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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科51巻9号

1997年09月発行

雑誌目次

今月の表紙

脈絡膜骨腫

著者: 宇山昌延

ページ範囲:P.1522 - P.1522

<コメント>
 後極部眼底の網膜深層に黄白色,扁平な腫瘤形成をみる。きわめて扁平なので,しばしば脈絡膜萎縮と間違われる。脈絡膜に発生した過誤腫で,骨形成である。
 通常乳頭縁から発生し,徐々に拡大して黄斑部に拡がることが多い。ときには乳頭から離れた部に発生することもある。診断は,超音波検査によって,眼底に骨と同じ硬さの反射を示し,CTによって骨と同じ硬さの陰影を示すので,確定する。

連載 今月の話題

脈絡膜新生血管の手術療法

著者: 島田宏之

ページ範囲:P.1525 - P.1530

 脈絡膜新生血管手術の意義,形態学的所見からみた視力予後,対象疾患と視力予後,視力予後に影響すると思われる術前要因と術前検査,手術手技,手術成績,術後視力に影響する術前要因,手術合併症,再発率について述べた。

眼の組織・病理アトラス・131

黄斑部の修正名称

著者: 猪俣孟 ,   岩崎雅行

ページ範囲:P.1532 - P.1533

 眼底黄斑部(後極部網膜)には,臨床的名称と解剖学的名称があり,紛らわしい。とくに,日本語では「中心窩」,欧文では“fovea”という同一の用語が臨床と解剖とでそれぞれ異なった部位を指して使用されてきた。
 従来,使用されてきた黄斑部の日本語および欧文の名称は次のようであった(表1)。視神経乳頭縁の耳側約3.4mmで,立位の状態で水平線よりやや下方の位置に直径約2.0mmの黄斑macula lutea,または略して単にmaculaがある。黄斑の中央は組織学的にはゆるやかな斜台clivusをもつ直径約1.5mmの浅い陥凹になっていて,これを解剖名で「中心窩」“fovea centralis”または単に“fovea”と呼ぶ。ここで,黄斑macula luteaは肉眼解剖による名称であり,中心窩fovea centralisは組織解剖による名称である。黄斑が黄色を帯びてみえるのは,神経節細胞や双極細胞内に含まれるカロチノイド,すなわちキサントフィルxanthophyllの存在によるものである。中心窩の中央にある底面は直径約0.3〜0.4mmの浅い陥凹で,感覚網膜の内穎粒層や神経節細胞層などの網膜内層を欠いている。これを解剖で中心小窩foveolaと呼び,臨床では検眼鏡でやや暗くみとめられる部で「中心窩」“fovea”と呼ぶ。中心小窩を中心にして直径5.0〜6.0mmの範囲は神経節細胞が2層またはそれ以上存在する部位,すなわち傍中心窩parafoveaおよび周中心窩perifoveaを含む範囲で,これを解剖では中心部area centralisまたは中心部網膜centralretinaと呼び,臨床では黄斑部macular areaまたは後極部網膜posterior retinaと呼ぶ。

眼科手術のテクニック・94

涙嚢鼻腔吻合術の術中トラブルと対処—(3)吻合弁と術創の縫合

著者: 栗原秀行

ページ範囲:P.1536 - P.1538

 涙嚢鼻腔吻合術(DCR)のみならず,手術の最後の段階に位置し,その総仕上げともいうべき意味合いをもつのが縫合である。手技的には極めて単純単調なものであるため,多くの手術書でもこの部分はあっさりとした記述に留まっているのが通例で,なかには単に「縫合して手術を終わる」の一語で片付けられている場合も少なくない。しかしDCRの場合には,例えば吻合弁の作成とその縫合は導涙路の形成にかかわる,さまざまな考え方の反映される部分であり,皮膚創の縫合閉鎖はもっぱら美容的観点から最小限の傷跡ないし創痕の消失を目指して努力を傾けるべき部分であって,いずれも閑却されてはならない課題であると思われる。
 以下に個々の場合について,筆者が日常心がけている事項を述べる。

