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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術49巻1号

2021年01月発行

雑誌目次

病気のはなし

褐色細胞腫

著者: 竹越一博

ページ範囲:P.4 - P.7

Point

●褐色細胞腫の症状は高血圧,代謝亢進,高血糖,頭痛,発汗過多である.

●血中・尿中カテコールアミン(CA)もしくはその代謝産物高値を証明する.特に最近保険収載された血中遊離メタネフリン測定法(血中遊離メタネフリン・同ノルメタネフリンの両者を測る方法の総称)は有用である.

●CT/MRIと,MIBGシンチグラフィで腫瘍に一致して取り込みがみられる.

●最近,症状が明らかでなく,健康診断などで“副腎インシデンタローマ”として予期せずに発見される症例が増えている.

●遺伝子診断は今後重要性が増す.

技術講座 生理

心エコーによる卵円孔開存の診断

著者: 河野浩之

ページ範囲:P.24 - P.29

Point

●卵円孔開存などの右左シャントの診断には,経食道心エコーが必要です.

●バルサルバ負荷を用いたマイクロバブルテストを行うと,経胸壁心エコーでも卵円孔開存のスクリーニング検査が可能です.

●バルサルバ負荷解除後3心拍以内に左心系にマイクロバブルが確認される場合,卵円孔開存の可能性を考えます.

心電図を読む:見逃してはならない波形

著者: 桝谷直司

ページ範囲:P.40 - P.46

Point

●心臓突然死の原因は致死性不整脈によるものが多く,重篤な不整脈や虚血性変化に移行しやすい状態の心電図波形を見逃さないことが重要である.

●不整脈原性右室心筋症(ARVC)はQRS終末部からT波の間にイプシロン波(ε波)を認めるが,低振幅のため見落としがちで注視する必要がある.

●健常者にもよくみられる早期再分極(J波)を伴う心室細動(VF)症例が報告され,早期再分極症候群(ERS)という疾患概念が提唱されている.

●検査時の心電図所見以外にも胸部症状なども重要な情報となるため,有所見時は患者より症状などを聴取することが心電図診断の一助となることもある.

輸血 シリーズ 輸血検査の進め方と対応・1

血液型検査

著者: 清川知子

ページ範囲:P.32 - P.39

Point

●ABO血液型は,オモテ検査とウラ検査の両方を必ず実施しましょう.

●輸血前の血液型検査は採血時の取り違えによる輸血過誤を防止するため,異なる時点で採取した2つの検体で血液型検査を実施し,結果が同じであることを確認する必要があります.

●溶血性輸血反応が起こらない血液製剤を選択しましょう.

病理・生理

—step up編—乳癌サブタイプと乳癌病理および乳腺エコーとの関係性

著者: 山口倫 ,   三原勇太郎 ,   平井良武 ,   山口美樹 ,   田中眞紀 ,   矢野博久

ページ範囲:P.48 - P.54

Point

●臨床の現場で,乳癌は網羅的遺伝子解析によるサブタイプに基づいた個別化治療が進んでいます.

●サブタイプとは,主にホルモン受容体であるエストロゲン受容体(ER)陽性(Luminal)乳癌,HER2陽性乳癌,ER陰性・PgR陰性・HER2陰性のトリプルネガティブ(TN)乳癌です.

●治療(サブタイプ)と組織型および画像診断は別々と考えられていましたが,近年これらの関係性が判明してきています.

●多くの腫瘍の形状は生物学的特性であるサブタイプで規定されており,超音波画像にも反映されます.

トピックス

コリスチン耐性機序と薬剤感受性試験

著者: 上地幸平

ページ範囲:P.8 - P.10

はじめに

 サイクリックポリペプチド系抗菌薬の1つであるコリスチン(colistin:CL)は1949年にわが国でPaenibacillus(Bacillus)polymyxaから発見された1).陽性荷電かつ疎水性を示すCLはグラム陰性菌の細胞壁外膜を構成するリポ多糖(lipopolysaccharide:LPS)類に結合し,外膜の架橋形成・安定化に関与しているCa2+・Mg2+を置換し,外膜そのものを破壊することで抗菌活性を示す.

