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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術44巻2号

2016年02月発行

雑誌目次

病気のはなし

前立腺癌

著者: 中島耕一

ページ範囲:P.96 - P.101

Point

●わが国において,近年急激な罹患数の上昇が認められており,2015年には胃癌を超えて第1位になると予測されている.

●一般的には高齢男性に多く,比較的ゆっくり進行すると考えられている.早期発見例での治癒率は高いが,初期の症例は自覚症状が乏しいため,前立腺特異抗原(PSA)検査が重要な発見契機となることが多い.

●ロボット手術や強度変調放射線治療(IMRT)といった新しい治療,また新規薬物の開発もあって,治療の選択肢は広がっている.

技術講座 生理 シリーズ 検査技師に求められる感染防御対策・5

生理検査室における感染防御対策

著者: 長田美智子 ,   長田誠

ページ範囲:P.110 - P.115

Point

●生理検査室の感染対策は,医療従事者と患者の両面から考えなくてはならない.患者から検査技師への感染,検査技師から患者への感染,そして医療器具や医療従事者を介した患者への感染というそれぞれの立場で,感染の危険を意識する必要がある.

●感染経路を意識した感染対策を常に心掛け,検査機器を含めた検査室の衛生管理にも配慮した検査室の感染対策マニュアルを作成し,マニュアルに沿った対策を習慣づけていくことが大切である.

●検査後に重篤な感染が確認された場合は追跡調査が必要となるため,全ての患者について,いつ,誰が検査を担当したか明確にしておくことが必要である.

デジタル脳波計の構造と活用法

著者: 所司睦文

ページ範囲:P.116 - P.121

Point

●デジタル脳波計の構造を理解するためには,前身となるアナログ脳波計の構造と動作を理解することが大切である.

●デジタル脳波計特有のシステムリファレンス,ニュートラル電極,AD変換,アンチエリアシングフィルタ,システムリファレンス誘導などの意義の把握が不可欠である.

●デジタル脳波計の有するリモンタージュ,リフィルタリング,デジタルビデオ機能,ネットワーク機能などの使用目的と活用方法を習得し,実際に活用することが重要である.

●臨床脳波検査を担当する臨床検査技師は,ただ脳波記録をするだけでなく,脳波を適正に評価できる知識と技術を身に付けてほしい.

微生物

—step up編—放線菌検査の進め方

著者: 園部一成

ページ範囲:P.122 - P.130

Point

●放線菌検査はグラム(Gram)染色で,放射状のグラム陽性桿菌を見つけることが入り口となります.

●放射状のグラム陽性桿菌を見つけたら,キニヨン(Kinyoun)染色を行いノカルジアとアクチノマイセスを鑑別します.

●放射状のグラム陽性桿菌を見つけたら,レジオネラの選択分離培地を追加して培養することで,ノカルジアの検出率が向上します.

FOCUS

虚血性心疾患における抗血小板療法とP2Y12受容体拮抗薬の特徴

著者: 石川秀一 ,   上妻謙

ページ範囲:P.102 - P.105

はじめに

 現在,わが国では急性冠症候群急性期,冠動脈ステント留置後におけるステント血栓症や心筋梗塞の二次予防,安定狭心症における待機的冠動脈インターベンションにおいて,COX-1(cyclooxygenase-1)阻害薬であるアスピリンとP2Y12受容体拮抗薬であるクロピドグレル,またはプラスグレルによる2剤併用抗血小板療法(dual antiplatelet therapy:DAPT)が標準的治療とされている.冠動脈ステント留置12カ月以降の抗血小板療法に関しては,患者背景によりDAPT,あるいはアスピリン単剤の選択が必要となるが,最近はP2Y12受容体拮抗薬を単剤で投与することも盛んに検討されている.

