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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻5号

1966年05月発行

文献概要

技術解説

網球算定法—特にBrecher法について

著者: 寺田秀夫1

所属機関: 1昭和大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.422 - P.425

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網球とは
 網球は幼若赤血球の一つの型で,成熟赤血球のすぐ前の段階にあり,骨髄内では約40時間,末梢血では24〜29時間で成熟赤血球になるといわれる。これらの関係を赤芽球の分化発育段階の模型(図1)で示すと,幹細胞から前赤芽球,好塩基性赤芽球,多染性赤芽球,正染性赤芽球と分化成熟し,ついで脱核して成熟赤血球となるが,幼若赤血球であればあるほどその細胞質内に多量のRibonucleic acid (RNA)を含み,細胞の成熟と共にその量はほぼ直線的に減少し,網球の末期に消失する。したがってギームザ染色やライト染色によって認められる細胞質の好塩基性の推移はこのRNAの量に平行する。
 網球を超生体染色標本で鏡検するとみられる網状顆粒質Substantia granulofimamentosa(Substantia reticulofilamentosa)とよばれる緑青色の網状顆粒状物質は,細胞質内に残存せるRNAを含むミクロゾーム(michrosome)である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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