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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術39巻4号

2011年04月発行

雑誌目次

病気のはなし

最近のリケッチア症

著者: 髙田伸弘

ページ範囲:P.262 - P.268

サマリー

わが国にみるリケッチア症は寄生性ダニ類が媒介する病種が重要で,微小なツツガムシによるツツガムシ病,また吸血性のマダニによる紅斑熱群が挙げられる.前者は多様な媒介種が多様な菌型の共生微生物(Orientia tsutsugamushi)を保有し,古く知られながら,今なお新しい知見は引きも切らない.後者はわが国では1980年代後半からようやく実態が知られ,南西日本中心にみられる日本紅斑熱(Rickettsia japonica)が重要ながら,北日本ではユーラシア大陸共通性病種の確認も続き,今後とも遺伝解析に伴う多様な知見が得られよう.したがって,検査診断法をさらに改善し,疫学的認識を改めて臨床対応せねばならない.

技術講座 微生物

集落の観察法

著者: 小栗豊子

ページ範囲:P.269 - P.276

新しい知見

微生物検査における菌属や菌種の推定はグラム染色の形態から可能であるが,培養によって形成された集落を確認することにより一段と確かなものになり,さらに同定検査を行うことにより確定される.ブドウ球菌や腸内細菌科のような増殖の速い菌種でも同定検査結果を得るには3日を要する.感染症診断で原因微生物の迅速検出が求められる昨今,患者検体の分離培地上の集落性状から菌属や菌種が推定できる優れた培地の開発が進められている.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus,MRSA),バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococcus,VRE),ESBL(extended-spectrum β-lactamase)産生菌,Clostridium difficile,Candidaの主な菌種など,選択培地を使用することにより集落性状からほぼ確実な目的菌の推定同定が可能となった.

血液

血液凝固第XⅢ因子測定法

著者: 鈴木明子 ,   菅野信子 ,   金子誠

ページ範囲:P.277 - P.282

新しい知見

血液凝固第XⅢ因子(第XⅢ因子)は,血液凝固反応の最終段階に働き,安定化フィブリン形成による止血の完成・維持において重要な役割を果たす.以前より,第XⅢ因子の中和抗体や消費亢進が原因となり発症する出血性後天性第XⅢ因子欠乏症に関して症例報告が散見されたが,これまで実態が明らかでなかったため2009年より厚生労働省研究班による全国調査が行われている.本症例では,出血性素因の家族歴や既往歴はなく,血小板や一般的な凝固検査に異常がないにもかかわらず,突然重篤な皮下出血や後出血などの出血症状を呈する.このような原因不明の出血では,第XⅢ因子活性測定も考慮する.

疾患と検査値の推移

全身性強皮症

著者: 浅野善英

ページ範囲:P.287 - P.292

はじめに

 全身性強皮症(systemic sclerosis,SSc)は,微小血管障害と皮膚および内臓諸臓器の線維化を特徴とする原因不明の自己免疫疾患である.その臨床症状は極めて多彩であり,また個々の症例においてそれぞれの臓器病変の重症度が異なるため,本症は一見すると非常にheterogeneityに富んだ疾患のように思える.しかしながら,皮膚硬化の範囲に基づく病型分類および疾患特異的自己抗体の種類により,本症は比較的画一的な症状と経過をとるいくつかのsubtypeに分類することができる.本稿では最初にSScの疫学・臨床症状および病型分類と自己抗体について解説し,次にSScの診療において役立つ臨床検査値とその変動,およびその解釈方法について述べる.

オピニオン

働きながら学ぶ―修士,さらに博士を目指して

著者: 清水隆之

ページ範囲:P.284 - P.284

はじめに

 日々の業務が忙しく“学ぶ”時間がない,また“学ぶ”場所(機会)がないなど,「働きながら学ぶ」ことは難しいことだと思います.しかし,臨床検査技師として最新の知識を得るには“学ぶ”ことは必要です.「もし自宅や職場を離れず,自分のペースで最新で高度な専門知識が学べたら」そんな気持ちを叶えてくれるのが,放送大学大学院です.

 学部で10年,大学院で5年学びましたが,放送大学大学院では,「肩の力を抜いて」少しの努力と継続力で達成することができます.

