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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術39巻2号

2011年02月発行

雑誌目次

病気のはなし

高安病

著者: 手塚大介 ,   石原卓 ,   磯部光章

ページ範囲:P.78 - P.83

サマリー

高安病は1908年に眼科医の高安右人が報告した疾患で,わが国の医学者の名を冠した数少ない疾患の一つでもある.わが国では若年女性に多く発症する疾患で,大動脈およびその分枝に狭窄,閉塞が生ずる大型血管炎である.血管炎による狭窄病変は,血圧の左右差,脈拍の触知不良などの乏血・虚血症状をもたらすため,本疾患は“脈なし病”と呼ばれていた.病因の本態は免疫機序が考えられているが,疾患特異的な抗原が見つかっておらず,診断はC反応性蛋白(C-reactive protein,CRP)などの非特異的なマーカーに頼っているのが現状である.

技術講座 血液

ユーグロブリンクロット溶解時間

著者: 浦野哲盟 ,   柴山知子 ,   鈴木優子

ページ範囲:P.86 - P.91

新しい知見

ユーグロブリンクロット溶解時間(euglobulin clot lysis time,ECLT)は,個々の血漿の有する線維素溶解(線溶)活性を包括的に表す古くからの測定法である.主にはプラスミノゲン・アクチベータ・インヒビター1型(plasminogen activator inhibitor-1,PAI-1)と組織型プラスミノゲン・アクチベータ(tissue type plasminogen activator,tPA)のバランスにより決まる線溶活性発現ポテンシャルを示す.炎症や脂質異常に伴う高PAI-1血症時の血栓症リスクの判定という観点からその重要性が再認識されており,近年開発が盛んなPAI-1阻害剤の効果の判定にも有用であると期待されている.

生理

肝内脈管の正常像と異常超音波像

著者: 桑山美知子 ,   竹内和男

ページ範囲:P.93 - P.100

はじめに

 超音波検査(ultrasonography,US)は,肉眼レベルの肝内の脈管であれば容易に観察でき,門脈・肝静脈・肝動脈など異なる脈管の相互関係だけでなく,併存する血栓や腫瘍栓,そして周囲の腫瘍などの異常を同時に認識できる.Bモード画像に加え,カラードプラやパルスドプラを併用すれば,USは血流の方向だけでなく,血流の性状や血流速度まで知ることができるメリットを有している.本稿では,日常のUS検査において知っておくべき代表的な肝内脈管異常(表)について概説する.

疾患と検査値の推移

骨粗鬆症

著者: 竹内靖博

ページ範囲:P.104 - P.111

骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症とは,「骨の脆弱化により,骨の強度が低下し骨折する危険度(リスク)が高まった,全身的な病態である」と定義されている.また,骨強度は骨密度(骨量)と骨質の両者により規定されると考えられている.なお,全身性の骨脆弱化をもたらす疾患として,骨軟化症などの他の代謝性骨疾患や骨形成不全症に代表される骨系統疾患は除外される.

 さらに,骨粗鬆症は,加齢や閉経以外の特定の原因を有しない原発性骨粗鬆症と,なんらかの原因疾患を背景として発症する続発性骨粗鬆症とに大別される.最近では,骨粗鬆症の増悪因子として,合併症のみならず,さまざまな生活習慣や薬剤などの関与が明らかにされている.

オピニオン

認定輸血検査技師の役割

著者: 東谷孝徳

ページ範囲:P.85 - P.85

はじめに

 今日の輸血療法において臨床検査技師の果たすべき役割は大きい.なかでも輸血療法に関する深い知識と高度な技術を有する認定輸血検査技師(以下,認定技師)には,副作用や合併症を回避し安全で適正な輸血療法の実践に向け,大きな期待が寄せられている.

今月の表紙

腺筋上皮腫

著者: 森谷卓也 ,   平川久

ページ範囲:P.113 - P.113

【症例の概要】

 50歳代,女性.4年前に乳房のしこりを摘出され,良性腫瘍と診断されていたが,最近腫瘤の再発を認めた.マンモグラフィでは高濃度腫瘤で癌が疑われた.超音波検査では,境界が明瞭平滑な分葉形の腫瘤像で,内部エコーは極低エコーの部分が主であるが等~高~無エコーの部が混在し,後方エコーは不変もしくは減弱していた.前方境界線も断裂しており,悪性を否定しえない像であった(図1).穿刺吸引細胞診の後に,摘出生検が施行され,最終的に再発性の腺筋上皮腫(adenomyoepithelioma)と診断された.