細胞診自動スクリーニング支援装置の歴史と今後の展望

著者: 杉本直美

ページ範囲:P.106 - P.108

はじめに

 1941年Dr. Papanicolaouが発表した細胞診検査1)は,子宮頸がん発生率を著しく減少させた.その後,1950年代初期に,子宮頸部標本を自動スクリーニングする装置の開発が始まっている.自動スクリーニング装置は「低コストで高精度の検査を可能にする」という展望から始まったが,実用化に至るまでには多くの困難があった2)

過去問deセルフチェック!

問題 血球形態で一目瞭然

ページ範囲:P.109 - P.109

過去の臨床検査技師国家試験にチャレンジして,知識をブラッシュアップしましょう.以下の問題にチャレンジしていただいたあと,別ページの解説と解答をお読みください.

解答と解説

ページ範囲:P.169 - P.169

 血液学領域の検査として,従来からの血球数算定・血球形態学的検査に加えて,最先端の生命科学研究の成果を反映した免疫学的検査,染色体・遺伝子検査などが導入されており,その最たる例は造血器腫瘍です.今,重視されている造血器腫瘍のWHO分類では,ヒト造血組織・リンパ組織に発生する全ての腫瘍は遺伝子変異に基づくという理念のもと,細胞起源を同定するための上記の先端検査が重要視されています.しかし,これは決して血球形態学の重要性を否定するものではありませんし,臨床検査技師国家試験においても,血球形態の重要性が問われています.ここでは,血球形態の観察により一目瞭然で診断がつく問題例を解説します.

 問題1では,形質細胞が著増しています.形質細胞は免疫グロブリンを分泌する細胞であり,蛋白合成が活発なため(RNAを含む)リボソームが発達し,細胞質は好塩基性が強くなるとともに,分泌装置としてのゴルジ装置が発達しているため,明瞭な核周明庭を認めます.通常,骨髄において,形質細胞が占める割合は1〜2%程度であり,形質細胞が著増しているこの図1枚で,形質細胞の腫瘍である多発性骨髄腫の診断がほぼつきます.

疾患と検査値の推移

甲状腺中毒症・機能低下症

著者: 岩久建志 ,   吉村弘 ,   久岡俊彦 ,   伊藤公一

ページ範囲:P.132 - P.139

Point

●甲状腺中毒症を呈する病態のなかには甲状腺機能亢進症,破壊性甲状腺炎,外因性の3種類がある.おのおのは治療方針が大きく異なり,鑑別が重要になる.

●甲状腺ホルモン異常に伴う一般検査値の異常はしばしばみられ,特に肝機能異常は甲状腺中毒症,甲状腺機能低下症どちらにもみられる.

●健診など定期的な経過観察中に突然肝機能障害や脂質異常症がみられた場合は,甲状腺異常の存在を疑う必要がある.

連載 忘れられない症例から学ぶ超音波検査・6

悪性心臓腫瘍

著者: 小山寿子

ページ範囲:P.140 - P.145

はじめに

 筆者は,東京の品川区にある,2005年12月に開院した心臓病専門病院に勤務しています.当院の規模は大きくはありませんが,24時間救急対応で手術も行っています.地域の患者もみえますが,それほど多くはなく,関東一円および全国各地から来られる患者のほうが多く,海外から治療に来る患者もいます.

 今回の症例は,他院で心臓腫瘍を指摘され,セカンドオピニオンで来院された患者です.他院で悪性腫瘍を疑われていましたが,細胞の採取が困難で,診断は不可能の状態でした.組織型の診断がついていないため,化学療法もできないまま,余命3カ月と宣告を受けていました.このまま死を待つよりも,たとえほんのわずかな可能性しかなくても,その可能性に賭けたいとの願いから,当院を受診されました.

人の心に寄り添う医療人になる・2

自分を信じる,仲間を信じる・1

著者: 佐々木則夫 ,   山藤賢

ページ範囲:P.146 - P.151

 編集室:本日は,お忙しいなかありがとうございます.今回の対談は,「検査と技術」という雑誌の「人の心に寄り添う医療人になる」という連載のなかの企画になり,本日はなでしこジャパンの佐々木則夫監督をお招きしました.先日(2015年7月)のFIFAワールドカップカナダ2015での準優勝はまだ記憶に新しく,われわれに再び大きな勇気と感動を与えてくれました.

