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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻7号

1966年07月発行

文献概要

技術解説

臓器・組織の供覧用保存法—プラスチックの袋を用いた教育用標本のための一試案〈グラフページ参照〉

著者: 森亘1 石渡君江1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部病理

ページ範囲:P.620 - P.621

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はじめに
 剖検によって得られた臓器,あるいは外科手術にさいして切除された組織などを保存する場合には,単純なフォルマリン液,アルコール,またはやや高級なものとしてkaiserling液などを用いて固定,その中に浸して置くのが通常である。このような操作は,機会をあらためての丹念な検索,あるいは繰り返して行なわれる精密な観察などに備えて研究用に行なわれるのみでなく,たとえば諸種疾患の典型例や貴重例の保存などを目的として教育用に使われることもあるのは当然のことといえよう。
 これら臓器の保存には,容器として以前よりガラス瓶などが多く用いられているが,最近プラスチック製の容器を用いることも広く行なわれるようになった。その目的によって長所短所は必らずしも一概に論じられないが,プラスチックは一般にガラスにくらべて軽く,壊れにくいなどの利点のあることは確かで,また,場合によっては経済的にもはるかに安い。したがって現在ますます広範囲な用途が開拓されつつあるもようで,また逆に種々の面からその功罪を検討することも一方では望まれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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