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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻13号

1966年12月発行

文献概要

研究

Chloride Meterによるクロール定量法の検討

著者: 池辺正1 佐々木禎一1

所属機関: 1札幌医科大学附属病院中央査検部生化学部門

ページ範囲:P.1281 - P.1286

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 "EEL"Chloride Meterによるクロール定量につき,基礎的諸条件を検討して次の成績を得た。
1)高濃度のブドー糖,尿素,ビリルビンの混在,溶血,および他イオン(Na,K,Ca++,HCO3)の共存は測定値に影響を与えなかった。
2)添加するゼラチン滴下数の多少の減少,および酸緩衝液の温度(5,15,および38℃)も影響を与えない。
2)本器は再現性も良好で(C.V.=0.4%),また数種の標準血清の実測成績からみて,きわめて正確なクロール測定器であることが知られた。
4)銀電極セットの若干のずれは測定値に影響を与えなかったが,銀電極の酸緩衝液に入る程度(酸緩衝液量を反映する液面の高さ)を一定にしなければ測定値は変動する。
5)酸緩衝液による盲験値を補正しておくと検量線は理論曲線と合致する。
6)電極は常に清浄にしておくべきである。
7)測定値は従来のSchales&Schales法による成績との間に高い相関性を示した(r=0.981)。
8)上記の成績から二,三の点に留意しさえすれば高度の熟練を必要とせず,容易に血清中,尿中,必要によっては胃液などの生体試料中のクロールを精密かつ正確に測定し得る極めて優れた自動迅速測定器であるといえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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