今月の表紙

膵胆管合流異常症に合併した胆囊癌

著者: 内藤善哉 ,   彭為霞 ,   上田純志

ページ範囲:P.296 - P.296

【症例の概要】

 60歳代,男性.肝機能障害を認め腹部精査施行.腹部造影超音波検査にて胆囊頸部に辺縁不整で不均一に造影される腫瘤を認め,胆囊癌が疑われた.腹部CT検査や内視鏡的逆行性胆道膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography,ERCP)により胆囊頸部の腫瘤とともに総胆管の拡張を伴う膵胆管合流異常症と診断された.術中迅速診断にて腺癌と診断され,胆囊摘出術,肝部分切除術,総胆管切除術およびリンパ節廓清が施行された.

ラボクイズ

一般検査

著者: 伊瀬恵子

ページ範囲:P.294 - P.294

3月号の解答と解説

著者: 草場恵子 ,   栢森裕三

ページ範囲:P.295 - P.295

ワンポイントアドバイス

肺年齢の評価

著者: 相澤久道 ,   関塚友美

ページ範囲:P.285 - P.285

はじめに

 肺の機能は呼吸機能検査をしなければ評価できないが,現実には呼吸機能検査は普及していない.日本呼吸器学会では肺生理専門委員会を中心にスパイロメトリーの普及促進に努めてきたが,医療関係者だけでなく一般市民にもわかりやすい呼吸機能検査の指標として「肺年齢」を提唱し,普及に努めている.ここでは,肺年齢の評価について解説する.

役に立つ免疫組織化学●免疫組織化学で注目すべき抗体

乳癌とEカドヘリン

著者: 関邦彦

ページ範囲:P.297 - P.299

TDLUから発生する乳癌

 乳房は十数個の紡錘型の乳腺葉からなる.各乳腺葉は,乳頭部に開口する1本の導管(乳管)が分岐を繰り返して細くなり,終末盲端部では20~40個の小葉に分かれる.小葉の腺房細胞は授乳期を除けば導管上皮とほとんど変わりがないことから“細乳管”とも呼ばれている.小葉直前の終末乳管と小葉内の腺房までの乳管(導管)は,乳管系の末梢に位置し,ホルモン感受性組織terminal duct-lobular units(TDLU)という特殊な組織である.乳癌の大部分はこのTDLUの上皮細胞から発生する.初めは非浸潤性乳癌として乳管内で増殖し,やがて乳管基底膜を破壊して小葉間質に広がり,浸潤性乳癌へ移行すると考えられている.

Special Topics

宇宙医学とFlight Surgeon

著者: 松本暁子

ページ範囲:P.301 - P.305

 それは,2010年4月21日の早朝のことだった.夜明けとともに地平線から刻々と白みがかる群青色のグラデーションの空には,白とオレンジ色の雲がからまるようにして幻想的な雰囲気をかもしだし,地上にいる人々の目を引きつけていた.われわれに何らかのメッセージを伝えているかのように.これまでに見たことのない何ともいえない美しい空を,私はしばらくの間,見とれていた.場所は米国フロリダ州Kennedy宇宙センター.あの雲は,Space Shuttle Discovery打ち上げが残した軌跡であった.

 その4時間ほど前,まだ周囲が暗いなか,私はロイヤルブルーのフライトスーツを着て建物の外に出た.すると,正面には報道陣がずらりと並びカメラを構え,上空にはヘリコプターが数台待機し,厳戒態勢であることがうかがわれた.私がそれまで滞在していたのは,NASA(the National Aeronautics and Space Administration)Kennedy宇宙センターのCrew Quartersといわれる隔離施設である.われわれが建物を出て車に乗り込んだ後,しばらくして同じ建物からオレンジ色の与圧服を着たSpace Shuttle Discovery号の宇宙飛行士7人が出てきた.その後,われわれはconvoyをくんで発射場へ向かい,飛行士達は宇宙へと旅立ったのである.

Laboratory Practice 〈一般〉

尿路感染症における全自動尿中有形成分分析装置UF-1000iの有用性

著者: 厚川喜子 ,   川上小夜子 ,   斧康雄 ,   古川泰司 ,   宮澤幸久

ページ範囲:P.307 - P.312

はじめに

 尿路感染症(urinary tract infection,UTI)の診断には,尿中の白血球数および細菌数の有意な増加の証明が必要とされている.

