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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術41巻12号

2013年11月発行

雑誌目次

病気のはなし

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

著者: 冨山佳昭

ページ範囲:P.1114 - P.1119

サマリー

特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura,ITP)は,抗血小板膜糖蛋白(glycoprotein,GP)Ⅱb-Ⅲaや抗GPⅠb-Ⅸなどの抗血小板自己抗体によって脾臓での血小板破壊が亢進し,また,血小板減少をきたす後天性の自己免疫疾患である.最近,ITPにおいて血小板造血も障害されていることが明らかとなってきた.ITPの診断は除外診断が主体であるが,その病態が明らかにされるに従って,網状血小板比率(%)や血漿トロンボポエチン(thrombopoietin,TPO)濃度など,病態に即した検査法の有用性が明らかにされつつある.本稿では,ITPの病態とその検査法とともに,新たな治療薬であるTPO受容体作動薬に関して述べる.

技術講座 生理

経食道心エコー検査で観察するポイント

著者: 中尾倫子 ,   大門雅夫

ページ範囲:P.1120 - P.1125

新しい知見

三次元経食道心エコーの登場によって,弁膜症疾患の術前に,弁の構造を立体的に把握することが可能となった.近年,開胸手術のリスクが高い高度大動脈弁狭窄症患者に対する経カテーテル的大動脈弁置換術(transcatheter aortic valve replacement,TAVR)や,心房中隔欠損症(atrial septal defect,ASD)に対するASO(AMPLATZER® Septal Occluder)を用いた経カテーテル的ASD孔閉鎖術が行われるようになり,術前の評価,適応の判断および術中のモニタリングにおいて,経食道心エコー検査(transesophageal echocardiography,TEE)は重要な役割を果たしている.

シリーズ 血流を診る・2

超音波―VFM®(vector flow mapping)

著者: 板谷慶一 ,   宮地鑑

ページ範囲:P.1126 - P.1132

新しい知見

近年,心臓血管系の画像技術は飛躍的に進歩しており,従来の白黒静止画像からカラー動画へと移り変わり,形態診断から機能診断を主体とするように変貌を遂げつつある.このような技術的進歩に伴って,近年は心臓超音波や放射線画像を用いて心室内の血流の動きを目に見えるようにする技術(可視化技術)が注目されるようになり,心室内に発生するさまざまな時相でのさまざまな役割を果たす渦流が手に取るようにわかるようになってきた.このような血流の動態をダイナミックに表示する技術は魅惑的な動画を提示するのみならず,血流速度分布を系統的に記述することが可能であるため,心臓血管内腔における血流の環境の変化を視覚的にも定量的にも捉えることを可能にするものであり,循環器生理学や循環器診療に新たな視点をもたらしうるものして期待されている.本稿では,心臓超音波を用いた血流可視化技術と,筆者らの研究室で開発されたVFM®(vector flow mapping:日立アロカメディカル社)を紹介し,VFM®によって心臓内の血流や渦流がどのように見え,どのような意義をもち,解明されるようになってきたかを報告する.

生化学

持続グルコースモニター検査―当院検査部における外来CGMの運用

著者: 小野佳一 ,   大竹奈都子 ,   鈴木淳史 ,   蔵野信

ページ範囲:P.1134 - P.1140

新しい知見

当院では,CGM(持続グルコースモニター:continuous glucose monitoring,CGM)パラメーターから自己血糖測定(self monitoring of blood glucose,SMBG)の有用性と限界点を考察した.
①平均的な血糖コントロール状態を示す指標には,HbA1c(hemoglobin A1c)〔本稿におけるHbA1cは2012年4月に標準化されたNGSP(national glycohemoglobin standardization program)値で表示する〕やグリコアルブミンが用いられるが,肝硬変や腎不全などがある患者においては,正確に血糖コントロール状態を示しているとはいい難い.そこで,SMBGパラメーターと,CGM検査から算出した平均血糖値を比較したところ,複数回のSMBG測定値の和,特に各食前のSMBG値の和が最もよく平均血糖値を反映していた.
②一方で,血糖変動については,SMBGでは実際の血糖変動幅を十分に反映できているとは言いにくく,またSMBGでは捉えられない夜間早朝の低血糖の存在も約2割の患者でみられた.以上は第60回日本臨床検査医学会学術集会(2013年,神戸市)で発表する予定である.

