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雑誌目次

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検査と技術41巻10号

2013年09月発行

雑誌目次

増刊号 解剖と正常像がわかる! エコーの撮り方完全マスター

カラー解剖図

ページ範囲:P.812 - P.815

執筆者一覧

ページ範囲:P.816 - P.816

はじめに

著者: 種村正

ページ範囲:P.817 - P.817

 「見たら解る.読めばもっと解る」

をコンセプトに,今までありそうでなかった増刊号を創りました.この増刊号は初心者のための入門書です.

 超音波検査に携わるようになった初心者にとって,まず必要なことは検査ができるようになることです.そのためには,プローブの持ち方,装置の操作法,解剖学的知識から順に覚え,スキャン法,正常画像,代表的断面の描出法を練習しながら覚えていく必要があります.その後,経験を積みながら疾患や病態の知識を深めていくことで,やっと一人前のソノグラファーになれるのです.

Ⅰ章 【総論】装置の操作法,プローブの持ち方など

著者: 種村正

ページ範囲:P.829 - P.836

「千里の道も一歩」から

 超音波検査の基本は断層法である.まずは断層画像をうまく描出できるようにしなければならない.そのためには,正しい断面がどのようなものかを見て覚え,その画像に近づけるためにはプローブをどう動かせばよいのかを身体で覚える必要がある.ここでは,誰もが最初にマスターすべき基本的事項について述べる.

Ⅱ章 肝胆膵脾

著者: 丸山憲一 ,   工藤岳秀

ページ範囲:P.837 - P.860

 超音波検査は,よく客観性の乏しい検査といわれる.これはCTやMRI検査と異なり,検者の知識や力量が検査結果に大きく影響を与えてしまうからである.しかし担当医からの情報と画像だけを見て診断するCTやMRI検査と違い,超音波検査は患者と直に接し,痛いところを触り,そこにプローブをあて,リアルタイムに起こる変化を実感しながら病態を考えて検査を進めていくため,むしろ今の医療には欠かせない重要性をもっていると思われる.しかも,被曝もなく安全であり,ポータビリティに優れる.とはいえ,断層画像をうまく描出できるようになるにはかなりの時間と練習が必要となる.そこで本章では,この時間を少しでも短縮できるように,超音波解剖と断層画像を多く用いて,スクリーニング検査の基本断面について説明する.

Ⅲ章 泌尿器(腎)・前立腺・婦人科

著者: 丸山憲一 ,   三塚幸夫 ,   八鍬恒芳

ページ範囲:P.861 - P.882

 超音波検査は各領域において,“聴診器”と称されるほど身近でかつ手軽な検査法である.しかし,泌尿器・婦人科領域においては消化管ガスの影響が強く,特に膀胱や前立腺,子宮や卵巣に関しては漠然とプローブをあてても,診断の手がかりを探ることはできない.そこで本章では,泌尿器・婦人科領域の基本断面となる断層画像の説明と,その断層画像を描出するためのちょっとしたテクニックなどのアドバイスを付け加えて説明する.

Ⅳ章 消化管

著者: 浅野幸宏 ,   長谷川雄一

ページ範囲:P.883 - P.898

 消化管の走査は,ガス像を追跡しながら連続的に観察する系統的走査が基本となる.解剖学的特徴を理解し,固定点となる腹部食道,十二指腸,上行・下行結腸,直腸を確実に同定することが重要となる.走査に迷いが生じた際には固定点に戻り,解剖学的位置関係をはっきりとさせる習慣を身につけるとよい.

Ⅴ章 心臓〈断層法・Mモード法〉

著者: 岡庭裕貴

ページ範囲:P.899 - P.926

「基本はやはり断層法」

 心エコー図検査を樹木に喩えると,「断層法」は幹であり「Mモード法」や「ドプラ法」は枝葉にあたる.幹がしっかりとしていない樹木は,風雪に負けて折れてしまう.これと同様に,心エコー図検査では骨格となる「断層法」が基本であり,これが歪んでいてはどんなに立派な枝葉が付いていても正しい検査結果を導き出すことはできない.

 そこでここでは,正しい断面像とその描出方法について解説し,計測のポイントについて述べる.

Ⅵ章 心臓〈ドプラ法〉

著者: 種村正

ページ範囲:P.927 - P.938

 ドプラ法にはカラードプラ法,パルスドプラ法,連続波ドプラ法の3種類がある.心エコーではこれらの手法を駆使して弁逆流や異常血流の評価を行わなければならない.それぞれの特徴と用途を表Ⅵ-1に示した.

Ⅶ章 血管〈頸動脈,腎動脈〉

著者: 小谷敦志

ページ範囲:P.939 - P.964

 頸動脈エコーの対象には総頸動脈,内外頸動脈,椎骨動脈が含まれる.これらの評価には,動脈硬化の指標とされる0.1mm単位の内中膜複合体厚を計測することやプラークの重症度評価などがある.また,パルスドプラ法で血流波形を観察することで,病変部位の重症度の診断や描出範囲外の病変の推定などが可能である.現在広く行われている血管内治療前後の評価にも頸動脈エコーは有用である.

 腎動脈エコーには,腎動脈と腎臓の評価が含まれる.腎動脈エコーの目的の多くは,腎動脈狭窄症によって起こる腎血管性高血圧の診断である.粥状硬化症が多くの原因を占める腎動脈狭窄症は腎動脈起始部に好発し,ドプラ法を使って診断する.また,腎臓の実質内の血流や長径を評価することで腎機能も評価可能である.

Ⅷ章 血管〈腹部大動脈・下肢動脈・下肢静脈〉

著者: 八鍬恒芳

ページ範囲:P.965 - P.988

為せば成る

血管エコーは,広範囲の観察が必要であり,マスターするのが困難と思われがちである.しかし,どんな部位でも観察しているのはすべて同じ「血管」である.難しく考えず,まずは解剖を思い描きながらプローブをあて,トライしてみることが肝要である.ここでは基本的な血管観察の手法について述べる.

Ⅸ章 体表臓器〈乳腺・甲状腺・唾液腺〉

著者: 武山茂

ページ範囲:P.989 - P.1009

 表在臓器領域は,皮膚から浅い位置に存在するため,超音波検査の得意とするところである.乳腺・甲状腺・唾液腺の超音波検査の基本走査法と検査時のチェックポイントを紹介する.

Ⅹ章 整形領域

著者: 石崎一穂

ページ範囲:P.1011 - P.1026

整形領域では,運動器と呼ばれる組織とそれらで構成される関節を観察する.

主として高周波プローブを使用する.

他の領域と異なり,関節を観る際には,目的に応じた肢位をとる必要がある.

検査に際しては適正な視野深度と画質になるように微調整する.

描出したい組織に超音波ビームが垂直にあたるようにプローブを走査する.

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あとがき

ページ範囲:P.1028 - P.1028

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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