ラボクイズ

細胞診

著者: 濱川真治

ページ範囲:P.114 - P.114

1月号の解答と解説

著者: 伊瀬恵子

ページ範囲:P.115 - P.115

ワンポイントアドバイス

間違えやすい心電図―心室内変行伝導と心室性期外収縮・脚ブロック

著者: 葉山恵津子

ページ範囲:P.116 - P.117

はじめに

 ホルター心電図解析の初心者は,早期性のある右脚ブロック型のwide QRSを“心室内変行伝導〔アベレーション(aberration)〕”と考えてしまうことが多い.それは,波形の形で覚えてしまうからだと考えている.そこで,本稿ではこのwide QRSの見方をホルター心電図解析の観点から考えてみたい.ホルター心電図の長い記録には不整脈を考えるための必要な情報がいっぱい詰まっており,P波とQRS波の関係性を考えるのに適している.どのタイミングで心室内変行伝導が出現するのかを不応期の影響を考えつつ,理解してほしい.

Laboratory Practice 〈病理・細胞診〉

乳房温存術における切除断端迅速細胞診

著者: 田村元

ページ範囲:P.119 - P.122

はじめに

 乳癌手術全体に占める乳房温存術の割合は年々増加し,2008年(平成20年)度には当施設で76.2%(115例/151例)を占めていた.温存乳房内再発を防ぐために切除断端の術中迅速診断が行われるが,さまざまな方法が各施設の事情に応じて施行されているのが現状と思われる.筆者らの施設では8年程前から細胞診と組織診を併用した乳腺切除断端の迅速診断を行っている.本稿では筆者らの行っている実際の手技を紹介し,その有用性と問題点について考察してみたい.

〈診療支援〉

臨床検査のガイドラインJSLM2009を読んでみよう

著者: 岡田正彦

ページ範囲:P.123 - P.125

はじめに

 「検査や治療のやり方が病院ごとに違うのはおかしい」という声がマスメディアを通してときどき聞こえてくる.確かにそのとおりで,クリニカルパスやセコンドオピニオン外来,あるいは診断群別包括払い制度(diagnosis-procedure combination,DPC)などは,その期待に応えるための努力だったともいえる.一方,米国などでは,皆保険制度がないために生じた極端な医療格差,あるいは相次ぐ医療訴訟などに対応するため,標準的な医療を文章化しておく必要性もあった.これらさまざまな背景のもとに生まれたものが「診療ガイドライン」である.

 わが国でも1990年代に入り,多くの臨床系医学会が相次いで診療ガイドラインを刊行するようになり,今では日常診療に欠かせない存在となっている.日本臨床検査医学会(Japanese Society of Laboratory Medicine,JSLM)は,既に1989年,「日常初期診療における臨床検査の使い方・基本的検査」を刊行し,この分野での先駆けをなしている.

 一方,医療の標準化やマニュアル化は,多様性を阻み,新しい技術へのチャレンジを阻害するという側面ももっている.標準化と技術進歩は,常に裏腹な関係にあるといえる.本稿では,日本臨床検査医学会が作成した「臨床検査のガイドラインJSLM2009」(以下,「JSLM2009」)に対する筆者なりの解釈を述べるとともに,問題点,提言などについても言及してみたい.

〈病理〉

超音波内視鏡穿刺吸引細胞診検査(EUS-FNA)の実際―ベッドサイドにおける細胞検査士の役割

著者: 米田操 ,   白石泰三

ページ範囲:P.126 - P.129

はじめに

 超音波内視鏡穿刺吸引細胞診検査(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration,EUS-FNA)が十二指腸・膵領域の検査に応用されるようになり,同部位の腫瘍性病変の早期診断に重要な役割を果たしている1,2).当院では,細胞検査士がベッドサイドに出向いて標本作製をする,いわゆる出張細胞診を行っている.