臨床報告

結節性硬化症と眼底病変

著者: 福本恵子 ,   吉田希望 ,   渡辺綾子

ページ範囲:P.1548 - P.1552

 過去11年間の結節性硬化症15例の眼科所見を検索した。初診時の年齢は4か月から23歳,中央値9歳であった。網膜腫瘍が13例87%にあり,年齢1歳未満児8例中6例にあった。平均5年5か月の経過観察中,新規の腫瘍出現が5例,腫瘍の数の増加が2例,腫瘍の増大が1例にあった。本症例群では,網膜腫瘍の頻度が従来の報告よりも高頻度であった。

インターフェロンにより増悪した糖尿病網膜症の1例

著者: 銭丸達也 ,   広川博之 ,   武田守正 ,   吉田晃敏 ,   佐々木有海

ページ範囲:P.1555 - P.1558

 C型肝炎が発症したのちに糖尿病が発見された38歳男性が,当科を紹介された。視力は正常であり,前眼部,中間透光体,眼底に異常はなかった。インターフェロンαによる治療開始の2か月後,両眼底に軟性白斑と網膜出血が生じた。網膜症がさらに進行したので,汎網膜光凝固を行った。初診から9か月後,左眼に硝子体出血が発症し,硝子体手術で治癒した。本例は,糖尿病網膜症がインターフェロン投与で悪化したものと解釈された。

クローン病に合併した網膜血管炎の1例

著者: 矢守康文 ,   本山貴也 ,   三井敏子 ,   白木邦彦 ,   三木徳彦

ページ範囲:P.1559 - P.1562

 46歳女性が右眼の飛蚊症と霧視を主訴として受診した。9年前にクローン病の診断を受けていた。右眼眼底の周辺部に結節を伴う網膜血管炎があり,硝子体中に炎症細胞が遊出していた。螢光眼底造影で網膜血管炎に接する部位に血管閉塞があった。副腎皮質ステロイドの全身と局所投与により眼病変は鎮静化した。眼病変はクローン病と病因的に関係があると判断された。

加齢黄斑変性での低線量放射線照射に対する新生血管板の早期反応

著者: 本庄恵 ,   万代道子 ,   廣芝直子 ,   宮本秀樹 ,   高橋政代 ,   小椋祐一郎 ,   笹井啓資

ページ範囲:P.1563 - P.1569

 加齢黄斑変性に伴う脈絡膜新生血管32例32眼に対して放射線治療を行った。適応は1)治療前の半年間に悪化のみられた加齢性黄斑変性症で,2)脈絡膜新生血管が黄斑部にかかっており,3)視力が0.8未満のものとした。同じ条件を満たす無治療の脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性17例17眼を対照群とした。治療群は10Gy照射群が15例15眼,20Gy照射群が17例17眼であった。新生血管板は20Gy照射群では治療後6か月以内に13眼(76%)が,10Gy照射群では12か月以内に11眼(73%)が退縮傾向を示したのに対し,対照群では1年以内に自然退縮がみられたのは1眼(6%)であった。治療前と比較して視力の保持,改善がみられたものは,6か月の時点で治療群では10Gy照射群で10眼(66%),20Gy照射群で13眼(76%),対照群では8眼(47%)であった。放射線治療効果は10Gy,20Gyと線量依存性にみられ,対照群より有意に新生血管板,全病巣の大きさの縮小,視力の保持・改善において有効であると思われた。

