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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻11号

1967年11月発行

文献概要

入門講座 血清

螢光抗体法

著者: 松橋直1

所属機関: 1東大医学部血清学

ページ範囲:P.813 - P.813

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 抗体が抗原物質と反応して結合していることは,前回までの種々の血清学的反応で推定することができるが,もっとも具体的な方法は,抗体に螢光色素や放射性物質を標識したものを抗原と反応させ,抗原が螢光を発したり,放射性になったことを判定する方法である。螢光色素を標識した抗体で抗原あるいはそれに関係ある物質を探ぐる方法を螢光抗体法(Fluorescent antibody technique)とよび,放射性物質を標識した抗体をもちいる方法を放射免疫学的検査法(Radioimmunological technique)とよんでいる。今日臨床検査法に導入されているのは主として螢光抗体法であるので,今回は主にこれについてのべることとする。
 原理および術式:直接法,間接法,補体法などに分類されている。直接法は,ある物質に対する抗体をフルオレッセイン,ローダミンなどの色素で標識しておく。この抗体(螢光抗体)を抗原が存在すると思われる塗抹標本,組織標本にかけると,もし抗原が存在すれば螢光抗体が結合する。こうした標本に螢光色素が吸収して螢光を発する波長の光,たとえばフルオレッセインなら495mμの光をあてると520mμの波長の螢光が抗体が結合している抗原の部位から発せられるので,顕微鏡で観察することにより,抗原に抗体が結合したことを知ることができる(図参照)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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