 EUS-FNA時に得られる検体は,個々の症例によってさまざまな外観を呈する.これらを肉眼的に探索して,検体の性状ごとに,あるいは同一検体でもどの部分を選択的に採取するかにより適正細胞採取率が決定する.EUS-FNAにおいて細胞検査士が行う最も重要な役割は,穿刺針から排出されるさまざまな検体の中から肉眼的に細胞塊を見つけだし選択的に採取して,Diff-Quik標本,Papanicolaou標本,セルブロック標本に診断できる細胞を塗抹することである.

 本稿では,EUS-FNA時におけるベッドサイドでの役割について,標本作製,細胞所見を中心に解説する.

トピックス

心臓再同期療法(CRT)と心エコー法

著者: 田渕晴名

ページ範囲:P.133 - P.139

 心室内伝導障害が存在すると,電気興奮のタイミングが心筋の各部位で異なってくるため,心室内での収縮タイミングがずれてしまう現象〔dyssynchrony(同期不全)〕を引き起こす.左室収縮能が良好な症例ではdyssynchronyが存在しても心不全徴候をきたさず臨床的に問題となることは少ない.しかし,左室収縮能が低下している慢性心不全例ではdyssynchronyにより心不全をさらに悪化させてしまう.心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy,CRT)はdyssynchronyを改善させる臨床的に有用な治療法として施行されている.元来,心電図上左脚ブロックを有する低心機能例が適応であるが,左脚ブロックを有する低心機能例でもCRT無効(non responder)例が存在する.また,逆に右脚ブロック例やQRS幅130ms未満の脚ブロックを有さない例(narrow QRS)でもCRT有効(responder)例が存在する.これは,電気生理学的な収縮タイミングのずれと機械的な収縮タイミングのずれ(mechanical dyssynchrony)が必ずしも一致しない可能性を示唆しており,mechanical dyssynchronyをいかに評価するかが重要と考えられている.mechanical dyssynchrony評価のmodalityの一つとして心エコー検査が存在する.

jellyfish signとは

著者: 久米伸治

ページ範囲:P.139 - P.142

はじめに

 頸動脈可動性プラークのなかでも拍動性血流が作り出す血管内圧の変化によって,プラーク表面が浮き沈みするプラークのことを“モバイルプラーク(mobile plaque)”と呼んでいる1).しかし,“mobile”の辞書的意味では「可動性の,動きやすい」といった理解が一般的であることから,プラークの動きをイメージしにくい.そこで筆者らは,超音波所見上の特徴を捉えた汎用性のある名称を用いたほうがよいと考え,従来mobile plaqueとされていたプラークの動きが,あたかもクラゲ(jellyfish)の伸縮運動によく似ていることから“ジェリーフィッシュサイン(jellyfish sign)”と呼称することを提案し,このような動きを示すプラーク自体を“ジェリーフィッシュプラーク(jellyfish plaque)”として報告してきた(図1)2~4)

 本稿では,筆者らの報告を契機に最近学会などで使用されるようになってきた“jellyfish plaque”と,画像所見“jellyfish sign”について説明する.ただし,“jellyfish plaque”については学会などで認知された確定的概念とまではいえず,むしろ臨床の場において“jellyfish sign”が先取りされた形で汎用されるようになってきたというのが現状である.

けんさ外国語会話・2

採血〈中国語編〉

著者: 医療通訳研究会

ページ範囲:P.143 - P.143

日本語

採血
①○○さん,どうぞ(△番の方,どうぞ).
②このイスに座って,楽にしてお待ちください.
③検査のために○ml採血を行いますので,お名前を確認させてください.
④採血を行いますので,腕を出していただけますか.
⑤上腕を縛ります.
⑥アルコールで消毒しますが,アレルギーなどはありませんか.
⑦はりを刺しますので,少し痛みを感じます.
⑧採血は終了しました.このバンドエイドを数分間押さえていただけますか.
⑨バンドエイドは数時間したら剝がして結構です.
⑩うまく採血できなかったので,もう一度採血させていただけますか.