 CLは,主にシュードモナス属やアシネトバクター属,腸内細菌科などのグラム陰性菌に対して有効であるが,プロテウス属,プロビデンシア属,セラチア属,エドワードジエラ属,モルガネラ属,ハフニア属は自然耐性を示す.近年,カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriales:CRE)の拡散・増加に伴い,多剤耐性菌感染症に対するサルベージ療法の抗菌薬として再注目されている.本稿では,CLの耐性機序および薬剤感受性試験について概説する.

肝細胞腺腫の最新事情—WHO分類2019に基づく分類と考え方

著者: 佐々木素子 ,   中沼安二

ページ範囲:P.12 - P.15

はじめに

 肝細胞腺腫(hepatocellular adenoma:HCA)は良性肝細胞性腫瘍で,教科書的には,背景肝疾患のない女性に経口避妊薬に関連して発生する.欧米に多く,日本を含めたアジアでは比較的少ない.WHO(World Health Organization)分類2010で初めて,遺伝子型,表現型によるHCAの亜型分類:①HNF-1α(hepatocyte nuclear factor 1α)不活化型(H-HCA),②β-catenin活性化型(b-HCA),③炎症性HCA(inflammatory HCA:IHCA),④分類不能型(unclassified HCA:u-HCA)が掲載された.2019年の新しいWHO分類(以下,WHO分類2019)では,さらにb-IHCAなどの新しい亜型が追加された1,2)

 本稿では,新WHO分類2019に基づき,亜型分類と臨床動態の違い,免疫染色などについて,ポイントや注意点を簡単に解説する.

FOCUS

日常検査に活かすための症例報告の読み方

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.16 - P.19

はじめに

 この雑誌に目を通すということは,ある程度向学意識が高く,普段から活字を読むものと思われる.中には平素から論文を読みこなしている人もいるかもしれない.

 エビデンスレベルという言葉がある.図1のようなものを見たことがあると思われる.臨床で何かを学ぼうというとき,このなかのどれを読んで勉強するだろうか? やはりエビデンスレベルが高いメタアナリシスやランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)だろうか.症例対照研究など当てにならない.そう思うだろうか.

 これに対する答えは実はもう出ていて,エビデンスベーストメディシン(evidence-based medicine)とは患者に合わせて考える方法論のことをいうのであって,根拠そのものではない,というところにある.図1も,単に性質を紹介しているだけで,例えば専門家の意見や症例報告の“文脈を加味した意義”を否定したり低めたりしているものではないのである.ただ,図1がまさにそうだが,“低い/高い”で言われると,なんとなく低いほうを軽視してしまうような刷り込みがなされてしまう.

 また,直感的にも,「何か1つのテーマについてしっかり勉強しよう!」と思ったら,おそらく標準的なレベルで総論的な原理原則を学びたいとまずは思うであろう.症例報告などはその対極にあるわけで,個別性と具体性が強すぎるように感じてしまうのだろう.有名な図1のせいもあって.

尿中抗原検査Legionella pneumophila L7/L12抗原をターゲットに加えた検査

著者: 村上日奈子

ページ範囲:P.20 - P.23

はじめに

 近年,尿中抗原検査は呼吸器感染症の起炎菌検索に多く利用されている.特に市中肺炎患者においては,重症化しやすい肺炎球菌やレジオネラの鑑別が迅速にできることから非常に有意義である.

 本稿では,従来のリポ多糖体(lipopolysaccharide:LPS)抗原に加えて,新しいターゲット分子であるリボソームタンパク質L7/L12抗原を検出する尿中レジオネラ抗原検査について概説する.

過去問deセルフチェック!

腹部超音波検査

ページ範囲:P.30 - P.30

 過去の臨床検査技師国家試験にチャレンジして,知識をブラッシュアップしましょう.以下の問題にチャレンジしていただいたあと,別ページの解答と解説をお読みください.

