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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻13号

1967年12月発行

文献概要

研究

コロヂオン粒子の新製法とそれを用いる結核血清反応

著者: 長尾四郎12 友田恒典12 高井晶子2

所属機関: 1大阪医科大学臨床病理学教室 2北野病院研究室

ページ範囲:P.1066 - P.1068

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はじめに
 微粒子に抗原を吸着させて細菌体のような粒子抗原とし凝集反応を行なうと,抗体が鋭敏に測定される。この方法はコレステリン,血球やラテックス粒子を用いて沈降反応の増感に応用されている。細菌体のごとき懸濁粒子は表面荷電が13mvt以下になると凝集をおこすように1),粒子による増感法ではある抗原で感作したさいその粒子の荷電がこの限界点よりやや高いことが望まれ,粒子の荷電を高める抗原にはもともと荷電が低い粒子でないといけないなどの関係がある。
 私共は図1に示した操作で,ニトロセルローズから懸濁安定度を異にする諸種の粒子が作られることを知った2)。安定度が高いほど表面荷電が高いわけである。結核菌には蛋白,燐脂質および多糖体という3種の抗原が存するので,粒子と性状の異なる抗原との適合関係を検するには都合がよい。懸濁安定度を異にするニトロセルローズ(コロヂオン)粒子を用いて結核症の諸抗体の測定を試みたところ,抗原とそれに適した粒子との問の関係がかなり明らかにされ,粒子反応の応用を拡げるのに有益な知見が得られたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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