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雑誌目次

雑誌文献

検査と技術7巻2号

1979年02月発行

雑誌目次

病気のはなし

副甲状腺機能亢進症

著者: 藤田拓男

ページ範囲:P.104 - P.108

 副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモンの分泌が病的に亢進する状態であって,副甲状腺そのものに原因がある場合,すなわち原発性副甲状腺機能亢進症と腎不全そのほか副甲状腺以外に原因があって起こるもの,すなわち続発性副甲状腺機能亢進症とに分けられ,これらは症状,検査所見,治療の点ですべて全く異なった疾患である.
 原発性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモンの生理作用を明らかにする端緒をつくった点で,カルシウム代謝研究の原点とも言われており,その病態を理解することは,極めて重要であるばかりでなく,また実際的にも,尿路結石や骨変化の強いものがあり,治療可能な疾患であって,かなり広く見られる状態であるために,その知識は応用範囲が広く日常の検査活動にとっても不可欠なものである.そこで主として検査所見の面からこの病気を見ていきたい.

技術講座 生化学

総蛋白の定量法

著者: 小林允子

ページ範囲:P.135 - P.140

 総蛋白は現在どんな方法で測られているか
 毎年行われる日本医師会のコントロールサーベイの折の調査や,日本衛生検査技師会の調査によると,検査室で総蛋白を測定する方法として用いられているのは屈折法か,ビウレット法か,この二つのうちのいずれかである(表1).
 ビウレット法を用いる施設は年を追うごとに増加してきているが,今なお全体の30%であり,あとの70%が屈折法を用いている.これは,アメリカでの調査結果とちょうど逆になっている.しかし,日本でも300床以上の大学,一般病院グループは,その50%がビウレット法を用いている.自動分析装置の普及によって,ビウレット法を用いる施設は,更に増加するであろう.

血液

超生体染色—ミトコンドリア,核小体,網赤血球

著者: 寺田秀夫

ページ範囲:P.141 - P.145

 超生体染色法(supravital staining)はSabin,Doau及びCunninghaw(1925)らにより,最初に検討されて以来,今日まで血球,特に白血球の幼若型やリンパ網内系細胞の鑑別に用いられてきた.しかしその所見については報告者により,多少の差異があるように思われる.
 そもそも超生体染色の本来の目的は,血球形態を生存している状態で観察することで,固定塗抹標本では明らかに認められないような種々の異なった形態像をも観察することである.しかし超生体染色法にもいろいろの欠点があり採血後速やかに観察する必要があり,普通のライト,ギムザまたはメイギムザ染色などのいわゆるRomanowsky染色で見られるアズール顆粒,寄生虫,中毒性顆粒などが見られず,採血後速やかに観察する必要があり,標本の保存が不可能である.

細菌

尿の培養検査

著者: 神永陽一郎

ページ範囲:P.146 - P.151

 尿は臨床各科より細菌検査室に提出される各種材料の中では一番多く,我々の所でも総検体数に占める尿の割合は例年30〜40%であるが,多い施設では50%に至る所もあると言われ,最も頻繁に扱われる検体である.したがって,尿路感染症は日常ありふれた感染症で,細菌感染症の中でも最も発生頻度の高い疾患の一つと考えられる.
 尿の細菌検査は,主として尿路すなわち上部尿路である腎,尿管及び下部尿路である膀胱,尿道などにおける感染症の診断,治療上不可欠のことであり,それには尿中からの菌分離とともに尿中細菌の定量培養がなされる.

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

蛋白質のビウレット反応

著者: 渡辺富久子

ページ範囲:P.109 - P.114

 ビウレット反応の起源は,今から約100年前にさかのぼる.
 尿素は180℃に加熱すると,ビウレットと呼ばれる次のような構造のものに分解する.