解答と解説

ページ範囲:P.59 - P.59

 腹部超音波では,腹側(身体の前面)から描出する基本断面があり,画像の上側は身体の腹側(前面)になります.また,横断像は足側から観察した断面となり,画像の右側が身体の左側になります.縦断像は,画像の右側が足側(下方向)になるように描出します.腹部臓器の解剖を理解し,超音波像の基本を理解しておけば,解剖像と超音波像はおのずと結びつき,理解が深まります.

 心窩部正中では,主な臓器として膵臓や肝左葉および胃などが存在します.門脈は総胆管の後面を通って肝臓内へ入り,左枝や右枝などの肝内分枝を形成します.なお,肝臓内には門脈の他に,太い脈管として肝静脈が存在しますが,門脈とは走行が異なります.胃は肝左葉後面と脾臓の間を通り,心窩部正中で膵体部付近に至ります.また,心窩部正中の背側には腹部大動脈が位置し,分枝血管として腹腔動脈や上腸間膜動脈が存在します.

ワンポイントアドバイス

クリプトスポリジウム検出のための簡易迅速ショ糖浮遊法【動画付き】

著者: 松村隆弘

ページ範囲:P.56 - P.58

はじめに

 腸管寄生原虫であるクリプトスポリジウムは,人体に感染すると主な症状として激しい水様下痢を呈し,免疫低下または免疫不全患者においては脱水や栄養失調などにより致死的になることもあるため注視したい寄生虫である.また,クリプトスポリジウム症は感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)では5類感染症であり,後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)の指標疾患になっているため,検出方法は各施設で整えておく必要がある.

 クリプトスポリジウムの検査法には,主にショ糖遠心浮遊法,簡易迅速ショ糖浮遊法,Kinyoun染色,蛍光抗体法,PCR(polymerase chain reaction)検査などがある.しかしながら,下痢便検体の糞便検査のルーチン中にクリプトスポリジウム検出法を導入している検査室は多くない.そこで今回は,クリプトスポリジウム検査のなかでも容易に始められる簡易迅速ショ糖浮遊法を紹介する.

臨床検査のピットフォール

Neisseria meningitidisの同定—非病原性Neisseria属菌との鑑別

著者: 中山麻美

ページ範囲:P.60 - P.63

はじめに

 Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)による感染症は,年間20〜40例程度とわが国ではまれであるが,2011年に宮崎県の高校寮で集団感染した事例1)や2015年に山口県で開催された世界スカウトジャンボリーに参加した4名(北スコットランド隊の3名とスウェーデン隊の1名)に発症した事例1)は記憶に新しい.

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)において侵襲性髄膜炎菌感染症は5類感染症(全数把握対象)に定められている.したがって,髄液や血液などの無菌部位から検出された場合は,直ちに報告することが義務付けられている.また,濃厚接触者には予防内服が推奨されているため,治療のみならず感染管理の面でも,迅速かつ正確に菌種の同定を行うことが,われわれ臨床微生物検査技師に求められる.そこで,本稿ではN. meningitidisの同定ポイントについて解説する.

臨床医からの質問に答える

経頭蓋超音波検査から何がわかりますか?

著者: 鮎川宏之

ページ範囲:P.64 - P.69

経頭蓋超音波検査(TC-CFI)を始める前に

 頭蓋内血管の病変を評価する方法の1つに経頭蓋超音波検査(transcranial color flow image:TC-CFI)がある.この超音波検査は,磁気共鳴血管撮影法(MR angiography:MRA),コンピュータ血管断層撮影(CT angiography:CTA),デジタル・サブトラクション血管造影検査(digital subtraction angiography:DSA)のように特別な設備の必要はなく,従来の超音波診断装置にて非浸襲的かつベッドサイドでも簡単に繰り返し検査が行える.

 近年では頸動脈病変の診断や治療方針決定にあたって,頸動脈超音波検査の進歩は目覚ましいものがある.しかし頸動脈超音波検査は高位病変や末梢(頭蓋内)頸動脈においては観察できず,MRIやCT検査に頼らざるを得ないことがしばしば臨床ではみられる.その際,TC-CFIを用いることで,頸動脈から頭蓋内血管までより詳しい評価が可能となることがある.本稿では,筆者がレジデントから受けた3つの質問について,簡単ではあるが解説したい.

