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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻2号

1967年02月発行

文献概要

入門講座 血清

抗原

著者: 松橋直1

所属機関: 1東大血清学

ページ範囲:P.140 - P.140

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 麻疹や耳下腺炎にかかると,その患者には免疫が成立し,その血液中には抗体がつくり出されることを前回にのべたが,この麻疹や耳下腺炎の病原体のように,ある生体に免疫を成立させたり,抗体をつくりだされるきっかけをあたえるものを「抗原」とよぶ。こう考えてくると,身近に例はいくらでもあろう。たとえばインフルエンザビールス,チフス,コレラ菌などのような抗原体はすべて抗原とよんでよいことになる。
 腸チフスやコレラにかかったとき床に,患者血清とチフス菌,コレラ菌などを混ぜあわせてどの病原菌と反応がおこるかを調べ,診断の助けにしようとする血清診断法でわかるように,抗体をつくりだすきっかけをあたえた病原体は,試験管内においてその抗体と反応し何らかの形の目にみえる現象をひきおこすことができる。すると,抗原は免疫を成立させ,抗体をつくり出すきっかけをあたえるばかりでなく,試験管の中でその抗体とだけ撰択的に反応する性質があることがわかる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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