抗凝固剤の種類と作用

著者: 中川雅夫

ページ範囲:P.115 - P.120

 血液の凝固を防止する目的には種々の抗凝固剤が使用されるが,使用目的に応じて異なった抗凝固剤が選ばれる.採取された血液は放置すれば自然に凝固するが,これは生体の一種の防御機構によって存在すると考えられる血液凝固機転が異物表面との接触活性化により,主として内因系の凝固系が発動することによると説明される.抗凝固剤は主として血液検体中成分などの検索に際して使用されるが,血液の輸注,保存,あるいは抗凝固剤の生体内投与により血栓予防などの目的にも使用される.すなわち使用目的によって使用法,投与方法も異なってくる.in vitroにおいては抗凝固剤は血液検体成分の検査が主であるが,検体成分に影響を及ぼす抗凝固剤は検査の日的上不適当であり,ここに使用する抗凝固剤の選択が行われることになる.血液成分のうち血球成分の検索には赤血球,白血球,血小板といった流血中の成分ができうる限り生理的条件下で観察されることが好ましく,これら血球の形態と機能に変化を及ぼさず,また遊離された状態で試験管に移されることが望まれる.他方,血液中の凝固線溶系の因子の検索にもやはり凝固線溶系の各因子に変化を及ぼすことなく検体が採取されることが必要であるが,血液学的検索のみならず生化学的検査の分野においても抗凝固剤が応用され,血糖測定のためのNaFのごとく凝固を防止するのみならず,混在する血球の解糖作用を阻止することによって検体保存による血糖値の低下を防止するような抗凝固剤も存在する.

固定の理論 I—ホルマリン水溶液について

著者: 三友善夫 ,   石原明徳

ページ範囲:P.121 - P.127

 日常,病理検査に使用される組織や細胞の顕微鏡標本作製のための固定液の種類はそう多くはない.ホルマリン,アルコール,エーテル,オスミウム酸などと,その混合液に限られたものである.過去数年前まではZenker,Helly,Maximow液などと呼ばれる固定液も使われていたが,重クロム酸,昇汞を含むために公害源になるので現在ではほとんど使用されていない.またBouinやCarnoy液も現在用いられているが,これらも1897年に発表されたものである.固定液として最も古いのはReilのアルコールで1809年の記録があるが,アルコールはかなり古くから使われており,臓器をワインやウイスキー,ウオッカに入れて保存した記録もある.
 しかし現在の組織,細胞の微細構造の固定を目的とせずに,防腐剤として臓器,組織の保存に使われた.現在の固定液が用いられる緒口になったのは脳組織の顕微鏡標本作製法に関する多くの人たちの工夫と努力である.軟柔な脳組織は腐りやすく,取り扱いも難しかったので,腐らないように固定し,薄切し,染色して組織標本を作る必要があった.1840年にA. Hannoverがクローム酸を固定液として用いたが,重金属,各種酸などに続いて1893年にF. Blumが現在慣用しているホルマリンを使用しはじめた.アルコールが防腐を目的として最初に使われ,ホルマリンが組織標本作製のためにずっと後に固定液として使われはじめたことは,現在用いられているこの二つの代表的な固定液における相違点である.1958年にBakerが固定(fixation)と保存(reservation)とを区別し,固定は細胞と組織のin vivoの形態を可能なかぎり保つことにあると強張した.この理想的な固定を行うために固定の理論が検討されたが,1899年にFischer,1902年にMann,1931年にBaker,1938年にZeiger,1954年にGrayらが概観し,特にGrayは700種の固定液について論じた.しかし,その理論は主に経験的に打ち立てられたもので,固定液の選択性,pH固定温度,固定時間などの実際的な事項に関する記載がほとんどで,組織や細胞の固定の機序について生化学的,物理化学的,有機化学的,分子生物学的に検討されておらず,それらの著しい進歩を遂げている学問領域に比較すると遅れをとっており,病理組織標本作製の実習書や教科書を見ても固定機序の説明は乏しい.