格子状角膜変性症に合併したspheroidal keratopathy

著者: 山本憲明 ,   木村理 ,   平野耕治 ,   長坂徹郎 ,   小林身哉

ページ範囲:P.1571 - P.1574

 格子状角膜変性症I型の両眼に発症したspheroidal keratopathyの1例を報告した。症例は65歳の女性で,角膜中央部の実質はびまん性に混濁し,上皮下に油滴状の沈着物が散在していた。両眼に深層角膜移植術を行い角膜片を病理組織学的に検討した。上皮下から実質表層にVerhoeffvan Gieson染色で黒く染まり,Congo red染色で染まらない大小不同の球状の沈着物が多数みられた。ボーマン層および実質の表層から中層にはCongo red染色でオレンジに染まるアミロイドがみられた。角膜移植後2年以上経過したが両眼とも再発をみていない。格子状角膜変性症に合併したspheroidal keratopathyは,筆者らの調べ得た限りこれまで本邦では報告されていない。

眼科で診断された頭蓋内腫瘍性疾患14例

著者: 安野雅恵 ,   安間哲史 ,   安間正子 ,   宮川典子 ,   平井陽子

ページ範囲:P.1575 - P.1579

 最近の約7年間に当眼科診療所で診断された頭蓋内腫瘍性疾患14例について検討した。頻度は調査期間中の初診患者数約43,000人の0.03%であった。疾患は下垂体腺腫7例,頭蓋咽頭腫1例,内頸動脈瘤1例,視交叉部髄膜腫1例と視交叉近傍の疾患が10例と多く,脳幹部聴神経腫,上咽頭癌,前頭葉髄膜腫がおのおの1例,詳細不明の脳腫1例であった。
 主訴は視力障害が多く,検査はゴールドマン動的量的視野検査が重要であった。特に内部イソプターの沈下の形や再現性のある視野欠損には注意を払う必要がある。副腎皮質ステロイド薬の投与により原因疾患の発見が遅れることがあり,また関連する他科領域の症状や受診歴についての問診も十分に行われなければならない。

発症から30年を経過したSMON患者12名の眼所見

著者: 平由起 ,   松尾俊彦 ,   中川秀樹 ,   松尾信彦

ページ範囲:P.1581 - P.1584

 岡山県井原・湯原地区では1965年頃SMON患者が多発した。今回岡山大学眼科で岡山・井原SMON患者会の会員287人のうち検診を希望した来院可能な患者12人に対して,視力,ゴールドマン動的視野,眼圧,細隙灯顕微鏡,眼底,色覚,限界フリッカー検査を行った。SMONによる視野異常(中心暗点,求心性狭窄)は6例(50%)にみられたが,色覚障害は少なく,視神経障害程度も乳頭耳側の退色がみられるのみであった。SMONと視覚障害とに因果関係があると考えられたのは7例(58%)であったが,障害程度は軽い症例が多かった。SMONの全身症状と眼症状の重症度は比例する傾向にあるため,現在高齢者が多いSMON罹患者のうち,来院可能な患者は比較的全身症状が軽く,視覚障害の程度も軽かったと考えられる。

水晶体核切開刀を用いた超音波水晶体乳化吸引術

著者: 浅原典郎 ,   浅原智美

ページ範囲:P.1585 - P.1588

 超音波白内障手術を行った132眼の老人性白内障患者に対して,超音波操作による手術侵襲を最小限にする目的で,試作した葉状の水晶体核切開刀と入手しやすいマイクロフェザー刀による水晶体核の細切開と眼内灌流液による細分割を行った。葉状の切開刀により水晶体核中心部を直線状に深く切開し,露出した水晶体核の一方の断面に葉状の切開刀もしくはマイクロフェザー刀を刺入して水晶体核を層状に細切開した。同様にして他方の水晶体核も細切開した。眼内灌流液を細切開した核内に注入して細分割したのち,乳化吸引た。細分割された水晶体核は容易に乳化吸引され,超音波操作時間が短縮された。葉状の切開刀での水晶体核細切開は容易かつ効果的であり,安全に行えた。マイクロフェザー刀も操作しやすく有効であった。水晶体核細切開—分割法は,一手法,二手法のいずれの超音波手技にも応用でき,安全な超音波水晶体乳化吸引術が可能になった。

