1)がある.

 尿中好酸球の鑑別方法としては,尿沈渣検査にて無染色やステルンハイマー染色により分類可能なときもあるが,鏡検に熟練を必要とすることから尿沈渣検査の確認は敬遠されがちである.そのため一般的に塗抹標本を作製し血球染色であるメイ・ギムザ染色などや,鼻汁中細胞染色法であるハンセル染色2)による鑑別が行われている.しかしながら,これらの方法は塗抹標本を作製しなければならず,標本作製時に細胞崩壊が起こる場合があり判定が困難である.このようなことから,筆者らはハンセル染色を尿沈渣検査に応用することで塗抹標本を作製せずに,尿沈渣中での染色が容易な日常検査に適した方法3)に改良し,尿中好酸球増多の客観的評価が容易に行えることを提唱してきた.

pHが試験紙法による尿蛋白質測定に与える影響

著者: 鈴木優治

ページ範囲:P.299 - P.302

はじめに

 pH指示薬の蛋白誤差を応用した試験紙法が尿蛋白質の定性検査,半定量検査に広く用いられている.濃縮された成分が多い尿を分析対象とする,試験紙法では測定誤差を発生させる種々の要因が存在する1,2).尿pHは生理学的には概ねpH4~8の範囲で変動し,蛋白誤差による発色が著しいpH依存性を示すことから3),その検出系はクエン酸系緩衝物質でpH3.0に緩衝化されている.検出系pHを変動させる尿中成分と検出系pHの変動で生じる測定誤差の特性について把握しておくことは,検査成績の正しい解釈に不可欠である.本稿では,試験紙法の検出系pHの変動成分および検出系pHの変動により生じる測定誤差の特性について,筆者が純物質とブロムフェノールブルー(bromphenol blue,BPB)を用いて得た結果4~6)を中心に述べる.

〈診療支援〉

特定健診対応臨床検査室の認定

著者: 久保野勝男

ページ範囲:P.295 - P.298

はじめに

 厚生労働省が2008年4月より40歳から74歳のすべての保険加入者に対して,内臓脂肪型肥満に着目した特定健康診査(特定健診)の実施を義務付けてから既に2年が経過している.特定健診・特定保健指導の仕組みは,40~74歳の方全員を対象として大規模な一次予防を行うという世界に例のない先駆的な取り組みとして,特に欧州先進国から注目されている.

 国の目標は,平成27年度に平成20年度と比べて糖尿病などの生活習慣病有病者・予備群を25%減少させるとしており,このために,健診によって生活習慣病の予備群をピックアップし,保健指導を通して健康な状態へ改善する者を増加させるというものである.この計画を確実にするには,適切な健診結果から保健指導対象者を選別し,適切な指導を実施することが重要となる.すなわち,保健指導対象者を選別するもととなる臨床検査値が重要な意味をもつ.どこの医療機関で健診が実施されても,均一な健診結果が得られる必要があり,そのためには健診結果を提示する臨床検査室の質の確保が必要不可欠となる.そのために,厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」の中では,健診を実施する検査室の精度管理の強化を行うことが示されている.

 このような背景から,財団法人日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board for Conformity Assessment,JAB)は,ISO15189に基づく特定健診に対応する臨床検査室(特定健診の検体検査を実施する臨床検査室として特定健診対応臨床検査室と定義した)の認定を行うことを決定し,2007年10月より受付を開始した.2010年3月現在で21の特定健診対応臨床検査室が認定されている(表1).

 本稿では,ISO15189に基づく特定健診対応臨床検査室の認定プログラムの概要について解説する.

