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雑誌目次

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検査と技術50巻9号

2022年09月発行

雑誌目次

増大号 希少例と特殊像がわかる! エコーの撮り方完全マスター

カラー解剖図

ページ範囲:P.870 - P.878

はじめに

著者: 種村正

ページ範囲:P.879 - P.879

 『希少例と特殊像がわかる!—エコーの撮り方 完全マスター』が完成しました.本増大号は,好評を博した2013年増刊号『解剖と正常像がわかる!—エコーの撮り方 完全マスター』,および2015年に発刊した書籍『疾患と異常像がわかる!—エコーの撮り方 完全マスター』の続編で,応用編という位置づけです.この「応用編」では,普段,なかなか経験できない希少例を通して,エキスパートの見方,撮り方,考え方のノウハウを伝授し,さらにレベルアップしていただくことを目的としています.

 本増大号は,各領域の希少例や特殊なエコー像を一度に見ることができ,各疾患の撮り方がわかり,レポートが一人で書けるようになる“症例集&レポート集”のような構成になっています.具体的には症例ごと(あるいはテーマごと)に,①疾患(病態)の解説,②解剖図・エコー写真・シェーマの3点セット,③この画像からわかるエコー所見,④この画像以外のエコー所見,⑤本症例のまとめ,⑥ワンポイントアドバイスを基本構成とし,筆者の伝えたいこと,想いを,⑤,⑥に詰め込んでもらっています.

Ⅰ章 肝胆膵脾

著者: 丸山憲一 ,   工藤岳秀

ページ範囲:P.885 - P.913

肝硬度測定

 エラストグラフィは,剪断波の伝播速度を測定するSWE(shear wave elastography,図1)と,加圧による歪み(strain)をみるSE(strain elastography,図2)に分類される.

Ⅱ章 泌尿器(腎)・前立腺・婦人科

著者: 三塚幸夫 ,   丸山憲一

ページ範囲:P.915 - P.932

泌尿器(腎)・前立腺❶ 腎細胞癌

腎実質の細胞に由来する悪性腫瘍で,その70〜80%は淡明細胞癌が占める.血尿,腹部腫瘤,疼痛が古典的3主徴とされているが,各種画像検査の普及により無症状で発見されることも多い.特に透析患者では健常人と比較して発生率が高く,エコー検査の役割は大きい.

Ⅲ章 消化管

著者: 長谷川雄一 ,   万代恭史

ページ範囲:P.933 - P.954

❶ 急性胃粘膜病変と鑑別疾患

急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesion:AGML)は,上腹部症状と胃粘膜の異常所見から提案された疾患概念で,内視鏡で胃内に多発する出血,びらん,浮腫,不整形の急性潰瘍を認める場合,AGMLと診断される.AGMLの要因として,高度なストレスに伴う潰瘍は胃体部に多く,薬剤起因性の場合は胃前庭部を中心に出血性の黒苔を伴う多発性不整形びらんや急性潰瘍を認める場合が多い.

Ⅳ章 心臓

著者: 種村正 ,   岡庭裕貴

ページ範囲:P.955 - P.999

❶ HFpEF

HFpEF(heart failure with preserved ejection fraction)は左室駆出率が保持されている心不全を指す.日米欧のガイドラインでは左室駆出率(LVEF)50%以上を診断の基準値として採用している.心不全の約半数を占め,左室拡張機能障害が原因とされている.高齢の女性に多く,原因疾患として最も多いものは高血圧性心疾患である.予後は左室駆出率が低下した心不全と同様で不良である1)

Ⅴ章 血管〈頸動脈・腎血管〉

著者: 小谷敦志 ,   出村豊

ページ範囲:P.1001 - P.1026

頸動脈❶ 総頸動脈解離

総頸動脈解離の原因には,外傷や特発性に発症する頸動脈原発性解離があるが,そのほとんどが急性発症する大動脈解離による波及である.中でも上行大動脈に解離腔を有するStanford A型解離により右総頸動脈に発症する場合が多く,malperfusion(分枝灌流障害)となり死亡に至るケースが多い1).ただし,波及の程度が大きい場合では両側総頸動脈解離となる場合がある.急性大動脈解離は激しい胸背部痛を伴うが,胸痛のみられない例が約10%存在する2).さらに,脳神経症状を呈する例は20%程度あり3),両方が合わさった場合では,最初に脳塞栓などの脳神経疾患が疑われることとなる.急性脳梗塞の内科的治療として組織型プラスミノゲンアクチベーター(tissue-type plasminogen activator:t-PA)静注療法があるが,急性大動脈解離ではt-PA静注療法は禁忌であるため診断には注意が必要である.

Ⅵ章 血管〈腹部血管・下肢動脈・下肢静脈〉

著者: 八鍬恒芳

ページ範囲:P.1027 - P.1071

腹部血管❶ 腹部大動脈瘤(治療後の評価)

腹部大動脈瘤の治療としてステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair:EVAR)がある.EVAR後は瘤径の拡大傾向や動脈瘤内への血液の流入であるエンドリークの有無を判定することが重要となる(図1).

Ⅶ章 体表臓器〈乳腺・甲状腺・唾液腺・リンパ節〉

著者: 中谷穏 ,   武山茂

ページ範囲:P.1073 - P.1096

乳腺❶ 糖尿病性乳腺症

糖尿病性乳腺症(diabetic mastopathy)は,1型・2型糖尿病患者に認められる特殊な乳腺症で,インスリン依存性糖尿病患者にみられる.病理学的には,乳腺の線維化,小葉周囲,乳管周囲に異型のないリンパ球浸潤がみられることが多い.

Ⅷ章 運動器・神経・軟部組織

著者: 石崎一穂

ページ範囲:P.1097 - P.1120

運動器❶ 関節リウマチ①肘関節症例

関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は多発性関節炎を主症状とする原因不明の全身性疾患で,疼痛や関節の変形,機能障害をきたす.

滑膜の異常増殖と,それに伴う骨・軟骨組織の破壊が特徴である.

多関節炎であるため,手関節以外にも肘関節,肩関節,膝関節,足関節,他,さまざまな関節に炎症所見が出現する可能性がある.

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目次

ページ範囲:P.880 - P.883

執筆者一覧

ページ範囲:P.869 - P.869

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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