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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻3号

1966年03月発行

文献概要

研究

通常の光度計による測定の微量化について

著者: 吉田浩2 福原佳江1 西尾裕治1 林長蔵1 川井一男1

所属機関: 1国立大阪病院研究検査科 2国立近畿中央病院研究検査科

ページ範囲:P.273 - P.274

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はじめに
 現在用いられている日立分光光度計に多少の改良を加え1),またBausch&Lomb Spectronic20のセミミクロ用附属装置を使用して,測定液を微量化することによって,血清鉄,銅および新生児を対象とする総ビリルビン直接測定法の微量化を検討した。また血清鉄および銅については,それぞれの発色試薬を混合し,同一試料中で同時に発色させ,最大吸収波長の違いを利用して測定する同時測定法2)3)を検討し,試料血清の微量化を試みた。
 トリピリジールトリアジン(TPTZ),バソクプロインによる血清鉄および銅の測定法は従来血清2.0mlを使用したが,本法では0.5mlとし,試薬溶液の添加量もそれぞれ1/4容に減らした。そのため測定液が微量となるので,通常の角型セル(10×10×50mm)では比色測定が不可能となる。われわれは日立EPU−2A型,分光光度計のセル室に固定スリットをつけ,セルはLight path10mm,左右肉厚,透明部分幅0.5mmのセミミクロセルをつくり,セルホルダー中で上げ底にして約0.5mlの測定液で測定できる装置を考案した(図1)。この装置ではセルホルダーの水平移動によるセル送りによっても光の透過に影響がなく,4検体宛の連続測定が可能である。これらの装置による血清鉄,銅の同時測定法は次のとおりである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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