疾患と検査値の推移

発作性夜間ヘモグロビン尿症

著者: 山本正樹 ,   西村純一

ページ範囲:P.1142 - P.1146

疾患・病態の概説

 発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria,PNH)は,造血幹細胞のPIGA(phosphatidylinositol glycan class A)遺伝子に後天性の変異が起こり,GPI(glycosyl phosphatidyl inositol)アンカー型蛋白の合成障害をきたし,CD59やCD55といったGPIアンカー型の補体制御因子を欠損するPNH型血球が,補体の活性化に伴い血管内溶血を起こす疾患である.再生不良性貧血を代表とする骨髄不全疾患としばしば合併,相互移行する.PNHはまれな疾患であり,発生頻度は100万人当たり1~2人と推定される.診断時年齢は,わが国では20~60歳代に満遍なく発症し,中央値は45.1歳である1)

 PNHの3大症状は,血管内溶血,骨髄不全,血栓症であるが,それぞれの程度とバランスは症例ごとに大きく異なる.また,PNHの溶血は疲労感,腹痛,嚥下障害,勃起不全などのさまざまな症状と関連し,血栓症の要因となったり,腎不全や肝障害などの臓器障害の原因となったりする(図1).

臨床検査のピットフォール

採血直後の血小板凝集能検査

著者: 佐藤金夫

ページ範囲:P.1147 - P.1149

はじめに

 血小板凝集能検査は血小板機能異常症のスクリーニングや診断に用いられるとともに,抗血小板薬の薬効モニタリングや血小板機能亢進の判定に利用されている.血小板凝集能検査には多血小板血漿を用いる方法と全血を用いる方法の2つに大別され,前者が主流となっているが,欧米では後者が急速に普及しつつある.

 今回のテーマは“採血直後”の血小板凝集能検査となっているが,多血小板血漿を用いる方法では測定試料を作製するのに遠心が必要であり,測定準備が整うまでに時間を要することから“採血直後”に検査はできないので,本稿では全血法による血小板凝集能検査について解説する.

オピニオン

ノロウイルス感染症と血液型

著者: 中込治

ページ範囲:P.1150 - P.1150

 ノロウイルスは,乳幼児から成人に至るウイルス性胃腸炎の原因であり,わが国では年間数百万人の感染者が発生していると推定される.ノロウイルスの病原診断は以前は一部の研究機関に限られていたが,免疫クロマト法による検出が臨床検査の第一線で使われる時代になり,検査技師にとって身近な存在となっている.

 腸管をはじめ,粘膜表面上にはさまざまな糖鎖が発現している.ノロウイルスはこのような糖鎖からなる組織血液型抗原(histo-blood group antigen,HBGA)に吸着することによって感染の第一歩を踏み出している.ノロウイルスのプロトタイプであるノーウォークウイルスは,腸管粘膜上に発現しているHBGAに結合する.一方,非分泌型といわれ,HBGAを唾液や精液などの体液中に分泌せず,また,粘膜上皮にも発現していない人には,ノーウォークウイルスを飲んでもらっても感染しない.ところが,腸管粘膜上に発現しているHBGAをどのようにレセプターとして使うかは,ウイルス株によって異なっている.ノロウイルスはHBGAのうち,ABO(H)型をレセプターとして使うものばかりではなく,唾液中にABH型物質が認められない非分泌型のLewis型抗原をレセプターとするものもある.ノロウイルスとHBGAとの関係は一筋縄ではいかないのだ.

今月の表紙

唾液腺導管癌

著者: 森永正二郎 ,   中嶋純子 ,   林規隆 ,   茂木章子

ページ範囲:P.1151 - P.1151

【症例の概要】

 60歳代,男性.咳を主訴として来院し,精査により耳下腺腫瘤が発見された.超音波検査で悪性腫瘍が疑われ(図1),穿刺吸引細胞診で悪性と判定されたため(図2),左耳下腺全摘術が施行された.切除組織は唾液腺導管癌と診断された(図3,4).多形腺腫の成分は認められず,de novo癌と判断された.