Q&A 読者質問箱

遺伝子定量検査で報告値の単位に使われるコピーについて教えてください.

著者: 大木圭子

ページ範囲:P.70 - P.71

Q 遺伝子定量検査で報告値の単位に使われるコピーについて教えてください.

A 遺伝子検査は,血液・骨髄液・髄液・血清・組織などさまざまな材料が対象となります.また,検査の種類や目的によってDNAを用いた検査とRNAを用いた検査に分けられます.遺伝子定量検査には,絶対定量と相対定量の2種類があります.

連載 帰ってきた やなさん。・16

やなさん。久々の休暇(前編)

著者: 柳田絵美衣

ページ範囲:P.72 - P.72

 「働きすぎか…….そろそろ休暇だな」そう思ったのは新品のマイクロピペットが突然,仕事放棄(故障)したからだ.マイクロピペットを修理に出し,すぐに航空券を予約した.今回は屋久島へ! 前日までの雨で海は大荒れ+暴風.車を借り,ガイドブックで見つけた雑貨屋へ向かった.片道1時間かけて行ったのに,まさかの臨時休業.膝から崩れ落ちた.凹みながらホテルにたどり着き,その日は枕を濡らして眠りについた.翌朝も曇天.「明日予定しているシュノーケリングは中止か?」と不安を抱きつつ……この日は,苔玉作り.2種類の植物の根を1つに固めて苔で包み,糸で苔を固定してくのだ.女ひとり,黙々と苔を丸める.丸める! 無心! 無言!

 そんな姿を見た店員さんが声をかけてきた.「や……,屋久島でどこかへ行かれましたか?」と.そこで前日の惨事を伝えると,店員さんは「そのお店,オススメです.ぜひ行ってください!」と推してきた.また1時間車を走らせ到着したら,「少し留守にします」という文字と携帯番号が書かれた貼り紙が.「う,うそだろ」半泣きになりながら,書かれた番号に電話をかけると男性の声が.「あ〜,2,3分……,5,6分くらいで戻ります!」と言われた(え? 何分待てばいいの?)ので待っていると1台の車が.「いやぁ,申し訳ない! 飼っている犬が脱走して(笑)」と,長髪ロマンスグレーのサーファー風男性が降りてきた.ゆるっ! 商売っ気ゼロォ!

ラボクイズ

血液検査(骨髄像)

著者: 今田昌秀

ページ範囲:P.76 - P.76

2020年12月号の解答と解説

著者: 筑後孝章

ページ範囲:P.77 - P.77

書評

不明熱・不明炎症レジデントマニュアル

著者: 萩野昇

ページ範囲:P.31 - P.31

通読後も折に触れて読んで使い倒していくべき本

 COVID-19の波が世界を押し流している.まさしく「パンデミック」の風景であるが,このパンデミックは各社会が内包する脆弱性を片端から明らかにしつつある.わが国の診療現場においても,少なからぬ数の「システムエラー」が明白になったが,その一つに「日常診療において『発熱患者』に対してどのようにワークアップすればよいのか,きちんと理解して診療している医師は決して多くない」という不都合な事実がある.卒前の医学教育において,疾患ごと・臓器ごとの縦割りの教育(そのメリットが幾分かは存在することは,旧世代の医学教育を受けた者としては,一応留保をつけておきたいところではあるが)を受け,卒後の臨床現場では多くはon-the-job trainingの形で,教える側の医師の専門性に大きく偏った教育が施される現状であれば,今後もしばらくは慣性的に現状が維持されるのではないかと悲観せざるを得ない.