 予選リーグで敗退していたなでしこジャパンをトップクラスのチームに押し上げられ,常に優勝を狙えるチームとされた佐々木監督の指導力,そして日々成長し,勝利を重ねているなでしこジャパンのチーム力には,「チーム医療」を軸に日々患者さんと接するわれわれにも学ぶものが多々あるかと思いまして,本日お招きいたしました.また,現場での戦友という関係であった,チームドクターとして旧知の仲である,山藤先生との対談を楽しみにしています.これからいくつかご質問させてください.よろしくお願いいたします.

やなさん。・14

よく学び よく遊べ!

著者: 柳田絵美衣

ページ範囲:P.163 - P.163

 「皆さん! いむーの技術部セミナーへのご参加,誠にありがとうございますっ!」の合図で,免疫組織細胞化学専門のセミナー開会! おかげさまで第3回目.柳田が主催し,神戸大学病院病理部の技師で運営している,超手作りセミナーでございます.定員は100名で,半数はリピーター.皆さまに足を向けて寝られません!

 セミナーは2日間で,真面目な基礎的講義あり,鏡検実習あり,病理診断学の解説ありと盛りだくさん.そして今回は,「柳田&今川の免疫染色3分クッキング(本当は30分)」を導入! エプロンを着用した柳田と後輩今川が演台に立ち,ライブカメラを駆使しながら免疫染色の手順を紹介するコーナー.今川が「料理長,この作業でのポイントは何でしょう?」とワザとらしく質問し,「そうですね,ここではしっかりとスライドガラス上の水分を拭き取りましょう」とワザとらしく柳田が答えていきます.最後には「次回も楽しみですね.では次回……Let’s cooking〜♪」と2人でポーズを決めて終了.非常にシュールな空気感でしたが,セミナー後に回収したアンケートでは,ぶっちぎりの人気第1位! 次回も絶対やります,Let’s cooking〜♪

臨床医からの質問に答える

病理組織検体(パラフィンブロック)からアスベスト小体を証明できますか?

著者: 石田匠

ページ範囲:P.152 - P.157

はじめに

 近年,石綿(アスベスト)関連疾患が社会問題となっています.中皮腫は石綿ばく露に特徴的な疾患とされていますが,肺癌も多くの石綿労働者に発症しています.石綿関連肺癌は全肺癌の数%程度と推定され1),石綿による肺癌の労災認定および健康被害救済制度の認定時には,肺実質組織を用いた石綿小体または石綿繊維の証明が重要な認定要件となっています.

ワンポイントアドバイス

酸化法を用いた尿試験紙法ビリルビン検査の偽陽性確認試験法のポイント

著者: 永野勝稔 ,   大野明美

ページ範囲:P.158 - P.159

はじめに

 ジアゾカップリング法を用いた尿試験紙法のビリルビン検査は,血尿,濃縮尿などの尿の性状や薬剤の影響を受けやすく,偽陽性を示すことが多いため,より特異性の高い確認試験が必要とされている.これまで確認試験として多くの施設で用いられていた簡便かつ鋭敏なイクトテスト(シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティックス社)の代替となる,酸化法を測定原理とするWatson-Hawkinson法を改良した確認試験(以下,Watson-Hawkinson法改良法)を考案したので紹介する.

臨床検査のピットフォール

造影剤投与後の臨床検査値の解釈に注意

著者: 熊倉久夫

ページ範囲:P.160 - P.161

はじめに

 臨床的に頻繁に用いられる画像診断用の造影剤は,画像診断の情報量を増すために使用されるものである.これらのX線造影剤やMRI造影剤を投与した患者から検査直後に採血した場合,臨床検査値にはなんらかの影響が現れるのか.あるいは,X線造影剤やMRI造影剤を投与した翌日に採血した場合の影響はどうなのか.こうした問題は,臨床の現場ではしばしば経験する.

