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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻12号

1966年11月発行

文献概要

特集 グラフ特集臨床検査の基礎 血清検査の基礎手技

血液型の判定

著者: 村上省三1

所属機関: 1東大輸血部

ページ範囲:P.134 - P.138

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 現在臨床医学で要求されている血液型はABO式血液型だけであるが,それだけでは不十分なことが多い。A型やB型因子についで抗原性の強いRh式血液型のうちのRh0(D)因子の判定くらいはぜひつけ加えたいものである。日本人にもRh0陰性のものが約0.5%ある事実や,不注意の輸血によってできた抗Rh抗体が女性ではその後の妊娠に悪影響を持ち得ること,またはその逆の場合のあり得ること,さらには近く保存血液に関してRh0因子の有無の表示が要求されそうな状勢にあることなどから,せめて抗Rh0判定用血清の使い方くらいは熟知していなければなるまい。
 ABO式血液型は抗Aおよび抗B判定用血清を使って被験血球の血液型を判定するいわゆる表検査と,AおよびB型血球を使用して被験血清中の抗A,抗B抗体の存否を検査して血液型を確認するうら検査との両方を行なうのが常道である。さらに慎重を期するためには表検査にO型血清の併用が,うら検査にはO型血球の併用が望まれる。また判定用血清はかならず国家検定合格品を使うことである。簡単だからといって自製していると,思わぬ失敗をすることがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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