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文献詳細

雑誌文献

臨床検査10巻7号

1966年07月発行

文献概要

技術解説

乳酸の酵素的測定法—LDHにより触媒される反応を用いて

著者: 水上茂樹1 鈴木チヨ1

所属機関: 1東京大学医学部栄養学

ページ範囲:P.631 - P.634

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はじめに
 最近の酵素化学の進歩により生体内の微量物質の測定が可能となり,解糖中間代謝産物のほとんどが酵素的に測定できるようになり,臨床化学分析の分野においても酵素的測定が広く行なわれるようになってきた。
 血液中の乳酸は主として筋肉により生成され,その測定は臨床検査において重要な測定の一つである。乳酸は1コの不斉炭素を有するために,D. L. の光学異性体があるが,生体内乳酸はL. 型であり,ここで述べる酵素的測定ではL(+)乳酸のみ測定される。組織における乳酸の生成は乳酸脱水素酵素によるピルビン酸の還元反応によって生ずるが,乳酸の酵素的測定法はこの反応の逆反応を利用したものである。化学的測定法であるL-オキシジフェニールによる発色法は,D-,L-の両異性体をはじめ,種々のアルデヒドにより影響を受けるのにくらべ,酵素を用いる定量法は生体内にあるL-乳酸に特異的である上に簡便である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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