 全自動尿中有形成分分析装置UF-1000i(シスメックス社)は,フローサイトメトリー法による尿沈渣分析装置UF-110iの後継機種で,尿中の赤血球,白血球,上皮細胞,円柱を測定するチャンネルとは別に細菌専用測定チャンネルを設置し,細菌数の測定精度を向上させた機種である.その他にも,酵母様真菌,精子,結晶,小型円形細胞,粘液糸,細胞成分などを含む病的な円柱も定量表示が可能であり,さまざまな疾患のスクリーニング検査として使用される(図1).

 本稿では,尿路感染症の迅速診断におけるUF-1000iの有用性について概説する.

〈微生物〉

市中感染型MRSA感染症

著者: 宮城郁乃 ,   山根誠久

ページ範囲:P.313 - P.317

はじめに

 2010年1月,沖縄近海を航行中の貨物船より緊急コールがあり,意識不明のフィリピン人船員がヘリコプターにて搬送されてきた.広汎な臀部膿瘍があり,この病変部よりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus,MRSA)が分離された(図1).昨今話題となっている典型的な市中感染型MRSA感染症であり,迅速で適切な診断と治療により救命された.

 1960年代に出現したMRSAは,その名称の由来となったペニシリナーゼ抵抗性ペニシリンにとどまらず,広い範囲のβ-ラクタム系薬をはじめとする数多くの抗菌薬に耐性を示す超多剤耐性菌として,今や世界的な,最も代表的な院内感染の原因菌となった.ところが,2000年代になり,市中感染型MRSA(community-acquired methicillin-resistant S. aureus,CA-MRSA)がにわかに注目されるようになっている.その理由は,特に易感染リスクのない健康なヒト(壮健なフィリピン人船員)が感染し,その病像が極めて重症(広汎な臀部膿瘍から意識不明となり,救急救命措置が必要となった)であり,しかもその頻度が急増しているという点にある.このCA-MRSAは北米,ヨーロッパ,オセアニア,東アジアと,現在では世界各地から報告が続き1~4),世界的に大きな脅威となっている.本稿では,自験例の紹介とともに,CA-MRSAの定義と疫学,Panton-Valentine leukocidin(PVL)などのCA-MRSAの病因因子についても解説していく.

〈生化学〉

3次元電気泳動法の臨床応用

著者: 中野恵一 ,   森山隆則

ページ範囲:P.318 - P.320

はじめに

 3次元電気泳動(three dimensional gel electrophoresis,3DE)法は,アガロース電気泳動,等電点電気泳動(isoelectric focusing,IEF)およびsodium dodecyl sulfate-polyaclylamide gel electrophoresis(SDS-PAGE)法を組み合わせたものである.3-DE法の特徴は,M蛋白解析に広く用いられてきた2-DE(IEF/SDS-PAGE)法における残余正常免疫グロブリンや他クローン産生M蛋白などの共存蛋白質による影響を回避し,単一クローン産生のM蛋白にのみ焦点を当て解析することが可能であることである.しかしながら,3-DE法を用いたM蛋白解析に関する報告が散見される一方,その方法は定まっていない.従来,アガロース電気泳動法にて分離されたM蛋白は,市販のゲルフィルムから変性・還元溶液を用いて抽出されてきたが,Vuら1)はアガロースゲルからM蛋白の抽出法を改良し,溶液を用いることなく遠心分離により抽出した.しかしながら,方法に改良が成されているものの,その改良に対する評価は全く実施されていない.そこで筆者らは,現在までに,3-DE法の至適条件を検討し,確立した方法を応用してM蛋白多様性解析を実施してきた.

 本稿では,筆者らの確立したmodified 3-DE法について総括し,筆者らが実施したM蛋白多様性解析および臨床応用への展望について解説する.

臨床医からの質問に答える

ヘパリン療法時のAPTT値が施設などによって大きく異なるのはなぜですか

著者: 山﨑哲

ページ範囲:P.321 - P.323

はじめに

 活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time,APTT)は,プロトロンビン時間(prothrombin time,PT)とともに最も一般的に行われている凝固検査である.その検査目的は,内因系凝固機能のスクリーニングや未分画ヘパリン療法のモニタリングが中心となっていたが,近年では,ループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant,LA)や凝固因子に対するインヒビターなど,さまざまな凝固異常症が対象となるため,その検査目的は多様化している.

