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文献詳細

雑誌文献

臨床検査1巻4号

1957年07月発行

文献概要

技術解説

血清学的検査にたずさわる人のために(2)

著者: 松橋直1

所属機関: 1東京大学血清学

ページ範囲:P.237 - P.239

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抗原というもの
 血清学的検査は,抗原抗体反応をうまく利用した検査法であることは,前回の説明で印象ずけられたこととおもいます。すると,この抗原とか抗体とは一体どんなものであろうかという疑問がわいてくることでしよう。また,実際にたずさわつている方は,いつもつかつている「抗原」とか「アンチゲン」という言葉や,「抗体価測定」といつたようなことがらから,抗原や抗体に対してハツキリした,あるいは漠然とした概念をもつておられることでしよう。しかしここでは,はじめて学ばれる方もありますので,例をあげながらできるだけわかりやすく,解説することにいたしましよう。
 さて,例を手近なところにみつけてみましよう。日常の血清学的検査をおこなうのに,ぜひとも必要なものに,ヒツジの赤血球を溶血させる溶血素(ヘモリジン)という抗血清がありますが,これは同時にヒツジ赤血球を凝集させる性質をもつております。そしてこの抗血清はヒツジの赤血球をウサギに注射して,人為的につくらせたものでありますから,これのつくり方について話をすすめながら,抗原や抗体の解説をしましよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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