コーヒーブレイク

ブランチラボから自主運営回帰―第4回 奮闘編

著者: 木村浩則

ページ範囲:P.102 - P.102

 自動分析機の導入が決まった.業務効率化の第一関門を突破したが,まだまだ情報系のインフラの整備が遅れている.もっと高機能な検査システムがほしい.偶然にも放射線画像の院内配信の話が持ち上がる.これに乗じて検体検査のシステム化の話を事務長に持ちかけてみる.「以前から事務長は院内検査と外注検査が一元化されていないとおっしゃっていましたよね.これを一元化し検査進行状況まで外来診察室で確認できるシステムの導入をお願いできませんか?」診察前迅速検査管理加算とインフォームド・コンセントの患者サービスを盾に説得してみる.「やりたいことはわかった.でも導入費用が高すぎないかね」と切り返された.確かに高い,高いはずだ.検査データ検証機能やリアルタイム報告書の自動出力機能まで盛り込んだシステムである.しかし完成すれば,1~2年の新人技師でも10数年以上のベテラン技師でも同じデータが出せる.価格を抑えるしかない.メーカーとの価格交渉の開始である.何度検討しても価格が下がらない,しかし機能は削れない,ジレンマである.数か月が経過し半分あきらめかけた頃,突然事務長より呼び出しがかかる.

 「本当にこのシステムは大丈夫なのかね」

IFCC-General Conferenceに参加して

著者: 濱﨑直孝

ページ範囲:P.118 - P.118

 昨年,ギリシャのコルフ島で4月18日,19日に開催されたIFCC(国際臨床化学連合)のGeneral Conference(IFCC-GC)とそれに先立ち16日,17日に開催された学術部門会議(IFCC-SD-EC会議)に参加してきました.IFCC-GCは3年毎に開催され各国臨床化学会の代表やIFCC傘下のコミティー(Committee)やワーキンググループ(Working Group,WG)の主要メンバーが参加してIFCCの学術活動に関して過去を振り返り,そのうえでそれぞれのグループの今後の方針を決定する重要な会議です.この会議に参加するのは2回目で,初めての参加は2004年にチュニジアのスースで開催された会議に日本臨床化学会会長(当時)として参加いたしました.そのときは,IFCC-GCの重要な役割を本当には理解しておらず,ヨーロッパの代表的な高級リゾート地で開催されていたので,IFCC会員各国の指導者たちの顔合わせの親睦会議だと大きな認識違いを犯しておりました.実際は,IFCC-GCもそれに先立って開催されるIFCC-SD-EC会議も,もっと重要な役目を課せられている会議です.IFCC-SD-EC会議は,私を含めた6名の学術委員(SD-EC-member)と4名の関連組織(IRMM,NIST,JCTLM,企業代表)メンバー,計10名で構成されています.IFCC-SD-ECのメンバー(学術委員)は,就任時に担当するコミティーやWGを決められ,常日頃からその活動が適切に行われているかを見守っているのですが,IFCC-GC開催に先立って開催されるIFCC-SD-EC会議では,各コミティーやWGの活動についてヒアリングを行い,IFCC-SD-ECのメンバー相互協議でその方向性を是正したり,極端な場合は,活動グループ(コミティーやWG)の廃止を決定したりいたします.これらの決定をIFCC会員各国やコミティー,WGのメンバーに周知し意見を聴取する目的でIFCC-GCが開催される仕組みだったのです.現在,IFCCでは19の活動グループ(6コミティーと13WG)が動いておりますが,IFCC-SD-EC会議ではそれぞれの活動グループから約30分程度のヒアリングを行いますので,ほぼ2日間かかるのです.

飛行機と医療の深い関係―③安心した旅行のために皆さんができる工夫

著者: 佐藤健一

ページ範囲:P.131 - P.131

 前回2回で,航空機内で健康であっても体に起こりうる変化と,どのような急変が起こりやすいか,またどのような流れで対処されていくかを書きました.今回は皆さんやご家族の方が実際に乗られる際に役立つポイントをまとめていきましょう.