 APTTについても,その標準化が国内外を問わず以前より検討されてきたが,いまだ標準化には至っていない1,2).日本検査血液学会の血栓止血検査標準化小委員会においてAPTT標準化に向けた検討に着手する方針となったが,基礎的検討をもとに方向性が検討されている段階にある.

トピックス

検体検査管理加算の最新情報

著者: 東條尚子 ,   宮澤幸久

ページ範囲:P.325 - P.327

はじめに

 保険医療機関で行われる療養費の額は,1点の単価を10円として,診療報酬点数表に定める点数を乗じて算定する.例えば,血液を採取して臨床検査を行った場合の診療料は,血液採取料+検体検査実施料+検体検査判断料で算定する.これに加え,検体検査管理に関する施設基準に適合しているものとして地方厚生労働局などに届け出た保険医療機関においては,“検体検査管理加算”を算定することができる.ここでは,最新の検体検査管理加算について説明する.

線維筋痛症と脊椎関節炎―臨床検査から考える

著者: 浦野房三

ページ範囲:P.327 - P.330

はじめに

 線維筋痛症は,近年さまざまな経緯を経て多くの医療関係者に知られることとなったが,器質的疾患ではないため数々の問題を生じている.一方,わが国では同様に広範囲の疼痛を訴える脊椎関節炎,特に強直性脊椎炎などの疾患概念が十分に行き渡っていないため,確定診断に至るまで患者は相当の辛苦に耐えなければならない.この状況を打破するために,医療関係者は線維筋痛症の理解以上に脊椎関節炎を直視し,真摯に研鑽を積んでいただきたいと思う.

けんさ外国語会話・4

採血〈スペイン語編〉

著者: 医療通訳研究会

ページ範囲:P.331 - P.331

日本語

採血
①○○さん,どうぞ(△番の方,どうぞ).
②このイスに座って,楽にしてお待ちください.
③検査のために○ml採血を行いますので,お名前を確認させてください.
④採血を行いますので,腕を出していただけますか.
⑤上腕を縛ります.
⑥アルコールで消毒しますが,アレルギーなどはありませんか.
⑦はりを刺しますので,少し痛みを感じます.
⑧採血は終了しました.このバンドエイドを数分間押さえていただけますか.
⑨バンドエイドは数時間したら剥がして結構です.
⑩うまく採血できなかったので,もう一度採血させていただけますか.

コーヒーブレイク

検査と人格―映画『ガタカ』について

著者: 鈴木晃仁

ページ範囲:P.286 - P.286

 今月から三回にわたって,文系の医療研究者の「コーヒーブレイク」にお付き合いください.


 1990年代ころから,アメリカを中心に,メディカル・ヒューマニティーズという学問のジャンルが形成されている.バイオエシックス,医療人類学,医学史などをゆるく一つに括った領域で,哲学,人類学,歴史といった人文系の学問に携わる研究者と,医療について実地の経験をもちながらこれらの学問を学んだ研究者の双方がいる領域である.そのなかで比較的新しい分野で急成長をとげているのが「医学と文学」(Medicine and Literature)である.基本は,文学を中心に芸術作品から医療についての洞察を得ようとする学問である.かつてのバイオエシックスが,医療行為の倫理的な分析に基づいて,医療がしてよいこと・してはいけないことの間に境界を引いて法的な手続きを定めるという,行政による医療の規制ということに主眼をおいていたのに対し,「医学と文学」は,文学や芸術が与えてくれる人間性への深い洞察を医療を考えるうえで参考にしようという基本的な姿勢をもち,医療者にも人気が高い.その活発な活動の一端を知るには,ニューヨーク大学の医学部が10年以上にわたってウェブ上で構築してきたデータベース(The Literature, Arts, and Medicine Database)をご覧いただきたい.

