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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻1号

1966年01月発行

文献概要

技術解説

ウサギ・マウス・モルモットの飼育法—その正しい育てかた・あつかいのコツ

著者: 小山良修1

所属機関: 1東京女子医大・薬理学

ページ範囲:P.31 - P.34

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はじめに
 ここでいう動物は観賞動物ではない。ただ生きているのを眺めるだけでよい動物ではない。実験動物というものは飼っているだけでは何にもならぬ。化学の試験管が形だけ整っているものを棚に飾ってあるだけでは何にもならぬと同様である。
 できるだけ,きれいで純粋でなければならぬというと,いわゆる純系動物ならよいかというと,そうとは限らぬ。目的によっては困ることがある。あとでものべるように純系であれば,その系統に特有な特徴があり,その特徴により,場合によっては目的とする現象が現われにくいことがあり,普遍性がないことになる。こんな場合はむしろ,最も多くの系統をまぜて雑種にしたものを使用する方がよいことになる。そのために,マウスでは,gpc (General purpose colony mice)という一つの系統ができていて,広く検定,研究に使用されているのである。一方,一代雑種(F1hybrid—近交系動物の2系統を交配して,できた子)は遺伝子的均質性と環境因子にたいする抵抗性を利用した実験(ホルモン・ビタミンの測定や,強健な動物を必要とするような実験,繁殖力の弱い特殊系統動物を用いる実験,その他)に用いられている。また,免疫の研究には病原体感染がすでにあったか否かが重要な影響を及ぼすので,それを除外するためにSPF (特定病原体のない実験動物Specific pathogen-free animals)というものがつくられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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