 患者の治療経過の評価のためや経時的な病態の変化を確認する目的で,短い期間に繰り返し同じ検査を施行することが必要となる疾患が非常に多い.また,患者が外来検査を受けに来る場合では,血液検査と複数の画像診断検査を同日に実施することが日常頻繁に行われている.しかし,造影剤の添付文書の「臨床検査結果に及ぼす影響」にはわずかな記載があるのみで,造影検査の実施間隔や検査順に関する記載はほとんどない1)

 今回は,造影剤の体内動態,臨床検査値への影響,適切な採血時期について考えてみたい.

オピニオン

わが国の婦人科検診受診率低迷を危惧する

著者: 渡部享宏

ページ範囲:P.164 - P.165

この病気は限りなく無くすことができる

 私たち認定NPO活動法人「子宮頸がんを考える市民の会」は,原因が科学的に証明されていて,しかも予防の方法も確立されている子宮頸がんの予防・啓発団体として2005年3月に発足しました.この病気は限りなく無くすことができる,という産婦人科医や助産師,細胞検査士など現場の希望と願いからの出発でした.

今月の表紙

糞線虫

著者: 赤尾信明

ページ範囲:P.166 - P.168

Point!

Q.糞線虫とは?⇒ 経皮感染する線虫で,寄生世代と自由生活世代をもつ

Q.症状は?⇒ 下痢,腹部膨満感など.免疫不全の患者では重症化する

Q.検査法は?⇒ 普通寒天平板培養法によるラブジチス型幼虫の検出

Q.治療薬は?⇒ ノーベル賞を受賞した大村智氏が発見した放線菌由来の抗菌薬.イベルメクチン

ラボクイズ

一般検査

著者: 角坂照貴

ページ範囲:P.170 - P.170

1月号の解答と解説

著者: 平田基裕

ページ範囲:P.171 - P.171

書評

医療政策集中講義—医療を動かす戦略と実践

著者: 坂本すが

ページ範囲:P.173 - P.173

ここにはチーム医療の縮図がある

 そこはハーバード白熱教室さながらの熱気であった.講師も受講生も皆一緒になって議論する.若いナースもいればベテランのドクターもいる.どうやら医療職種だけというわけでもない.日本の大学の一般的な授業風景とは異なる世界がそこにあった.社会人向けの講座であるから,いろいろな人が集まっているのであろうが,年齢も職種も風貌も異なる人々が,何についてこれほど熱い議論を交わしているのだろうか.

 東京大学公共政策大学院の医療政策教育・研究ユニットが社会活動として実施する「医療政策実践コミュニティー」.通称H-PACは,患者支援者,政策立案者,医療提供者,メディアの4つの異なる立場の者から構成される.受講生は常にミックスチームを作って,共に政策提言や事業計画書の成果物を作り上げる.

実践! 皮膚病理道場—バーチャルスライドでみる皮膚腫瘍 [Web付録付]

著者: 鶴田大輔

ページ範囲:P.174 - P.174

革命的な書籍,時空を超えた学習ツール

 バーチャルスライドを利用した『実践! 皮膚病理道場 バーチャルスライドでみる皮膚腫瘍[Web付録付]』を強く推薦する.時空を超えた新時代の学習ツールであるからである.

 初めてバーチャルスライドを体験したのは,2年前に日本皮膚病理組織学会が主催する「皮膚病理道場あどばんすと」にチューターとして参加したときである.とにかく驚いた.なんと楽しいのだろう! 顕微鏡がなくても,コンピューター上で,自分の見たいところを自由自在に心ゆくまで見ることができ,いつでもどこでも病理組織の学習ができるのである.例えば,腫瘍を構成する個々の細胞において,核と細胞質の形態をじっくり見ることができる.「この腫瘍の構成細胞の核の形態は? 核小体の見え方は? 胞体の色は? 大きさは?」などを目に焼き付けることができる.また,そのときに学んだものをいつでもどこでも,顕微鏡がなくても繰り返し復習できるのである.バーチャルスライドがあれば,学習は時空を超えるのである!