ラボクイズ

病理検査

著者: 船田信顕 ,   立石陽子

ページ範囲:P.1152 - P.1152

10月号の解答と解説

著者: 田村悦哉

ページ範囲:P.1153 - P.1153

けんさ質問箱

皮膚の白癬菌検査で鑑別を必要とする間違いやすい真菌と,疥癬のヒゼンダニについて鑑別を要するダニ

著者: 岩澤真理

ページ範囲:P.1154 - P.1155

Q 皮膚の白癬菌検査で鑑別を必要とする間違いやすい真菌がありましたら教えてください.

また,疥癬のヒゼンダニについても鑑別を要するダニがあれば教えてください.


A 皮膚検体から分離される真菌は,白癬菌,カンジダ,マラセチア,黒色真菌,Sporothrix schenckii,アスペルギルスなどが挙げられ,これらとの鑑別が必要となります.まず,患部から採取した検体(鱗屑,爪,毛,膿汁など)のKOH(potassium hydroxide)直接鏡検を行います.白癬菌では,着色のないやや屈曲した糸状の有隔菌糸で,時に分岐しているのが観察されます(図1a).毛への感染では,菌種により寄生形態が異なり,胞子連鎖がみられることがあります.カンジダは,着色がなく,隔壁のない仮性菌糸と酵母細胞,出芽型の胞子産生がみられます(図1b).マラセチアでは“meat ball and spaghetti型”と称される,短い菌糸と,球状の胞子が特徴的です(図1c).黒色真菌は,褐色の分岐性有隔菌糸,胞子連鎖,酵母細胞,sclerotic bodyがみられます.アスペルギルスは,隔壁があり,二分岐性で幅広く不規則な外壁を有する菌糸がみられます.S. schenckiiは通常,病巣内の酵母型細胞が極めて少数のため,直接鏡検で真菌要素を検出することはほとんどありません.

検査値を読むトレーニング 信州大学R-CPC・23

全身倦怠感にて入院した40代男性

著者: 本田孝行 ,   菅野光俊

ページ範囲:P.1156 - P.1162

信州大学のreversed clinicopathological conference(R-CPC)では,なるべく多くの検査を行った症例を選び,経時的検査値で解析している.しかし,決して多くの検査を行うことを推奨しているわけではない.陰性データも陽性データと同じように重要と考え,できる限り多くのルーチン検査を行った症例を選択してR-CPCで検討している.ある病態において,検査値が陰性になることを知って初めて必要のない検査と認識できる.その結果,必要な検査を最小限に行える医療従事者になれると考えている.また,検査値は基準値内でも動くことに大きな意味があり,動いている検査値を読むことによってより詳細な病態が解明できる.時系列検査結果を読むことができれば,異常値の出るメカニズムを理解できたことになり,入院時のみのワンポイントの検査値であっても容易に理解できるようになる.

Laboratory Practice 〈微生物〉

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

著者: 谷英樹 ,   西條政幸

ページ範囲:P.1164 - P.1167

はじめに

 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,SFTS)は,ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス〔SFTSウイルス(severe fever with thrombocytopenia syndrome virus,SFTSV)〕によるダニ媒介性感染症として新たに命名された.2011年に中国でこのウイルスによる新規感染性疾患が報告されて以来,中国国内の調査から7つの省(遼寧省,山東省,江蘇省,安徽省,河南省,湖北省,浙江省)で患者発生が確認されている1,2).日本国内においても,2012年秋に発熱や血小板減少などの症状を呈し死亡した患者から,ウイルス学的に初めてSFTSVによる感染症と診断され,それ以降,過去の死亡例を含めこれまでに十数名の感染例が明らかとなった3,4)

 SFTSは死亡率が10%以上と感染症による死亡率としては高く,ワクチンや治療薬はない.感染を予防するにはマダニに咬まれないようにすることが重要であり,また,医療機関においてはヒト間の接触感染経路があることから院内感染予防としての標準予防策の遵守が重要である.

〈免疫〉

食物アレルギーの原因食品

著者: 佐藤さくら

ページ範囲:P.1169 - P.1171

はじめに

 食物アレルギーは「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」と定義され,免疫学的機序を介さない食物不耐症や食中毒は食物アレルギーとはいわない.食物アレルギーの治療は必要最小限の除去であり,原因となる食物アレルゲンを特定することは患者やその家族の食生活に大きく影響する.このため,食物アレルギー患者にかかわる人は,食物アレルギーの原因となりやすいアレルゲンについて十分な知識を得るべきだと考える.

