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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻12号

1966年11月発行

文献概要

特集 グラフ特集臨床検査の基礎 組織迅速診断と細胞診

胃の細胞診

著者: 山田喬1 安藤豊輔2

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2同愛記念病院外科

ページ範囲:P.62 - P.69

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 本邦における癌患者のなかで,胃癌に苦しむ者は最も多い。したがって胃癌の正しい診断は臨床検査として最も大切な検査法の一つであろ。幸い,レ線,内視鏡カメラ等の進歩により疑わしい病変をかなり確実に発見できるようになったので,胃癌は早期に正しく診断される機会が多くなった。
 しかしこれらの診断法は肉眼的な診断法であり,決定的な判定を下すことはすべての例で必ずしも容易とは限らない。細胞診は顕微鏡的な診断法であり,個々の癌細胞の形態を認識することにより,確実に癌を診断し得る利点がある。癌の本質が癌細胞そのものにあり,宿主生体からの脱絆的な無限の増殖性と,浸潤発育性に癌の悪性の本質があるから,癌細胞診はその本質にふれた診断法ともいえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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