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肺臓の肉眼検査
著者: 山中晃1
所属機関: 1聖路加国際病院病理
ページ範囲:P.606 - P.607
文献購入ページに移動 胸廓の中は左右に胸腔があり,中央部には心嚢および縦隔竇がある.胸腔,心嚢にはそれぞれ左右の肺および心を入れており,縦隔竇には食道,大動脈などと共に気管か走っている.気管は下1/3のところで,左右の主気管支に分れる.胸腔内の肺は主気管支,肺動静脈および肺靱帯などにより肺内で縦隔側に固定されるが,表面の大部分は遊離した状態にある.左胸腔は心を入れた心嚢がその一部に突出しているため多少狭くなっている.肺は通常左2葉,右3葉の肺葉に分かれて左肺が多少小さい.主気管支は肺内で上,下気管支幹,区域気管支等と樹枝状に分岐し,終末細気管支に到り,以下肺胞の附属する呼吸細気管支,肺胞道,肺嚢胞に終る,肺の血管は小循環系の肺動静脈と大循環系の気管支動静脈があり,相互の吻合がある.気管支動静脈は細く,肉眼的判別がやや困難である.肺葉は多数の1〜2cm立方大の小葉に分かれ,さらに小葉は通常30コ内外の細葉に分かれている.小葉は肺の構造単位,細葉は機能単位と考えられ,呼吸細気管支を含む気腔が細葉に相当する.尚胸腔は胸膜に被覆され,密閉の状態にあり,その内圧は陰圧となっているから,吸気時にはそれによりて肺は膨み,呼気時には肺自体の弾性により縮少して,呼吸が繰返される.
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