〈病理〉

スプリット・サンプル法の口腔領域への応用

著者: 深津晶 ,   市村真奈 ,   久山佳代 ,   松本敬 ,   斎藤隆明 ,   遠藤弘康 ,   伊藤孝訓 ,   山本浩嗣 ,   福本雅彦

ページ範囲:P.1172 - P.1176

はじめに

 口腔粘膜細胞診は近年,口腔癌検診の需要拡大とともに急速に普及してきている.しかし,咀嚼にかかわる口腔粘膜は角化した性状を有し,また,細胞と唾液が同時に採取されるため,スライドガラスに塗抹される細胞量は非常に少ない.筆者ら1)の計測によると,口腔粘膜細胞診検体の細胞密度は子宮頸部検体の56.4%であり,両者には有意差が認められた.

 液状化細胞診(liquid based cytology,LBC)は,子宮頸部検診の精度管理を目的とした標本作製の標準化を実現する手法として近年,急速に普及してきた2).LBCの利点のなかでもサイトブラシに遺残する細胞や浸漬固定時に剥離する細胞の軽減化は,口腔粘膜細胞診の精度管理に非常に有利と考える.しかし,口腔粘膜細胞診検体は他臓器と比較していまだに非常に少ないため,口腔領域のためだけに新規に機器を購入する環境を整えることが難しいのが現状である.

 そこで筆者らは,用手法によるLBCの1つであるTACASTM(thinlayer advanced cytology assay system)法(医学生物学研究所社)をスプリット・サンプル法で行う試みを開始した2).筆者らは直接塗抹法では細胞判定を導くことができなかったが,TACASTM法で細胞判定し得た扁平上皮癌および尋常性天疱瘡を経験した.本稿では,スプリット・サンプル法の口腔粘膜細胞診への応用の可能性を検討する.

ワンポイントアドバイス

MPV,P-MFVの活用

著者: 西郷勝康 ,   礒野雪妃

ページ範囲:P.1178 - P.1179

 血小板(platelet,PLT)のサイズは不均一であり,また,疾患・病態によって変動することが知られている.PLTサイズの指標として,血球計数器では平均血小板容積(mean platelet volume,MPV)が用いられ,その計測には従来電気抵抗法が用いられているが,近年ではフローサイトメトリー法でも同様の数値が算出されるようになっている.

 PLT生成のメカニズムは確立されていないが,巨核球が放出するといわれるproplateletや,実験的に中間段階として認識されるpreplateletは,いずれも成熟PLTより大きい1).実際,PLT産生が亢進している状態〔ITP(immune thrombocytopenic purpura)など〕ではPLTサイズは大きくなる.また,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome,MDS)でも大型PLTの出現がしばしば観察される.MDSでは,PLT mass(MPV×PLT数)が大きいほど予後良好である可能性も示されている2).また,大型PLTは機能的にも強力であることが示されており,MPVの大きな冠動脈疾患患者では抗PLT剤に抵抗性を示しやすく3),予後因子としても有用である4)

臨床医からの質問に答える

偽僧帽弁逆流(pseudo MR)とは何のことですか?

著者: 岡庭裕貴

ページ範囲:P.1181 - P.1183

はじめに

 機械弁による僧帽弁位人工弁置換された症例において,本来は人工弁逆流がないのにもかかわらず,鏡面現象(ミラーイメージ)によって生じる虚像が,あたかも人工弁逆流のように観察されることがある.これを偽僧帽弁逆流(pseudo mitral regurgitation,pseudo MR)という.

 本稿では,pseudo MRが生じる原因と真の人工弁逆流との鑑別方法について解説する.

トピックス

Helicobacter cinaedi

著者: 橋本幸平 ,   大塚喜人

ページ範囲:P.1184 - P.1185

はじめに

 Helicobacter cinaediは1989年までCampylobacterに属し,Campylobacter cinaediと呼称されていたが,Helicobacter属が新設された際に移籍された.H. cinaediはヒトをはじめとするイヌやネコ,ハムスターなどの腸管に常在しているグラム陰性のらせん状桿菌である.本菌が最初に分離されたのはホモセクシャルのHIV(human immunodeficiency virus)感染患者であり1),cinaediはラテン語でhomosexualを意味している.海外の報告ではHIV感染者が大半を占めている.