眼内レンズ挿入で改善した外傷性毛様体解離

著者: 大黒浩 ,   丸山幾代 ,   濱元亜希子 ,   中川喬

ページ範囲:P.1591 - P.1593

 眼内レンズ挿入後に低眼圧が上昇し,改善した外傷性毛様体解離例を報告する。患者は47歳男性で13年前に右眼の外傷性毛様体解離による低眼圧黄斑症のため2/3周にわたって毛様体縫合術を受けたが,眼圧上昇が得られないまま経過していた。数年前から白内障が進行し,視力が低下したために,IOL挿入術を行ったところ眼圧が上昇し,超音波生体顕微鏡でも明らかに術前に比べ毛様体の解離部の縮小をみた。

手術治療により寛解した悪性緑内障の1例

著者: 勝島晴美 ,   足立純一 ,   丸山幾代 ,   静川紀子

ページ範囲:P.1595 - P.1598

 44歳女性の左眼に,原発閉塞隅角緑内障に対する線維柱帯切除術の直後に悪性緑内障が発症した。眼軸長が21mmで,前房がアトロピン点眼で形成されたことから,毛様体—水晶体ブロックと推測された。毛様体筋弛緩剤点眼による以後の治療13年間に,6回の発作があった。再発は,毛様体と水晶体の間隔が狭く房水が硝子体内に移勤し,上昇した硝子体圧により前進した硝子体が毛様体—硝子体ブロックを起こしたことによると推定された。最終的に,水晶体超音波乳化吸引術・後嚢切開・前硝子体切開術の同時手術で治癒した。

ウノプロストン点眼液の難治性緑内障に対する追加投与成績

著者: 蕪城俊克 ,   大橋正明 ,   白土城照 ,   安達京 ,   浜田知久馬 ,   加賀谷文絵

ページ範囲:P.1599 - P.1602

 難治性緑内障63例75眼に対して,0.12%ウノプロストン点眼薬を追加投与した。症例は、2回以上手術を行った原発緑内障16眼,先天緑内障25眼,続発緑内障34眼であり,薬物治療で十分な眼圧下降が得られていなかった。追加投与前の眼圧値は18〜46mmHg,平均24.7±7mmHgであった。20%以上の房水流出圧が,ウノプロストン投与から1,3,6か月後に,それぞれ48%,33%い24%で得られると推定された。眼圧下降効果は,初期眼圧値,性,年齢手術歴,それまでの治療内容とは,いずれも無関係であった。

眼窩海綿状血管腫の画像診断

著者: 橋本雅人 ,   大塚賢二 ,   中村靖 ,   中川喬

ページ範囲:P.1613 - P.1617

 眼窩海綿状血管腫4例における画像所見の特徴について検討した。MRI所見において腫瘍の占拠部位は筋円錐内,筋円錐外が各々2例ずつであった。腫瘍の形は全例が境界明瞭な楕円形を示し,内部陰影は均一であり,T1強調画像で外眼筋と等信号,T2強調画像で脂肪より高信号を示した。DynamicMRIを施行した2例ではいずれも造影剤が流出血管との結合部と思われる点から徐々に拡散する濃染遅延像を示した。また超音波検査を施行した2例ではいずれも,Aモードによって“honeycomb”パターンを示し,septumで隔たれた多数の小血管腔からなる組織学的特徴を反映していることが示唆された。これらの画像所見は極めて特徴的であり,眼窩海綿状血管腫と他の眼窩腫瘍との鑑別上重要な所見と思われた。

網膜静脈閉塞症での血中リポプロテイン(a)値とニセリトロール投与の効果

著者: 小川憲治 ,   日下陽子 ,   川村博久 ,   松本直樹 ,   井本昌子 ,   北西久仁子 ,   長谷川利英 ,   張野正誉

ページ範囲:P.1619 - P.1622

 血清リポプロテイン(a)値を,網膜中心静脈閉塞症36例,網膜静脈分枝閉塞症42例,正常者43例で測定した。網膜静脈分枝閉塞症例では,リポプロテイン(a)値が正常者に比較して有意に上昇していた(p<0.001)。網膜中心静脈閉塞症例でも同様であった(p<0.02)。ニセリトロールを投与した網膜静脈閉塞症15例では,リポプロテイン(a)値が投与後に有意に低下していた(p<0.1)。血清リポプロテイン(a)値の上昇が,網膜中心静脈閉塞症と分枝閉塞症の危険因子であること,そしてニセリトロールがリポプロテイン(a)値を低下させることを示す所見である。