トピックス

Stenotrophomonas maltophiliaと出血性肺炎

著者: 森慎一郎

ページ範囲:P.306 - P.307

■Stenotrophomonas maltophilia(S. maltophilia)とは

 S. maltophiliaは運動性を有するブドウ糖非発酵菌であり,その他のブドウ糖非発酵菌と同様,典型的な日和見病原体である.病原性は極めて低いため,無菌材料以外から分離された場合には,単なる菌交代現象を見ていることがほとんどであり,起炎菌と考えられるケースは稀である.しかし,医療の高度化に伴い,高度かつ遷延する免疫不全の患者が増加しており,このような患者には広域の抗菌薬が使用されることも多く,菌交代からさらに感染症を引き起こす例も,時にみられるようになっている1).本菌は本質的に多剤耐性菌であるため,感染症と診断された場合に使用できる薬剤は極めて限られており,治療に難渋することになる.また,本菌は乾燥には弱いものの,過酷な環境で生き長らえ,消毒薬にも抵抗性を示すことから,病院環境中の浴室,洗面台,ネブライザーなどの湿潤環境由来のアウトブレイクを引き起こすことがあり,院内感染対策上も重要である.実際,病院で用いられているクロルヘキシジン溶液,うがい薬,インジゴカルミン液などからの分離されたとの報告もある.

ISO15189に基づく臨床検査室認定範囲に病理学的検査室を追加

著者: 久保野勝男

ページ範囲:P.308 - P.309

はじめに

 特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)と財団法人日本適合性認定協会(The Japan Accreditation Board for Conformity Assessment,JAB)により,ISO15189:Medical Laboratories-Particular requirements for quality and competence(臨床検査室―品質と能力に関する特定要求事項)に基づく臨床検査室認定制度が開始されてから4年半が経過した.これまでに48の臨床検査室が認定を受け,その内訳は,大学病院が10,他の医療機関が9,衛生検査所24,治験検査受託施設2,健診機関3である.

 ISO15189は,ヒト由来の試料について検体検査のみならず,細胞学的検査・病理学的検査もその適用範囲に含めているが,2005年に臨床検査室認定制度を開始した当初は,検体検査をその認定範囲としており,病理学的検査は検討段階であったため認定の範囲に含めていなかった.

 臨床検査室にとって極めて重要な部分を占める病理学的検査を含めた認定が必要との観点から,その後も引き続き関連学会の協力をいただきながら検討を重ね,JABは2009年12月より申請の受付を開始した.

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あとがき

著者: 手島伸一

ページ範囲:P.312 - P.312

 先日,妻と,ミュージカル「ジェーン・エア」(松たか子主演)を観に行きました.ご存知シャーロット・ブロンテ原作の,英国が誇る世界の名作で,「お金も,美貌も,身分もない,ひとりぼっちの女性が,ひたむきに前向きに生きることにより幸福をつかむ」というシンデレラストーリーです.私は,原作と異なる展開に多少シラケてしまいましたが,妻や女性の観客の方々は感動に包まれていました.時代を超え,国を越えて名作として読み継がれ,そして多数の映画や舞台となり,そこにまた新たな感動が生まれて発展し続けるのは,やはり作者が訴える普遍的な何かに今日の私たちも共感するためでしょう.ところで,この名作が,フェミニズムの最初の文学であることをご存知でしょうか.この点から今日のわが国をみると,女性が虐げられていた170年前の英国や江戸時代とは異なり,女性の社会進出には目覚ましいものがあります.医療機関,なかでも検査科は看護部と同様に,多くの女性が指導的立場にたたれていることがわかります.

 さて,4月号の充実した内容をお届けいたしますが,ここでは第一線で御活躍の女性の先生方のご執筆を紹介いたします.“胸部画像診断(胸部単純X線撮影)②”(西本優子氏),“抗酸菌染色のピットフォール”(赤松美佐保氏)は,双方とも古くからある検査法ですが,優れた検査法として,文学史上の名作と同様に廃れることなく,むしろ技術の進歩に伴って,新しい技法・活力を加えながら発展していることがわかります.“糖尿病と生理機能検査”(三浦純子氏)は,増加しつつある重篤な糖尿病に対し,生理検査の日常業務のなかで,新しく検査科でできること,なすべきことは何かと問い続けられてこられた先生からの貴重な提言です.

 4月に新しく医療人となられた皆様に(男性でも女性でも),エールを送りたいと思います.患者の立場で検査に尽くす,医療の現場で安心して検査・診断をまかせることができるようになる,そして全人的に優れた医療人として第一線で活躍するようになる,そのような医療人を目指していただきたいと思います.「検査と技術」がそのお役にたつよう願っています.そのためには編集子自身も優れた医療人を目指す努力を続けなければ,と再確認しております.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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