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研究
アルカリホスファターゼ管(栄研)による血清アルカリホスファターゼ活性測定法についての検討成績
著者: 佐々木禎一1 岡崎廸子1 坂本稜子1 藤原恭子1
所属機関: 1札幌医科大学附属病院中央検査部.生化学部門 2日本栄養化学K.K.
ページ範囲:P.170 - P.174
文献購入ページに移動1.操作段階が少なく,手技的に容易で,目的に応じて半定量と定量とに使用しうる便利な国産の試薬セットである。
2.反応後の呈色液は550mμにAlP活性を表わすPPの吸収を示す。試薬盲験では全く発色しないので毎回盲験の要はなく,水を対照として測定することができる。
3.温置時間(0〜60分)とAlP活性との間にSigmoidの関係がある。
4.発色は再現性も高く,また発色後1時間以降はきわめて安定な呈色を保つている。
5.高力価血清の稀釈は,水あるいは生食(夫々8,16倍稀釈まで)で行なつてさしつかえない。
6.アルカリ剤は開封後長期にわたつたものは劣化し活性値に影響を与えるので新鮮なものを使用すべきである。
7.呈色液の550mμにおけるPPの吸収ピークは,血清のAlP活性およびビリルビン濃度の大小にかかわらず常にビリルビン由来のピーク(450mμ周辺)とclear cutに分かれている。したがつてビリルビンの影響は受けず,また総ビリルビン,黄疸指数との同時測定も可能である。
8.一方BSP混在血清ではアルカリ性下で異常発色するので測定値に影響を与える。
9.PPを用いた検量線では0〜800μg/dlの範囲で直線性を示す。
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