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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻12号

1967年12月発行

文献概要

特集 簡易臨床検査法 尿

ウロスペック・屈折型尿比重計

著者: 折田義正1

所属機関: 1大阪大学医学部阿部内科

ページ範囲:P.865 - P.870

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意義
 水は生体を構成する要素のうちで最も多く,体重の60%に達するが,その代謝すなわち出納は生命維持に不可欠で臨床的にもきわめて重要である。生体の水の出納調節は主として腎により行なわれており,尿の濃縮,稀釈力は生体の水出納の状態を反映している。したがって各種の腎疾患のさい,病変が尿細管特にヘンレー係蹄,遠位尿細管,集合管におよぶと,尿濃縮力および稀釈力の障害をきたし,これが代謝調節の異常から生体機構の失調を招く。こうした異常のさいは尿濃縮力の低下が尿稀釈力低下より早期にあらわれるので,Fishberg濃縮試験下の尿比重あるいは屈折率をもって尿に含まれる総溶質の多寡を推定し,これから尿濃縮力を推定すると,被検者の水分代謝出納状態あるいは腎障害の程度が把握できるわけである。ここに解説するウロスペックは尿比重の測定,屈折型尿比重計は屈折率より尿比重を推定するものである。前者は多数の検体を処理する場合,後者は患者が術後,ショックその他急激に起った水代謝出納失調の場合,小児あるいは乏尿のため検体が少量しか得られない場合に,ベッドサイド,検査室に用いてきわめて便利なものである。なお腎の尿濃縮力,稀釈力の病態生理学的考察ならびにこのための検査法であるFishberg濃縮試験,稀釈試験の実施法,問題点については,すでに本誌その他に述べてあるので,それらを参照して頂きたい1)〜3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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