夜間の睡眠と昼間の睡眠

著者: 星昭輝

ページ範囲:P.128 - P.134

 現代人の生活リズムは極めて多彩なものになっているが,昼間の覚醒・活動と夜間の休息・睡眠は,現代においてもなお一般的な常識と言ってよいであろう.しかしながら,夜間勤労者や時差による生活リズムの乱れを強制される航空機搭乗者などにとっては,昼間の休息・睡眠が極めて重要な問題であることは言うまでもない.また,だれしも経験する日中の"居眠り"や"うたた寝",南欧のシエスタ(日中の酷暑を避けるための昼寝の習慣)あるいは高緯度地方の白夜のもとでの睡眠なども興味深いものがある.しかし,これまでの睡眠研究のほとんどは夜間睡眠に関するものであり,昼間睡眠の研究7,10,15,18,19,26,27)は極めて少ない.そこで本稿では,初めに,夜間睡眠に関する知見について簡単に述べ,次いで,比較的最近になって行われるようになった昼間睡眠に関する研究成果のうち,主として,健康成人を対象としたものを紹介する.

知っておきたい検査機器

自動培地無菌充塡装置,シャーレ自動積上器

著者: 設楽政次

ページ範囲:P.152 - P.154

 従来,平板培地は用手法により,滅菌終了後,シャーレに各々分注し,作製するのが常であったが,大量の同一種類の平板培地を作製するには多大な労力と時間を必要とし,また分注量が均等でなく,寒天が固まるまで静置しなければならず広い場所を必要とした.今回ここに紹介する培養基自動無菌充塡装置(テクノマット;スイス・テクノマラ社),シャーレ自動積上器(スタコマット;スイス・テクノマラ社)を使用することにより,狭い場所で,しかも,短時間に一定量の培地が無菌的に充塡された平板培地を作製することが可能である.しかもでき上がった平板培地は一定枚数,積み上げられるようになっており,狭い場所での平板培地の作製が可能であり,時間と労力の節約,無菌操作の点から培地作製の合理化ができる.

マスターしよう基本操作

病室での心電図のとり方

著者: 根岸勇

ページ範囲:P.155 - P.162

 心疾患の多くは緊急性を持ち,検査も急を要することが多いが,今回,これら検査のうち,病室における心電図の記録法を簡単に説明する.病室での心電図記録も,検査室での記録も特別な変化はなく誘導法も通常同じであるが"病室"での検査という特殊性を考慮しなくてはならない.すなわち,①多くの患者は重症者である,②病室は検査室のように条件は良くない,③感染防止に注意が必要,④他の医療器機を同時使用していることが多い,などである.ここでは,一般的な記録法とともに,これら特殊性について説明する.

私の学校

労働福祉事業団関西医療検査大学校—MEに重点をおくカリキュラム

著者: 池田勝義

ページ範囲:P.165 - P.165

 兵庫県尼崎市の西端武庫川のほとりに,関西労災病院と敷地を同じくして,我が大学校"医検大"があります.全国の労災病院の経営主体である労働福祉事業団と呼ばれる法人が,本学の経営主体であり,設立当初は労災病院のための検査技師養成がその主旨であったそうですが,現在ではその目的もあらかた達せられたので,就職に関しても何ら拘束はないようです.さて,本学は専任教官7名,学生総数70余名という比較的小規模の学校ではあるのですが,鉄筋3階建ての校舎には,講堂,3教室,4実習室のほかに,分析室,低温室,電顕室,暗室,飼育室などの付属教室があり,施設のうえではかなり充実したものです.
 ところで,本学の特色と言えば,一般の臨床検査の科目以外に,特にMEに力を入れていることでしょう.この科目だけは一年から三年に至るまで一貫して講義,実習があり,これと並行して電子計算機学の講義と実習も行われます.二番目の特色は環境衛生学なる科目を履習しなければならないことです.この科目では職業病に関する講義があり,人体中のHg,Pbなどの定量,ガスクロに関する基礎的実習が行われます.

