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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻2号

2014年02月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

免疫グロブリン(IgG,IgA,IgM)定量におけるM蛋白・サブクラスの影響

著者: 山田俊幸1

所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.145 - P.147

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はじめに─免疫グロブリン定量には無理がある

 特異抗体を用いた抗原定量法においては,①被測定物質が均一であること,②検量のための標準抗原の存在形態が,血清などの試料中における被測定物質の存在形態と同等であることが原則となる.これを免疫グロブリン定量系で考えてみると,そもそも免疫グロブリン分子は均一ではなく(均一なものを測定するような系はない),また,特定のクローン(M蛋白など)やサブクラスに偏ると,検量物質との同等性が失われる.以上のことから,免疫グロブリンの正確な定量には元来無理があることが理解されよう.

 本稿では,免疫グロブリン定量におけるピットフォールと,その利用方法を述べる.

参考文献

1)藤田清貴:日常検査で遭遇する異常蛋白質-基礎から発見・解析法まで.医歯薬出版,2010
2)藤田清貴,石垣宏尚,佐藤裕久,他:異常値をひもとく 免疫電気泳動でspurを形成し,M蛋白量と免疫グロブリン濃度が乖離するIgA2型多発性骨髄腫.臨検 57:337-344,2013
3)井本真由美,渡辺勝紀,辰巳陽一,他:IgG4関連疾患に認めた総IgGとIgGサブクラス測定値(IgG1~IgG4総和)との乖離についての考察.臨病理 60:1053-1057,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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