ステロイドパルス療法が奏効した脈絡膜剥離が顕著であった原田病の2症例

著者: 植松恵 ,   川島秀俊 ,   山上聡 ,   渋井洋文 ,   落合万理 ,   林みゑ子

ページ範囲:P.1625 - P.1629

 脈絡膜剥離が顕著であった原田病2例に対し,副腎皮質ステロイドパルス療法を行った。1例は遷延化した症例であり,他の1列は大量漸減療法に反応しなかった症例であった。両症例とも,パルス療法施行後数日で効果が現れ始め,脈絡膜剥離はすみやかに消退し,良好な経過をたどった。また,重篤な副作用は認めず,現在までのところ再発もない。パルス療法は全身状態に注意すれば,重症な原田病にも有用な治療法と思われた。

星芒状白斑の出現が観察できたLeber's idio-pathic stellate neuroretinitisの1例

著者: 藤倉一 ,   丹羽一司 ,   森田博之

ページ範囲:P.1631 - P.1635

 黄斑部星芒状白斑の出現から消退までを観察できたLeber's idiopathic stellate neuroretinitisの1例を報告した。症例は45歳女性。初診時の右眼矯正視力は0.04,視神経乳頭の発赤と腫脹,乳頭から黄斑部にかけての網膜浮腫および後極部の黄白色斑状混濁がみられ,入院安静にて経過観察中の11病日に黄斑部星芒状白斑が出現した。視神経乳頭の発赤と腫脹,黄斑浮腫が消失したのは発病から4か月後,星芒状白斑の消失が確認されたのは10か月後であった。本症に特徴的な所見である黄斑部星芒状白斑は,発症時点ではみられず黄斑浮腫と時間的にずれをもって出現し,消退することが確認された。

カラー臨床報告

成人発症の樹氷状血管炎の赤外螢光眼底造影所見

著者: 萩村徳一 ,   飯田知弘 ,   村岡兼光

ページ範囲:P.1539 - P.1545

 50歳の女性が右眼の視力低下と充血を主訴として受診した。右眼は視力0.01であり,眼底全域に網膜静脈の著明な白鞘化,動脈の軽度の白鞘化,網膜の浮腫混濁,しみだし様出血があった。片眼性の樹氷状血管炎と診断した。フルオレセイン螢光造影で,網膜静脈からの強い螢光漏出があり,血管床閉塞が鼻側下方にあった。インドシアニングリーン(ICG)螢光造影で,脈絡膜静脈に透過性亢進の所見があり,造影30分後に乳頭周囲に過螢光を生じた。この時点でも網膜静脈の壁染が持続した。デキサメタゾンの大量点滴静注を開始した。治療は著効し,視力は10週後に0.9に改善した。網膜動静脈の白鞘は消失し,フルオレセインとICG螢光造影所見も正常化した。本例では,ICG造影で脈絡膜に血管病変があることが確認され,網膜血管に強い壁染があった。本症例は,従来の報告のなかで,最高齢の樹氷状血管炎の1例である。

眼科の控室

近医

ページ範囲:P.1606 - P.1606

 新人のドクターに初診をとってもらうと,カルテの病歴欄に「○○を主訴に近医を受診し」などと書いてあります。「近医」は便利な言葉で,症例報告の論文でもよく使われますが,カルテの記載にはこれは困るのです。
 近医といっても,△△先生とか××眼科などと立派な名前がおありなので,それをカルテに書いて欲しいのです。最初につけられた診断にしても,「だれがそう言ったのか」でその信頼度が違ってくることもあります。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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