最近の検査技術

リムラステスト

著者: 水野章 ,   由良二郎 ,   柴田清人

ページ範囲:P.167 - P.171

 近年グラム陰性杆菌感染症が各科領域において増加し,特に小児,老人,免疫抑制剤投与中あるいは放射線治療中の患者のグラム陰性杆菌重症感染症は病態も重篤で予後も極めて悪いことは周知の事実となっている.これは感染症治療に貢献していたはずの強力な抗生物質の開発普及に伴う薬剤非感受性グラム陰性杆菌による菌交代症,手術手技の進歩に伴う過大な手術侵襲あるいは制癌剤投与などに対する相対的生体抵抗力の低下が考えられるが,更にグラム陰性杆菌の細胞壁構成成分であるエンドトキシンの関与が多大な影響を及ぼしていることが明らかとなってきた.
 エンドトキシン血症(以下エンドトキセミアと称す)は1950年ごろより注目されてきたが,流血中のエンドトキシンを証明する適切な方法がなかったため,それは菌血症と一括して敗血症として扱われてきた.かつては鶏胚試験,エピネフリン皮膚試験1)が用いられたが,いずれも反応の特異性,検出精度に問題を残し,簡便でないことが臨床検査として不向きであった.1970年Levinらによって発見,研究されたリムラス(Limulus)法は非常に鋭敏で簡便なバイオアッセイ法として認められ,以後,クロット蛋白定量法,ラジオイムノアッセイ法なども開発されたが,これらのうち最も信頼できる検査法として今日の臨床的応用に役立っている.

読んでみませんか英文雑誌

臨床検査室におけるγ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GTP)(測定)のカイネティック用手法の適用(続)

著者: 野本昭三 ,   ,  

ページ範囲:P.172 - P.175

 血清γ-GTPは,骨の病気では,骨に(癌の)転移がない場合には上昇しないし,正常な青春期や妊娠でアルカリホスファターゼなどの酵素が上昇しているようなときも上昇しない.であるから,γ-GTPは骨の病気があって,GOT,LDH,アルカリホスファターゼの活性が上昇している症例から,肝胆管系及び膵の疾患を区別するのに役立つであろう.γ-GTPは肝胆管系疾患及びアルコール性肝疾患ではビリルビン,GOT,GPTに先立って上昇するので診断的有用性が高い.

おかしな検査データ

細菌検査に及ぼす影響

著者: 猿渡勝彦

ページ範囲:P.176 - P.177

 臨床細菌検査は大きく分けると形態学的検査,分離培養,同定検査,薬剤感受性検査からなるが,これらの検査を通して,無菌操作は最も重要な操作である,いかに熟練した技術者や知識豊富な技術者が行った検査でも,その基礎となる無菌操作が無雑作に行われたならば,その検査結果は信用性に乏しいのは明らかである.しかし経験を積むことによって高度の技術に目が移り,初歩的な無菌操作が安易に行われがちになることも多々あることは否定できない.
 人の生活環境には無数の細菌が共存しており,その中で行われる細菌検査では,無菌操作は最も重要な操作であり,無菌操作あっての細菌検査であると言っても過言ではない.

広がる技師の職場

武田薬品工業株式会社中央研究所薬剤安全性研究所

著者: 織田茂

ページ範囲:P.178 - P.179

 京都—大阪の中間にある高槻市の西方,緑と水に囲まれた山麓に,武田薬品・中研・薬剤安全性研究所がある.ここでは,①実験動物の繁殖・生産ならびに研究,②薬剤安全性に関する試験・研究を行っている.言うまでもなく医薬品は人間の生命,健康に密接にかかわりを持つ製品であるから,その安全性に関する研究は極めて重要である.すなわち,薬として望ましい作用(薬効,効能)と望ましくない作用(副作用,毒性)とを明白にしなければならない.そのために,いろいろな実験動物に薬を与えて多くの実験を行い,詳しいデータをとり,その作用について慎重に検討する.正確な実験結果を得るためには,使用する実験動物の血統,飼育環境などの質的条件が重要な事柄であり,当研究所が都心から離れた場所に建っているのもその理由の一つである.
 当所で飼育されている実験動物は,Specific Pathogen Free(SPF),つまり特定の病原体を持たないマウス,ラットのほかに通常のウサギ,モルモット,ハムスター,イヌ,サルなどで,一部の病態動物も含まれており,それぞれ厳しい規制の下で管理されている.SPF動物の条件としては,(1)実験の障害になる病原体グループにフリーであること.(2)定期的に一定方法でSPFであることをチェックすること.(3)帝王切開で取り出された個体の子孫であること.(4)規制された環境で維持されていること.などがあげられている.

