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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻13号

1966年12月発行

文献概要

技術解説

原発性非定型肺炎(マイコプラズマ肺炎)の検査法—そのコロニーの形態と分離培養法

著者: 石田名香雄1 荒井澄夫1

所属機関: 1東北大学医学部細菌学

ページ範囲:P.1219 - P.1224

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はじめに
 マイコプラズマ(mycoplasma)は動物かヒトの健常もしくは炎症を有する口腔,気管支,尿道,生殖器などの粘膜より分離される微生物である。この微生物は細菌と同じく無細胞培地で増殖できるくせにその感染単位の大きさはインフルエンザウイルス位で,小さいものは8Gmμと報告されている1)。マイコプラズマの特色の一つは普通の細菌と異なり細胞壁をもたず,その代りコレステロールを多量に含む細胞膜よりなっていることである。したがって,この生物は植物細胞ではなくむしろ動物細胞に近いと考えてもよいわけで,さらに積極的ないい方をすれば原虫の仲間と考えている人もある2)。細菌染色に用いる染色剤では良く染まらない。
 さてヒトにつくマイコプラズマで現在まで広く知られているものとしては表1のごとく5種あるが,この他にもTstrain3),navel strain4)などが特に非淋菌性尿道炎(nongonococcal urethritis)の起炎菌として有名である。しかしこのうちヒトに病原性を確実に示すマイコプラズマは後ほど詳しく述べるMycoplasma pneumoniaeのみである。すなわちM. hominis(type I)はヒトに実験的に感染させて上気道炎を起すといわれるし5),M. orale type I(現称:M. pharyngis)は白血病患者の骨髄より直接寒天培地に分離されたこともある6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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