 国内でも2003年以降,敗血症例での報告が増えてきており2),筆者らも関節リウマチ,透析,肺小細胞癌などの基礎疾患を有し,抗癌剤や免疫抑制剤の投与を受けている症例を多く経験している.基礎疾患がない患者からの検出も少なくない.また,発熱のほかに,蜂窩織炎を主症状とする患者が散見される.

液状化検体細胞診加算

著者: 佐々木寛

ページ範囲:P.1187 - P.1189

■液状化検体細胞診の発展とその背景

 細胞診診断は健康保険制度上,病理組織診断と同様に13部に属し,医行為の1つに規定されている.したがって,3部の臨床検査からははずれ,医師の診断が必要な検査の1つになっている.

 細胞診の診断に至る流れは検体採取に始まる.細胞採取が医師によって行われ,次いで標本作製,さらに顕微鏡下の診断,という手順で行われる.細胞採取法は従来法といわれる方法,すなわち,細胞採取した採取器具を直接塗抹してスライドガラス上に細胞を塗布する方法である(図1).2012年に新たに保険収載をされた液状化検体細胞診(liquid based cytology,LBC)は,図1に示すように細胞採取した器具を液状固定液状中で洗い,細胞の入った懸濁液を作り,これをスライドガラス上に2cm径前後の細胞塗抹層を作製し,細胞診断に用いる方法である.

INFORMATION

千里ライフサイエンスセミナーE4 がんシリーズ第4回「がんゲノミクス研究と臨床応用」

ページ範囲:P.1146 - P.1146

日時:2013年11月8日(金)10:00~17:00

場所:千里ライフサイエンスセンタービル5F

   ライフホール(大阪,豊中市)

第29回「緒方富雄賞」授賞式・公開講演会

ページ範囲:P.1176 - P.1176

【受賞者名】

黒田雅顕氏(帝京大学医療技術学部臨床検査学科)

町田幸雄氏(日本医科大学千葉北総病院中央検査室)

横田浩充氏(東京大学医学部附属病院検査部)

【受賞式】

日時:2013年11月9日(土) 17:00~19:00

場所:東京ガーデンパレス(東京都文京区湯島1-7-5)

第50回日本臨床神経生理学会技術講習会

ページ範囲:P.1186 - P.1186

開催期間:2013年11月8日(金)午後・9日(土)午前

第43回日本臨床神経生理学会学術大会の会期中に開催いたします.

会 場:高知県立県民文化ホール

 〒780-0870 高知市本町4-3-30 Tel:088-824-5321

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『臨床検査』11月号のお知らせ

ページ範囲:P.1140 - P.1140

医学書院ウェブサイトをご利用ください

ページ範囲:P.1190 - P.1190

あとがき・次号予告・ラボクイズ正解者

著者: 高木康

ページ範囲:P.1192 - P.1192

あとがき

 「落ち葉の季節となりました」「菊花薫る時節となりました」「日ごとに秋が深まってきました」,11月の手紙に季節感を表現する言葉です.メールで連絡だけを交換するようになった現在では,懐かしい言葉です.また,毛筆で柔らかなきれいな文字であれば,それだけで心和むことでしょう.日本は四季があり,季節ごとの“旬”があります.11月といえば,野菜ではかぼちゃや山椒,えのき.フルーツではリンゴ,柿,みかん.花は柊,八手,枇杷.そして,食べ物では筑前煮だそうです.

 さて,『検査と技術』の11月号をお届けします.今月号も“旬”の論文ばかりです.個人的には「病気のはなし」のITPは検査,病因と関連して興味深く読みました.最も信頼性のある検査として測定されていたPAIgGのエビデンスが30%以下とわかり,最近ではこれに代わって網状血小板比率や血漿トロンボポエチン,GPⅡb-Ⅲa自己抗体が指標として測定されるようになりました.また,胃炎や胃癌の病原菌とされるピロリ菌の感染との関連が証明され,除菌することである種のITPは治癒することも明らかになりました.その他にも,血小板に関する論文が2編あります.血液検査の“旬”は血小板です.血糖測定ではセンサーによる持続グルコースモニター検査が可能となり,日常検査として導入されて血糖値が持続的に観察可能となり,日常生活での血糖値測定によって,今後の新たな展開が期待できます.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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