コーヒーブレイク

不安だった病室出向

著者:

ページ範囲:P.108 - P.108

 今月号の"マスターしよう基本操作"では病室での心電図のとり方が解説されているが,読んでいて実習時代のことが懐しく思い出された.当時,私たち実習生は病室に1人で心電図をとりに行くのはとても不安で,できればescapeしたいと考えていた.このことを知った技師"虎穴に入らずんば虎児を得ず,勇気を出して行ってきない"と言う.この言葉で多くの実習生は小型の心電計を携えて病室に行ったが,中には,"虎児を得なくともいいから行かない"と答えた者がいた.心電図室の技師は男性1名で,忙しい中にも実習生の面倒をよくみてくれた.技師は多分けしからぬ実習生だと思ったことであろう.しかし再度実習生に言った."かわいい子には旅をさせろだ.病室で何か困ったことがあったら,こちらに電話して呼んでもいいから行きなさい".もし私が技師の立場であったら,このような実習生の態度を厳しく戒めたと思う.しかし,技師に戒められてしぶしぶ病室に出向く実習生の姿と,いざというときには助けてもらえるという安心感を持って出向く姿とでは病室での検査業務のうえにも差が出てくるように思える.
 病室に行くのがなぜいやだったか.その理由はいろいろある.まず交流を除去するのが困難な場合があること,患者が自身の苦痛のため体をこわばらせたり,動いたりしがちであること,患者の体位が思うように直せない等々.

善きサマリア人

著者:

ページ範囲:P.114 - P.114

 困ったときに親切な人にめぐり会い,助かったという経験はだれでも持っていると思う.善きサマリア人の話は新約聖書のルカによる福音書の中で,イエスが立法学者の"私の隣り人とはだれのことですか"との質問に対して,たとえをもって語られたものである.
 一人の旅人がエルサレムからエリコに通ずる淋しい道路を行く途中,強盗に襲われた.強盗はその人の着物や持物を奪い取ったうえ,半殺しにして逃げ去った.そこへ一人の祭司が通りかかったが,この人を見ると,反対側を通って行ってしまった.次にレビ人が通り,この傷ついた人を見つけたが,やはり避けて反対側を通って行ってしまった.次にサマリア人が通りかかり,この人は傷ついた旅人を見て気の毒に思い,オリーブ油とブドウ酒を用いて傷の手当をしてやり,自分の家畜に乗せ宿屋に連れて行って介抱した.そして翌日,宿屋の主人にお金を渡し,費用が足りなかったら,帰りがけに自分が払うのでと言って宿屋をたった.

追悼

三友善夫先生を悼む

著者: 金子仁 ,   山中學

ページ範囲:P.181 - P.181

 本誌編集委員の三友善夫先生が1978年12月6日永眠されました.謹んでご冥福をお祈り致します.

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略語シリーズ

著者:

ページ範囲:P.134 - P.134

SS Schwangerschaft;ドイツ語,妊娠.
SSS sick sinus syndrome;シックサイナス症候群.ジギタリス投与下の慢性心房細動患者の電気的除細動後に出現する不安定な複雑錯綜した上室性調律に対して,1967年Lownが提唱したものであるが,その後,定義は拡大されて種々の心電図所見を含む症候群とし3群に分類されている.I群は特別の原因のない持続性洞性徐脈,II群は洞停止または洞房ブロック,III群はI群またはII群と同様の徐脈で発作性心房頻拍,心房粗動,心房細動などの上室性頻拍発作を伴うものを言う.症状としては失神発作すなわちアダムスストークス発作を起こしやすい.

医学用語集

著者: 山中學

ページ範囲:P.163 - P.164

901)パラチフス;paratyphoid fever
サルモネラ属のパラチフス菌による.小腸及び大腸粘膜の発赤腫張が主な病変である.3〜10日で戦慄を伴って発熱,弛緩しながら2〜3週間で解熱する.腸チフス軽症型と区別しにくい.菌の検出,血清学的反応は腸チフスに準ずる.→731)腸チフス

基本情報

検査と技術

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1375

印刷版ISSN 0301-2611

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