 そのような状況で出版された『不明熱・不明炎症レジデントマニュアル』は,「遷延する発熱=不明熱」ならびに「不明炎症」という,非常にありふれていながらぞんざいな扱いを受けてきた症候に対して,多くの分野の専門家が寄稿する形でまとめられた1冊であり,まさにwith COVID-19の一著としてふさわしい内容である.編集者の國松淳和先生はすでに類似テーマで『外来で診る不明熱—Dr. Kの発熱カレンダーでよくわかる不明熱のミカタ』(中山書店,2017),『「これって自己炎症性疾患?」と思ったら—疑い,捉え,実践する』(金芳堂,2018)などのスマッシュヒットを飛ばしておられるが,今回のレジデントマニュアルは過去の単著よりもやや基本的なレベルに読者対象を絞っており,「レジデント」が踏まえておくべき内容として適切と思われる.一方で,「コアな國松ファン」にとっては,やや食い足りない感じも否めないが,そういう読者に向けては國松節全開の10章「とにかく全然わからないとき」,付章「こっそり読みたい『不明熱マニュアル外伝』」が準備されている.ただし,付章については「コアな國松ファン」は立ち入り禁止の札が立っているので,そういう意味でも「こっそり読みたい」.

基礎から学ぶ 楽しい疫学 第4版

著者: 市原真

ページ範囲:P.55 - P.55

緻密に計算されたコンテキストブックの真髄

 手に取ったとき,とてもシンプルに見えた.タイトルも,表紙のデザインも,宣伝目的の帯でさえも.しかしパラパラパラと3めくりしたあたりで,おやっと思った.著者名や発行年月日などが載った「奥付」が冒頭に配置されていたからだ.

 若すぎる顔写真に謎が深まる.来歴にもナニヤラ遊び心がにじむ.表紙から想像していた堅物な印象からの違和感に思考が衝突して,立ちすくむような気分になる.発行日欄の一行目は「第1版第1刷 2002年3月」,最終行が「第4版第1刷 2020年8月」.着実に版を重ねてきた名著である.それなのにこのノリはなんだ?

皮膚病理診断リファレンス

著者: 鶴田大輔

ページ範囲:P.74 - P.74

皮膚病理診断のための究極のリファレンスブック

 日本皮膚病理組織学会理事長である安齋眞一氏の著書最新刊が発売された.ずっしりと重く,持つだけで賢くなれそうな1冊である.

 安齋氏の著書は常にエキサイティングである.皮膚病理診断学は極めて膨大な学問分野であるので,その書籍は辞書的な1冊とならざるを得ない.しかし,安齋氏はこれまでストーリー性に富んだ斬新な書籍を手がけてきた.例えば,制作責任者を務められた『実践! 皮膚病理道場』シリーズ(医学書院)は,書籍では初めてのバーチャルスライドを用いた皮膚病理診断学を試み,大成功を収めている.また,皮膚軟部腫瘍や皮膚付属器腫瘍というプロフェッショナルでなければ診断できない領域のアトラスも見事に作った.

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目次

ページ範囲:P.2 - P.3

『臨床検査』1月号のお知らせ

ページ範囲:P.1 - P.1

あとがき・次号予告

著者: 谷口智也

ページ範囲:P.80 - P.80

 新年あけましておめでとうございます.今年も『検査と技術』をご愛読の程,よろしくお願いします.1月号のあとがきを11月に書いています.さて,春から学校は休校措置を余儀なくされ,数カ月の遅れを取り戻す案として“9月入学”が浮上しました.以前にも度々議論された経緯がありますが, 古くは入学時期はまちまちで,明治の頃に9月入学が始まったそうです.日本の4月入学は1921年(大正10年)から始まり,2021年で101年目となります.それぞれメリット・デメリットはありますが,現在では世界各国の留学時期や就職活動も多様化しています.この議論で大切なことは,“何のために,誰のために”であり,今後も検討していく必要があると思います.

 一方,コロナ禍やポストコロナにおける学校教育はどうなるのでしょうか.少なくとも全学生に対してのオンラインや動画授業のための環境の整備,通信機器やノートパソコンの配布は必須となると思います.しかし学校教育の目的は,単に知識レベルの向上や偏差値教育ではないと思います.学校に通い,直接対面で先生の授業を受けること,友だちとの会話,修学旅行や文化祭など,2次元の画面では伝わらないことが多々あります.今後の学校の運営や教育のあり方が,日本の将来を考えるうえで最も重要な課題といえます.2021年4月新学期からの授業・実習はどうなっているのでしょうか.

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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