 まず持病があるかどうかで大きく方向性が変わってきます.慢性疾患などの持病がある方は,まず主治医に相談されることが多いと思いますが,機内で体に及ぶ影響について情報が少ないこともあり,必ずしもすべての医師が注意すべき点についてアドバイスできるとは限りません.僕自身が相談された際は以下のような点をアドバイスしています.

INFORMATION

平成22年度 第3回細胞診従事者講習会(東京都生活習慣病検診従事者講習会)

ページ範囲:P.83 - P.83

対 象:都内の施設で,現に癌の細胞診検査に従事している細胞検査士など

日 時:2011年2月5日(土) 9:00~16:00

場 所:(財)東京都保健医療公社 東京都がん検診センター 3階講堂

第11回自動呼吸機能検査研究会関東部会

ページ範囲:P.84 - P.84

 自動呼吸機能検査研究会関東部会は昨年,呼吸療法認定士の方達からどのように肺機能検査を行うのかと尋ねられるケースが多くなってきたということもあり,臨床検査技師の方には正しい肺機能検査を教えられる(伝授)ように,また呼吸療法士の方には正しい肺機能検査を行うための機器の原理・測定原理・そして実際に検査を行っていただき,正しい検査結果を出せるようになりました.

 今年も,同じ内容でそれぞれの検査機器の特性を理解していただき,臨床が求める検査結果を得るための基礎知識と心構えを学び,精確な検査結果を得るための実習を行いたいと考えます.昨年同様,臨床検査技師をはじめ多くの呼吸療法士の皆さんには気兼ねなくご参加いただければと思います.

日 時:2011年3月13日(日) 10:00~16:30

会 場:フクダ電子株式会社会議室(東京・本郷)

KCJL(近畿心血管治療ジョイントライブ)2011 Co-medical

ページ範囲:P.91 - P.91

 KCJL Co-medicalでは看護セッション,虚血セッション,不整脈セッションを開催いたします.看護セッションではカテ室看護の基礎から日常業務の疑問まで取り扱っていきます.皆様の疑問解決の一助となれば幸いです.虚血セッションでは「画像診断を極める」ということでIVUS,OCTやFFRの基礎講演に加え,多くの病院からそれらの手技に関連した症例報告を行っていただきます.不整脈セッションでは「基本を学ぶ」ということで不整脈の心電図診断,心内電位の見方,ラボのノイズ対策などのレクチャーを予定しています.どちらもより深く知識が得られる内容となっています.皆様のご参加をお待ちしております.

開催日:2011年4月14日(木)~4月16日(土)

会 場:メルパルク京都,京都センチュリーホテル

細胞検査士養成機関学生募集要項(2011年度)

ページ範囲:P.100 - P.100

 臨床(衛生)検査技師の資格のある者に細胞診の検査業務に関する高度の知識と技能を授けることを目的とする.

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投稿論文募集のお知らせ

ページ範囲:P.92 - P.92

『臨床検査』2月号のお知らせ

ページ範囲:P.142 - P.142

あとがき・次号予告・ラボクイズ正解者

著者: 伊瀬恵子

ページ範囲:P.144 - P.144

 この冬はノロウイルス,インフルエンザウイルスが流行しています.昨年は新型インフルエンザウイルスの大流行でいろいろ大変でした.この原稿を書いている12月,鹿児島県出水市でロシアから越冬してきたツルから鳥インフルエンザのH5N1型のウイルスが検出されたと報道されました.養鶏場などのニワトリに感染して口蹄疫流行のときのようなパニックが起きないように祈りたいものです.ところで,インフルエンザの流行がわかる新システムが日本医師会と国立感染症研究所によって共同開発されたそうです.病院・診療所からの病名や検査・薬が記されたレセプトのデータから流行が地図上に色別されます.興味のあるかたは日医のホームページhttp://www.med.or.jpにアクセスしてみてください.

 本号の病気のはなし「高安病」は100年も前に日本人が報告した疾患だそうです(私は全然知らなかったのですが電子辞書にはくわしく載っていました).脈なし病と呼ばれ大動脈から分枝したところで免疫反応に伴う炎症のため大動脈の内腔が狭くなるもので難病指定されているそうです.特に,心エコーや頸動脈エコーの検査をされているかたは一読してください.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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