文献詳細
文献概要
過去問deセルフチェック!【新連載】
解答と解説
著者:
所属機関:
ページ範囲:P.186 - P.186
文献購入ページに移動EDTA依存性血小板減少症(偽性血小板減少症)は,抗凝固剤EDTA塩の存在下で抗体依存性に血小板凝集が起きる現象である.検査結果で血小板減少を認めるにもかかわらず,出血などの症状を全く認めない場合にこれを疑う.問題1のような状況である.本症で認める現象の本体は,EDTA塩によって血小板膜蛋白質インテグリンのコンフォメーションが変化し,新たなエピトープが出現することに伴う免疫反応である.純粋にin vitro(試験管の中)の反応であり,(EDTAが存在しない)生体内では(ほかに疾患がなければ)血小板数は正常であり,出血傾向も起きない.本症は,顕微鏡による血液像の観察で,血小板凝集塊を確認することにより,すぐに判別することが可能である(問題2).
掲載誌情報