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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻12号

1967年12月発行

文献概要

特集 簡易臨床検査法 細菌

ビオテスト,BCテストなどによる細菌の生化学的検査法

著者: 水野孝重1 木村貞夫1

所属機関: 1栃木県衛生研究所

ページ範囲:P.952 - P.956

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まえがき
 細菌の鑑別は,形態,染色性,生理学的性状,生化学的性状,血清学的性状などによって行なわれている。このうち生化学的性状検査は生化学の進歩にともなって多岐にわたり,現在各種の鑑別培地が多くの先人たちによって考案され,乾燥培地として簡単に使用できるようになった。しかし,細菌を同定するためにそれらの培地を常に使用できるように準備しておくことは,特に少い人数で多くの検査を扱う臨床検査室ではきわめて困難なことである。誰でもいくどかせっかく作った培地を数本しか使わずにかびが生えたり,乾からびたりして捨てた経験があると思う。しかも,菌の同定は赤痢菌やサルモネラ菌では公衆衛生上,感染症では診断・治療上なるべく早く確実に行なわれることが必要である。
 これらの問題を解決するために細菌の生化学的性状検査の簡易法が多くの学者によって考えられた。そして,坂崎により基質を濃厚保存液として常備し,随時に,簡易に,迅速に行なえる検査法が考案された。それをデスク化したのがビオテスト(日本栄養)である。その後アンプル入り滅菌液体培地がBCテスト(日水製薬)として市販されている。また最近ではチトクローム・オキシダーゼ試験用ろ紙(日水製薬),インドール産生試験用ろ紙(日水製薬)が使用され,前者は腸内細菌とその類似菌の鑑別に常用されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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