臨床検査11巻12号

1967年12月発行

特集 簡易臨床検査法 血液

トランスアミナーゼ簡易検査法とその検討

著者： 金井正光¹ 野本昭三¹ 石田美智子¹

所属機関： ¹信州大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲：P.922 - P.928

　Fast violet Bをオキサロ酢酸の発色に応用するBabsonら（1962）^1）の血清GOT測定法は操作が簡単で感度がよく，発色調が肉眼比色に好適なこと^2）から簡易検査法への応用が試みられ，Whetzel（1963）^3）は多数検体の処理に適する巧妙な血清GOTスクリーニングテストを考案し，筆者ら（1964）^4）5）はBabson法の市販キットを利用した簡易肉眼比色法を発表した。その後内外においてWhetzel法の追試^6），改良^7），応用，新法の考案^19）などが行なわれ，最近邦製の簡易法キットも発売されている。本稿ではまず筆者らの簡易法考案にあたって行なった検討について述べ，2,3の簡易検査法（表1）の概略，特長臨床的応用などについて記す。なお方法の詳細については原著，市販キットの使用説明書を参照されたい。