医療政策集中講義 医療を動かす戦略と実践

著者: 高山義浩

ページ範囲:P.175 - P.175

2025年を見据えた先駆的かつ実践的な医療改革のテキスト

 2014年6月,「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(医療介護総合確保法)」が成立し,より効率的で質の高い医療提供体制を目指した地域医療を再構築し,地域包括ケアシステムとの連携を深めるための方針が定められた.

 改革が急がれる背景には,日本が縮減社会に入ってきていることがある.これから毎年,日本から小さな県一個分の人口が消滅していく.その一方で,高齢化率は30%を超えようとしており,団塊の世代が75歳以上となる2025年には,国民の3人に1人が65歳以上,5人に1人が75歳以上となる.疾患を有する高齢者が増加することになり,医療と介護の需要が急速に増大する見通しとなっている.

糖尿病に強くなる!—療養指導のエキスパートを目指して

著者: 森谷敏夫

ページ範囲:P.176 - P.176

療養支援のノウ・ハウが,ぎっしり満載!

 このユニークで,しかもほぼ全ての糖尿病療養指導に必要な項目が網羅されている本を編集された桝田出先生とは,京都大学附属病院第二内科で当時の主任教授をされていた中尾一和先生のもとで運動療法に関する共同研究を開始した時からのお付き合いである.もう,30年近くになる.桝田先生は心臓循環器系のエキスパートで,その手腕を買われて東京慈恵会医科大学から京大第二内科に来られた経緯がある.その後は民間のJT専売病院を経て,現在は,武田病院健診センター所長としてご活躍である.基礎研究,臨床応用,健診業務など実に幅広い経験を持たれた先生であり,現場のニーズを肌で感じ,この素晴らしい本ができあがった背景もそこにあるだろう.執筆を担当された先生方も京大医学部の専門医をはじめ,糖尿病療養指導に直接かかわっておられる先生方で構成されている.

 本書は,「Ⅰ.糖尿病の基礎知識」「Ⅱ.糖尿病の症状と治療」「Ⅲ.セルフケアを支援するための療養指導」そして「Ⅳ.合併症・併存疾患とそのケア」の4章から成っている.どの章も一貫して最新の知見が見やすい図表などで説明されており,ツボを押さえたコラムも散りばめられており,一口メモ(NOTE)と相まって絶妙なコンビネーションとなっている.糖尿病患者が無理なく継続的に療養生活を送れるよう支援するためのノウ・ハウが,ぎっしり満載されている必読の書である.

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医学書院ウェブサイトをご利用ください

ページ範囲:P.130 - P.130

『臨床検査』2月号のお知らせ

ページ範囲:P.139 - P.139

「ラボクイズ」解答/読者アンケート

ページ範囲:P.177 - P.177

あとがき・次号予告

著者: 矢冨裕

ページ範囲:P.180 - P.180

あとがき

 テロの問題,地球温暖化の問題など,将来への不安を駆り立てるニュースが多い最近ですが,2016年2月号の本誌が届くころにはよい方向へ向かっていることを祈るばかりです.

 さて,この1年(今回は2015年)で話題になった“ことば”から,軽妙な表現で世相をついたものや強い印象を与えたものとして選ばれる「新語・流行語大賞」の発表がありましたが,年間大賞に「爆買い」とともに「トリプルスリー」が選ばれました.プロ野球のファンならご存知でしょうが,「トリプルスリー」は打率3割,ホームラン30本,盗塁30個を達成した場合に使われます.日本シリーズを争ったソフトバンクの柳田選手とヤクルトの山田選手が同時に達成したという話題もあるでしょうが,やはり,野手として確実性,長打力,機動性全てを兼ね備えることの難しさ,そして,それをやり遂げた選手への敬意が根底にあるものと思います.検査に携わるものも,秀でた自分の専門をもつことも大切ですが,検査全体にバランスよい知識,素養を有することが,最終的には自分の専門をも高めることになると思われます.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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