気になる体と「検査カフェ」

著者: 池田勝義

ページ範囲:P.324 - P.324

 「特定健康診査」,通称「メタボ健診」が始まって3年目に入った.国民の生活習慣病予防対策に功を奏したのだろうか.テレビや新聞,雑誌に取り上げられる回数は増えたようで,よく目にとまるようになってきたし,健康食品やサプリメント,健康関連グッズのコマーシャルなどは格段に増えてきたように思う.健康への関心は次第に高まってきているようだ.しかし,特定保健指導を受けて,「△△を食べてはならない」,「××カロリーを消費するための運動は…」と指導されても,100%実行するのには根気が必要だろう.楽に,手軽によい体を作っていくのは難しい.

 私も「メタボ」が気になる年頃である.何かあったら,家族や職場の同僚や友人に申し訳ないと,予防できるものなら頑張ろうと気合いを入れて,「1日1時間,運動する時間が作れないわけがない」と自分に言い聞かせてはいるものの,週3~4回がせいぜいである.仕事から帰ってジムに行くので,夜10時過ぎになるが,こんな時間でもジムは仕事帰りの人たちで賑やかである.普段,仕事をしていて流れる汗をかくことはほとんどないので,体を動かして一汗かくのは気持ちがよい.通っていると,だんだん顔見知りも増え,これも楽しみの一つとなってくる.なかにはマッチョなおじいさんもおられて,「負けてられんわ!」と気合いが入る.

INFORMATION

第3回免疫血清学技術講習会―これだけは知っておこう―輸血検査と間接蛍光抗体法 初級編―

ページ範囲:P.312 - P.312

一般血清学を基本とし日常検査に通用する技術を習得するとともに,安全な輸血検査の基本的操作の習得を目指す.

対象者:免疫血清検査に従事する者,または深く関心を抱く臨床検査技師

  日本臨床衛生検査技師会生涯教育研修:専門教科履修の対象となります.

日 時:2011年5月29日(日) 9:30~15:30(9:00から受付開始)

場 所:新渡戸文化短期大学 臨床検査学科

第41回平衡機能検査技術講習会

ページ範囲:P.323 - P.323

会 期:7月19日(火)~23日(土)

会 場:興和創薬(株) 東京支店 11F大ホール

    (東京都中央区)

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投稿論文募集のお知らせ

ページ範囲:P.268 - P.268

バックナンバーの取り扱い

ページ範囲:P.299 - P.299

『臨床検査』4月号のお知らせ

ページ範囲:P.330 - P.330

あとがき・次号予告・ラボクイズ正解者

著者: 種村正

ページ範囲:P.332 - P.332

 “検査と技術”の編集委員を担当するようになって1年が経とうとしています.学会誌の編集委員は15年以上務めていますが,医学雑誌の編集委員は初めてです.まず,驚いたのは企画の多さです.約2か月に一度編集会議が開催されるのですが,年度初めには年間を通してのシリーズ企画が決定されます.それから,過去5年間に掲載されておらず,かつ,旬に合ったテーマを各委員が毎回10本近く提案し,活発な審議の上採否が決まります.学会誌は投稿された論文を審査して掲載するのですが,医学雑誌は読者に興味をもってもらえるテーマを企画し,多彩な誌面作りをすることが使命です.その大変さに戸惑いを感じています.編集委員としては力不足ですが,視野を広げ他領域のことを学ぶ良い機会を得たのだと解釈し,日常検査に役立つ企画を提案していこうと思っています.

 さて,4月は新入生,新人職員がやってくる季節です.新しい仲間が増え,学校も職場もなんだか華やいできます.そんな時こそ,心機一転,新しいことにチャレンジするよい機会です.4月号も内容盛りだくさんですが,Special Topicsとして「宇宙医学とFlight Surgeon」が掲載されています.Space Shuttleに搭乗する宇宙飛行士の主治医を務める松本暁子先生の生原稿を拝読できるとは,なんと幸運なことでしょう.また,オピニオンでは「働きながら学ぶ 修士,さらに博士を目指して」が掲載されています.かくいう私も働きながら,大学,大学院を卒業し工学博士を取得しました.現在では門戸を広げている大学,大学院も多いので調べてみることもご一考です.病気のはなしは「最近のリケッチア症」です.リケッチア症とはどんな病気か,どんな種類があり,どのように分布しているのか,興味深いのでぜひご熟読ください.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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