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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻3号

1966年03月発行

文献概要

技術解説

螢光光度計を使う検査—その原理・操作法

著者: 柴田長夫1

所属機関: 1東大・吉利内科

ページ範囲:P.220 - P.225

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はじめに
 本検査法は一般に螢光(紫外線照射によって励起される可視光線)を発する物質および化学反応によって定量的に螢光性物質に変り得る物質の定量に広く応用される。螢光性物質はごく微量でも非常に強い螢光を発するので,呈色反応にくらべて,検体の量が少くても定量が可能である。さらに検体に数種の螢光物質が共存している場合でも螢光を出させる光源の波長,検液のpHを定めることによって測定しようとする螢光物質の螢光を特異的に励起させることができ,さらに生じた螢光を螢光選択フィルターで選択して,それぞれの検体をかなり特異的に測ることができる。この螢光の測定には螢光光度計が用いられる。たとえばビタミンB2はそれ自身黄緑色の螢光を有する黄色の物質であるが,光電比色計による比色ではその鋭敏度は螢光光度計による螢光測定の数十分の1に落ちてしまう。またB1もDiazo反応を応用した呈色反応(Prebludaの反応)では正常人血.中のB1含有量を測定することは不可能で尿でも数10ccを要するが,BrCN反応で螢光性のThiochromを発生させて螢光光度計で測定すれば,1ccの血液で定量可能となり臨床検査が可能である。本項ではまず螢光光度計の原理について,次にその一般使用法について,終りに代表的な化合物の螢光光度計による定量法について記す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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