座談会
真空採血器—使用方法と問題点
著者:
武藤俊雄1
寺村公2
菱田美智子3
樫田良精4
所属機関:
1米軍406部隊医学研究所
2虎の門病院血液検査科
3都立駒込病院検査科
4東大病院中央診療部
ページ範囲:P.124 - P.129
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樫田(司会)最近,検査に使う血液を患者さんから能率よく採血し,しかもその後につづく検査の操作にもなるべく便宜を与える意味で,真空採血器が日本でも売り出されるようになりました。ここに見本が一つありますが,これには前後に2つの刃がついたジスポーザルの採血針が付いていて,普通の注射器の外筒に似たものの中に真空の小試験管が挿入されるようになっています。優秀な真空採血器が出廻るようになれば日本でももっと普及する,いや普及しなければいけないのじゃないかと思います。東大の中央施設には,血液,化学の検査,あるいは血清学的検査に使う血液をとるために中央化された採血室ができております。そこでは1日に200〜300人の患者さんから検査のために血液をとっています。現在のところ採血業務を担当している看護婦さんは真空採血器にまだあまりなじまないためか,この採用には多少抵抗を示しております。それで現在ではジスポーザルの注射針をつけた注射器で採血しております。このジスポーザルの注射針は採血のさいに血清黄疸が万一にも発生するのを防止するために使っております。すでに駒込病院では,真空採血器をお使いになっているようですので菱田さんからその経験とか,ぐあいが悪い点とかについてお話し願いたいと思います。